岳行ノート
土田山 172m/岐阜県可児市

2012年3月13日(火)


土田山 -北東のJAめぐみの土田JAより-

右から第一峰(本丸:最高点)、第二峰を挟み中央が第三峰
左鉄塔のピークが第四峰(金子山出丸:三角点)




 先回の岳行ノートで低山彷徨派の野良人さんと梨割山(ナシワリヤマ)278mを登り、駐車場の清水谷川公園でランチ。次に低山城跡巡り第2山へ向かいます。

 可児市の鳩吹山314m東南の土田山(ツチダでなくドタで国道41号線で両山は分けられています。四つの峰があり、各々に曲輪・出丸が築かれた城山です。

 切り立った崖山なので山腹道はないと思われ、当然ピストンと思ったら周回ですよと言われ驚きました。駐車場は、鳩吹山登山と同じ大脇公民館です。


 この山の存在は知っていましたが、鳩吹山の強いオーラに隠れた山でした。野良人さんに声をかけられなかったら登ることはなかったと思います。感謝。 
<駐車場>
[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動
  国道41号線で可児市に入り、大脇交差点で南へ折れます。突当たりを右折すると大脇公民館と駐車場です。



大脇公民館P本丸(第一峰)→金子山出丸(四等三角点)→竹林へ→大脇公民館P

 ※赤線はGPS軌跡  ※黄○は主な分岐

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


梨割山:午後01時00分発  曇り時々晴れ
駐車場:午後01時15分着  曇り時々晴れ
往:30分(三角点まで以下、小休止含)
還:40分
◆所要時間:1時間10分


 写真右、土田城跡案内板と城跡石碑があり、石柱の「左 旧東山道」方向へ‥
(13:20)


 公民館奥から地道を歩く「古城山めぐり遊歩道略図」案内板。右端が登山口、周回して左からここへ戻ります。
略図は、古く現在とは異なるルートもあるようです。
下の水色の横線が可児川でそれに沿うのが旧東山道です。
略図では、現在地から第一峰本丸堀切へのルートが消されているようですが?

土田城は約530年前の室町時代に築かれ、城主土田氏織田信長の生母土田御前の実家です。
西の第一峰に主郭、第二峰・第三峰大手曲輪中曲輪と並び、
東の第四峰出丸が配置されていました。


 大手道を登りました。情け容赦のない勾配です。鎖場の急登も慎重に歩を進めました。


 10分足らずでピークの第一峰展望台登頂172m。樹間から御嶽山3063mらしき山影が、かろうじて見えます。
(13:30)


 一段下がった裏側に小広い平地があり、本丸でしょうか。山頂部分を削平しただけで曲輪はとても狭い。


 ピークに戻り、先の南東方向を見ると右に第三峰、左が第四峰です。緩やかなはっきりした道を降ります。


 堀切は不明でした。ほんのピーク。地形図には、三つのピークの表示のみ。ここが第二峰です。そこから‥
(13:35)

 急に岩場の道となり、一旦降って登り返します。その鞍部が大手跡のはずです。

 多治見市の高社山で教えて頂いた堆積岩の頁岩(ケツガン)が、この山でも多く見られます。

略図の第二峰第三峰の鞍部の大手跡は、結局見当たりません。
 数分で第三峰に到着、中出丸です。
略図では、登山口から大手道が鞍部に上がり、稜線道と合流するポイントも不明。
(13:44)

 降って行くと植林の細い樹木が茂る広い場所に出ます。『見当たらなかった大手跡はここかな』。この先で‥

 最低鞍部に「大脇へ→」分岐標、道が北方向へ降っています。ここが合流ポイント? この道はどこに着くのでしょうか?

 鞍部から竹林を登ります。野良人さんによると以前、ここに道が無く、抜け出るのは大変だったそうです。

 土田城跡は、戦中・戦後に燃料の亜炭を掘り、跡が無数に残ります。


 「♪君が代」のさざれ石のような岩が路傍にありました。本物は石灰岩、これは泥岩なので違うそうです。

 山裾の名城大学へ降る広い道に出合います。左折すれば道脇に第四峰の四等三角点171.8m。

 中電鉄塔9が目の前にあり、先で東方面の展望が開けていました。
左端に薄い山影は笠置山1128m、中央左よりが恵那山2191mですがはっきりしません。
右端低山は美濃富士浅間山372m、可児市最高峰です。中央に可児川の流れ。
鉄塔巡視路で北東方向へ降ります。

最短周回路(40分):第四峰から来た道を戻り、竹林を過ぎた最低鞍部の分岐まで降ります。
道標「大脇へ→」へ降ると可児川沿いの道に出て(下3コマ目)左折して左岸を進めば駐車場です。

 水道タンクへ通じる舗装道に出合いました。東の広い車道に出て道沿いに可児川に出る予定です。

 ところが道が工事中で通れず、大廻りして可児川の左岸へ歩きます。
(13:55)

 そこから虹ヶ丘橋を潜り、旧東山道のしっかりした踏み跡を辿りました。
(14:10)

 可児川は絶壁の断崖。20010年7月16日 カヤバ工業のトラックが10台流された記録的な大雨の傷跡が、今だに見られました。

 右は崖、左は迫る竹林。心細い気分で行くと分岐標があります。

 「金子山出丸へ」を進めば第三峰第四峰の鞍部へ着くのでしょう。抱えていた疑問が解けました。
(14:20)

 道沿いにニリンソウ群生地、4月中旬が見頃です。

 途中で崖を削った箇所。下を覗くと恐ろしい高さ、落ちたらヤバイ!
1km弱旧東山道を辿りましたが、道が残っていること自体驚きです。
可児川木曽川と思うほど切れ立った崖の流れは印象的です。

下の岩場にポットホールも見られました。流れは鳩吹山北東で木曽川に合流します。
うら寂しい道の途中、うら若くない単独女性とすれ違った時はビックリしました。
(14:30)


東海岳行
   “最後がいい  

 山崎さんご夫婦の子供さん達は、全員独立しました。彼は奥様へのねぎらいにとクーポンチケットサイトで年初にホテル特別チケットを購入しました。鳥羽市のお洒落なホテルでスイートルームに1泊。有効期限が3月末と迫ってきたので2月末に3月の予約を取ろうとしたら全て満室です。

 クーポンチケットは売れ過ぎるとこういうことがあります。スタンダードな部屋なら空きはあると言われ、泣く泣く彼はスイートルームを諦めてその部屋で予約を取りました。当日はチェックイン前に伊勢神宮へ寄ったのですが、休日は行列のできる神宮駐車場で長時間待たされました。


 ひどく寒い日で境内で凍える気分。そんなことでホテルに遅く着き、フロントで夕食の予約をすると何と一番遅い8時。当てにはならないけどキャンセルが出たら少し早めにと依頼し部屋へ入りました。ドアを開けると前日ヘビースモーカーが泊ったようで煙草の匂いが強烈に鼻を刺します。


 ご夫婦はタバコを吸わないので堪りません。気持ち悪くなり二人で『臭い!頭が痛くなる』と大声で訴えました。案内の男性が『申し訳ございません。すぐ空気清浄機をお持ちしますのでお待ちください』と出て行きます。部屋の窓を開けて待っていても中々連絡がきません。

 さすがにイラっと来てフロントに問合せます。すると『スイートルームにキャンセルが出ましたのでお部屋を変更させて頂いてよろしいでしょうか』二人には願ったりかなったりで二つ返事です。デラックスな部屋に移動し、山崎さんは露天風呂に入ります。

 冷えた身体を温めて戻ると奥さんが『夕食もキャンセルがあったので6時半でOKになったよ』ホテル側が気を使ったのか、お伊勢参り御利益があったとのかと二人で大喜び。早速レストランへ行きました。彼は気分良く「御品書」を見て「グレードアップコース」をリクエスト。



 更に鮑ステーキ、高級ワインを追加し、最高のディナーを奥さんと楽しめると思いました。ところがコース料理が始まると前菜のスープを飲むためのスプーンがありません。パンに付けようかと思ってもパンがありません。どうも不運→幸運→不運と運命の波にもてあそばれているようです。

 クレームを言うと責任者が平謝り。ただ料理は、美味しく二人は満足しました。翌朝、フロントで渡された請求書に鮑ステーキの料金が載っていません。尋ねると『ホテルからプレゼントさせていただきました』 実は宿泊した日は、顧客カードにも記入しましたが奥さんの誕生日でした。

 色々不手際があったのでホテルも誠意を示してくれたのでしょうか。何はともあれ最後に幸運が来たので山崎さんには、いい旅になりました。

2012.03.19(月)16:00