岳行ノート
三ノ沢岳 2847m/長野県大桑村

2016年9月27日(火)


主稜線から宝剣岳2931m


 今年の9月は台風の影響で天候不順です。そろそろ紅葉便りが届くはずです。全然、秋晴れの日が来ません。チェックして待ちます。

 参考書にしたHPで9/24(月)千畳敷カールの紅葉が見ごろになったと知らされました。今週は27日(火)だけが好天気!予報です。

 それだけでは心配なので「山の天気」で木曽駒ヶ岳の山頂付近を確認しました。大丈夫のようです。野良人さんを誘い、三ノ沢岳を目指します。


 木曽駒ヶ岳/千畳敷カールは、6年前一度行ったきり。紅葉期は人出はあると思いますが、平日なのでロープウェイは乗られるでしょう。

 教科書は、山と渓谷社刊「分県登山ガイド 長野県の山」です。参考書に「中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ」で確認しました。
<駐車場>
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大きい地図


菅の台バスセンター
駐車場


RWしらび平駅

RW千畳敷駅

三ノ沢岳

RW千畳敷駅

駐車場

※赤線はGPS軌跡
 ●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前5時55分   晴れ/23℃
駐車場:午前7時55分   曇り
標高差:207m (2640m→2847m)
往:3時間00分(山頂まで、小休止含)
還:2時間40分(ランチタイム除く)
所要時間:5時間40分

 駒ヶ根ICを下り、菅の台バスセンターに駐車(600円)。小屋でバスとRWの往復切符(3900円)を購入、増発バスに乗車しました。(8:10)

 30分でバスは、850mから1662mへ標高をRWしらび平駅に到着。今日は登山客が多くRWはピストン運行です。並んで20分後に乗車。


 RWは61人乗り、7分半で標高を950m上げてくれます。終点のRW千畳敷駅の標高2612mは、日本最高です。
(9:25)
千畳敷カールの気温は15℃。風があり一枚重ねます。耳も冷たい。
紅葉は見頃ですが、雲とガスが太陽光を隠す。カールは照らされないのでサビ色です。

予報では午後から晴れ。期待しましょう。
RW千畳敷駅前で高度順応のため写真撮ったり、用足ししたり、ストレッチしたり。


 駅に着いて20分経ちました。駅から西の駒ヶ岳神社へ往き、安全登山を祈願して出発します。左へ入り‥
(9:45)


 山腹のガレた道を辿りました。10分進むと道は、右へ大きく曲がって斜度が増し、稜線が近づきます。


 駅から180m高度を上げ、主稜線の極楽平。本来なら三ノ沢岳を望み、気合が入る所です。右へ風衝砂礫帯を北上。
(10:25)


 緩やかに登ると宝剣岳分岐2880mで本日の最高地点。ほんの250m北の宝剣岳が、ガスで見えません。左に折れ‥
(10:40)

 ハイマツの登山道を抜けると、砂礫の道になりました。ガスがなければ左右が切れ落ち、高度感ある尾根道です。

 このルートには、山頂までに二つのピークを越えます。向こうに最初のピークが迫る。

左手(南)下にカール状の谷が広がっていますが、ガスが中々取れません。
第一ピーク(11:15)を過ぎると、瞬間ガスが消えました。『見えた!』
ささやかな展望ですが、この天候なので 声が出るほど嬉しい。

 第二ピークは左に迂回路があります。最低鞍部2650mに降りると、山頂への登りです。200m高度を上げますが‥
(11:55)

 少し頭痛、鼓動が早くなりました。高山病の道に進入したようです。止まり鼓動を沈め深呼吸。頭痛は消えます。

 少し登ると同じ症状がまた襲う。止まり深呼吸。スローで登ります。遭難慰霊碑のケルンで標高は半分の100m上がり、あと半分。(12:25)

 すれ違った登山者にも頭痛持ちの男子がいました。頂上近くには分岐があることを教えてもらい、ここで指示通り山腹道を直進します。

 山頂ピークを左から巻くと待望の三ノ沢岳2847m三等三角点山頂です。展望は中央アルプスナンバー1らしい。
(12:45)

 最高点は、三角点から20m北東の岩。(↓) 写真手前の大岩テーブルでランチにします。
 食べ終わると眠気に襲われ、何回もあくび。野良人さん『少し寝たら』、横になると子供のように瞬睡。‥『起きて』体を揺すられてもまだ眠い。『もう少し寝る?』『はい』 15分+15分眠りました。昨夜3時間睡眠、高山で脳の酸素少ない。食べて胃に血が回った、それが原因かな。
(13:30)


 お陰で眠気は取れましたが、予報は外れ午後もガスは取れません。高山病ですが、最低鞍部までは大丈夫でした。
(14:05)
 その後、登りになると急速にペースが落ちます。 突然、ガスが飛びました。
、東に極楽平南の島田娘2858mの柔らかいピークが望めます。すっきりした展望でなくても感謝。

木曽駒ヶ岳よりは、訪れる人が少ない三ノ沢岳。平日ですが2人の登山者とすれ違いました。
私たちのように紅葉のパワーと好天予報に引き寄せられたのでしょうね。お互いに残念でした。


 第一ピークの手前から傾斜が急になります。また鼓動が高まり頭痛に襲われました。休み休み半歩づつ登ります。


 すると北、滑川側の谷のガスが少し引いてくれました。左のピークは木曽前岳2820mです。

最低鞍部からの標高差230mを1時間半かけ宝剣岳分岐へ苦しい登りが終わりました。
この先、登りはありません。朝は見えなかった宝剣岳2931mが、北に望めました。
ありがたや。写真中央、赤い服の登山者が岩に取付く。そこから50mほどの登りで頂上です。
(15:35)

 極楽平(15:50)から斜面を降ります。野良人さんに、『先に降りRWの整理券をもらって下さい』

 千畳敷駅(16:10)に着くと登山客ばかり。最終RWは17h。野良人さんのお陰で30分後にRWに乗車できました。(16:45)

 貴重な経験を抱きかかえ、満員のRWに乗り込む。白いファンタジーと斜面の紅葉にお別れです。

 菅の台バスセンター駐車場着。
(17:30)

 
東海岳行
  “2016.ヒルメール” 

 コーナー「ヒルがイル」で9年目を迎えた「ヒル下がりのジョニー」プレゼント企画は、9月末で終了しました。今年もお陰さまで皆さんから多くのヒルメールを頂き大感謝です。さてその情報を一部ですが、ご紹介させていただきます。

1.四国もイル <京都府;MMさんより>

 2016年4月14日、徳島県那賀町海陽町の境にある鰻轟山(右写真:そのままウナギトドロキと読むらしい)へ行ってきました。国道193号線の町境に石碑があり、そこが登山口です。(下左) 登山口から500mくらい進みました。

 トラバースの登山道が崩れ、そこで山ビル2匹見ました。見間違いかと思い2度見しましたが、やはり山ビルでした。



2.九州もイル <福岡県;KHさんより>

 2016年9月16日 宮崎県尾鈴山系(白滝登山口はがくれの滝の間)。気が付いた時には既に遅し、靴下とTシャツ(腹部)が血まみれに。私はパニック状態になり靴を脱ぐ。

 中を覗くと数匹がうごめいている。足には数匹くらいついているので手持ちの虫除けスプレーを散布。その後、少しでも立ち止まるとウヨウヨと足元から這い上がって来ようとする。かなり大量に生息しているものと思われる。

 車まで逃げ帰り、すべての衣類を着替え、着ていたものは残らずビニール袋に封印。帰宅後、袋内を注意深く見ると、やはり2匹が袋の中でうごめいていた。身体を確認すると、私は11ヶ所、友人は34ヶ所も被害を受けていた。


※四国のヒル情報は、始めていただきました。彼らはどうやって海を渡ったのでしょう。海を渡るイノシシい付いて行ったのか? しかし塩水には弱いので海水につかるとダメだし‥謎です。



3.愛知は拡散  <愛知県;NSさんより/登山歴3年>

 2016年8月19日、和市駐車場より8時から登山開始。山ビルの新しい注意看板がありましたが、見たことも被害経験もないため、気にも留めませんでした。1時間半で岩古谷山に着いたので南の鞍掛山を目指します。しばらく行くと突然、妻が『ギャー!』山中に響く悲鳴。

 『お父さん取って〜』
妻を見る。妻がズボンをまくると足に赤い血を滴らせたどす黒い山ビルがくっついている。初めて見た気持ち悪い物体に驚き、素早く手で払いのけます。虫嫌いの妻は恐怖で顔が引きつり興奮している。私自身には何の被害もなく、他人事のように笑っていました。

 また歩いていくと後ろの妻が、私のズボンにヒルが付いている』と払いのける。気配もなく取付くヒルに少し恐怖を覚えました。それからは、少し歩いてはお互いをチェックしあう。するとヒル何匹もくっついている。恐怖が込み上がってきて立ち止まったり、腰を下ろすことは出来ません。



 速足を続け、チェックして払う。それでも妻は、ズボンの裏に入られ噛まれて大絶叫。休みなく速足を続けたせいか左足が攣り、痛さに耐え兼ねる。

 岩斜面で痛みが引くのを待ちました。再び速足で歩くと右足まで攣ってしまい激痛に思わず切り株に座る。シャツを上げて腰を触ると‥ヌルッとした感触。

 妻に見てもらうと何とオヤジのケツにヒルがくっついている。『ぎゃー!』 私の少ない髪が総立ち。ここから引き返すこともできず、約2時間先のびわくぼ峠に向かいます。無数のヒルの襲来のみならず、気持ち悪いトカゲヘビにまで出合いました。



 ホラー映画の逃走シーンのごとく恐怖に顔を引きつらせ足を引きずってジジババは走り続けます。びわくぼ峠から降りる斜面で足の痙攣がひどくなり、激痛にとうとう動けなくなりました。横たわり足元の朽ち木を蹴ると数百匹のシロアリが動けない私の足にまとわりつく。

 やっとの思いで麓の海津温泉に到着。433号線から和市の駐車場へ70分歩いて戻らなければなりません。ヘロヘロ、ガタガタの身体で炎天下のアスファルト道路歩き続ける。足の痙攣は立ったままで激痛を耐えますが、あとわずかで疲労困憊。

 道路脇の木陰に座り込むと靴の近くでヒルが首を振っている。立てないので転がって道路中央に退避。その後、気力で立ち上がり歩きます。15時30分駐車場着、第一ヒル発見から地獄の6時間でした。ヒルのいる山はこりごり、夢に出てきてうなされそうです。



 岩古谷山ヒルは、中日新聞の記事で6月に紹介されていました。確実にエリアは広がり、ヒルは我が世の春を謳歌っていますが、「おごれるものは久しからず」、縮小している場所はないのでしょうか。皆様の奮闘努力の成果をメールでお知らせください。心よりお待ち申し上げます。

2016.10.08(土)00:10