岳行ノート

陣馬形山 1445m/長野県中川村

2011年7月14日(木)


三州街道(国道153号線)より陣馬形山(山頂は左端)

山頂には、戦国時代武田勢の狼煙台があった説もあります。
中川村から駒ヶ根市(左方向)を結ぶ国道153号線の伊南バイパス橋梁工事中です。山頂からも見えます。



 さて問題です。愛知県の本宮山、岐阜県の池田山、滋賀県の伊吹山、そして長野県の陣馬形山、この四山に共通するのは?正解は‥山頂へ車で行けます。

 でも歩いて登る登山者も多い山です。今回の陣馬形山(ジンバカタヤマ)は登山をしていない10年ほど前、車で山頂へ行ったことがあります。

 中央アルプス南アルプスの中間にあり、山頂は好展望で伊那谷河岸段丘地形が良く見えるそうです。私は河岸段丘自体がわかりません。


 麓の伊那盆地は標高500m、登山口は1000m。計算上、気温は麓より3℃低く、山頂では6度低いはずです。涼感登山を期待します。


 教科書は、山と渓谷社刊
「名古屋周辺の山200」です。参考書は、風媒社刊「素晴らしき絶景100」を見ました。
<駐車地>
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登山口P

赤マツ

丸尾のブナ

稜線舗装路出合

中電無線中継所

防災無線中継所

陣馬形山

東屋
(ランチ)

林道東屋

登山口P
(車)

地形図登山口

 ※赤線はGPS軌跡
※黄丸は林道出合

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前5時50分発  27℃曇り晴れ
駐車場:午前8時35分着  28℃晴れ
往:1時間45分(山頂まで以下、小休止含)
復:2時間00分
◆所要時間:3時間45分
 中央自動車道松川インターで下り、天竜川東の中川村役場を目指します。そこの「陣馬形山11km→」道標から以後、要所毎の道標に従います。4.5kmを20分、細い道を登るとT字路正面に風三郎神社の石碑。風災を逃れ豊作を願う風の神様です。左折して600mほどで右写真のY字分岐で左の「駒ヶ根市→」へ‥]


 200mほど走ると右に登山口があり、Uターンして路肩に‥ゴキン!左前輪が溝に落ちました。バックで脱出し車体下を覘く。

 ややこしいことになっていなくてひと安心。昨年9月、山頂にクマが目撃されたと注意書き。出合いたくないものです。
(8:50)




 植林を登ると5分で林道を横切ります。1コマ目のY字分岐で右へ上った林道です。これから先、随所でこの道と交差します。




 登山道は間違えようのない一本道。アカマツが多いのでマツタケの季節には、ややこしいことにならないよう入山注意です。




 右カーブすると突然、ひと際大きなアカマツが出現します。残念なことに枯れています。ここまで2ヶ所、林道と交差しました。
(9:15)




 岩の間を抜け、更に林道は2ヶ所交差します。やがて登山道はピークを避けた山腹道になり鞍部へ出ると‥
 

天然記念物「丸尾のブナ」。幹回り6.45m、樹高14.5m、推定樹齢600年です。
保護のため周囲はロープで囲われています。


途中から幹別れしていて、その中の1本は向こうが見えるほどの大きな穴。
南からもここへ登って来る道があります。下山の時探索してみましょう。
(9:50)




 そして稜線の舗装路へ登ると、往く先に中電の無線中継所が見えます。道を渡り写真右へ‥
(10:10)





 進むと東に陣馬形牧場跡(羊)。記念石碑があり、1973年開設され2004年閉鎖されたようです。背後は南アルプス



 キャンプ場に着くと‥あれれ??ここへ来たことがあると思っていましたが、全く見覚えありません。

 調べると伊北インター東南の箕輪町萱野(カヤノ)高原と勘違いしていました。山頂はもう少し歩き‥

(10:25)



 防災無線中継所を過ぎ二等三角点山頂。360度の大展望、9年前に設置された無料双眼鏡、そして山名同定盤が嬉しい
(10:35)

東には、南アルプスのパノラマ。仙丈ヶ岳3083m、北岳3192m、間ノ岳3189m、そして右端が塩見岳3047m。
標高3000mの長野・山梨の県境です。山頂付近ではチョウ赤とんぼが元気。

左:『保険証どこに置いたかな?』  中:『布団、干しましょう』  右:『配合終わったら、お風呂にする?食事にする』

西は中央アルプスのパノラマ。中央雲から少し頭が見えるのが越百(コスモ)2616m。
主峰木曽駒ヶ岳2956mはその右で厚い雲に覆われています。


 眼下には辰野町から飯田市までの伊那谷天竜川を一望。天竜川と直角の東西方向から
多くの支流が流れ込み越百山からは与田切川が中央左に緑でフチ取られています。
天竜川との合流地付近ではバイパス道路の橋梁工事中(TOP写真)です。アップしてみましょう。

中央アルプス側の段丘面では、河川の下刻作用が盛んで大規模な田切地形を形成しています。
この地形は、高さが50mを超える規模の場所もあり、伊那谷の南北方向の交通を不便なものにしてきました。
河川は与田切川中田切川大田切川等の名が付いています。

 
番上の直線道と橋は、中央自動車道です。国道やJR飯田線は、田切地形を回避するため
急勾配と急カーブで橋梁が連続する線形を余儀なくされ、円滑な交通の妨げでした。
このバイパス工事が完成すれば、153号線はこの中川村から駒ヶ根市
へ直線でつながります。




 山頂から少し北へ歩いてみました。二つ目のピークで東西に降りるY字分岐を確認してUターンします。
(10:55)



 山頂は日陰が無くキャンプ場まで戻り、東屋でランチしました。
(11:05)~(11:20)
下山途中、丸尾のブナに来たら往きに見た南の道で降りてみます。

1分で林道に出ました。車で来た人の丸尾のブナへの見学路です。

(11:50)

 林道で降ると東屋があり地形図登山口へ降りれないかと樹林の尾根に入ります。直ぐ諦め、往きの道で降りました。 

 知らない道でややこしくなってはいけません。知った道は余裕で、暑さにもバテずに歩けます。登山口が見えてきました。(12:50

 車で500mほど風三郎神社の方に戻ります。地道が奥へ延びている所が地形図登山口です。ここへ下山したかったけど単独なので無理しませんでした

 段丘がわかる所は無いかと帰りは、高台の道を走ります。そして中川村役場隣にある中川東小学校から西方向を撮影。

 3段に見えます。手前の低い田圃の横線が天竜川です。今まで幾度も快適に直線の中央自動車道を走りました。

 地形は気にかけませんでしたが、田切という地形を知ったことで少し伊那谷が身近になった気がします。


東海岳行
   “少年ロケット” 

 今年4月に小学校へ入学した鈴乃助の様子をママの娘に聞きました。いつも下校の時、同級生の男の子2人と一緒に帰ります。家に15分で着くことが出来るけど毎日、50分かけて帰ってくるそうです。農道にいるバッタコオロギカマキリを皆で夢中になって捕まえています。男の子らしいですね。

 もうすぐ夏休み‥その直前3連休に我街で「ペットボトルロケット作り」のイベントがありました。鈴乃助『作りる!』と言うので一緒に参加します。64組の家族が集まり(下左写真)経験15年の講師の下、用意された材料(下中)で約1時間かけて製作しました。打ち上げは木曽川河川敷の芝生広場です。



 まず推進力の素の水を入れ(上右)自転車の空気入れで圧縮空気を注入。ランチャーにセットしたらおっかなびっくりで発射ボタンを握ります。(下左) 『5・4・3・2・1・発射!』大空高く飛んで飛んで飛んで(下中)‥説明では80mくらい飛ぶそうです。2回目の飛行は45度にランチャーを傾け水平距離の競技です。



 80m先にラインが引かれ、それを越したロケットには賞品が出ます。賞品と聞くとがぜん鈴乃助は気合が入り、真剣に発射ボタンを握りました。(上右)問題は風が吹くことですが、その時運よく風が止まりました。希望と欲望を乗せたロケットは、ラッキーにもラインを越えたのです。

 喜びもひとしおで彼は走ってロケットの回収と賞品を取りに行きます。豪華賞品は手拭いとノートでした。(下中)最後に講師のパラシュートロケットの模擬飛行(下右)を見て終了。ロケットと賞品をお土産にした鈴乃助の暑い夏は、始まったばかりです。


11.07.18(月・祝)13:55