2013年11月5日(火) 色彩のインパクト |
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蕎麦粒山は、山と渓谷社刊「名古屋周辺の山200」(2002年初版)で知りました。林道が崩壊し、林道終点まで歩かなければなりません。 登山口がわかりにくく撤退レポも度々。昨年11月、kitayama-walkさんが「名古屋周辺の山200」の地形図コースミスを見つけられました。 これで撤退の謎が解けましたが、ルートは急登で藪漕ぎもあり手強い。今年の6月、みれさんのレポで西尾根の新ルートが紹介されました。 歩きやすそうでピストンしようと野良人さん・博士の3人で行きます。教科書は、リンク頂いてる「山好き的日々@京都北山」さんです。 参考書として「山おんな岩おんな」さんのお世話になりました。 |
<駐車地> [+]詳細図、[-]広域図、ドラッグスクロールで移動 大きい地図 |
揖斐川町の横山ダムまで走り、国道303号線で西進。道の駅「夜叉が池の里さかうち」を過ぎ、右折北進。2km走ると… |
旧スキー場P ↓ 西俣出合P ↓ 登山口 ↓ ▲蕎麦粒山 ↓ 崩壊地 ↓ 旧スキー場P ※赤線はGPS軌跡 ■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前6時25分発 晴れ/12℃ 駐車地:午前8時10分着 晴れ |
往:4時間05分(山頂まで、小休止含) 還:4時間25分(ランチタイム除く) ◆所要時間:8時間30分 |
追憶のゲレンデ旧「遊らんど坂内スキー場」の外れで通行止。脇に置車して出発します。舗装された大谷林道を2km歩くと… (8:20) |
広い駐車地があり、乗用車が停まっていました。『ここまで車で来れるの?』 通行止の林道横より川へ降ります。 (8:45) |
沢を渡渉し、対岸の踏み跡を北へ辿ると‥ |
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斜面出合い。登山道は左に折れ、ジグザグ尾根に向います。山は深くなり‥ |
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命輝く森。これはこれは、想像以上の大御馳走です。 秋色の華やかさがこれほどとは、撮影で進まない。 |
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急登を辛抱すると標高800mから辺りにブナが多くなります。標高1000mの曲折点では、「登りたくなるブナ」 (10:40) |
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尾根の方向は北北東になりました。写真左に次の1075mピーク、奥美濃の美形蕎麦粒山が右に並んでいます。 |
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もう堪らない、黄金色・栗色・柿色様々に輝きを競い合っている。 深みゆく秋、突き抜ける青空、こんな日に登られる幸運に感謝しなければなりません。 |
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多少の藪漕ぎ、踏み跡があり悩むことはありません。1075mピークから東北東に60m高度を下げます。 (11:15) |
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鞍部に池のような窪地、辺りにはブナの大木。単独の人とすれ違います。話をすると乗用車の人でした。 通行止を突破したことを聞くと『バリケードをどけて入ればいいですよ』 あらら、往復1時間損したような気持ち。 |
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トラバースの喘登が終わると待望の1297m山頂。4畳半程度の広さがあり、早速ランチにします。 (12:25)〜(13:00) |
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展望は四囲にあり、左の尖峰が小蕎麦粒山1230m、右に少し下がったピークが五蛇池山1148m。 写真右下方向の大谷林道終点から登ってこられた先着の中高年の男女が食事中。 野良人さんが、そのルートの状況を尋ねました。そして‥ 『ピストンではなく周回しようか』『13時に出発して時間はギリですね』 こんなこともあるかと地図にルートは書き込み、GPSにポイントは打ち込んます。日没は17時前。 4時間以内に崩壊地を過ぎ林道へ着けば、あとは舗装道です。道ミスはできません。 |
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山頂から北に下山します。いきなり深い背丈より高いネマリガタケの藪に突入。しかも急降で必死こきます。 |
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ふみ跡をたどれば時々、藪から解放され一息。こちらは登りルートより紅葉樹は少ないけど、今が見頃です。 |
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一旦鞍部に降り、80m登り返します。ピーク手前から右カーブすると『あった!』 小蕎麦粒山分岐点です。 ここは下山の重要ポイント。T字になっていて右折し痩せ尾根を降ります。 (14:05) |
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シャクナゲがルートを覆うので、潜って急降を続けました。 野良人さん『咲いてるぞ!』 シャクナゲが一輪咲いています。→ 高度が下がりヒノキの大木が並んだ急勾配。 『あの女子は、よくこのルートを登って来たものだな』 道の9割くらい藪だったほど‥厳しいルートでした。 |
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心細いロープの岩場。登りは木の根や岩をつかめるけど降りは中々難しい。 (15:25) |
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渡渉地点に出ました。 右岸の枝に↑「ソムギ岳 岳友タンネ会」の目印があります。 川を左岸に渡ると‥ (15:30) |
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大谷川沿いに道が続いてました。背丈以上の草が伸び放題。林道終点からまともな道になるかと期待しました。 ところが、林道の面影もない、ずーっと猛烈な草藪。でもありがたいことに道は、川沿いで迷いません。 (15:50) |
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伝説の林道崩壊地。10年以上前から崩れたままですが、崖に草がボーボーです。写真中央に踏み跡。 左下に見えるトラロープが、崩壊個所に20m付けられ、踏み跡も固まっています。5m上には迂回路もありました。 (15:35) |
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通行止の舗装道に到着。林道を延ばす工事は中断してるようです。ちょうど日没、まだ明かるさは残っています。 (16:50) この時期、黄昏る速さは驚くほど。途中で闇夜になりました。『8時間30分の周回、よー歩いたなあ』 (17:25) |
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東海岳行 |
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“夜の轟き” | |
社員旅行が盛んなころ。温泉旅館で大宴会は盛り上がり、中締めが済みました。私たち4人部屋の一派は、まだゴチャゴチャ残っている人たちに見切りをつけ部屋に戻ります。そこには麻雀卓が用意されていました。そう私たちは、これが楽しみで旅行に来たようなものです。 9時から、ビールをたしなみながら楽しくゲームを始めました。10時、11時、勝負もたけなわ‥日付が変わった1時過ぎに終了。10畳の部屋には、布団が4組敷かれているので電気を消してもぐりこみます。『お休み』 5分も立たないうちに雄たけびが部屋中に轟いたのです。 方向からするとイギキは丸井さんのようです。彼に背を向けて布団をかぶります。しかし全然、轟き音を防ぐことはできません。10分我慢していると『うるせーなあ』門田さんのどなる声がしました。私が、起きて明かりを点けると門田さん、森本さんも立ち上がります。 堪忍袋の緒が切れました。張本人の丸井さんは、50才になったばかり。大きく口を開けて『グワーブルブルブル』と行きも還りも大騒ぎ。小柄ですがイビキは一級品。私たちは、彼を眺めながら相談します。『濡らしたハンカチを顔に掛けようか』『昇天したらまずい』 そんな冗談が出るくらい一人で熟睡していることが憎たらしい。私は押入れを指さしました。二人はOKサイン。戸を開けて下段にある布団や枕を上段に上げます。丸井さんの寝る布団をそっと引きずって押入れのスペースに入れました。戸を慎重に閉める。 私たちは、自分の布団を押入れから一番離れた場所に移動させます。イビキは漏れ聞こえますが、許容できる範囲です。『じゃ、お休み』 重要なミッションを終えホッとしたのか私はすぐ寝ることができました。‥朝起きると押入れの戸が開いて丸井さんがいません。『あらら、ヤバイ』 彼がが起きる前に引っ張り出すつもりでしたが無理だったようです。顔を洗って朝食会場に行くと丸井さんはもう食べています。『押入れに入れてすんません』 3人は隣に座って彼に謝りました。『いいよ、俺のイビキひどかったろ。女房も嫌がって別の部屋で寝るくらいだからなあ』 丸井さんは、笑いながら話を続けました。彼はビールを飲んだせいで小用がしたくなり、夜中に一度起きたそうです。布団をどけて起きると頭が板に当たり、自分がどこにいるのか少しパニックりました。そーっと手を伸ばして探ると、戸が手に触れ置かれた状況がわかります。 戸を開けてトイレに行き、戻ったらまた押入れに入り戸を閉めました。丸井さん、いい人だけどイビキマンと一緒の部屋はもうコリゴリだ。 |