岳行ノート
浜石岳/静岡県由比町  標高707m
2006.1.8(日)江南6時分30発 
        日本晴れ -3℃
登り:計2時間25分(小休止・乗車時間含)
降り:計3時間30分(小休止・迷含)
 明けましておめでとうございます。山たまごは今年も元気に山に登り、出会った楽しいエピソードを報告したいと思います。皆様のご訪問を心よりお待ち申し上げます。

 お正月は恒例の富士見登山です。登り初めは、安藤広重の「東海道五十三次/由比」で有名な「薩埵(サッタ)峠」から「浜石岳」への周回です。峠と頂上で2度「富士山」を楽しめます。ガイドブックでは6時間近くの歩行時間ですが、お久しぶり登山のひよこさんのため一部をタクシー登山としました。

 教科書は、山と渓谷社刊「新・分県ガイド 静岡県の山」です。

さつた峠展望台より
  
駐車場周辺図


薩埵峠P

旧東海道


由比駅
(タクシー)黄線

通行止

浜石岳

立花池

薩埵峠P

※赤線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」





 正月のメイン行事は、我が家では親戚廻りです。そして昼も夜も外食となります。寿司・フランス料理・蟹・中国料理と豪華絢爛、世界のグルメツアーでした。

 会計係はしなくていいので、いわゆる「ただ食い」。でもお年玉は渡すばかりでもらえる子供はいないので結局「行って来い」
 
 食べ過ぎでいわゆる「正月太り」、贅沢モードの胃を山のワンコイン・ランチにリセット!
 日本晴れの東名高速を快速し清水ICで下ります。車は、由比町の旧東海道に入りました。

 南進して「薩埵峠」に向かい、一里塚(写真右の道標)から勇気の急坂を上がります。

 ウォーキングの人々に注意し、崖沿いのスリルの道をドンドン登っていきました。
 「薩埵峠」の駐車場には、立派なトイレもあります。その横から遊歩道を南に2分ほど進むと‥。
(9:50)
 やぐらの展望台があり名カメラマンが、いい写真をものにしようと大パノラマの前で苦心しています。

 ページトップの写真は、ここで撮ったものです。

強風で雪が飛んだ頂上
 甘夏の畑の中、海沿いに降っていきます。風はなく、下を走る東海道線・国1・東名の音が終始にぎやかです。


◆お知らせ◆
 昨年7/2「蕪山」山頂のヒル事件でお会いした浜松の山人を私たちが、ここで追い抜いていったそうです。1/10にメールをいただきました。

 なんという奇遇! ひよこさんは、かなりすれ違った方達を覚えていましたが、私はカメラで忙しくさっぱり。ご挨拶もできず失礼しました。

 「薩埵峠」から「由比駅」までは、旧東海道を歩きますが、気分はちょっと江戸時代。

 倉沢宿と寺尾宿の古風な佇まいの中、50分間は長く感じません。

 JR「由比駅」でタクシーに乗ります。運転手の方が『今日は、もう80名ほど電車から降りて登って行かれました。駅から登れ眺望が良く人気の山ですよ。』

 『浜石岳の頂上に雪が降ることはありますが、里まで降ったのは50年来始めてです。』と話されました。
(10:40)
 「青少年野外センター」まで乗車するつもりが路面凍結でかなり手前で下車。1090円払うと『うちで採れたミカンです。どうぞ』と7個もいただきました。

 ひよこさんが、早速ぱくついている。
(10:50)

 途中、開けた平地の綺麗なトイレで小休止します。そこから頂上にあるNTTパラボラアンテナへと続く舗装路はパキパキです。

 上から降りてきた車は、制動が利かず運転手は真っ青です。私たちも滑って危険なので、三本松経由の登山道に入りました。
(11:15)
 三本松の展望台で再び小休止。「青少年野外センター」の凍結止めをしたトイレ横から再び植林の登山道に入ります。
(11:40)
 アイゼンは必要ありませんが、所々凍りついていますので足元注意です。
 芝草の広がる頂上に着きました。大勢の登山者がくつろいでます。ちょうど50人の団体が降りていかれました。

 タイミング良くスペースが開き、ランチに好都合です。
(12:20)~(13:20)

赤石岳・悪沢岳・北岳・甲斐駒ケ岳など、山名板で南アルプスのお歴々を同定できます。

主役の「富士山」は麓まで見せてくれますが、顔は雲の上に出たり隠れたり‥。

眼下に広がる駿河湾、伊豆半島の眺めも素晴らしい。
いただいたあのミカンをデザートしてるとひよこさんが『私も家からミカン持ってきたのよ』
ミカンだらけのザックを背負い「薩埵峠」に向かいます。
 岐路のハイライトは、中間地点にある「立花池」です。「野外センター」への分岐地点から南の尾根に進みます。午後になって雪道も緩んでいる。
(13:35)
 「但沼」との分岐点を左折し、つるりの丸太橋を渡ります。
(13:55)
 「西山寺」と「薩埵峠」の分岐に着くと青年が、ランニングで登ってきました。

 私が『立花池は、まだですか?』と尋ねると『あと20分ほど行った右手にありますよ。』と親切に教えてくれます。
(14:24)
 しかし1分もたたずにこの道標の出現です。「薩埵峠」への本道は左折です。あの青年は、間違えたのかな?矢印に従い右へ植林の中を降りました。

 しかし、10分ほど薄い踏み跡を進んでも植林は切れず、池はこちらにはないことを知ります。20分のロスです。
(14:25)~迷~(14:45)
 気持ちを立て直し、5分ほど進むとまた分岐があり、はっきり根元に「立花池」の案内がある。今度こそ‥。

 しかし15分ほど降ると茶畑になり、明らかに違う。また元に戻り25分のロスです。戦意喪失!
(14:50)~迷~(15:15)
 肩を落として10分ほど行くと三度目の正直か「立花池」の案内板が‥。ひよこさんは、もう気がなく待っていると言います。一人で踏み跡を足早に辿りました。

 あのランニング青年に会った地点から20分弱の場所です。彼の言葉は正しかった!
(15:25)~(15:40)

5分ほどで、とうとう「千古の神秘と幽玄の境地 立花池」に着くことができました。
緑色の沼ですが、今日は結氷して静かな白銀の世界です。
 元の道に戻り、暗い植林の尾根を抜け鉄塔に出ました。ここでようやく海が見えます。頂上から2時間半経ち、本来なら駐車場に着いている時刻です。
(15:55)
 孟宗竹林の中、使われない作業用モノレールに注意します。辺りは薄暗くなってきました。
 ミカン畑に出てやっと明るさを取り戻します。
 夕暮れの中、急斜面ギリギリの作業用林道に出て一安心。駐車場まであと一息です。






 振り返ると「赤富士」が、安藤広重の東海道五十三次と同じアングルでそびえていました。
(16:50)


 こうして2006年の登山開幕です。





  帰ってきたキング・コング


 「キングコング」(吹替版)を見ました。正直、2本目のリメイクなので今更という気もありました。新聞広告の感想文に誘われたのです。正月ということもあり館内は空席無し。ファミリー、カップルそして中高年と世代を問わない観客層なのも珍しい。

 年末見たハリーポッターの新作では、20分ほどスリーピング・タイムがありました。ところがこの映画は、3時間と長尺なのですが始まるとトイレにも立てません。3つのパートで構成され、初めはどくろ島に行くための必然の描写、その島でのアクション、そしてニューヨークでのパニックです。

 島に着くまでの人間模様は、ヒロインだけでなく取り巻く人のエピソードも豊かに描かれています。島からはこの映画の真骨頂です。おどろおどろの原住民との戦い。ジェラシック・パークばりの恐竜の世界。インディー・ジョーンズのような追っかけアクション。パワフルな昆虫や小動物の出現。そして圧巻はコングと恐竜の戦い。ありえない世界に見事な想像力と描写力でグイグイ引き込まれます。

 ひとつ楽しいミスを見つけました。恐竜が獲物を口にくわえて全力疾走します。その獲物を口から右に投げ出し走り続ける。逃げる人間のシーンに変わり、もう一度その恐竜が写されると‥。驚くことに投げ出された獲物が、口に戻っている???

 結末間近、エンパイアステートビルでの双翼機との戦いもリアルでカメラアングルも新鮮です。そのビルに登ったオチも加えられ、3本のキング・コングの中でも出色で大満足でした。

 終わって映画館を出るとひよこさんが『あ~面白かった。最後は涙が溢れてしかたがなかった。隣の人も泣いていたよ』と見事にはまり込んだ感想を述べていました。