2011年05月31日(火) 森に浮かぶ寂光院本堂 右奥は八木三山 左の水は木曽川 |
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今年の2月から4月にかけ、私の住む江南市近郊の低山をご一緒している野良人さんからメールを頂きました。「継鹿尾山の滅多切りは如何でしょうか?」 滅多切りの言葉にワクワクします。そうして二人の古武士が、犬山の山野へ戦に出かけることになりました。標高300mに満たない低山でどんな素敵に出合うのでしょう。 一つの山を滅多切りするため登ったり降りたりするのは、5年前一筆書き金華山で経験しました。しかし、その時と大きな違いは案内書に載っていない道が中心です。 東海地方は5月27日(金)に梅雨入りしていますが、貴重な晴れ間がのぞきました。 未踏山道猟師・野良人さんのガイドです。 |
<駐車地> [-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動 |
①②③ ↓ ▲継鹿尾山 ↓ 階段下分岐 ④⑤⑥⑦⑧ ↓ ▲継鹿尾山 ⑨ ↓ 御嶽神社 ↓ 岩場 ↓ 石仏霊場 ↓ 寂光院・石仏群 ↓ 沢へ ⑩⑪⑫ ↓ 池⑬ ↓ ゲート ↓ 駐車地 ※赤線はGPS軌跡 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前9時00分発 18℃ 駐車地:午前9時50分着 曇り時々晴れ |
往:1回目25分、2回目45分(以下、小休止含) 復:1時間30分 ◆所要時間:2時間40分 |
国道41号線の犬山塔野地交差点の東300mで側道に下り、左折して犬山浄水場へ北上します。更に尾張パークウェイ上の橋を渡り‥ |
路肩に置車しました。その舗装道が、左へカーブする所から頂上へ続く山道が始まります。 (9:55) |
最初の道は、25000分の1地形図では道路のようですが完全に山道です。100m弱で分岐になり、まず右を選びます。上地図① ※50分後、周回して来るとここへ戻り、左に行きました。 |
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勢いの増した緑軍団との戦いに勝ち、露岩の壁を登っていると「ウッホーウッホー」多数の雄たけびが聞こえます。 何も問題ありません。近くの日本モンキーセンターの類人猿が騒いでいるようです。上地図② |
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岩場は好展望、振り返ると南に開けています。 左端が尾張富士275m、その右が本宮山293m、更に右が吉野山(楽田山)222m。 その右で霞む名古屋の高層ビル(ミッドランドスクエア:247m)は、山と背比べできるほどの高さです。 |
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北東尾根の分岐に出て、右へ取ります。上地図③すると、道の真ん中に巨石が転がっていました。 『古代の巨石遺跡が崩れたようだ』野良人さんが想像を掻き立てます。確かに岩で囲んで蓋をしたようです。 |
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そして継鹿尾山(ツガオサン)頂上砦を難なく攻略。ここでも二等三角点が、石に囲まれています。さて砦からの展望は‥ (10:20) |
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西側に開け、木曽川の向こうに養老山地。写っていませんが伊吹山や鈴鹿山脈も見えました。 木曽川が運んだ土砂で作られた巨大な濃尾平野は、岩地の犬山から始まる様子が良く分かります。 手前、日本モンキーパークの観覧車左にある立方体は、故岡本太郎作「若い太陽の塔」が修復中。 大阪万博の前年1969年に建設され、5/15から工事を始め、今秋常設公開されます。 さあ、少し休憩をしたら砦を離れ、北東へ‥ |
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丸太階段で標高50mを降ります。この道は、東方向から愛岐丘陵の稜線を越えて来た東海自然歩道です。上地図④ 階段を降りた所で、右に[東海自然歩道]の道標。そこから右折し‥ |
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地図にない山腹道を行くと左の杭を見かけます。 広大な領地に名鉄の家紋です。ドンドン降り2コマ目の分岐。そこを右折し、北東尾根に出て右折します。滅多切り歩きです。 上地図⑤~⑧ |
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再び、頂上砦に戻ってきました。腹が減っては戦が出来ぬ。 食事にします。すると小さな登山者到着。 (11:05)~(12:00) おばさんと遠く善師野駅から大洞池経由です。兵糧入れがいい。『5歳だよ!』 |
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若侍と別れ、頂上から東海自然歩道で東へ降ります。御嶽神社・駒嶽神社の鳥居は90年前の建立です。上地図⑨ (12:10) |
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手すりが優しい岩場を降ります。下ですぐ右へ入る山道があり、進んで行くと‥ (12:15) |
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『これは、これは‥』石仏が前掛けをして、対でズラリと鎮座していました。 全て顔は異なり、台座に漢数字が彫ってあります。ここは四国三十三所石仏霊場でした。 道はジグザグと降り北西にも延びていますが、不老の滝辺りで危険個所になります。霊場を南へ歩くと‥ |
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寂光院(ジャッコウイン)の境内に出ました。1350年以上前に建立され、秋の紅葉は美しく超有名です。 (12:25) |
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本堂から南方へ歩くと岩場に四国八十八所石仏群がありました。ここから本堂方向へ戻り、荒れた林道を降っていきます。右カーブを過ぎ‥ |
左の小さな沢へ降りました。地形図を見ると対岸に尾根道が頂上迄続いてますが道は見当たりません。 (12:40) |
野良人さんは尾根道を探さず、ワイルドな沢沿いを遡ります。 踏み跡があるような無いようなバリルートです。上地図⑩ でも10分で沢を横切る登山道に出合います。指さす方向が遡った沢です。→ ここで沢から離れ右へ登って行きます。 5分足らずで尾根に出ました。そこからは地形図に載っているけど 登り口が見当たらなかった尾根筋の道を降って行きます。上地図⑪ |
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ルートは岩場で展望は中々なものです。ところが途中から道は消え、歩きやすい所を探しつつ急坂を降ります。 野良人さんの方向感覚は大したもの。15分ほどできっちり沢に入った箇所に着きました。30分で一周したわけです。 (13:15) |
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林道に上がり左の南方へ緩く降ります。道は右カーブし、他の林道とT字合流。上地図⑫ そこで神秘の池?を見て左折し‥ (13:20) |
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余り使われてない林道を歩いて行くと車止めのフェンス。この先に舗装道があり、左折すれば駐車地です。上地図⑬ 古武士二人の継鹿尾山滅多切りの陣は、怪我もなく無事終了しました。 (13:30) |
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しかし、野良人さんが駐車地の南500mにある犬山ひばりケ丘公園でもう一戦交えましょうと言われます。そこで小山を崩して作られた頂上の大砦を直ちに制覇しました。山を下るとき『滑って行きましょう』ということで2人は、金属ローラーの滑り台に尻を落とします。すると驚くほど、けたたましいスピード! 回転ローラーの小刻みな振動が全身を包み、されるがまましこたまバイブ・マッサージ。そして野良人さんと別れ、帰宅すると早速メールが届きました。『尾てい骨の両側に痛みを感じますぞ』そう、二人ともおケツの皮をベロリとむいてしまったのです。あ~入浴が怖い。戦いで受けた名誉の負傷では致し方ありません。 |
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東海岳行 |
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“どーも小田です。” | |
実は小田クンの声を聞いたのは「♪さよなら」が初めてでした。1979年の歳の瀬、32年前です。曲はタイトルからわかるように暗い感じです。いい曲だと思ったのですが、どちらかといえば私は明るい曲が好きなので、自分の中ではブレイクしませんでした。ただ歌声は、今まで聞いたことのないハイトーン。 会社の人でオフコースを好きな人がいてベストアルバムを貸してくれました。すると珠玉の「♪愛の唄」「♪秋の気配」等の名曲が詰まっています。夢中になって毎日聴きました。小田クンの澄んだ高音の伸びは魅力的です。歌詞も難しい言葉はなく素直な表現で印象的でした。 その後のオフコースの音楽活動は素晴らしく、彼は天才ではないかと思うほどでした。私の感心したほんの一例ですが 「♪Yes-No」は前半に「ある秘密」があります。16小節の長いイントロ演奏があり、それが終わって歌が「♪今何て言ったの?」で始まります。驚くことに彼はその瞬間に転調を仕掛けました。 ちょっと専門的で申し訳ないですが、例えば図のように変ホ長調を一瞬にしてへ長調に半音階上げることをいいます。まるで玄関から居間へ入ったように雰囲気が変わります。 この転調の仕掛けをよく使うのは、一般的に後半です。サビのメロディを後半で幾度も繰り返すとき、くどくなるので転調して同じサビを歌い続けます。そんな隠し玉を最初から使うとは‥『う~ん』 ところで小田クンは、どれだけ高い声を出すことが出来るでしょうか。 ビートルズのジョンレノンは、下の楽譜の「ソ」の音です。チャゲアスの飛鳥は「ラ」、小田クンは「シ」を出していました。ところが「♪Yes-Yes-Yes」の大ラスで「あなたを連れて行くよ~」とうとう「ド」‥ではなく何と更に半音高い「♯ド」で曲を感動的に締めていました。 現在彼は63歳、新曲を発表するし大きなコンサートも行います。一度、生で彼の歌声聴きたいと思ってたのですが、念願叶いひよこさんと豊田市に出かけました。会場のスカイホール豊田は、バスケットやバレーボールの試合が行われるところです。 入場するとのセンターライン端にステージがあり、私たちはアリーナ席ですが、右サイドの後ろ側でがっかり。ところがコンサートが始まると2曲目から小田クンはステージから延びる花道で会場を周回します。最高5mもの距離に近づき超嬉しい。女子が『小田ク~ン』と呼びかけると『ハイハイ、ジジイですよ』と笑わせる。 ステージ上に八面体のスクリーンがあるので映像で彼がどこにいても確認できます。面白いのは四方の壁のスクリーンに歌詞が映し出されること。40曲近い歌詞は覚えられませんからね。歌い手も観客も便利です。前半が終わった休憩中、コンサートの前に小田君が豊田市を訪れた様子がスクリーンに写されます。 市駅、鞍ヶ池公園、イオンでラーメンを食べ、足助・香嵐渓などを大雨の中巡っていました。アンコールも含め3時間37曲、我が国の天然記念物級の高い歌音に感動します。 ソロになってからの曲が多かったのですが、オフコース時代のフレッシュなメロディも演奏してくれました。「♪Yes-No」「♪I Love You」「♪Yes-Yes-Yes」なんて懐かしい。 一緒に歌いましたが「ソ」は何とか出てもそれ以上のハイトーンは無理です。作詞作曲し、素晴らしい歌声で聴かせ、ギターやキーボードを演奏する。そんな旺盛な音楽活動を今も出来るのは、日本でトップクラスの63歳に違いないでしょう。凄い人がいるもので何歳まで続くのか楽しみです。 |