岳行ノート

春日井三山/愛知県春日井市
(道樹山429m・大谷山425m。弥勒山437m)

2012年3月27日(火)


春風満地(ショウジョウバカマ)


 弥勒山を最高峰とする春日井三山は、愛知岐阜県境にあります。稜線は東海自然歩道でもあり、都市緑化植物園から来るハイカーや登山者で賑わいます。

 好天の休日は、駐車場が満杯。三山は2012年12月岐阜県側から周回しました。愛知県側から未踏のルートを歩くことにしました。

 未見の縁者不動の滝、露岩の大理石、里の三角点探索、ひょっとしたら麓の都市緑化植物園の梅園でお花見できるかもしれません。


 教科書は、山と渓谷社「新・分県登山ガイド/愛知県の山」です。参考書は「可児からの山歩き」さんにお世話になりました。
<駐車場>
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T字路駐車場

縁者不動の滝

道樹山

大谷山

弥勒山

都市緑化植物園

T字路駐車場

 ※赤線はGPS軌跡
 
※黄○は主な分岐

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前09時35分発  晴れ/8℃
駐車場:午前10時30分着  晴れ/10℃
往:1時間50分(弥勒山まで以下、小休止含)
還:2時間30分
◆所要時間:4時間20分

 少年自然の家交差点東のT字路駐車場は、百台は停められそうです。
眼の前に春日井三山の二山が見えました。
右の道樹山から中央の大谷山へ歩き、弥勒山へ辿ります。
(10:45)

 車道を南東へ進むと住宅街の道標がしんせつ君。細野キャンプ場へ向います。

 キャンプ場にお地蔵さんの分岐。左の未舗装路で谷コースへ。(10:50) 

 谷コースは、幅広の遊歩道。沢を跨ぐ展望所で落差5mの二段の縁者不動の滝を見ます。
(11:05)

 岩の転がる山道に変わり、沢沿いを貫きます。何度か渡渉し、右岸へ移ると数分で‥

 何の道標もない分岐。上地図で滝から2つ目の「●」」の箇所です。この岩を上がるとY字に分かれています。
(11:25)

 右へ行くと、山腹道です。谷を急登して「秋葉山頂上アト5分」の道標から一気に登れば‥


 尾根コース途上の休憩所と三日月堂の間に出ます。東へ歩き、石段を上がると‥
(11:40)

 春日井市2位の標高道樹山(ドウジュザン)429m。立派な御岳神社ですが、展望はありません。
(11:55)

 県境稜線の東海自然歩道となります。東の定光寺方向へ降り‥


 登り返すとピークに四等三角点416m(点名:秋葉)。道樹山へ戻ります。
(11:50)

東海自然歩道には、麓の都市緑化植物園から大勢の老若男女が登ってきます。今は春休み。
「春風満地」春風が地に満ち、温かさが冷えた大地に吹きわたる。
養分を与え、草木を育て人々に喜びを与えてくれます。


 大谷山山頂425m。基準点があり、北西に切り開き。尾張三山が眺められました。もうひと踏ん張り。
(12:15)

 道に充実した道標。「弥勒山・道樹山コース案内図」は、植物園西の少年自然の家で頂けます。

 その案内図でこの「22」のu\示を確認すれば、迷路のようなコースに悩みません。

 春日井市1位の標高の弥勒山山頂429m二等三角点。展望台へ上がると‥(12:35)〜(13:00)
西に180度のパノラマが楽しめます。写真の中心に入鹿池尾張富士275m。
展望絵図では、右端の雲の下に分かりにくい能郷白山1617mです。


丸太ベンチから↓御嶽山3067m、恵那山2190m、中央・南アルプス↓が視野に入りました。
       


 北の内津峠(ウツ)方向へ東海自然歩道を降ります。アップダウンして418mピーク先で30の道標。(13:15)

 曲折して西へ尾根道を降ると‥

 北方向の展望地があります。右端が南面を砕かれた高社山(タカヤシロ)417m。

 左の雲の下、黒い低いピークが八曽山327m。内津町の国道19号線沿いは、しっかり削られています。


 沢の流れる音が聞こえたら、1回目の小さな渡渉をします。
(13:35)


 登山道はよく踏まれ、渡渉から10分毎に2回目、3回目と続きます。分岐で弥勒山への誘いには乗らず‥

 残っていた椿『ありがとう』と感謝。堰堤が見えたら、左岸へ渡渉します。下流へ道は続きますが、ここは上流へ向かわなければなりません。 (14:30)


 数十m遡れば、左岸に珍しい大理石の幅3mの露岩。案内標がなく、発見まで10分費やしました。

 「緑化植物園」道標に従い南へ。春休みに跳ねる子供達とログハウスが見えます。
(16:55)

 園の外周の散策路を辿り、最南の梅園を目指します。

『良かった』お花見が出来ました。ここで「里の三角点」探索をします。
(15:15)

四等三角点(点名:大久手池)は諦めかけた頃、発見。
駐車場は梅園から見える距離です。(15:30)


東海岳行
   “オルゴール  


 今冬、浜名湖にひよこさんと泊りで遊びに行きました。その日2月中旬は、寒く浜松市動物園など屋外施設は諦めざるを得ません。東岸の舘山寺ロープウェイは、1月・2月が整備点検で動きません。

 仕方なく車で山頂駅まで走り、浜名湖オルゴールミュージアムへ行きました。期待感もなく訪れたのですが、とても面白かったのでご報告します。入場料は800円(大人1人)。

 毎時20分〜30分の実機によるコンサートは、毎回演奏機械を替えるため何回でも入場できます。私達は、あまりにも楽しかったので昼食をはさんで2回入場しました。1回目の時、寂しいかな入場者は私達だけ。一番前に座ると解説の若い女性がフレンドリーに話してくれます。

   
 場内(2回目に撮影)
   
    巨大なグランドオルガ

 『では、今からこのオルガンが自動演奏を始めますので、充分心がけて下さい』『心がける?』 そう言い残すと正面の高さ3.5m幅5mもの巨大なオルガン(上右)の後ろに消えました。突然の大音響! 生の楽団が目の前にいるかのような迫力。明るい編曲が素晴らしく心を捉えられます。

 終わると彼女が解説してくれました。自動演奏オルガンは100年前、オランダ、ベルギーのカーニバル・遊園地・公園などで活躍したものを復刻したものです。パイプオルガン・ドラム・シンバル・カスタネットにからくり人形(最上右)も踊る仕掛けがあり、2kmの距離でも聴こえました。

 きっと親子連れが何人も来て、当時の流行した曲を聞き、子供たちは踊り出したでしょう。私の知るオルゴールは、筒に埋め込まれたピンが、櫛の状の金属をはじいて演奏するものです。それがシリンダーオルゴール(下左)でその繊細な技術は大したものです。

   
    シリンダーオルゴール
   
        ディスクオルゴール

 写真の物は、時計製造で名高いスイス製、1880年頃に作られゼンマイで動きます。この筒1本で何と6曲も演奏が可能です。お金持ちが注文して作らせたそうで、共鳴箱に入り広い部屋でも聞けます。そのメロディは、まるで水辺で踊る陽光のように輝いていました。

 シリンダーは、1本1本手作りで時間とコストがかかり、やがて上右のディスクオルゴールが出来ました。これは型を作れば何枚でも打ち抜けます。エジソン発明のシリンダー式蓄音機が、後発のディスク(レコード)式に負けたことを彷彿させます。ディスク式は、ホテルロビーや駅に置かれました。

 1900年頃のドイツ製ぜんまい式ディスクオルゴール(下左)は、かららくり仕掛けの競走馬が動きます。コイン(ビール1杯くらいの貨幣)を入れると音楽が始まり各馬出走。当時は酒場に置かれ、男たちがビールを賭けて興じていたのでしょう。豊かな低音が響きます。

       

 解説の彼女に『聞きたいものはありますか?』と尋ねられたので一番気になっていたものを指さしました。それが1997年米国製のバンジョー・オーケストラ(上右)です。楽器そのものがケースにセットされ、中心にあるバンジョーの弦を金属の爪が見事に弾きます。

 黒人社会で生まれたというバンジョーの陽気で軽快な音をメインに太鼓、大太鼓、トライアングル、ウッドブロック、シンバル、カスタネット、タンバリンそしてピアノと驚くことに9種類もの楽器演奏。下にある2の番号が付いたロールを交換すれば、何種類もの音楽が楽しめます。

 この館はオルゴールミュージアムですが、オルゴール以外のも含め70点以上の自動演奏機が展示され、殆どが演奏可能です。1回につき4機種と限られます。音楽を持つエネルギーを感じ、活力を得ることが出来ました。音楽は、昔も今も聴く人を夢中にさせます。‥素晴らしい。

2012.04.02(月)18:15