2015年4月2日(木) 鍋尻山のスミレ スミレは、ただスミレのように咲けばよくって それが春の野にどんな影響が有るか無いかスミレのあずかり知らぬこと。 私と言えば、ただ山を登り喜びを全身で感じるだけです。 |
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早春に黄金色の花を咲かせることから、一番に春を告げるという草という意味の「福告ぐ草」と言う言葉が江戸時代に使われていました。 その後、「告ぐ」からお目出度い「寿」に替えられ、響きも良く目出度さも一段と増したのです。鈴鹿へフクジュソウに逢いに行きましょう。 藤原岳、御池岳、霊仙岳には、きっと大勢の登山者が集ってるでしょう。そこで若干マイナーですが、鍋尻山を選択しました。 8年前、南方の保月から登ったので今回は北方のアケン原から出発します。教科書は、中日新聞社刊・西内正弘著「地図で歩く鈴鹿の山」です。 名神高速の彦根インターで下り、国道306号線で東へ走りました。 |
<駐車地> ドラッグスクロールで移動 大きい地図 [+]詳細図、[-]広域図 |
久徳団地バス停のY字分岐で「河内風穴→」の看板から左へ入ります。河内風穴を過ぎ、次の分岐を右折するとアケン原集落。 |
アケン原駐車地 ↓ 登山口 ↓ (尾根道) ↓ ▲鍋尻山 ↓ 保月 ↓ (右斜面山腹道) ↓ ▲ダケノ畑 ↓ アケン原駐車地 ※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点 ■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前8時20分発 曇り/11℃ 駐車場:午前9時55分着 曇り/14℃ |
往:2時間20分(鍋尻山山頂まで、小休止含) 還:3時間40分(ランチタイム除く) 所要時間:6時間 |
アケン原集落の家が途切れた路肩に駐車。戻って鉄橋を渡り、左折して家を過ぎると‥ (10:10) |
右手の斜面に赤テープを二つ見つけました。その奥に石積みがあり、そこが登山口。登山道には‥ |
石灰岩が転がり、ジグザグ急登すればこの尾根出合。右奥から登って来た道と合流します。痩せ尾根を行くと‥ (10:40) |
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植林下に入りました。急傾斜の二次林に散乱する苔の石灰岩。踏み跡を見失ったようで、尾根を直登します。 中々きつく、足元はヌルヌル。岩や木を手掛かりに30分ほど奮闘すると‥ |
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樹木も岩も無い広い鞍部、ダケノ畑に到着。標高700mは冬の風景で南に目指す鍋尻山がそびえています。 (11:55) |
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斜面によじれた灌木、散乱する苔の石灰岩。 歩きやすい場所を探し30分登ると‥ |
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石灰岩に囲まれた鍋尻山三等三角点山頂。晴れ予報でしたが、太陽は覗かず寒いほど。 ちゃっちゃっとランチを終え、「かえり道→」の方向へ降りていきます。 (12:30)〜(12:45) |
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南斜面でおじさんがで樹木を網で囲っていました。鹿対策が必要なんでしょう。ガスの冷気が迫っています。 南斜面で展望が開けました。中央右奥が高室山848m、手前が地蔵山750m、中央左奥はザラノ808m。 |
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石灰岩の間を降りると見つけました! 岩かげに密やかに華やかにフクジュソウの群生。 パラボラアンテナのように花びらを広げ陽光を集めます。 中央にイガグリ君ができているのでもうすぐ花びらが散るでしょう。 |
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尾根筋のルート、テープを追い降って行くと左へカーブします。V字谷に出合いました。 右岸を行きたいのですが、先々に倒木があります。谷を離れないよう左岸を歩きました。 (13:25) |
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7、8分歩き周りを見ると‥苔石にフクジュソウ群落が集っています。 登山道から少し離れていますが‥ラッキーです。先ほどの南斜面より規模があります。 撮影会を終え、東へ進み登山道に合流。 |
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保月(ホウヅキ)の登山口に出合います。左折して舗装道を降り、南の高台へ。 (13:50) |
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集落を見下ろしても生活感がありません。消滅集落、、、廃村です。高台の斜面を降るとフクジュソウが咲いていました。 |
手入れされた八幡神社でお参り。明治に82戸、昭和30年は27戸に減少。今は5〜11月に戻られる住人が若干見えるそうです。 |
神社の裏から登山道に出ました。山頂近くで作業していたおじさんが降ってきたので挨拶をし、復路を辿ります。 数百m進むとこの分岐。左が鍋尻山、直進は迂回路なので直進を選択。ところが倒木や踏み跡が薄く心細い。 (1410) |
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V字谷の右岸の道。写真右奥から進み、倒木の箇所で谷は終了。鍋尻山から降りた時ここに出ました。写真左へ進み、、、 (14:25) |
振り返ってみました。重要な右折点ですが、迂回路の一部が崩壊して分かりにくい。このテープを見つけるまで5分がかかりました。 |
山腹の踏み跡をトラバース。地形図の709m地点と鍋尻山の鞍部におびただしい倒木です。 (14:40) 北西へ再び山腹を辿りますが、根こそぎの倒木がけたたましく歩きにくい。 |
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倒木帯を抜けてもヌルヌルの足場で傾斜に登山靴のエッジを立てて進みました。時々、獣道のような薄い踏み跡が現れるとホッとします。 |
最初から迂回路は難路でした。このダケノ峠に戻ったら大丈夫。ここで冷たい強風にみまわれ、冬服にします。(15:10) |
ダケノ峠から北へピークハントです。ほどなく広く平坦な山頂部。 中央の石灰岩が集まった所がダケノ畑696mです。 (15:15) 山頂部の北端に行くと野草が群生しています。 ここの方が山頂より1mくらい高いかな。 |
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ダケノ峠まで戻り下山、往きの滑る直登ルートは避けます。傾斜の緩い植林の凹部を降ると赤テープがありました。 |
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植林地を抜け、痩せ尾根に乗ればルートは明確です。 |
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川音を聞き降ると駐車地の愛車が見えました。(写真右上) 今日は、沢山のフクジュソウに逢えて良かった。 タフなコースのせいか、ふくらはぎに来てます。 駐車地(16:25) |
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東海岳行 |
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“水面の二重奏” | |
俳句で「花」と言えば「サクラ」のことだそうです。知りませんでした。それほど「サクラ」は日本の代表的な花なんですね。今年の花見は、江南市内で木曽川堤の桜並木を鑑賞しただけで改めて名勝地に言っていません。寒さの戻った天候、長引く雨で行きそびれたこともあります。 週末、ニュースを見ていたらまだ見頃の場所がいくつかありますと伝えていました。その中の一つが岐阜県下呂市「苗代桜」です。下呂なら1時間半ほどで行けます。土曜日が久しぶりに良い天気、あったかい太陽と青空にじっとしてられなく、ひよこさんと下呂までドライブしました。 国道41号線を北上し高山本線の焼石駅手前まで走り、中原大橋にある案内板「苗代桜2km→」を見て右折し飛騨川を渡ります。やがて田園にガードマンが立ち、臨時駐車場に案内してくれました。料金は300円。皆さんの歩く方向に行くとすぐ山裾で「苗代(ナワシロ)桜」に出合います。 周りの田に水はありませんが、ここだけ特別扱い。花散らしの風に花いかだも浮かんでいます。 この左にはカメラマンが10人ほど。多分、夜の場所取りですね。日が暮れると桜はライトアップされ、水面に映える幻想二重奏が見られます。 苗代桜は別名暦桜ともいい、開花を待って里人が苗代(稲の苗を作るための田)の準備を始めたところから来ています。三重県の三多気の桜も同じように水田に水を張っていました。あちらは並木の桜で、もとは3本の姉妹桜でした。 62年前1本が枯れ死して今は二本桜。樹齢400年で↑右が樹高30m・目通り周囲4m(淡いピンクの花)と左は樹高25m・目通り周囲3m(白色の花)の巨木。 一般的なソメイヨシノは、寿命が60年と言われています。この桜はエドヒガンです。長命で大木になることが多く、古木の樹皮には縦の溝が目立ちます。ちなみにヤマザクラは横です。自然条件の厳しい所で多く残っています。 根尾の薄墨桜や山梨の神代桜も同種です。ソメイヨシノはこのエドヒガンとオオシマザクラの雑種と考えられてます。 次々と見物客は途絶えません。沢山写真を撮ったらお腹が空きました。臨時テントで花より団子と1本80円の焼き立てみたらし団子を購入します。 うどんや飲み物を売っている姉さま方が5,6人。きっとこの里の人たちでしょう。ガードマンや料金係りの男性たちもそうでしょうね。平均年齢は高いようですが、一生懸命桜守りをされています。 駐車場近辺や桜の周囲、道路、臨時トイレなどキチンとなっていて皆さんの苗代桜に対する愛情や誇りを感じました。私は群生する桜より、こういう薄墨桜、臥龍桜、荘川桜など1本桜に力強さと風情を感じます。 次回来るなら水面に映える二重奏の夜ですね。 |