2012年4月24日(火) 山頂の大タヌキ君 信楽焼のタヌキは有名ですね。 |
|
雑誌の桜写真が目にとまりました。滋賀県信楽町「畑のしだれ桜」田圃の丘に1本の古桜が咲きます。銘桜は、格式高い名や謂れ有りそうな名が多い。 これはとても素朴でいい。と思っていたら畑は地名でした。一度見たくなり、開花情報を毎日チェック。近くの山を探すと良い山がありました。 それが笹ヶ岳。山頂の信楽焼の大タヌキ、極上展望の雨乞岩が好奇心を高めます。また信楽町には、ミシュランで三つ星の美術館がありました。 これは忙しい。桜満開の情報が届き、お天気の良い日に早速出かけました。 教科書は、ナカニシア出版「極上の山歩き」です。参考書として「山好き日々@京都北山」さんにお世話になりました |
<駐車地> [-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動 |
名阪国道を伊賀壬生野(ミブノ)ICで下り、北へ走ります。道が左カーブし桜峠を越えて、滋賀県へ入りました。 |
南新田バス停駐車地 ↓ 東登山口 ↓ ▲笹ヶ岳 ↓ 薬師堂跡・古井戸 ↓ 雨乞岩 ↓ 西登山道 ↓ 南新田バス停駐車地 ※赤線はGPS軌跡 ※黒●は分岐点 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前6時50分発 晴れ/20℃ 登 山 口:午前9時05分着 晴れ時々曇り/18℃ |
往:2時間30分(雨乞岩まで以下、小休止含) 還:1時間30分 ◆所要時間:4時間00分 |
||||||||||||
…国道422号線を2km行くと南新田バス停があり、隣接の空地へ置車。国道を東へ戻って歩くと‥ (9:20) |
|||||||||||||
登山口の標識、ここから南進。笹ヶ岳山頂が見えています。写真奥、窯元の登り釜を右に見て笹分けの道です。 |
|||||||||||||
登山道は植林に入り、見上げるほどの大岩の間を抜けて行きます。小さな渡渉をして急登すると、そこが‥ |
|||||||||||||
尾根取付。ここから等高線密度が高い直登となります。 (9:55) |
|||||||||||||
しっかりした踏み跡を辿ればOK。でっかい大福餅形の大岩を右に迂回し、正面に空が見えたら、誰かが立っている? |
|||||||||||||
奥の山頂に誰か立っている? いや何か? た、た、たん、タヌキ! でっかい。笹ヶ岳三等三角点山頂で独り風に吹かれています。 信楽笹之助君は、身長1.5m・体重100kg。2007年7月40人の住民が彼をボートで引上げました。 笹ヶ岳は信楽町で最高峰で、笹の助君はいいシンボルです。 「菅笠・顔・目・腹・徳利・通・金袋・尾」と八つの縁起が表現され、正統派タヌキです。 北に琵琶湖の眺望ですが、黄砂の影響か遠望はありません。 (10:25) |
|||||||||||||
道標が「薬師堂跡→」と南東を指しています。濃い笹を分けると10分でこの分岐に出合ました。「廃寺跡→」へ‥ (10:40) |
|||||||||||||
分岐から50m標高を下げると谷間に宝篋印塔(ホウキョウイントウ)の絵文字が刻まれた苔の大岩。 この辺りが昔、薬師様をご本尊とした薬師堂跡です。少し降ると‥ |
|||||||||||||
仏様にお供えする水を汲んだ古井戸。元旦の朝、底から黄金の鶏が現れ、新年の時を告げる伝説があります。 大正の頃まで、干天で水不足になると火を焚き、井戸をかき回し雨乞いをしました。 (10:50) |
|||||||||||||
道標があり「伊賀諏訪→」と道が伸びています。『よっしゃ』 先で県境尾根に取付き、笹藪のテープに続けば‥ |
|||||||||||||
7分尾根を登って登山道に出ました。左折してよい道を辿ります。やがて‥ (11:15) |
|||||||||||||
林道に出て東屋へ向かいました。6月中旬ササユリが咲きます。東屋の左を通り、林道分岐の道標で雨乞岩へ‥ (11:40) |
|||||||||||||
『おっ!いよいよだ』心がスキップします。 この道の向こう‥ 空間に岩が見えて‥ 『極上の大展望』に到着。と言いたいのですが、春霞か黄砂か。 北は御池岳から油日岳辺りまで鈴鹿山脈の大パノラマが楽しめます。 平たい岩上でランチ。ささやかな幸せは、お握りセット298円・バローの緑茶48円。 途中から見た雨乞岩→ ここで神官が岩上で清めの水をまき、割り木を燃やし雨乞いをしました。 (11:50)〜(12:20) このポーズは、教科書の表紙をパクリました。 |
|||||||||||||
山頂へ戻ります。このマークが気になる。辺りは製紙業界最大手の王子製紙の所有地です。『ネピアね』 |
|||||||||||||
山頂で佇む笹之助の後ろ姿は、哀愁が漂う。こんな太ったタヌキは見たことない。左の尾根道を西へ降ります。 (12:55) |
|||||||||||||
100m高度を下げ、道標に出合いました。直進方向にストッパーの丸太があり、右折して西登山道で下山します。 (13:10) |
|||||||||||||
いきなりの急降下。うまい具合に並ぶ立木の助けを借り、注意して5分降ると‥ |
|||||||||||||
小さな渡渉が3ヶ所続きます。植林の道はなだらかになり、未舗装林道を進むと‥ |
朽ちたホンダ車の向こうに砕石工場。町道を右折すれば、国道の駐車地です。(13:50) |
||||||||||||
信楽カントリークラブ西の信楽町畑(ハタ)まで15km余り20分走行。 茶畑や田圃に囲まれ、小高い丘で老木の桜が、渾身の満開です。 お目当ての「畑のしだれ桜」はエドヒガン。 江戸時代初期の樹齢400年と言われ、甲賀市天然記念物です。 平日でも大勢の見物客がみえ一本桜の古木パワーを感じます。 ←樹皮が実に渋い。もう一か所、凄い所へ行きましょう。忙しい。 |
|||||||||||||
東海岳行 |
|||||||||||||
“ミシュラン三つ星ミホミュージアム” | |||||||||||||
「畑のしだれ桜」を堪能して、信楽町田代のミホミュージアムへ向います。この美術館は、全く知りませんでした。笹ヶ岳に行く前、リンク頂いている「トリップアドバイザー」さんで甲賀市の観光名所を確認したら忍者屋敷・陶芸の森を抑え、旅行者お薦めランクで第1位。 「人里離れた異次元空間」「苦労していく価値はあります」「豪華な美術館」の感想が並びます。これは是非とも行かねば。美術館へ立派な道路をカーブしながら上ると、品のいい駐車場。車を停めてレセプション棟(下左)まで少し歩き、入場券1000円を購入します。 外で待っていると間もなく無料の電気自動車(下中)が来ました。美術館棟まで何と600mあり、緩い勾配なので乗車します。両脇でしだれ桜が満開(下右)。いい時に来たようで、帰りは歩きましょう。桜のトンネルを抜けると本物のトンネルへ入って行きます。 内壁は、圧巻の総チタン製です(下左)。わざとカーブしていて暗がりから突然、光溢れる出口に出ます。本館の民家風屋根が、まるで扇絵のよう。(下中) トンネルを出ると谷に吊り橋! 美術館へ行くのに『どんだけ〜!アプローチ』 ここまで充分ぎゃふん気分です。 美術館棟は、意外に小さな建物。(下右) 能ある鷹は爪を隠す? 建物容積の2割が地上に出ているだけで、残り8割は地下に埋没しています。ミュージアムは只者ではありません。『どんだけ〜!驚かす』 ルーブル美術館「ガラスのピラミッド」を建築したイオ・ミン・ペイ氏の設計です。 設計テーマは「桃源郷」、施主は神慈秀明会。会主小山美秀子(ミホコ:2003年93歳没)氏のコレクションを展示するために1994年4月着工、1997年11月開館。総工費は約300億円『ヒェ〜、土地代別』 登山後の汗臭い私が、係員に色々尋ねましたが、感じ良く一流ホテルのような接客です。 入口の自動ドアの丸枠からエントランスが中に見え期待で高揚します。(下左) そのベランダには樹齢180年の松が植えられ、向こうの稜線をバックに屏風絵のような自然景です。(下中) ガラス屋根から陽光が差し、明るく落ち着いた雰囲気で静かな歩調になります。(下右) 地下の展示室へ。美術品だけをスポットライトが照らします。(左下) コレクションは、エジプト・西アジア・南アジア・中国・ペルシャ・日本と幅広い地域と時代に渡り2000点余り。常設展示と企画展示と南北の館に分かれます。実は美術品は撮影禁止ですが、左下写真だけすみません。 下の2点はパンフのもので、パキスタンの大きなガンダーラ仏立像:2世紀後半(下左)、エジプトの40cmと小さな隼頭神像:紀元前13世紀(下右)→これだけで150億円! 全部で数百億円? 1998年、ロンドンの美術商から1億で購入した中国の6世紀の仏像が、盗品と判明します。 施設にはレストラン・喫茶があり、食材は、人為的な肥料農薬を使用しないとのこと。 今回は空腹ではなく、利用しませんでした。駐車場は何台も観光バスが停まっています。 リピータの方もみえましたが、その気持ちが分かります。ゆっくり時間をかけて楽しみたい。 |