2016年11月4日(金) 長野県最南端の山でブナの原生林を歩く |
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日本300名山熊伏山は、長野と静岡の県境青崩峠を経由して登ります。両県から峠に行けますが、我が家からだと長野側が若干近いのです。 ところが長野側の国道152号線が長期通行止で青崩峠まで歩くと90分。ならば静岡の古道塩の道から峠へ登りましょう。こちらは20分です。 しかし、その道はヒルの生息地で恐ろしい。そんなわけで山行が延ばし延ばしになっていました。例年、10月上〜下旬が紅葉期です。 今年は遅れ気味なのでひょっとしたらと少し期待を持ち、11月始めに出かけました。 教科書は、山と渓谷刊「東海周辺 週末の山登りベスト120」です。参考書として多くのHPにお世話になりました。 |
<駐車場> ドラッグスクロールで移動 大きい地図 |
新東名高速道浜松浜北ICで下り、国道152号線を北上。途中、「青崩峠→4km」表示板で右折。 |
塩の道駐車場 ↓ 青崩峠 ↓ ▲青崩の頭 ↓ 観音山分岐 ↓ ▲熊伏山 ↓ 青崩峠 ↓ 塩の道駐車場 ※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点 ■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前6時10分 晴れ/9℃ 駐車場:午前9時35分 晴れ/7℃ 標高差:669m (985m→1654m) |
往:2時間45分(山頂まで、小休止含) 還:1時間55分(ランチタイム除く) 所要時間:4時間40分 |
林道終点100m手前の広い場所が、塩の道駐車場985mです。奥に「塩の道」の台座に乗った石碑が見え、そちらへ行きます。(9:55) |
石碑の右にある石段が「塩の道」。昔、この道で遠州と信州が結ばれ、塩や海産物は信州へ、黒曜石が遠州へ運ばれました。石畳を進みます。 |
1572年、信玄は家康と戦うため2万7千の兵を率い難所の青崩峠を越えました。休憩で座ったという腰掛岩。↓ 青崩峠近くの茶屋跡を過ぎると石畳は終わり‥ |
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青崩峠1083m。右下は信州からの道が上がってきています。峠には、お地蔵様や木のテラスがありいい雰囲気です。 (10:15) |
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疑木階段で尾根を登れば、信州側の斜面が崩壊レていて北への眺望がありました。 「塩の道」=秋葉街道が谷を遥かに延びています。 写真中央奥:鬼面山1889m 右奥:奥茶臼山2474mです。 急斜面の集落、「日本のチロル:下栗の里」を確認できます。 右がその拡大写真で、中央右上の眉毛状の所です。 |
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カラマツなどの針葉樹が中心かと思っていました。尾根は圧倒的に広葉樹が多い。紅葉くじの大当りが出ました。 |
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青崩峠は中央構造線上にあり、崩壊が絶えません。信州側は大きくガレ、ロープが注意喚起を促しています。 |
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崩壊地は好展望。右奥:聖岳3013m、その左:兎岳2818m、その左に冠雪した赤石岳3120m、そして澄んだ空。 |
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登山道がガレに接近しすぎると山腹の迂回路へ導かれます。 ロープが随所に張られて、さほど危険は感じません。回って尾根に戻ると‥ 今秋の紅葉探しが報われました。6時から登られたお二人とすれ違います。 挨拶して、斜面を登ると‥ |
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青崩の頭1379m。駐車場から400m近く高度を上げました。ここには三角点があるので探すと‥ (11:20) |
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少し下に四等三角点を見つけます。写真右奥に四角いコンクリ敷きがあり、以前あった反射板の名残のようです。 |
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信号機のように並んだ紅葉を愛で、一休みしたら登山開始。青崩の頭から先は、遠州側がガレています。 |
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崩壊地は南東に開け美しい光景。朝、谷を右から左へ車で走りました。左の山腹の駐車場は、樹木で見えません。 |
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ここまで急登と踊り場のセットをいくつも繰り返してきました。 急登が長く続かないのがありがたい。ふくらはぎはダメージを受けていません。 快適に登ると尾根は、気持ちの良い平坦地に出ました。大きなブナが林立する原生林です。 |
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10分で前熊伏山1610mの分岐点。左へ徐々に高度を落とし、観音山1418mへ至ります。ここは右の道を取り‥ (12:5) |
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西から北へ方向転換する尾根を行きました。すると『お、山頂か?』と思わせる2つの偽ピーク。気を取り直せば‥ |
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平らな熊伏山山頂1654m一等三角点登頂! 右奥には天龍村下山口の看板。私のポンポンが空きました。 丸太ベンチでラーメンランチ‥やや、箸を忘れました。東側が伐採され静岡の南アルプス南部が望めます。 (12:35)〜(13:10) |
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木が伸びすっきりしません。中央左寄り:中ノ尾根山2296m、中央:黒沢山2123m 凹んで右:不動岳2171m。 |
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下山すると最初の偽ピークでご夫婦が登ってこられました。13時過ぎているので尋ねると‥ 長野の道の駅で車中泊。朝、152号線(秋葉街道)で青崩峠を目指すと崩壊で通行止。 歩けば峠まで1時間20分、諦めて車を静岡の塩の道駐車場へ迂回したので遅くなったそうです。 私は昨夜、たまたま国道の通行止をネットで確認したので静岡から入りました。 登りの時と時間差があるので光が変わり、紅葉を二度楽しめます。 観音山分岐(13:30) 青崩の頭(14:05) |
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疑木階段に出会えば峠は近い。左の信州側が大きく崩壊レ、柵は傾いています。自然には逆らえません。 |
階段下に青崩峠の全景。左下が信州への降り口。上に行けば塩の道の石畳です。(14:50) 塩の道駐車場着(14:55) |
ご夫婦の登山者に『神社はどこですか?』と尋ねられましたが、意味不明でした。駐車場から車を3分走ると‥ 右に足神神社、『ここか』 北条時頼が足を患い、看病してもらい治癒しました。1250年代、神社を寄進しました。 ならば登山者は参詣必須ですね。 |
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東海岳行 |
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“ビートルズ・イヤー” | |
今年は、私の大好物ビートルズに随分美味しくいただきました。 1.ポール ポール・マッカートニーが、ソロ45周年の集大成ベストアルバム「♪ピュア・マッカートニー〜オール・タイム・ベスト」を6月に発売。ビートルズ解散後アルバム23作、シングル57作を発表しています。今回、4枚組で全67曲、5時間近く聴けます。 ポールがソロになってから毎年のように発売されるアルバムは聴き続けていました。ところがある時、新しいアルバムに一つも気に入る曲がなかったのです。ショックでした。それ以来、ポールのアルバムを聴いていません。でも彼は、今もアルバムを作り続けています。 私の知らないポールの曲が多くあるのですが、ベストアルバムで聴くのが最大の楽しみです。期待にたがわず、いい曲が沢山あります。ジャズ調で暖かい雰囲気の「♪ベイビーズ・りクエスト」は、ギターコードを調べて弾きました。 彼のベースが躍動する「♪グッドナイト・トナイト」、レゲエ調でサビの16分音符が超かっこいい「♪グッド・タイムズ・カミング」etc. ポールが『僕は、音楽の冒険を続けてきた』という言葉通りです。多くの素敵な曲をサンキュー、ポール。 2.映画 9月に映画「ザ・ビートルズ〜エイト・デイズ・ア・ウイーク」が公開されました。早速見に行きます。ビートルズのデビュー前から解散直前までの実写フィルムを時系列に並べ、インタビューが間に挟まれている構成です。 コンサート・ツアーを通じて変化・成長していく彼らの姿を追っています。見たことのある映像、初めて見る映像、嬉しくも楽しくも懐かしい。映像は良くまとめられています。何よりも映像や音質が、以前より格段に良く映画館で気持ちよく鑑賞できました。 彼らは音楽の革命児であり、大きな事件だったことが伝わります。エピソードも面白く初期のころ「♪フロム・ミー・ツー・ユー」をジョンとポールが作ったとき、新しい転調を見つけたと無邪気に喜ぶポールがかわいい。確かめるとC調からサビでGmに変えていて確かにユニーク。 野球場のコンサートはビートルズが最初。米国ツアーで5000人のホールだと入れなかった客が外で暴動を起こす恐れがあり、警察から大きな入れ物でやれと依頼されたようです。NYシェイ・スタジアムは5万人収容。 そのため音響のVOX社が頑張って歓声に負けないパワーのあるアンプ・スピーカーを作りました。しかし当時は真空管方式。結局、球場の大歓声に負けない音は出せません。そこで朝顔形ホーンスピーカーをスタンドの各所に取り付けました。 しかし、それではAMラジオ程度の音しか出ず、今なら『金かえせ〜!』。映画が終わり帰る残念なお客さんがいます。エンドロール後にシェイ・スタジアムのコンサートが30分間も流れました。当時の演奏時間は、たった30分。久しぶりに動くビートルズを見られ幸せです。 3.リンゴ ビートルズのドラマー、リンゴ・スターの日本ツアーが大阪より10月スタートしました。彼は何度も来日公演していましたが、私は行くことはありませんでした。リンゴは76歳、最後のチャンスと学生時代のバンド友達2人と愛知芸術劇場へ行きました。 最初に驚いたのがカメラ・ビデオ・録音OK、和・洋楽通じ初めての経験です。彼が軽快に登場すると『わ〜!』と全員が立ち上がる。それはわかります。二つ目の驚き、最後まで全員が立ったままでした。1曲目は「♪マッチボックス」。ビートルズ初期のころのナンバーです。 「♪ワット・ゴーズ・オン」など3曲続け、サポートメンバーの曲になりました。バンドは、彼以外サンタナやTOTOのメンバーが5名。テックニックはすごい!歌も全員超うまく、高い声も出る。私はサンタナが好きだったので「♪ブラック・マジック・ウーマン」が演奏された嬉しい。 全25曲中、リンゴは半分ボーカルをとります。中盤に一度引っ込み白服に衣装チェンジ。そして「♪イエロー・サブマリン」は嬉しいですね。誰もが歌えます。彼は歌うとき、左右に体を振り、リズムを取ります。全曲ともワンパターンです。 すぐ両手でラブ&ピースのサイン。曲間で子供のように体をジャンプしたのはビックリ。彼の歌える最高音をポールに半音あげさせられた「♪ウィズ・ア・リトル・マイ・フレンド」、そして最後はジョンの「♪ギブ・ア・チャンス」を会場と一体になって歌う。 2時間弱、彼が舞台から引っ込むと当然、アンコールの大手拍子。ビートルズ時代、リンゴ唯一の自作曲「♪オクトパス・ガーデン」をまだ歌っていません。ところが幕は下り、場内の明かりがともり、きっちり終わる。生リンゴは、想像通りお茶目ででいい歳の取り方をしてると感じました。 |