岳行ノート

雨乞岳(郡界尾根) 1238m/滋賀県甲賀市 

2013年12月3日(火)


雨乞岳より東雨乞

(両脇は左:釈迦ヶ岳、右:国見岳と御在所岳)


 雨乞岳には痛い思い出があります。11年前、鈴鹿セブンマウンテンを御在所岳、入道ヶ岳、藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳と一つづつ登りました。

 自信が付き、11月末6山目の雨乞岳に挑戦。稲ヶ谷道で登り、クラ谷道で下山する周回コースです。その頃はガイド本をコピーしていました。

 西内氏著の「鈴鹿の山ハイキング」の詳細な絵地図は、初心者の私にはとてもありがたい。地形図はありませんがコンパス携帯で歩きました。


 下山で3回も道ミスをして日没になり、駐車地まで笹道を30分、ランプ点灯して歩きました。今回、未踏の郡界尾根とその迷いルートを単独で‥

 教科書は、西内正弘著、中日新聞社刊「鈴鹿の山 万能ガイド」です。参考書としてヤマレコのお世話になりました。
<駐車場>
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大きい地図


駐車場△沢谷の頭△三人山△東雨乞→▲雨乞岳△七人山駐車場

※赤線はGPS軌跡  ●は主な分岐  は池  B〜G、□印は登山道ナンバー標識

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時55分発  晴れ/5℃
駐車地:午前8時50分着  晴れ/5℃
往:2時間50分(山頂まで、小休止含)
還:2時間45分(ランチタイム除く)
◆所要時間:5時間35分


 武平トンネルから滋賀県に入り、400m走った左側の駐車場に置車。素晴しい冬晴れの朝! 写真奥へ歩くと‥
(9:05)

 300m先に農林水産省の雨量中継局がありました。右から山に入り、小沢を渡渉して‥

 植林下に延びる急こう配の道を登ります。尾根に出て踏み跡を北西へ進むと‥

 一服峠のピークです。郡界尾根を西へ辿ります。
(9:35)

 ←150mで曲折点、南へ向きを変えました。


 郡界尾根は道ミスしやすそう。南に開けた尾根を登ると沢谷の頭967m。先で痩せ尾根に太いブナ
(10:25)
軌跡が欲しいのでGPSナビは、持参しています。
でも地形図とコンパスで歩こうと決め、見ないことにしました。

右に見えた谷が狭まり、溝になるとブナ「←三人山経由 〇の案内書。
左方の斜面を登り三人山へ行きましょう。登山道は斜面左端ですが、どこでも登れます。


 着いた三人山1014mも展望はありません。北へ向きを変え、降ると上写真の溝に沿った道と合流します。
(10:50)

 郡界尾根は、難しいバリルートと思っていました。マークや私製道標が要所にあり、意外に困難さは感じません。

 鈴鹿遭難撲滅キャンペーンがされたのかもしれません。鞍部に着くとブナ三服峠と書かれています。
(11:00)


 三服峠から標高を一気に二百数十m上げます。5分も登れば笹道になりました。踏み跡はあるので泳ぎ切ると‥ 


 四囲に大展望の東雨乞1220m。北に左:イブネ1160m、右:釈迦ヶ岳1092mです。 西を目指せば‥
(11:45)

鈴鹿山地第二の高峰、雨乞岳1238mの笹原の山頂です。山はズシンと重い。
初心者の頃、笹割りの道が延びる写真は魅力的で、『歩きたい!』と思いました。

 10分で三等三角点山頂。防風笹で座れば風はありません。カップヌードル&お握りが美味い! (11:55)〜(12:20)

 北に笹を分け入ると大峠の沢と呼ぶ小池があります。山頂にあるのでどこから水が供給されるのか? 不思議な池です。



 雨乞岳東雨乞で10数人と出合いました。平日も人気があります。
東雨乞まで戻り、左:御在所岳1212m、右:鎌ヶ岳1161m。
 ←下山は、北の降り口から。暫く笹道を降ります。
(12:30)


 緩く降ると正面に七人山御在所岳を隠しています。辺りは、広葉樹が多くいい感じ。


 重要な分岐七人山コルです。ルート番号標が「ここはF番です」 番号を辿れば、国道の登山口に戻れます。
(12:55)

 リュックをデポし、幹のマークを拾い登りました。山頂は、裸木が、青空を突き刺して立つ森です。

 ブナ「七人山」と彫字され痛々しい。降るとき、似たような光景に惑わされ、ズレを気付き良かった。
(13:05)


七人山コルからクラ谷源流を降っていきます。
ルートにマークやテープ要所にあり、迷うことなく歩けました。

←左岸にE番、やがて右岸にD番のルート番号。
この先で地形とルートが複雑になります。
その辺りが、11年前に迷ったクラ谷で当時が蘇りました。
(13:40)

 私はミスしてクラ谷を降ったのですが、そうならないよう左岸から右岸への渡渉を印が導いています。渡ると‥

 クラ谷を離れ高巻き道に移るのですが、そこに「武平峠」の案内。以前は登る人向けの「雨乞岳」の案内しかありませんでした。(13:45)


 高巻けば崩壊地。ここからトラバースの道から崩壊地に降り、左に横切るようマークの指示がありました。
(13:55)

 小さな尾根を越え、流れの無い沢谷から右岸に上がります。クラ谷分岐C番に出ました。
(14:00)

 郡界尾根を横切り(B番)ました。11年前、この辺りでライトを点けたはず。今はないけど笹に囲まれていました。

 植林に入り、20分で武平トンネル近くの←登山口@番に下山。国道に出て300m西が駐車場です。
(15:05)

 11年前、ひよこさんを巻き込んだ暗闇歩きを猛省しました。彼女の命は私の手中。即、GPSを購入しました。


東海岳行
  “スプレー式タイヤチェーン” 

 そろそろ雪の季節。私は怖いので極力、車で雪道を走りません。街に雪が降ったら家でじっとしています。しかし、朝早く山へ行くと日陰の林道、橋の上、トンネルの出口など凍っています。帰りに雪が降ることもありますが、それは年に1〜2回、あるかないかの確率です。

 そのために高価なスタッドレスタイヤを購入できません。そこで保険としてタイヤチェーンを常備すれば安心です。そう思ってはや3年、愛車のタイヤは特殊なサイズらしく雪が降ってから買おうとするといつも売切れです。今年は事前に準備しようと考えました。

 タイヤチェーンは、安価な鉄製(5千円〜)、高価な樹脂製(2万円程度)、布製のソックスタイプ(1万円前後)を知っています。長所・短所がありますが、ネットでスプレー式タイヤチェーンを見つけました。



 ノルウェーで開発され、米国で高性能な商品に改良されたそうです。北米産の木材樹脂が原料で環境に優しくタイヤを痛めません。顕微鏡で見ると樹脂のスパイクが無数に立っているとのこと。

 効果は最大50〜70kmですが、通常の道を走ると急激に効果が落ちます。1缶で最大20本のタイヤにスプレーでき、トレッド面にスプレーして5〜10分で走行可能です。価格は20本用スプレーが2990円、10本用だと1980円でした。

 使用した人の感想、厳冬期に缶をトランクへ入れておくと中身が凍ることがある。スプレーは楽だけどべとべとする。雪道と通常路面を繰り返すと10kmで効果が薄れた。タイヤに白い跡が残る。誤って車体やホイールに付着しても跡が残る。(エチルアルコールを布に染み込ませて拭き取れるそうです)



 緊急用なので高速道路のチェーン規制には非対応です。価格的には問題ありません。雪道でタイヤチェーンを付ける目的は、事故を防止し、車に乗る人の命を守ることでした。

 数千円〜1万円をケチって危険な目にあうのは嫌だし‥チェーン装着が面倒でノーマルタイヤで事故り、J]AFのお世話になるのもいやだし…非常用としてスプレー式タイヤチェーンを買ってみようかな。

 登山口まで凍った林道を歩く事がありますが、靴底にスプレーしたら滑らないでしょう。でもべとべとが残ったらアイゼンが付けにくそうだ。

2013.12.08(日)22:00