岳行ノート

奥三界山 1811m/岐阜県中津川市 

2014年10月17日(金)

森林軌道跡の二段橋、奥に昇竜の滝


 今年は、ネットの紅葉情報をうまく使いこなせていません。先週10/10の富士山大沢崩は、今週10/16(木)見頃となり、冠雪もしたようです。

 1週間早かったですね。あまり紅葉に固執しないでいきましょう。そこで日が短くなってからは、行けない奥三界山に出かけます。

 ガイドブックでの歩行時間が7時間20分と長く、今まで腰が引けていました。林道-登山道-林道-登山道と歩きますが、登山道は7割です。


 単独では長い道中が寂しいので野良人さんを誘います。標高700mから1811mの山頂への山旅です。

 教科書は、山と渓谷社刊「新・分県別登山ガイド 岐阜県の山」です。参考書として多くのホームページのお世話になりました。
<駐車地>
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  中央道の中津川ICで下り、国道19号線を14km北上。弥栄橋交差点で左折、夕森キャンプ場を過ぎると‥



駐車地

     (川上林道)
銅穴の滝・次の分岐
    (登山道)
林道出合
      ↓(夕森田立林道)
天然公園分岐
      (登山道)
奥三界山

駐車地

(青線)は、野良人さんのショートカット

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前5時30分発   晴れ/14℃
駐車場:午前7時30分着   晴れ
往:4時間40分(山頂まで、待合せ1時間20分除く)
還:3時間30分(小休止含
◆所要時間:8時間10分(待合せ加味:9時間30分)


 通行止ゲートがあり、手前の広い空き地に駐車。まず川上林道を登ります。
(7:30)


 10分で左崖に細い落水の忘鱗の滝。進んでいくと森に陽が差してきました。今日は晴れ予報で山行日よりです。

 左に休憩舎があり、銅穴谷に架かる銅穴の滝(ドウコ)に出合います。落差15mで水量もあり、綺麗な流身です。(8:00)

 滝から数分で分岐、天然公園へ向かう林道と別れ、左の草地へ入ります。ここから登山道となり、川へ降りていき‥(8:05)

「一ツ滝・アゼ滝⇒」の指標から、定員1名の心細い吊り橋で川上川を渡ります。
10分足らずで滝への分岐標があり、寄り道しましょう。


 
5分歩けばアゼ滝。落差15m、豪快に大きな滝壺に吸い込まれるのが特徴です。15分の寄り道でした。
(8:30)


 .尾根の登山道を登ると周囲に巨木の切り株が数十本残っていました。神社の御柱に伐採されたのでしょうか。


 ジグザグ登ると、吊り橋から350m標高が上がり、夕森田立林道に出合います。右折し、しばらく林道歩き。
(9:25)


 周囲の光景は開放的で気分一新。北に夕森山1521m、付知峡キャンプ場から登る夕森山1597mとは違います。
途中、生コン車とすれ違いました。進むと川上川で堰堤の工事をしています。
コンクリートを入れた黄色のバケットが、ケーブルクレーンで降下中です。

奥に昇竜の滝が見えています。その下に、このコースで象徴的な2段橋。
下段橋を渡ると奥三界山の指標があり、鋭角に左折して上段橋へ向かいます。(TOP写真)
(10:15)


 道は森林軌道跡です。旧川上村丸野駅から延びてきていました。今は、落石が多く、足早に通りましょう。

 崖側の斜面は岩が累積しています。ショートカットできそうですが? 私はこのまま軌道跡を辿ります。

 野良人さんはショートカットに挑戦となりました。
(10:40)

野良人さんと尾根で逢う約束をして別れ、落石の道を慎重に進みます。
青空の下、紅葉をちりばめた素晴しい谷の光景に遭遇しました。
北正面に丸いピークの奥三界山山頂。まだ1時間半はかかりそうです。

 軌道跡の終点にプレハブの荒れた営林署小屋。ここを右に回り込むと‥  (10:55)

 急斜面に梯子が掛けられ、横に補助のトラロープが添えられています。登ると尾根は‥

 一面、背丈ほどの笹。笹が刈られた道を辿ります。野良人さんが登って来る個所の見当を付け『お〜い』呼ぶ。
(11:10)

 来ないので別れた場所まで戻る。(左の枯れ木を目印に必死で登ったそうです) 姿はありません。

 もう一度、上写真の場所まで戻る。この行動で1時間20分費やしました。行き違いで先に山頂に向かっているか?

 山頂へ向かいます。谷のガレ場に出ました。少し流れがあり、浮き石に注意。
(12:45)

 15分で主尾根に出て進むと『ho〜』という声。野良人さんです。再開に安堵。ショートカットは、猛烈な笹薮で苦労。

、30分の距離を1時間20分かかりました。登頂は済んだので待ってもらい、私は山頂を目指します。
(13:30)


 湿地帯になり、ぬかるんだ道は難儀です。鮮やかな緑苔の向こうに鏡池。山頂は近い。
(13:35)

 の展望台が立つ山頂に到着。三界とは、仏語で迷いの世界を欲界・色界・無色界の三種に分けたものです。

 三等三角点にタッチ、階段を上がると‥
(13:40)

西から北まで90度の眺望。左奥、稜線の一番高いピークが小秀山1982m、左端、稜線下の低いピークは夕森山1597m、中央ピークの左が井出ノ小路山1806m。

 右端は御嶽山継母岳2867mが見え、←ズームすると右の木に隠れそうな剣ヶ峰3067m。噴煙が上がっています。合掌 
 野良人さんの待つ場所に戻り、珈琲を頂き、お握りを頬張ります。反省しながら下山します。

営林署小屋(14:55)
林道出合(16:05)

 川上林道で夕日に照らされた山々が、見送ってくれました。
駐車場着(17:10)

 
東海岳行
 道草セレクション
        “名乗るほどの者じゃない人”
 

 道草セレクション「遭遇」では旧友が、交通事故に遭遇した話を語ってくれました。彼が被害者の人を救い、名前を尋ねられると『名乗るほどの者じゃありません』と去っていく。今回の道草は、その遭遇記の続きです‥ 食事をしながら彼にビールを勧めます。



 舌が滑らかになり、次の話をしてくれました…夕方、片側一車線の道で、俺の車の10m前を原付バイクが、50kmのスピードで走っている。わき見をしてたのか突然、バイクは縁石に乗り上げ横倒しになった。運転者は、その勢いで飛びあがり歩道に落とされる。

 大丈夫か? 俺はスピードを緩め左を見る。うつ伏せになったままだ。車を停めようと思ったけど道にはそのスペースがない。こんな時は怪我の具合が心配なので急いで救急車を呼ぼうと思った。俺はケイタイを取り、119番に通報た。

 先に路肩に停められそうな所があったので寄せると‥どこからきたのか白バイが前に回り込んできて驚いた。若い警察官が下りてきて『運転中にケイタイかけていましたね』と言う。『そうだけど事故があったので急いで救急車を呼ぶためだ』『事故は見てません。免許証を見せてください』



 取り締まりと事故処理とどっちを優先するのかと言いたかった。白バイは、俺の車の右を並走したので事故の死角になったようだ。しょうがないので免許証を提示して『少し戻ったところで人が転がっている』と訴える。二人でそちらへ急ぐとバイクの若い人が起き上がるところだった。

 大丈夫だと言うけど間もなく救急車が来るので病院で診てもらった方がいいと伝える。事故救助をしたのに違反は納得いかない。白バイと警察署で話すことになった。点数は1点だけど7千円の反則金も痛いし理不尽だろ。一部始終を聞いた担当の警察官。

 『今回は無かったことにしましょう』
と言ってくれた。事故に遭遇すること自体が珍しいのに交通違反と絡むとは‥彼は、よくよく希代の星のもとに生まれたのかもしれません。おっと話を続けているうちにビールを3本も開けてしまった。

2014.10.20(月)21:35