2012年11月21日(水) アセビのトンネルを抜けると飛び込む展望 (左から鎌ヶ岳1161m、御在所岳1212m、釈迦ヶ岳1092m、手前は宮妻渓谷) |
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1964年に始まった「鈴鹿セブンマウンテン」の登山大会は、34年続いたロングラン企画でした。その七山で唯一標高が1000m以下なのが入道ヶ岳です。 しかし、三重県側の山では「人に歩かれる山」として人気があります。以前、3時間で歩ける井戸谷〜二本松尾根の基本コースと北尾根を歩きました。 信仰の山、好展望、アセビ群生と初心者の私にも充分楽しめました。そんな経験だけで入道ヶ岳は、比較的初心者向けの山と思ったのです。 ところが登山道は椿大神社、宮妻峡、小岐須渓谷から伸びていて、まさにルートは四通八達です。そこで今回は、バリルートに挑戦してみます。 この周回コースは、高度感のある白滝や磐座尾根、池ヶ谷の奇岩など見所も多く、雰囲気の良いコースとガイドブックには載っていました。 |
<駐車地> [-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動 |
教科書は、西内正弘著・中日新聞社刊「鈴鹿の山 万能ガイド」です。 |
大石橋駐車地 ↓ 林道終点登山口 ↓ 仏岩・重ね岩 ↓ 奥宮・北の頭 ▲入道ヶ岳 ↓ 池ヶ谷へ ↓ 大石橋駐車地 ※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点 ●は主な渡渉地点 ×は道ミス ■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前6時55分発 晴れ/3℃ 駐車地:午前8時45分着 晴れ/7℃ |
往:3時間55分(山頂まで・小休止含) 復:1時間45分(ランチタイム除) ◆所要時間:5時間40分 |
鈴鹿ICで下り、県道で桃林寺方面へ走ります。御幣川の左岸から小岐須渓谷の奥、大石橋手前で置車。 橋を渡り、青い空、素晴らしい一日に向かって歩き出します。 (9:00) |
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50m行き右に林道入口。車の横から入ります。 |
入口から120m、林道は右カーブします。 |
林道を15分進むと終点となり、堰堤です。渡渉して右側を巻きました。上方に‥ (9:30) |
プレハブ小屋が見え、鹿除けネットを潜ります。小屋から離れ、北に上がる良い道で進行。 |
ここまで3回も道ミスしました。大岩谷の沢音を聴き山腹を辿り、川へ降り渡渉します。慎重にテープを探して‥ (10:00) |
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右岸へ移り、右に小滝を見て窯跡(←)を過ぎ、7分後再び渡渉。 左岸の踏み跡はゆっくり左カーブし、山腹の良い道になります。 流れの音が次第に大きく響き、頭上の枝に赤テープを発見。 そこから立木をつかみながら急斜面を谷へ降ります。 往きのハイライト白滝、想像以上に迫力がある滝です。 (10:25) 2段滝で落差40mあり、大きすぎてカメラで撮りきれません。 左岸斜面の踏み跡を辿り、高度感満点の最上部から覗きました。→ 苦労した価値は十分あり、リュックを取りに戻ります。 (10:40) この先で左下に小滝を見てさらに進むと‥ |
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明るい二次林で気分上々。離れがたい気持ちです。テープやペンキを確認して小さな渡渉を2回します。 |
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これは2回目の箇所。渡って北に直進です。※ところが私は左の沢沿いに西北へ歩くミス。30分ロス (11:10) |
元に戻り、もう一度小さな渡渉をすると左岸に赤ペンキがありほっとします。ペンキを追いました。ガイド本では、この先も沢沿いですが‥ |
ここまで1時間近いロスタイム、余裕がありません。右に歩きやすそうな尾根道があり、テープがあるので移ります。 (11:45) |
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こちらを選んで正解でした。迷うことなく150m高度を上げ、磐座尾根(イワクラ)に出て右折します。 (12:15) |
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カッチカチの尾根道は概ね左崖ですが、踏み跡は明快で展望は痛快です。 しばらく行くと雲母峰888mを背景にピラミッド型の仏岩。高さ6m近くあるでしょう。 人が立ち大きさがわかる記念写真を撮りたいところです。 岩は別名「ほとけのいわくら」、だからこの尾根を磐座尾根と呼ぶのですね。 山麓の椿大神社(オオガミヤシロ)に御船磐座がありますが天然物ではなく人工物です。 (12:30) |
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その先に重ね岩。岩は13個のパーツ、積み上げたとは考えにくく天変地異でひび割れたのでしょうか。 高さは5mはあり古代人の祭祀の場所です。裏から登れば、仙人の気分?。一旦、鞍部へと降り、岩場を超えます。 (12:35) |
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アセビのトンネル。毎年4/15頃、古木に白い花が咲きます。アセビの花が落ちて若葉が色とりどりになると美しい光景です。 |
道標で左折すれば奥宮(オクノミヤ)。昭和41年に建立後、老朽化して平成17年再建されました。右手奥が915m最高点。(13:25) |
奥宮から東にアセビのトンネルを潜り、北の頭を目指します。ガレは、標高差150mの大規模な崩壊地です。 (13:30) |
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北の頭から山頂へ向かうと東に伊勢湾。 10月末、夜景クルージングした四日市コンビナート望めます。 ←北東に御嶽と乗鞍が白く浮かんでいました。 |
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南の頭には三等三角点と鳥居。北の頭もそうでしたが、山頂は遮るものがなく風が強く寒い寒い。 (13:45) |
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笹原を降り池ヶ谷分岐でスピードランチ。この辺りは大窪地で昔は水が満々の池、池ヶ谷の源流でした。 (13:50)〜(14:05) |
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降り始めると谷に植林が現れ『なんだ』と思いますが、すぐ落葉樹の谷となります。 源流部は、流れが穏やか。美しい二次林の紅葉に魅入られます。 岩の転がる道ですが、水量は少なく渡り返して降りました。 テープ、マーク、ポイント標識が適宜あり、往きよりも安心。 ←ポイント7(14:35)を過ぎると谷を離れ、山腹道ですが‥ 落ち葉で見落とし、谷を降り続けました。 『あれ?』マークがない。足元にフレッシュな踏み跡。 行ける所まで行ってみたくなりました。 |
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透過光の紅葉谷は魅力的です。一か八の箇所があったら戻ります。幸い狭い流れ沿いに歩くことができました。 20分の冒険で池ヶ谷の登山道に復帰、今度はマークを外さないように歩きます。 (14:55) |
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下にログハウスの避難小屋。左側に屋根を突き抜けた大岩が! よく全壊しなかったものです。小屋裏からロープと鎖で岩壁を慎重に降ります。 (15:05) |
ポイント4の先に最後の見所、石門(くぐり岩)がありました。この先も20分気の緩められない道が続き、やがてほっとする植林道です。 (15:15) |
下の林道へ降り、右折すると数分で大石橋の駐車地に着きました。 (15:45) 帰宅しても刺激的な山行が、繰り返し心に蘇ります。『あ〜もう一度、あの道を歩きたい』こんな気持ちは初めてだ。 |
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東海岳行 |
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“NANTA” | |
10年前、ソウルにツアーで行きました。当時、韓国の「NANTA」ミュージカルが1997年から公演を続け大評判。現地の劇場で見れないかと調べたのですが、スケジュール的に無理で諦めました。世界40カ国以上で公演、日本でも上演されていますが今秋、11月とうとう名古屋に来ました。 ネットで申込みます。「NANTA」は「乱打」という意味で出演者は舞台で声は発するのですが、台詞は殆どありません。ミュージカルですが歌はなく、韓国の伝統リズムを出演者が刻むユニークなスタイルです。舞台セットは厨房なので楽器代わりに鍋、包丁、まな板、ゴミ箱などを叩きます。 上演は、名駅名鉄百貨店10階の名鉄ホールです。ここは不思議な作りでエレベーターで10階へ上がり一旦、9階へエスカレーターで戻り、別階段で10階へ上がるとホール入口があります。→ なんでも百貨店ビルを作ったとき、名鉄グループ社員が集う会場として設けられたのですが、それほど使われなく劇場として活用してるようです。私たち夫婦の席は‥いち早く申し込んだお蔭か、前から7列目で中央エリア、超ラッキー。 ストーリーは、マネージャーから急に結婚式の料理を指示された4人の料理人が、本物の材料で調理をします。ものすごい速さで包丁をさばくのでキャベツが舞台や客席にしぶきのように飛び散る。調理人に一人可愛らしい女性がいます。 日本人で愛知県蟹江町出身の岩本さん。大学生の時、家族旅行で見た「NANTA」に感動して人生を決めました。卒業後、1年間の語学留学をして上演劇場でアルバイト。自ら売込み半年間の訓練を受け3年前出演者になりました。 演技というより大道芸のパフォーマンスのような曲芸が次々繰り広げられます。4人のタイミングや呼吸が素晴らしく、その都度拍手が鳴りました。出演者が観客席まで来ることもあり、観客参加型で何人かが舞台に招かれ、いじられたり演技させられたり楽しい。 その面白さが、よく知られているようで客席は老若男女で満席です。1時間半休憩なしで疾走し、汗まみれの体力勝負。最後に大太鼓の重低音を響かせて乱打するところは、まさに鳥肌物でした。 韓国には「NANTA」専用劇場が4館もあるそうです。日本もオリジナルミュージカルをユーミンやサザンの曲で作ったらどうでしょう。劇団四季、いかがでしょう。 |