2012年12月19日(水) 石山観音にて(磨崖仏公園) 磨崖仏群の中心に馬の背と呼ばれる長さ100m超の巨岩がクジラのように横たわる 右手3.5kmに錫杖ヶ岳 |
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鈴鹿山脈は標高を下げながら南下し、亀山市で尾根を南西に変え、伊賀で長いうねりを里に納めます。山脈沿いには、名阪国道が走ります。 日本の数少ないフリーウェイ。車窓で流れる山々が、快適なドライブを演出。南側は700m以下の低山の布引山地が重畳と連なります。 そこでひときわ目を引くのが錫杖ヶ岳(シャクジョウ)です。槍のような鋭い山頂は、遠くからでも容易に同定でき登高意欲を掻き立てられます。 この名山は今まで南麓の下之垣内(シモノカイト)から2度周回しました。今回は「ジオンと山歩記」さんにお誘いを頂き、10名パーティで縦走します。 教科書は、西内正弘著・中日新聞社刊「地図で歩く鈴鹿の山」です。 |
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※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点 ■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前6時25分発 曇り/1℃ 駐車地:午前8時分30着 曇り |
往:1時間45分(山頂まで、小休止含) 復:2時間05分(ランチタイム除) ◆所要時間:3時間50分 |
名阪国道の向井ICから南へ林道を1km走ります。登山口駐車場に置車。さあ出発です。 (8:35) |
南へ行けば、左に登山口の標識があります。200m毎に1〜9の数字を記した標識があり、山頂までは2000mです。 |
谷は倒木で荒れ気味ですが、登山道は、良く整備されていました。枯れ沢を2回渡渉して谷を離れます。 |
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山腹の急登をこなすと柚の木峠。北畑から来た道と合流。左折して東の山頂へ歩きます。 (9:05) |
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加太(カブト)向井ルートは、明快な踏み跡があります。 南里の展望を楽しみ、軽快に進むと‥ 急登が待ち受けていました。固定ロープ、展望地‥ |
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鎖の岩場、ルートは変化があり、飽きません。この岩場上で眺望が得られ‥ (10:05) |
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北西に鈴鹿南端部。中央、烏山(小平山)717m、左端の山腹は、採石場です。右手前が経塚山623m。 |
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槍のように鋭い山頂に近づき、傾斜は一層厳しいものになりました。 |
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頂上は岩石が集まり、周囲を遮るものはありません。お馴染みの山名標に誰が掛けたのか、Xマス・リース。 (10:15) |
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南東にダム湖の錫杖湖。昔、錫杖ヶ岳は、里から雨乞い霊山として登られました。『それで登山道が多いのか』 |
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北東に鈴鹿山脈と伊勢平野が望めます。 奥の峰が、左から仙ヶ岳961m、野登山852m、その下が明星ヶ岳549m。 右の白い建物群は、シャープ亀山工場がある工業団地です。 |
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東に目を転じると下山で歩く尾根が見えます。中央のピーク小雀の頭まで行き、左折して左尾根を下降します。 |
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山頂から南へ降って休憩所でランチ、滅茶苦茶寒い!きっと氷点下。ダウンを忘れ雨合羽を着てセーフ。 〜7(11:40) |
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腹ごなしに運動は欠かせません。階段の多いBコース分岐と下之垣内福徳分岐を越え急降します。 |
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河内分岐を過ぎ途中、振り返ると岩山の頂上がもう遠い。 錫杖ヶ岳は、別名雀頭山(ジャクトウサン)とも呼ばれます。 ←雀の頭に似てる? この角度ではちょっと厳しい。 |
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福徳ルートは、アップダウンの波が何度も押し寄せます。方向転換するピーク小雀の頭574mです。 錫杖ヶ岳は三角点無しでしたが、ここに三等三角点がありました。 (12:25) |
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痩せ尾根を登降した後、小ピークの右を巻きます。右斜面に一杯のテープで注意喚起。テープに従い右折。(12:45) |
尾根芯の登山道は、整備されています。小ピーク前の鞍部で左の木に「←下山コース福徳から関バスセンター」から左折。(13:05) |
山腹道を降ると枯れ沢に出会いますが、倒木で荒れ気味です。道はきちんと歩けるようになっていて‥ |
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掲示から15分で林道終点に出ました。舗装道に変わり、福徳集落を抜けます。 (13:20) |
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名阪国道を潜り右折するとデポした車が待つ駐車地です。皆さんが未訪の不思議スポットへ案内します。 芸濃町鈴鹿CC西にある石山観音へ4km約10分走りました。 |
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石山観音は、標高160mに巨岩奇岩が点在する磨崖仏公園です。 自然の岩壁に33の石仏が掘られ、最古仏は室町時代。 県指定文化財は3ヶ所、周回40分のハイキングコースです。 巨岩馬の背に一か所、数mの蟻の戸渡りがあり縮み上がります。 Jさんは岩を見てテンションが急上昇。しかし調子が悪いのか、『怖い!ダメ本当に怖い』 『あれ?ここどうやって降りるの』 極め付きは『ワ〜!登れない』と岩に必死でしがみつく。 その格好が面白く、みんながカメラを向けると『ダメ!写真禁止、ダメ!』と叫び大笑いです。 水曜会の今年の山行は今日で締めです。最後は『よいお年を』と言葉を交わしました。 |
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水曜会のみなさん:手前左からDolphyさん、風花さん、yakoさん、SIVAさん 奥左から乱丸さん、ジオンさん、福ちゃん、ノコさん、みれさん、私です。 皆さんにお世話になり楽しい山行でした。ありがとうございます。 |
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東海岳行 |
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“鈴鹿のクマ” | |
■錫杖ヶ岳で休憩中、滋賀県にお住いの「乱丸お出かけ」さんから驚くべきお話を伺いました。昨年10月18日、東近江市永源寺相谷町でクマを捕獲。『え?本当ですか』 私は、半信半疑で聞き返しました。今まで鈴鹿にクマはいないと勝手に思い込んでいたので‥ 紅葉で有名な永源寺の南方にその名も熊原神社があります。奥の林道脇に置かれたイノシシの檻にクマが入っているのを仕掛人が早朝、見つけました。体長1m・体重41kg、3〜4歳の雄です。滋賀県では、捕獲檻に目的外の鳥獣が入った場合、自然に返すのがルールです。 麻酔銃で眠らせ耳に識別タグをつけて滋賀・三重の県境に運び、山奥で放しました。『県境って、どこ?』 永源寺前の八風街道(国道421号線)を県境に走ると石槫トンネルです。トンネル手前の旧道を辿れば県境の石槫峠だけど? 場所は確かではありませんが、北に竜ヶ岳、南は三池岳。右は、それを知らせた滋賀報知新聞の写真。 ■6年前千種街道でイブネに訪れたとき、杉峠に「この先熊出没注意」の掲示板がありました。(下左) マジックで「佐目峠付近93年」と添え書きがあります。その時は『まさか』と思ったのですが、クマ捕獲事件があるならありえることです。佐目峠に出没した93年頃、県の情報では、ツキノワグマの生息域は湖北、湖西、鈴鹿山系で永源寺以外にも日野町、蒲生町、米原で目撃されています。 ■錫杖ヶ岳山行に参加された「山おんな 岩おんな」のみれさんが、12月7日伊吹山でクマと遭遇しました。彼女は余呉トレイルでも遭遇したことがありますが、今回は写真を撮りました。100m以上離れているので画像を拡大します。→ 3合目のスキー場を歩き中々立ち去らず、みれさんは少しずつ後ずさり‥『怖かった』 ■調べるとその3か月前の9月、米原市弥高でクマが道路を横断して車と衝突。 車はバンパーが壊れ、体長150pのクマは竹藪に逃げたのですが、そこは伊吹山の南麓です。伊吹山から南へ5q行けば、鈴鹿山系でクマが移動しても不思議ではありません。 ■東近江市の今年の防災情報ですが、なんと6月15日永源寺相谷町でクマが再び捕獲されました。イノシシの檻にクマが入っているのを早朝、仕掛人が見つけます。体長1.53m・体重65kg、6歳の雄です。 ルールでクマは山奥に放たれました。左がそのクマの写真です。きっと同じ場所、同じ檻、同じ人が発見したと思われます。昨年捕まったクマではないと思われます。同じなら識別タグがついていたはずです。 ■私が初心者のころ、鈴鹿でクマスズを付けていたらすれ違った登山者から『いらないよ』と言われました。その時は恥ずかしい思いをしたのですが、これからはクマスズをカラコロ鳴らしましょう。 ※鈴鹿のクマは、「滋賀報知新聞」「クマ出没情報ブログ」「爽快渓流フライフィッシングに魅せられて」などを参考にさせていただきました。 |