岳行ノート

西蔵〜本宮山2 483m・789m/愛知県豊川市 

2014年2月10日(月)


秀麗な姿の霊山

(東三河平野のどこからも拝することがでます。あの山腹では新東名のトンネル工事中です)


 いつも掲示板(ゲストブック)に書き込み戴いている岳魚(ガクギョ)さんは、三河のお住まいです。2年前の春、「世界の桜の園」をご一緒しました。

 以来ご無沙汰しています。三河富士と呼ばれる本宮山の周回を企画しました。登りは、山頂南西の三角点峰西蔵を経由するマイナーなルート。

 降りは、古い参道の佇まいを残すメインのルートでウォーキングセンターへ。岳魚さんの山仲間、やまさんも参加して3人パーティです。


 東名高速豊川ICで下り、北へ6km走りウォーキングセンターへ私の車を置きます。岳魚さんの車に乗り換え、県道21号線で西へ1km。

 キャッスルヒルCCゴルフ場の手前で「太平洋プレコン工業→」の看板を見て交差点を右折。交差点から400m北へ走り、Y字分岐手前の…
<駐車地>
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大きい地図
 教科書は、ヤマレコの「西蔵岳・本宮山縦走」です。 





駐車地

登山口

西蔵

本宮山

砥鹿神社奥宮

ウォーキングセンター
駐車場



※赤線はGPS軌跡
●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時00分発  晴れ/1℃
駐車地:午前8時40分着  晴れ
往:4時間00分(本宮山山頂まで、小休止含)
還:1時間45分(ランチタイム除く)
◆所要時間:5時間45分


 路肩に置車しました。快晴無風、上天気です。Y字分岐の左へ入ります。
(8:40)

 防獣ネットの扉を開閉して林道を奥へ進みます。林道終点から中央の小沢を渡渉すると…

 西蔵登山口の道標。登山道は左で灌木が道を覆いますが大したことありません。(9:05)


 尾根に出て右折し登山道を辿ります。やがて西蔵三等三角点山頂。東に少し切り開きがあり、北東の道を降り‥
(9:55)


 右へ折れ、また左に折れると尾根を外した道になります。左と接触しますが、踏ん張って登山道を歩きました。

尾根に戻り、巡視路を辿ると3基の送電線鉄塔に出合います。
3基目の東側が好展望。写真中央を豊川が蛇行しています。
左の美しい笠形が吉祥山(キチジョウサン)382m。
(10:45)

 宝地池分岐を過ぎれば、左折点のこのピークです。立ち木のペンキマークを確認しながら北西へ降りていきます。
(10:55)

 山腹道は右カーブ、終わると北向きの尾根道になりました。


 570mピーク手前で赤ペンキの木が目を引きます。ピークを外し右へトラバース。
(11:30)


 
ガンダム似?の大岩を右へ迂回します。タフなコースです。560m付近で道は、雪に覆われました。
(11:50)

 急登斜面で踏み跡がわかりにくくなります。歩いてきた北東尾根と北から下がって来た尾根が合流。ここは北からの尾根を乗り越えます。
(12:10)

 降って谷を歩くと小沢があり、行くとくらがり渓谷遊歩道に出ました。馬背平です。右折して遊歩道と別れ、写真奥の直登道を登ります。
(12:15)

この道がきつい傾斜でおまけに雪が凍ってカリカリ。
2日前に積雪したのですが、ルートに昨日の足跡がありました。
馬背平から標高を150m上げると、巨大アンテナが見え‥

 舗装道を登れば本宮山一等三角点山頂789mです。アンテナ群を外すためレンズを東へ向け撮影しましょう。

 岳魚さんが’12年3月4日、山頂でマニアの人100人と集合写真を撮りました。’12年3月4日5時6分789m‥順列!
(12:40)

 山頂から南東へ降り、本宮山スカイラインに架かる橋を渡ると広場です。木立でランチします。(12:45)〜(13:35)

 広場端に南アルプス一望のパノラマ写真。東北方向の仙丈ヶ岳3033mから富士山まで写りますが、立ち木があり、どう撮ったのでしょう?


 アンテナに登って撮影したのか。南へ歩きます。大鳥居を潜ると砥鹿(トガ)神社奥宮。創建は701年頃です。

社の前に「本宮山天狗の寄木」と呼ぶご神木がそびえてます。
根周11m、樹高30m、樹齢1000年といわれ、すざましい巨樹です。
生命力に感動し、先の石段を降ります。
(13:40)


 「天の磐座」「荒羽々気(アラハバキ)神社」を過ぎ、「お清水」から林道へ出て100m歩くと、再び参道に。

 「山姥(ヤマンバ)の足跡」「登る時、靴の底でこの足跡を擦ると足が軽くなり、下る時も擦って下山します」

 「下山の時、忘れて帰ると足が重くなる」それなら探さねば‥岳魚さん発見、これで下山は大丈夫です。
(14:10)

 道中の丁石・町石(チョウイシ)は、登山口奥宮で50丁。

左)45丁目:安城市袴田さん「平成22年1日12往復達成記念」 
右)32町目:小坂井町深井さん「70歳記念1日10往復達成」

 32町目を過ぎると「日月岩」(ヒツキイワ)。大岩に弘法大師の書といわれるの字が見えるそうで探しましょう。

 日月の箇所が白くなぞられ、謎はあっけなくとけました。
(14:30)

馬背岩(ウマノセイワ)は26町から27町に露出する巨岩です。
人々の労力で参道の岩場にステップが削られ、歩きやすくなっています。
(14:35)


 参道入口の大鳥居を潜れば一般道です。南へ400m歩道を降れば‥
(15:10)


 ウォーキングセンター駐車場のデポ車。出発地まで2km、歩けば30分、車なら数分。ラクチンの誘惑には勝ない。
(15:15)


東海岳行
  “揚輝荘(yokiso)” 

 揚輝荘は、大正から昭和初期にかけて百貨店松坂屋の初代社長、伊藤次郎左衛門祐民(スケタミ)によって構築された別邸です。

 名古屋市千種区の八事日泰寺に隣接し、伊藤家から名古屋市に寄贈され一般公開されています。トミさんと名古屋めしあんかけスパをランチして訪れました。

 日泰寺を参拝し、北園(無料)から見学します。個人の御庭(下左写真)とお住まいでしたが広い。池があり、白雲橋(下右)というオシャレな橋が架かります。



 20分北園を見学して南園に向かいました。昔は敷地にテニスコート、稲荷、弓道場、温室、茶屋、、、が設けられていて桁はずれのお金持ちです。今はマンションやビルが周囲に建っています。当初は上地図の外周道路の内側全部が揚輝荘でした。 

<北園の池泉回遊式庭園>
<白雲橋>

 南園には揚輝荘を象徴する聴松閣(チョウショウカク:下左)が目を引きます。山荘風の外観にベンガル・ピンクの外壁が異国情緒が薫る。傷んでいたものを3年掛けて復元し、昨年8月から一般公開(入場料300円)されました。名古屋市の有形文化財です。


 地上3階、地下1階で昭和12年に完成し、皇室や政財界の要人をおもてなししました。戦後7年間、米軍に接収されていたこともあります。入場の時、受付で『名古屋の方ですか?』『名古屋の方ですか?』と2回も聞かれました。名古屋人だと入場料100円ですが、アドリブの利かない二人です。

 
<聴松閣>
 
<2階>

 まず、クリ材を使用して透かし彫りのある重厚な仕上がりの階段を上がりました。6部屋以上あり、高齢の解説員の方が、たちどころに二人に寄ってきて部屋の意匠やエピソードをとても詳しくお話してくれます。興味深く面白いのでつい長居。

 各部屋を巡ったのですが、見学者が次から次へときます。ほとんど中高年のおめかしした女性です。着物の方も見え、上品で雰囲気がいい。エレベーターで地下に降りました。そこはパーティや能などが行われた舞踏場室。名古屋にも上流社会があったのですね。


 <地下舞踏場(奥が舞台)>
 
<1階食堂(現在は喫茶室)>

 最後に1階の食堂でおぜんざいを頂きました。粒あんで御餅入り500円。かって私の親せきが松坂屋の宣伝部にいたのでちょっとだけ縁があります。松坂屋の歴史や伊藤次郎左衛門裕民の考えや行動が少しわかり、楽しいひと時を過ごせました。ここはお勧めの中高年デートスポットです。

2014.02.16(日)23:15