岳行ノート
ブンゲン(射能山) 1260m/滋賀県米原市

2011年11月2日(水)


北西尾根コースは色彩のグラデーション


 秋のページをめくれば、どこかに錦秋の特集があるはずですが、今年は中々お目にかかれません。その秋色探しにブンゲンを選びました。

 ローマ字変換で入力すれば、「ブンゲン」「分限」「文言」 由来は近くにブゲン谷があるからと言われるそうですがその谷がわかりません。

 山中にウランが含まれる事から射能山(シャノウザン)とも呼ばれます。伊吹山金糞岳に続き、滋賀県第3位の高峰です。でも教科書では4位?


 スキー場のイメージを持っていました。笹藪が厳しく、県境尾根は複雑で踏み跡も薄いとレポにあり、怖れて足が向かなかったのです。

 ガイドブックで自然環境の素晴らしい尾根道があることを知りました。今春から低山をご一緒している野良人さんと登ります。
<駐車場>
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 教科書は、山と渓谷社刊「新・分県ガイド 滋賀県の山」です。参考書に「夫婦で登る山の足跡」さんを拝見しました。  


奥伊吹スキー場
駐車場

ブンゲン

▲品又山
(日の出山)
展望台

駐車場


 ※赤線はGPS軌跡
※青線はスキーリフト
※青点線は廃リフト

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前7時00分発  12℃ 晴れ
駐車場:午前8時25分着  11℃ 晴れのち曇り
往:1時間45分(ブンゲンまで以下、小休止含)
復:2時間40分
◆所要時間:4時間25分

 関ヶ原ICで下り、365号線から奥伊吹スキー場へ30分走ります。駐車場は、動く歩道「アルカンデ」。

 手前の坂を上がり、「アルカンデ」の下を潜ると‥
(8:50)

 民宿若竹荘。右の斜面を登り、前に回り込みました。オーナーご夫妻が見えます。ご主人が登山道を整備されました。

 80才を超え2年前から下草刈りはしていません。まだ道は、活きてるでしょう。庭から南へ登り、電柵を跨げば光溢れる森です。

 水道ホースを追って沢を渡ります。「ブンゲン登山道→」標識から右へ進むと二つ目の沢です。

 渡ればそこが尾根先で、テープを見て左へ登ります。
(8:55)


 尾根道は最初から急登。15分で色付きが始まり、汗も出ます。その先で傾斜は緩み、黄色の世界。
尾根道は、陽光が指揮する色彩のシンフォニー。『あ、あそこ綺麗!こっちも綺麗!』
載せるのは数枚でも撮るのは10倍。道は自然に右折し北西尾根に入りました。

美しいものを見ると、幸せなが心に満ちます。
道は踏み跡がはっきりして道標はありませんがスイスイ歩けました。
右折して笹が出てきて心配しましたが、ミニ藪で数分で抜けます。

    
ブナの大木が立つブナ林となり、なだらかで快適です。
太い幹にクマの爪痕があります。クマスズ必携!


 山頂前でいよいよ噂の笹藪。『突入!』 朝露で笹が濡れ、カッパを着ればいいのですが面倒‥
(10:15)
 20分笹遊びして三等三角点山頂に飛び出ました。灌木で360度とはいきませんが登ったことがある山が間近。

 北西の琵琶湖方面がもやる。南に完全逆光の伊吹山1377mと虎子山1183mが並ぶ
(10:35)

北北東に貝月山1234m。中央は小貝月山1226mで本峰はその左ピークです。
尾根が、筋肉のようにモリモリしています。雪に覆われるとピチピチ白Tシャツ姿でしょう。
 山頂から笹藪が大変と参考HPで書かれてました。嬉しいことに遊歩道状態に変貌しています。

 途中、野良人さんが、後ろを指して『大岩があるぞ』いけない、見所を通り過ぎていました。

 登山道脇の大きな甚吉岩をどうして見逃したの? そこに誰かが落とした金糞岳(カナクソダケ)。『プンプン』

 ティッシュが雪山のように覆う。ここを歩いた時、それに登頂しないよう下ばかり注意したので通り過ぎました。
(11:20) 
 県境のブナ林を越え、次のコブでランチです。 ここは分岐、県境道へ行く南側にテープがありました。

 方向の落ち着かない尾根と奔放な藪で苦労するようで…
(11:40)〜(12:30)

県境尾根を外れ、北方へ降る道筋が見えました。
そこで降り、左上にある緑色の廃リフトへ歩きます。
周りは全山紅葉で望外の楽しみになりました。

 道筋は明確、目標も明確、藪も無く10分間の楽な歩きです。最後に沢を渡るとこのリフト下の小広場に出ました。

 この流れは、変わった形で再会します。
(12:40) 
 北西正面に本物の金糞岳1317m。ゲレンデを歩きが退屈なので野良人さんが右上の尾根行を提案されました。

 右へ登ると奔放な藪とスーパー急降。

 彼は、難渋道に『ワハハ、ワハハ』超楽しそうです。

 若くしなやかな枝の鞭に打たれ、20分間のプレイが終わると廃リフト乗り場。品又峠近くに登り、振り返ります。

 左のリフト下の藪を降りました。一方ゲレンデ道はピークを巻き、降りて来ています。坂を少し登り‥
(13:15)


 山肌の上の日の出山(品又山)1045m展望台を目指しました。野良人さんの後ろの崩れを右へ登るのが正道。

展望台は当然360度、北東に薄い小津権現山1158m。
錆びの浮き出たこの鉄塔は、完全に周囲に溶け込んでいます。
(13:20)
    
北西には堂々の金糞岳1317m。西眼下にある小ピークもマックスのデコレーションです。 

 廃リフト乗り場に戻り、ゲレンデを降ります。『大きいなスキー場だ。リフトはいくつある?』

 ここは国設で運営は民間です。リフトは9本(廃リフト2本除く)、コースは11。

 ゲレンデ左端で沢音が聞こえます。あの流れが、さえぎる岩を侵食し滝になりました。自然の力を感じます。

 『四角い穴から落ちる滝か、こんなの初めてだ』ナニコレ珍百景。紅葉パラダイスは続きます。
(13:35)

森林が国土に占める割合は、フィンランドが世界一で72.9%、スウェーデンが第二位で68.7%
そして日本は68.5%で僅差の第三位。国土の2/3が森林とは、嬉しく誇らしいこと。
森が豊かな山があれば山歩きが盛んになるのは必然です。

レストハウスを過ぎれば駐車場です。
今まで私が思っていたブンゲンのイメージがすっかり変わりました
今日の山旅は、こまどり姉妹・叶姉妹・おしまい。
(14:05)


東海岳行
   “モーターホーム  

 私の愛車は車中泊できるようになっていますが、二人でゆったり寝られるよう倒した座席に板を引いたものです。天井までが狭く寝起きに苦労するため、1泊なら大丈夫ですが、それ以上はきつくなります。快適さを考えてグレードアップさせるには今の車では無理です。

 以前、私の夢は別荘オーナーでしたが、しがないサラ―リーマンでは力不足で叶わぬ夢と消えました。ポケットにはいつも夢を入れておきたいので、いつか山に登れなくなる日の事を考え、次の夢は走る別荘「キャンピングカー」にします。

 何年か前テレビで軽自動車のキャンピングカー(実はこれは和製英語で米国ではモーターホームと言うそうです)を見ました。これなら手に届きそうな気がします。また別な人ですが、退職金で大きなキャンピングカーを購入し、ご夫婦で旅される方がみえ、当初は1ヶ月に1週間ほど利用。



 翌年は2週間、翌々年は20日間と熱中。1日2千円と決め車旅されています。そんな自由な旅に憧れますね。ホテルの予約は不要、着いてお天気が悪ければ良くなるまで待てます。

 ちょっとしたキッチンもあり自炊も可能です。欠点は当然高額なこと、基本的にデカイので日常の買い物に使うのは苦労します。それから暑い夏は?冬の寒さは?燃費は?税金は?と疑問が湧きでる。名古屋港のポートメッセなごやでは春と秋にキャンピングカーフェアが行われます。

 夢は夢でキャンピングカーフェアを楽しみに何度も見に行きました。会場はいつもそんな夢見る家族で賑わっています。色々なタイプがありますが、価格的に一番お値打ちなのは下の写真の軽自動車「軽キャンパー」です。軽といっても200万〜300万円します。因みに写真のものは272万円。

 

 諸経費やカーナビ等のオプションは別です。車内は右の感じで手狭感は否めません。車内で立てるようにポップアップルーフになっています。立てると調理や着替えでいい。このタイプの欠点は、高速で走ると音が気になることやポップアップルーフ部が結露しやすいことです。

 今は、バンコンバージョン「バンコン」が売れ筋のようです。ワンボックス車やミニバン、キャブワゴンを加装したものがあります。下の車で315万円。立つことはできませんが中々お値打ちです。デカイ夢を見るならキャブコンバーションという本格的なもの。

 

 下左の車は約1000万円です。恐れ多くて中に入ることができません。ここで夢心地で遊んでいると2〜3時間、あっという間に過ぎます。子ども連れが多く、ちびっこは乗りこんで大騒ぎ。そんな姿を見ると親は『よし買おうか』となります。老婆心ですが、育ったら親と旅行はしてくれません。

 しばらくは集めたカタログでキャンピングカー・オーナー気分になれます。

 

2011.11.07(月)00:40