岳行ノート

お金明神/滋賀県東近江市
2005.11.19(土)江南6時00分発 
      曇り時々晴,雪,雨 7℃ 
往き:計3時間50分(小休止含)
帰り:計4時間15分(小休止含)
 今年もあれが欲しい、これが古びたと色々山の道具を買い込みました。サラーリーマンの奥の手“ボーナス一括払”の使い過ぎに気をつけたはずですが‥。カード会社のミスで請求書が送られてこないことを祈る今日この頃。良い年を迎えるためには“残高不足”はまずい。打ち出の小槌は探してもなさそう。最後はやはり神頼み。「お金明神」へ参拝行しましょう。

 教科書は、中日新聞社刊/西内氏著「地図で歩く鈴鹿の山」です。 参考書は数多くのHPにお世話になりました。

お金明神(お金の塔)
 


朝明P

大瀞橋

お金峠

お金明神

ヒロ沢

大瀞橋

朝明P

※赤線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」






しゃき~ん!
 先週私が、試し買いをした「ワ○ールCW-X」をひよこさんにもボーナス一括払で買いました。
 チョット気の利いた<西洋もも引>

 いい年した夫婦が、タイツのぺアルックです。想像は、されないほうが良いと思います。
 三重県は晴れ空です。中央の朝明渓谷方面は、滋賀県側から雨雲がのしかかっています。
 たいしたものです。朝明の駐車場は、どんどん車がやってきます。いつもと違う年配の方が、笑顔で近づいてきました。その笑顔に『はい500円』

 ちょっと小雨が降っていますが、みんさんは気にもせず出発されます。しばらくしたら晴れてきました。私たちも⇒⇒⇒。
(8:30)
 林道から「中峠」の道標を見て広い川原を渡ります。
(8:55)
 岩の多い沢道を右に左に巻きながら登りました。
半ばにある「曙滝」の水量は多くありません。
(9:15)

紅葉が少し残った急登道を慎重に進みます。また曇ってきました。
 すると峠手前の溝道で大変なことになります。想定外の雪が降ってきたのです。鈴鹿の初雪に出逢えて、運がいいのか悪いのか‥。
 中峠は吹雪です。根の平峠から来られた単独の方が『ここから帰ります』と降りていかれました。我々もカッパを着て帰る準備をします。寒い!
(9:50)
 着終わると雪が止み、晴れ間も出てきました。ひよこさんが『行く?』と言うので『よし、行こう!』と答え大瀞に向かいます。
(10:05)

 氷点下ではないので雪はすぐ溶け、笹は濡れている。カッパを着て正解でした。これもボーナス一括払、おまけに今日が着おろしです。
 下水晶谷沿いに降る道も岩が多い。体幅関所をなんとか通してもらいます。
 空間が出て来たので大瀞は近い。
 愛知川に架かる「大瀞橋」に来ました。ガイド本では、吊り橋となってますが鉄橋です。HPでは、この橋の写真を見つけられなく始めて目にしました。

 渡ろうとすると通行禁止の標示板が、横に下がっています。関係各位の皆様、すみません一回だけ渡らせてください。陳謝
(10:35)
 凄い高さです。一人づつ慎重に渡ります。この橋を渡らない回り道はあるのでしょうか?渡り終えたところに下の標示があり、右に進みます。
 

やがて穏やかな平坦地に2次林が広がります。紅葉が広がっていた時は素晴らしかったでしょう。
この場所が、好きになりました。大瀞に向かう同年代のご夫婦とすれ違います。

 時間を計り注意して歩くと窯跡に上の標識が置かれてました。あと30分で目的地です。
(11:20)

 ご夫婦が、ヒロ沢から来られました。渡渉のとき、岩が滑べり危なかったと話されました。
 マーカーに導かれ急登です。ここで休憩をしたのですが右上に大岩が見えます。明神に近づいた気配を感じました。
(11:30)

 この後、中尾根に出てまた山腹道の急登となります。雨が降ってきましたが、カッパがあるので気になりません。
 そして息も絶え絶え尾根に出ると『え、お金峠!』
 目的地を通り過ぎたようです。
 時間的には、表示板とおり30分歩いたのに‥。
(12:00)

しょうがない戻ります。
 先ほどの中尾根に来るとピークを巻く道がありました。降る途中、樹間から光る岩頭が見えます。

やっと「お金明神」を見つけ、不思議な空間に感動しました。
岩の真ん中に鉄製の小鳥居があります。
3コマ前に休憩した所から見えた大岩が、結局「お金明神」でした。
拝禮しランチにします。すっかり時間を食ってしまったので、お握りを頬張るだけです。
この先は、愛知川のヒロ沢を渡渉し、「羽鳥峰」経由で空が明るい4時に駐車場着とします。
(12:20)~(12:45)
 20人の団体と涸れ谷ですれ違い、愛知川の近くに出ました。この釜跡から見える岸辺へ降ります。2本の木に巻かれたテープが、渡渉の入口を示していました。
(13:20)
 向こう岸に渡れそうな箇所を上に下に探したのですが、結局は靴を脱いで渡りました。水温は足をつける限界に近い。
 川岸を降ると幹に力強い赤テープがあります。上ると小広場がありガイド本どおりです。
 ここまでずーっとテープがあったのに次がありません。右に、上に、左に探し回ります。登山道らしきものはありますが何か違う。

 川で1時間経ち、もう時間がありません。確実でない所は進めない。来た道を帰ることにしました。もう一度靴を脱ぎ、半べそで川渡りし戻ります。
(14:30)
 もう誰とも逢わない。あとは時間の勝負、気持ちは早く進みたい。けど2時間以上かかるので、バテないようゆっくり進みます。

 一回のつもりだった大瀞橋を関係各位の皆様、すみませんもう一回渡らせてください。
 中峠が見えてきました。峠には風が集まるため、ゴーゴーとすごい音に急き立てられます。
(15:45)

峠を少し下ると四日市や名古屋方面に日が射しています。風音は、こちら側では聞こえません。
振り返ると再び雨雲が迫ってきています。
 あせらず岩道を降りました。広い川原に出ればもう大丈夫。後は林道を歩けばいい。

 8時間以上、山のテーマパークで遊んだことになります。これなら500円の入場料は安いかな。
(16:45)
 間に合いました。日没直後に駐車場です。26000歩の大台ですが、例の筋肉補助タイツのお蔭で痛みはありません。

 ハンドルを回す前ドリンクを飲み、遅くなったのでETCカードを差し込みます。
(17:00)

 すっかり暗くなった空の下、車は渓谷を走り抜ける。東の中空に赤い星、火星が輝いていました。
◆家に帰り今日の反省。25000分の1地図をよく見るとヒロ沢は、もう百数十m下流のようです。ああすればよかった、こうすればよかったと二人で寝る間際まで愚痴りました。

◆ゴアテックスのカッパは始めてです。まったく着てることを感じさせない軽量感や小雨ですが、蒸れない濡れない安心感は抜群です。ナイロンカッパは3度ほど着て歩いたことがありますが全然違う。素晴らしい。

◆ネットで調べると「お金明神」は、マネーの神様ではなく金物(鉱物)の神様だそうです。勘違いもはなはだしい。けど硬貨ならご利益がありそうです。しかしボーナス一括払は、それでは間に合わないので「お紙明神」を探さなくて‥。でも動機が不純だと今日のようにバチが当たりそうです。
  幼子に教えられたこと 

 今でもその場面を覚えている。

 私がちゃぶ台の前に座り、買ったばかりのワープロで年賀状を作成していた。そこに3歳の長男が『なに、なに、なに』と膝の上にチョコンと座る。『触っていいよと言うと『おせーて、おせーて』と聞くので少し教えてやる。すると怖いもの知らずでいじくりだす。

 もう少し操作を教えてやるとどんどん覚えていく。息子は「好奇心」「行動力」「向上心」で燃え盛っている。その時、自分が無くしたものを思い出した。大人になるほど、少しづつ無くしていたことを。

 でも気づいたので良かった。私は、その日からそれを忘れてはいけないと「3コウ」と呼び心に刻んだ。もう一度それを取り戻すことは難しくなく、自分の子供から生きる姿勢を吸収すればよかった。

 山登りはもちろん趣味のある人は、「好奇心」「行動力」「向上心」を持っている。みんな若々しく生き生きしている様は、見ていて気持ちがいい。私も鎌倉時代なら世にいない歳だけど、嬉々として山に行き、HPも楽しく運営している。肉体は右肩下がりだけど、心の若さはいつまでも持ち続けていきたい。

 驚いたことに“プリンスNORI”さんのHPを見たら、自己紹介に座右の銘として「好奇心・向上心・行動力」の言葉が書かれていた。彼は20代でそのことを知っているんだ‥。