岳行ノート

富士見台~横川山/中津川市  標高1739~1620m
2005.8.6(土)江南6時30分発 
            晴れ 28℃ 
登り:計2時間50分(小休止含)
降り:計2時間25分(小休止含)
 私は8倍の双眼鏡を持っています。山登り初心者の友人トミさんは、負けず嫌いで6月に何と20倍の双眼鏡を買いました。しかし彼は“曇り男”なので今だに活用する機会はありません。それではと好天気と好展望を期待して山を目指しました。

 ガイドブックは、風媒社「こんなに楽しい岐阜の山旅100コース美濃・下」です。

“暑中見舞い” 1700mの蜻蛉
 




神坂峠P

富士見台

横川山

富士見台

萬岳荘

神坂峠P



※赤線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」    


 先週「伊吹山」のレポで蝶達が、話をしていた例のブツが手に入りました 。全国のちびっ子が、買い漁って売切れたヤツです。
 勤め先のパソコン教授が、 うらびれたドラッグストアで入手したのをお菓子で釣って1本分けてもらいました 。

 皆さんにも写真ですが、おすそ分けします。もったいなくて飲めません。売切れた理由を探るため今日、山から戻ったときトミさんと飲みます。

 ※サントリーでは、8月上旬ごろから順次出荷するそうです。お母さんも一安心ですね。
 国道19号の沖田の交差点を南東に進みます。くにゃくにゃとすれ違いもままならぬ道です。でも窓を開ければ、エアコン不要の爽やかロードで気分はとてもいい。

 ようやく鞍部の「神坂峠」が見えてきました。曇りがちですが9時から晴れの予報に期待します。

 

 峠下の駐車場に置車しました。その前の「古代登山道」の道標に従い登りはじめます。
(8:45)

 すぐに「神坂峠遺跡」※の石柱があり、その右方向に進めば山腹登山道です。


※古代の官道東山道最大の難所として有名。石製模造品等の遺物が数多く出土し古代祭祀遺跡として国史跡に指定。
 右山でトラバースし、細い道を注意しながら進みました。路傍には、野の花が見られます。時々左手に雄大な景観も望め飽きません。

 しかし昨日の夕立か、チシマザサの葉に雨露がタップリ残っていて右半身が濡れます。

 中津川方面は、かすんでいます。一度試したいとトミさんが、双眼鏡を出しました。『20倍もあるのに4000円で買った!』
『安い! スーパー望遠』
『1倍あたり200円だ!』
‥ん?? 価値観わからん (*_*) 』

しかし、倍率が高いと目的物がなかなか捕らえれなせん。『あかん。使いこなせん』20倍が泣いてます。

※山の本では、8倍くらいが使いやすいそうです。


左:?  中:ホタルブクロ(蛍袋)  右:タマガワホトトギス(玉川杜鵑草)

中津川方面です。天気予報では、頂上に着く頃に晴れるはずですが‥。

左:ヤマブキショウマ(山吹升麻)  中:?  右:?
 開放的な高原に出ました。右側は、少し恥らうビチョ濡れパンツです。

 神坂小屋で小休止を取ります。青空が広がってきました。トミさんの“曇り男”ジンクスも今日は外れそうです。
(9:35)
 「富士見台」頂上方向を撮っているとファインダーに2人が、ピークで争う姿が映りました。先ほど小屋の前を先行した中年カップルです。
 女性が、リュックを投げ捨てました。富士見台殺人事件になっては、たいへんです。

 緊張して身構え登り詰めると何事もなかったかのように並んで座っています。

 夫婦喧嘩?開放的な場所で開放的な気分になったってこと?人騒がせでしたが、安堵しました。

何だかんだで「富士見台」頂上1739mですが、誰もいません。(9:50)
 残念ですが箱庭のように見える市街は、霞の下です。結局トミさんのスーパー望遠も出番なし。帰路の晴れを期待して出発しました。
 道標が「横川山」をさしています。枯れ木のオブジェを撮り終え、歩きながら液晶モニターを見ているとガレ場に足を取られ、大転びです。

 事なきを得ましたが油断大敵、危ないところでした。
 池塘が2つあります。こちらは大きいほうです。
(10:10)
 笹海の中、向こうに見える三つのピークの右端が目指す山頂です。「富士見台」からは、200m以上下ります。帰りの登りを考えると‥ぞっとします。

 登山道に誰が落としたのか、ひと巻の人間爆弾がありました。しばらく行くと蛇が道を横切る。ここは思ったより難路です。
 尾根道からジグザグと急降りすると森林限界を戻り森になります。すると沢音が聞こえ驚きました。
「横川の名水」です。岩は苔むし鬱蒼としています。
(10:35)

左:ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)  中:キベリタテハ(黄縁立羽)  右:ヒメマダラヒカゲ(姫斑日陰)-アルプスの2000m以上にいる珍蝶   三男山男さんより

まだまだ降ります。でも頂上まで続く道が、はっきり見えあと30分ほどだと推測できます。
丁度2人の男性が、こちらに向かって来るのが見えました。

左:ツルリンドウ(蔓竜胆)  中:ヨツバヒヨドリ(四葉鵯)  右:米粒を付けたようなケムンパス(宇宙から来たようです)
 「横川山」の頂上です。三角点にタッチしてランチの準備をしていると「南沢山」からご夫婦が来られました。
 お互い日傘でUVカットしながらの食事です。ここも遠望はかないませんでした。
(11:35~12:00)

 突然、雲が岐阜県から押し寄せてきました。この稜線が防波堤になっていますが、乗り越えるのは時間の問題でしょう。遠くでゴロゴロと雷鳴が聞こえます。急いで片付け出発しました。
 「富士見台」方面の防波堤が乗り越えられています。展望の高原は、身を隠すところもない。足早に降るとトミさんは、着いてくるのがやっとです。
 「横川の名水」にいやな箇所があります。左が崖、右がアザミの針地獄の逃げ場なし。チクチク全身が刺され『痛たた!痛たた』と堪りません。

 『この痛さが、癖になったら困る』と彼は、まだ軽口が出ていました。
 名水から急な登りになると、彼が明らかに変です。左足首の上が、つりそうだと言います。天下無敵のエアーサロンパスを噴霧しました。

 そうしてる内にも、どんどん雲が行く先の稜線を超えてきます。まだ登りは続きます。
 その途中、とうとう彼の足が止まりました。ひざの上がつったとの事。包帯で応急処置のテーピングをしました。

 ところが素人の悲しさ、締め過ぎで逆に筋肉が硬くなってしまう始末。慌ててほどきエアーサロンパスを噴霧します。

 考えたら食事後の休憩も取らなく、ここまで歩き通しです。斜面に腰掛けしばらく休憩します。突然、圏外なのに携帯が鳴りました。(13:00)

 トミさんの奥さんから愛の力でメールが届きました。“岩倉は雷雨です。山はいかがですか?”雷雨の言葉に敏感な私達は、せきたてられように出発します。
 ついに大濃霧注意報です。でもこの雲なら雷雨にはならないと思いました。視界5mですが、直線の1本道なので不安はありません。

 やっとのことで「富士見台」頂上に着き、2人とも緊張が解けました。ここからは降りだけです。
(13:50)
 雲の中を歩いていると、登山道に野鳥が現われました。我々を先導するように進んでいます。逃げる様子はありません。

 しばらくすると選手交代して、また先導してくれます。彼が『お迎えの使者かな?』とブラックジョークを言います。

 精神的に余裕が出てきたらもう大丈夫です。
 「萬岳荘」の分岐に来ました。山頂に向かうヤングカップルと擦れ違います。
 トミさんが『頂上には何もないけど、二人の世界があるさ』とジジ臭い言葉をつぶやきました。
 「萬岳荘」のテラスに着き、『珈琲でも飲もうか』と提案します。張り紙を見ると珈琲400円とあるので当然、彼から却下されました。
(14:10)
 駐車場に戻ります。
トミさんの“曇り男”のジンクスは守られ、双眼鏡は出番なし。しかし
雲は呼んだけれど、雷と雨は呼びませんでした。これからは、彼を“伝説の曇り男”と呼びましょう。

 さあ無事帰還を祝し“バブルマン・ソーダ・ジェット”で乾杯だ。
 『味はどう?』と尋ねると『胃検診の発泡剤の味だ』と見事なコメント。さすが虚弱体質の彼ならではのお言葉です。

      <こどもびいる>

 巷で噂の“こどもびいる”が、やっと手に入りました。ひそかに売られていてなかなか手に入らないブツです。『こどもだって飲まなきゃやってらんねえよ』ってちびっ子に言われそうです。
 
 中部地区唯一の元締め、柳津のお酒屋さんに電話しました。つい小声になってしまいます。

『1本いくらで譲っていただけますか?』
『260円です。3本だと900円になります。』
『わかりました。急いで買いに行きます。』

 電話を切ってよく考えると何かおかしい。3本だと780円じゃないの?

 お店の若奥さんが、久しぶりの美人だったのでつい沢山買ってしまいました。3本900円は、贈答用の箱入りだからチョット高いのです。

 色はビール、泡もビール、味は?? 
お盆にこどもと飲むので次週お知らせします。