岳行ノート

池田山 924m/岐阜県池田町

2011年1月19日(水)


寒気に身をさらし、自然を受け入れて歩けば‥寒いのは寒い

(前夜、防水スプレーするのを忘れた!)



 池田山の山頂やハングライダー離陸場から見る濃尾平野の展望は一級品です。また夜景が素晴らしく屈指のスポットでテレビ番組でも取り上げられています。

 幅広の車道が整備され、私も夜景見物や山頂近くからのインチキ登山など幾度となく訪れました。そのせいか麓から登ろうという意欲は湧きませんでした。

 しかし積雪期は、車道が通行止めとなります。雪登山には登山口が駐車地間近で絶好の位置にあり、ルートは崖道や岩道もなく安心できます。


 「ジオンの山歩記」さんにお誘いいただき雪の池田山にチャレンジしました。


 教科書は、山と渓谷社刊「新・分県登山ガイド 岐阜県の山」です。
<駐車地>
[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動


霞間ヶ渓駐車地

登山口

道標

東屋

避難小屋
(ランチ)

ハングライダー離陸場

東屋

ベンチ

霞間ヶ渓駐車地

 ※赤線はGPS軌跡

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時35分発  0℃曇り
駐車地:午前8時05分着  くもり時々雪
往:3時間20分(避難小屋まで以下、小休止含)
復:1時間35分
◆所要時間:4時間55分



 岐大バイパスから池田町に入ると雪国の風景です。池田山の麓、霞間ヶ渓(カマガタニ)を目指します。

 そこは江戸時代からの名所で、国の名勝天然記念物。15,000本が4月上旬ころ咲きそろいます。 



 また霞間ヶ渓の山麓道路は東海自然歩道です。山腹を横切り展望が途切れません。以前山麓ドライブと花見に来ました。

 平安寺にあるミニサイズの二重塔が優美でした。鐘楼の横が駐車地。反対側に建つ水洗トイレに感謝して南へ進むと‥
(8:40)





 登山口に道標。道の階段はシャーベット状の雪に埋もれています。数名がスノーシューを履き、残りの人は壺足で出発進行。





 登山道は尾根をジグザグと進み、急登を避けています。トレースがありますが、どこまで続いているのでしょう。
 小さなツララが大きくなろうと頑張る。

 「白銀ハイクの用語」雪道を何も着けずに歩くのが壷足(ツボアシ)です。文字どうりめり込んだ跡が壷のようになります。

 雪かき電車が米国のラッセル社製で、転じて雪を踏んで道を作ることがラッセルです。(和製英語)

 トレースは踏み跡です。私は先人のトレースで楽して歩きました。トレース泥棒と呼ばれそうで謹んで歩きます。

登山口か45分かけて「焼石神社2.6KM100分」の道標着。
そこから「焼石神社1.4KM50分」の道標(→)迄は、60分かかりました。
コースタイムの2割増しです。

曇り空に時々小雪が舞い、いよいよモノトーンの世界になりました。
Tシャツの着替えを持っていないので汗をかかないペースで登ります。
ときどきボコ〜ンと雪床が抜け驚きました。



 数えると雪山は今日で10座目です。やっと第一目標の東屋。足具を装着しますが、私は簡易アイゼンしか持っていません。

 ジオンさんにワカンをお借りました。左右前後が良く分かりません。戸惑ったため25分間の休憩時間になりました。
(10:50)〜(11:15)

 装着するのは初体験です。左が前で三角の歯が両サイドにあり、雪を刺します。

 紐を三つのリングにクロスしながら通します。手袋してると不器用なので素手でやると残酷に冷たい。


 東屋下のトイレへ行くには膝上まである雪を踏んで行きます。帰りは上り坂になり体力がないと戻ってこられません。

 ヘタするとトイレ遭難事件発生です。さてこの先、足跡が無くなりました。新雪にトレースを付けるのは気分が良い。

 まず車道をノッシノッシと行き‥





 ヘアピンカーブを過ぎたら山道にヒョイヒョイと入ります。雪をクックッと踏み「とうかいの小径」の道標を見てから再び‥

 林道へ降りるとY字分岐です。左方へ進行すると‥
(11:30)

 すぐ右手の道標で山道を案内されます。10分ほどでまた林道へ出るや否や、もう一度山に入り‥

 道標を探したりと忙しく過ごすわけです。やがて上に小屋が見えてきました。その軒下を通り林道にまたまた合流します。
(11:50)

 そこで道標が「池田山山頂1.9KM 60分」と現実を突き付ける。登頂には時間が足りません。



雪が降ってきました。広い林道を5分ほど歩けば避難小屋です。

装備を解き、カーペット敷きの床に車座でランチにします。ガスコンロを点け、温かいウドンが腹に入れば雪うさぎが生き返る。
(12:00)〜(13:10)






 時間が足りないため登頂は止めました。隣のハングライダー離陸場まで一応行ってみます。





 垂れこめた雲は一向に動かず、寒さを濃尾平野に閉じ込めています。さあ、下山しましょう。

メンズ&レディス9名の雪うさぎが歩けば、新雪でも森にこんな道が出来ます。
雪山の必需品、スノーシューは3万円前後なので元が取れるか考え込んでしまう。
ワカンなら8000円くらいです。雪登山のため、ワカンを買わないとわかん。



 鈴鹿の御池岳は、積雪期に見る青のドリーネが有名です。この山はストックで雪を突くとミニ・ドリーネが出現します。

ドリーネ
- 石灰岩地域でみられるすり鉢状の凹地。

 時々、自分のワカンを踏みつけ自滅します。

 深い雪に身体を突っ込み、起き上がろうと雪とケンカしても勝てません。ヘタすると雪解けまで待つことになります。

 更に雪は降る。でも降りはトレースがあるので絶好調です。東屋へ戻ってきました。5分も休憩すると身体が冷えてきます。
(13:35)〜(13:55)

 途中でワカンを外すと足が軽い、足取りも軽い。集中力が緩みズボッ!と雪の落とし穴で自滅します。

 かっこ悪いので照れ笑いの法則でその場をやり過ごす。久し振りの雪山でしたがパーティなので面白く歩けました。

 駐車場に着くと寒冷前線に攻められた町は沈黙しています。
(14:50)

帰路、車を降りて池田山を振り返りました。
中央、黒い三角形に見える尾根の中心に登山道があり、頂点の右辺りが避難小屋
その右、稜線の白い箇所がハングライダー離陸場です。山頂はその奥で見えません。



 写真左から長さん、福ちゃん、和たん、ジオンさん、乱丸&のこさん、Jereysさん、mayuさんお世話になりました。


東海岳行
   “入浴方法不明” 

 若いころ、箸とさじの世界にナイフ&フォークが出現しました。ステーキのあさくまへ行ったとき『どうやってライスを食べるの?』悩んだものです。『フォークの背にライスを乗せていただきましょう』と物知りに教えてもらったのですが、食べ難くやるせない。

 当時、旅先で米国の若人と友達になったことがあります。食事の時、そのマナーを尋ねたら『そんな風に私達は食べましぇん。好きなように食べればいいよ』とフォークをスプーンのようにして食べました。今ではフォークの背でライスを乗せる「勘違いマナー」の人は見かけません。

 さて欧米式のもので現在、私の悩みはホテルのバスルームの入浴方法が分からないのです。その疑問点を列挙してみます。



(1)バスルームを利用するとき、どんな格好で入室すればよろしいのでしょうか?
   部屋で裸になって行くのはまずいと思いますが、肌着だけを着用すればOKでしょうか。

(2)入室したら着ていた物と持ってきた着替えはどこへ置くのでしょうか?

   二つを一緒にしたくはありません。ホテルのバスルームには、明確な置き場が見当たりません。

(3)バスタブにお湯を張ってから入ると入浴前の掛け湯をする場所が分かりません?

   やはり最初は身体を温めたいものです。掛け湯なしで入浴できるほど私の体は清くありません。



(4)最初お湯張りしないならいつするのでしょうか?
   まずシャワーで身を清め、その後で汚れたバスタブを洗いおもむろにお湯を張る方法が考えられます。しかし丁度いい湯量になるまでの時間がやるせない。欧米人はそこで出るかもしれませんが、私は兎に角、湯に浸かりたい。

(5)映画でバスタブを泡で一杯にして入浴しているシーンを見ます。あのようにして欧米人の誰もが洗っているとは考えられません。どのような時に洗うのでしょう?

(6)バスタブから出るときバスマットがあっても床がビチャビチャになります。身体を拭いてから出たいけどバスタオルが結構遠いな場所に掛けてあり、やるせない。



(7)正しい入浴方法があるはずですが、日本人でそれを知っているのは誰に教えてもらったのでしょう?

(8)バスルームから出るとき欧米人はどんな格好になって家族の前に行くのでしょう。誰もがバスローブになるとは思えません。


 謎は尽きません。私がホテルを利用し始めた頃、風呂と便器が一緒になっていることが理解できませんでした。今でも馴染みませんが、ホテルにとっては建築コストのかからない方法なのでしょう。しかし、海外ではどんな高級なホテルでもバス&トイレ何でしょうか。謎は尽きません。

11.01.23(日)23:00