文殊山


文殊山　366m/福井県鯖江市

南井町登山口駐車場→四方谷登山口→▲橋立山→奥の院→八畳敷岩→▲文殊山→
小文殊→大正寺登山口→南井町登山口駐車場

※赤線はGPS軌跡　　●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000（地図画像）数値地図25000（地図画像）及び数値地図50ｍメッシュ（標高）を使用したものである（承認番号　平17総使、第98号）」

江　南：午前7時15分　　　晴/19℃ 駐車地：午前9時35分　　　晴/22℃ 標高差：（20m→366m）346m	往：3時間20分（山頂まで、小休止含）還：1時間20分（ランチタイム除く、道ﾐｽ20分含む）所要時間：4時間40分
集落から舗装道を車で上り、南井町（ﾅｵｲ）登山口駐車場に置車します。「熊に注意」の警告板あり。　この道を降りすぐ右折、地図を見ながら四方谷町（ｼﾎｳﾀﾆ）へ歩きます。（9：55）
四方谷町で「文殊山登山口→」の指標を確認。砂防ダムへ向かうと左の木に「熊に注意」の警告があります。　そこの電気柵を跨いで登山道に入りました。道はダムを右に回り込み、森へ入ります。（10：10）
地道の林道を横断し、疑似木階段で高度を上げると‥
稜線の分岐に着きました。左折してまず橋立山へ向かいます。（10：40）
尾根は良い道です。所々で生命力に溢れた大木に出合います。これは樹皮と葉から判別するとコナラの古木ようです。でかい！
やがてNHKのアンテナが、2基見えます。少し奥へ歩けば、橋立山261m四等三角点山頂です。展望はなく戻ります。（10：50）
尾根道を行くと途中、北と南の展望。北に見えた日野山（写真右端奥）は、11日前に登ったばかりです。
やがて奥の院351mのピーク。聖観世音菩薩がご本尊です。文殊山は、この奥の院、大文殊、小文殊の三つのピークがあります。（11：45）	祠は、平成25年に立て替えられたばかり。後ろに回れば二等三角点です。山頂より15m低い標高。ここから尾根を急降すること2分足らずで‥
胎内くぐりに出合い、当然くぐります。無理なく身体は通り抜けられ、出た所が正面でした。ということは裏口入学したわけです。「岩の門をくぐると知恵が授かり、安産のご利益もある」　説明板がそう示すので、もう一度入口からくぐり直しました。
更に尾根道を辿ると南井口分岐です。そこは駐車した登山口。ルート途中に見所が3カ所あります。　それは山姥岩洞280m、八畳敷岩550m、岩神地蔵800mです。時間の余裕があるので寄り道しましょう。（12：10）
登山道が緩むと山姥岩洞です。「昔、山姥が住んでいて夜に民家に降り、食事を求め‥」とうい伝説があります。（12：15）
降って行くと八畳敷岩。以前、村人は山の実りが生活の糧でした。山中で迷わないよう、この岩に名を付けました。（12：25）　降ってきたソロの方と15分間の長話し。この下の岩神地蔵は止め、尾根に戻ります。結局、50分の寄り道でした。
稜線を辿れば大文殊366m山頂。泰澄法師による開基は717年です。本堂は、明治初期に建てられた痛みが激しい。　ご本尊の文殊菩薩は、「三人寄れば文殊の知恵」で知られていますね。ここでランチします。（13：15）～（14：05）
本堂の正面壁に登拝記録が掲げられています。連続登拝610日間！　登拝回数は1000回から掲示され、3000回達成の方が4名みえます。ご立派。	近くの立て札に「日本百名山」著者深田久弥が青春時代文殊山に登り、本堂に落書きを残したと書かれています。どこでしょう？
その落書きを見たい。本堂ご本尊左上に深田久弥の写真があります。↑ 発見のいきさつも気になる、、、詳しくは下段の道草をご一読ください。山頂の展望地からは、北に素晴らしいワイドビュー。角度を変えてシャッターを2回押さなければ、このパノラマは捕らえられません。福井平野を北陸自動車道が突っ切っています。運がいいと白山連峰まで眺望可能です。
ご住職と出会い、深田久弥の落書きも確認出来たので大満足。尾根道を東に降れば、カタツムリ群生地です。　その頃に来る予定でしたが、越前五山の登頂を優先しました。「紅葉絶景地　11月中旬～」の案内板。
5分歩けば展望台。山頂で見えなかった南の日野山794mが望めました。（14：10）　八畳敷岩で長話しした方が『ブログで、展望台付近を2頭のクマが普通に歩いているのを見た』と言われました。
そして小文殊の室堂広場。一角には樹齢何百年のご神木天狗杉と阿弥陀如来の祀られた室堂。支援による尾根の改修が終了したと住職の張り紙がありす。残す所は大文殊の本堂改修ですね。（14：20）事前に調べたコース図では、小文殊と大正寺コース分岐は地形図の229m標高点のようです。でも229m地点は、ここから北東へ100mほど先ですが、確認のため行ってみました。間違っていたのでここに戻り、大正寺コースで下山します。（14：40）
良い尾根道を行くとプラ階段があり、鉄塔を通過しました。程なく榎坂分岐です。ここを右折します。（15：00）
つづら折りを降れば、大正寺(ﾀﾞｲｼｮｳｼﾞ）登山口（写真左）。ここから地図を片手に集落内を歩きます。（15：10）　最短で南井町登山口駐車場着。（15：25）
東海岳行
“98年前の落書き”
1964年出版された深田久弥の名著『日本百名山』は、今日の登山ブームを一役買っていると思います。それから30年後、1994年よりNHKBS「日本百名山」で全山が紹介されました。その影響は大きく百名山が、多くの登山者に認知され、完登を目指す人も増えたようです。　私は、日帰り可能な百名山を登るだけで深田久弥は詳しいくありません。2年前に雨飾山の登山後、岳行ノートを作る際に少し調べました。彼は1903年生まれ、石川県加賀市出身です。1971年68歳で山梨県韮崎市の芽ヶ岳(ｶﾔｶﾞﾀﾞｹ）1704mに登り、山頂直下で脳卒中のため死去しました。　そこには「深田久弥先生終焉之地」の石柱があり、深田記念公園には大きな石碑が建ちます。そこに「百の頂きに百の喜びあり」という直筆の言葉が刻まれていますが、実に名言ですね。　芽ヶ岳を「百名山+1」として登る人は,,少なくないでしょう。ところで彼が、登山に開眼した山はどこでしょう？　今回、鯖江・福井市境にある文殊山を事前に調べると深田久弥が青春時代に登っていることがわかりました。　それだけの知識でしたが、山頂に着くと文殊菩薩の祀られた本堂が建ち、周りに何枚もの立て札が掲示されています。その中に驚くべきモノがあり、全文を下に紹介させていただくと‥ 　　　　「日本百名山」の著者深田久弥ゆかりの霊山　石川県・大聖寺出身の深田は旧制福井中学校時代に頻繁に当山に登り、夜を明かし勉学に励んだという。4年生の時の大正8年（1919)11月27日、一緒に登った同級生4人と共に本堂内に上がり込み5名の名前を落書きし、青春時代の痕跡を残している。　深田が登った山は数々あるが、深田の痕跡が残る山は貴重。「日本百名山」の原点ではともいわれている。　「落書き」の見物をご希望の方は、入堂の了解を得てからにしてください。　「落書き」を見たい。本堂には登山靴を脱がなければなりません。本堂内を外から見たのですが、「落書き」は見つかりません。本堂に入りたくても無人で誰に了解を取ったらいいのか？　ランチを終えた地元の登山者に尋ねると『チェーンソーの音がするのでそこに行ってみたら』　音のする方へ山頂から100mくらい降りと、運良く伐採を終えた楞厳寺（ﾘｮｳｺﾞﾝｼﾞ）住職に会えました。入堂のお願いをして一緒に山頂へ戻ります。本堂に入り『落書きはどこですか？』『そこです』　鴨居を指さしますが、落書きが重なりごちゃごちゃして良くわかりません。　ミニライトで照らし『ここですよ』　<徒>の字の後ろに鉛筆縦書きで「大正八年（1919年）11月廿七　福中学生　深田久」が読めます。　『お～ほんとだ。良く見つけられましたね』　外から見てたら絶対わからない場所です。大正8年なら彼は16歳で98年前の落書き、、、大発見だ。　『マスコミは飛びついたでしょうね』『そうだね新聞記事になり、雑誌のヤマケイにも載った』　私は全然知りませんでした。『いつ発見されたのですか？』　『ん～2年くらい前かな』『最近のことじゃないですか』　いい物を見せて頂き、てお礼を言って下山しました。さて帰宅してその新聞記事をネットで探します‥ありました。　「百名山、文殊山がの原点？」の見出しが踊ります。福井新聞の日付は、2013年1月25日。4年8ヶ月前！　記憶ってそんなモノですね。その時住職の年齢は66歳と記されているので現在は71歳でしょうか。記事の抜粋して紹介させて頂きます。　住職は1月中旬、深田さんの作品を研究した本、勝尾金弥著「山へ登ろういろんな山へ」を読んだ。その中に「（福井中の寄宿舎に入った2年生以降で）最初に登ったのは（中略）文殊山だったろう」と書かれた部分に着目。名前を書き残した可能性があると思い、本堂を探し回った。　本堂は明治初期に建てられ、昭和の初めごろまでは多くの登山者が名前を書いていたという。深田さんの名前は30分ほどで見つかり、住職は『いい場所に書いておいてくれよく残っていた』と喜ぶ。他の4人の名前を、同校（現藤島高）などの同窓会「明新会」の名簿で確認したところ、全員が同級生だった。　少年時代について綴った本や福島高100年史から、文殊山によく登り、山で夜通し勉強したこともあったこと、同校が1915年から文殊山で植林や下草刈りを行っていたことも分かった。住職は「深田久弥　勉学遊山の山」とPRすることに決め早速、本堂前に立て札を設けた。　そして新聞記事や「落書き」の写真を本堂に貼りました。その頃、本堂は入室禁止にしていましたが、記事を読み実物を見たいという人が多くなります。　その年3月、見学会を開くと多くの登山者が訪問しました。多数が入室すれば床が抜ける恐れがあり、入室制限をしたので順番待ちの列が出来たそうです。98年前の「落書き」を見たい人は、住職が登山の出来る日の午前9時～午後3時半まで本堂辺りにおられます。　深田久弥は、自著で『石川県加賀市の富士写ヶ岳942mへの登山は、地元の小中学校の遠足コースであった。12歳の時登ったのがきっかけに登山に興味を持った』と述懐しています。それなら「百名山+3」にしなければ‥

2017.09.27（水）17：00

2017年9月21日（木）山頂より北に福井平野のパノラマ
9/10日野山に登った時、白山開山1300年記念の泰澄スタンプ巡りが実施されていることを知りました。泰澄は越前五山を開山しています。　五山は、白山2702m、越知山613m、吉野ヶ岳547m、文珠山365m、日野山794m。登頂したのは、白山・日野山なので今回は文殊山に。　信仰の山で角原富士と称され、住民にも親しまれています。「よたよた山歩き」さんのHPでは、全15コースが紹介されていました。　そこで周回するため四方谷コースを登り、大正寺コースで降ることにしました。二つの登山口中間にある南井登山口に置車します。　教科書は、「麻生津公民館/ふるさとさんぽ/文殊山登山コース」です。参考書は、「U字倶楽部/文殊山」さんのレポを参考にしました。	<駐車地> ドラッグスクロールで移動大きい地図
	北陸自動車道鯖江ICで下り、県道191号線で北上。県道208号線に移り、南井町集落に入ると「登山口」「駐車場」「南井口」等の指標があり…

江　南：午前7時15分　　　晴/19℃ 駐車地：午前9時35分　　　晴/22℃ 標高差：（20m→366m）346m	往：3時間20分（山頂まで、小休止含）還：1時間20分（ランチタイム除く、道ﾐｽ20分含む）所要時間：4時間40分
集落から舗装道を車で上り、南井町（ﾅｵｲ）登山口駐車場に置車します。「熊に注意」の警告板あり。　この道を降りすぐ右折、地図を見ながら四方谷町（ｼﾎｳﾀﾆ）へ歩きます。（9：55）
四方谷町で「文殊山登山口→」の指標を確認。砂防ダムへ向かうと左の木に「熊に注意」の警告があります。　そこの電気柵を跨いで登山道に入りました。道はダムを右に回り込み、森へ入ります。（10：10）
地道の林道を横断し、疑似木階段で高度を上げると‥
稜線の分岐に着きました。左折してまず橋立山へ向かいます。（10：40）
尾根は良い道です。所々で生命力に溢れた大木に出合います。これは樹皮と葉から判別するとコナラの古木ようです。でかい！
やがてNHKのアンテナが、2基見えます。少し奥へ歩けば、橋立山261m四等三角点山頂です。展望はなく戻ります。（10：50）
尾根道を行くと途中、北と南の展望。北に見えた日野山（写真右端奥）は、11日前に登ったばかりです。
やがて奥の院351mのピーク。聖観世音菩薩がご本尊です。文殊山は、この奥の院、大文殊、小文殊の三つのピークがあります。（11：45）	祠は、平成25年に立て替えられたばかり。後ろに回れば二等三角点です。山頂より15m低い標高。ここから尾根を急降すること2分足らずで‥
胎内くぐりに出合い、当然くぐります。無理なく身体は通り抜けられ、出た所が正面でした。ということは裏口入学したわけです。「岩の門をくぐると知恵が授かり、安産のご利益もある」　説明板がそう示すので、もう一度入口からくぐり直しました。
更に尾根道を辿ると南井口分岐です。そこは駐車した登山口。ルート途中に見所が3カ所あります。　それは山姥岩洞280m、八畳敷岩550m、岩神地蔵800mです。時間の余裕があるので寄り道しましょう。（12：10）
登山道が緩むと山姥岩洞です。「昔、山姥が住んでいて夜に民家に降り、食事を求め‥」とうい伝説があります。（12：15）
降って行くと八畳敷岩。以前、村人は山の実りが生活の糧でした。山中で迷わないよう、この岩に名を付けました。（12：25）　降ってきたソロの方と15分間の長話し。この下の岩神地蔵は止め、尾根に戻ります。結局、50分の寄り道でした。
稜線を辿れば大文殊366m山頂。泰澄法師による開基は717年です。本堂は、明治初期に建てられた痛みが激しい。　ご本尊の文殊菩薩は、「三人寄れば文殊の知恵」で知られていますね。ここでランチします。（13：15）～（14：05）
本堂の正面壁に登拝記録が掲げられています。連続登拝610日間！　登拝回数は1000回から掲示され、3000回達成の方が4名みえます。ご立派。	近くの立て札に「日本百名山」著者深田久弥が青春時代文殊山に登り、本堂に落書きを残したと書かれています。どこでしょう？
その落書きを見たい。本堂ご本尊左上に深田久弥の写真があります。↑ 発見のいきさつも気になる、、、詳しくは下段の道草をご一読ください。山頂の展望地からは、北に素晴らしいワイドビュー。角度を変えてシャッターを2回押さなければ、このパノラマは捕らえられません。福井平野を北陸自動車道が突っ切っています。運がいいと白山連峰まで眺望可能です。
ご住職と出会い、深田久弥の落書きも確認出来たので大満足。尾根道を東に降れば、カタツムリ群生地です。　その頃に来る予定でしたが、越前五山の登頂を優先しました。「紅葉絶景地　11月中旬～」の案内板。
5分歩けば展望台。山頂で見えなかった南の日野山794mが望めました。（14：10）　八畳敷岩で長話しした方が『ブログで、展望台付近を2頭のクマが普通に歩いているのを見た』と言われました。
そして小文殊の室堂広場。一角には樹齢何百年のご神木天狗杉と阿弥陀如来の祀られた室堂。支援による尾根の改修が終了したと住職の張り紙がありす。残す所は大文殊の本堂改修ですね。（14：20）事前に調べたコース図では、小文殊と大正寺コース分岐は地形図の229m標高点のようです。でも229m地点は、ここから北東へ100mほど先ですが、確認のため行ってみました。間違っていたのでここに戻り、大正寺コースで下山します。（14：40）
良い尾根道を行くとプラ階段があり、鉄塔を通過しました。程なく榎坂分岐です。ここを右折します。（15：00）
つづら折りを降れば、大正寺(ﾀﾞｲｼｮｳｼﾞ）登山口（写真左）。ここから地図を片手に集落内を歩きます。（15：10）　最短で南井町登山口駐車場着。（15：25）
東海岳行
“98年前の落書き”
1964年出版された深田久弥の名著『日本百名山』は、今日の登山ブームを一役買っていると思います。それから30年後、1994年よりNHKBS「日本百名山」で全山が紹介されました。その影響は大きく百名山が、多くの登山者に認知され、完登を目指す人も増えたようです。　私は、日帰り可能な百名山を登るだけで深田久弥は詳しいくありません。2年前に雨飾山の登山後、岳行ノートを作る際に少し調べました。彼は1903年生まれ、石川県加賀市出身です。1971年68歳で山梨県韮崎市の芽ヶ岳(ｶﾔｶﾞﾀﾞｹ）1704mに登り、山頂直下で脳卒中のため死去しました。　そこには「深田久弥先生終焉之地」の石柱があり、深田記念公園には大きな石碑が建ちます。そこに「百の頂きに百の喜びあり」という直筆の言葉が刻まれていますが、実に名言ですね。　芽ヶ岳を「百名山+1」として登る人は,,少なくないでしょう。ところで彼が、登山に開眼した山はどこでしょう？　今回、鯖江・福井市境にある文殊山を事前に調べると深田久弥が青春時代に登っていることがわかりました。　それだけの知識でしたが、山頂に着くと文殊菩薩の祀られた本堂が建ち、周りに何枚もの立て札が掲示されています。その中に驚くべきモノがあり、全文を下に紹介させていただくと‥ 　　　　「日本百名山」の著者深田久弥ゆかりの霊山　石川県・大聖寺出身の深田は旧制福井中学校時代に頻繁に当山に登り、夜を明かし勉学に励んだという。4年生の時の大正8年（1919)11月27日、一緒に登った同級生4人と共に本堂内に上がり込み5名の名前を落書きし、青春時代の痕跡を残している。　深田が登った山は数々あるが、深田の痕跡が残る山は貴重。「日本百名山」の原点ではともいわれている。　「落書き」の見物をご希望の方は、入堂の了解を得てからにしてください。　「落書き」を見たい。本堂には登山靴を脱がなければなりません。本堂内を外から見たのですが、「落書き」は見つかりません。本堂に入りたくても無人で誰に了解を取ったらいいのか？　ランチを終えた地元の登山者に尋ねると『チェーンソーの音がするのでそこに行ってみたら』　音のする方へ山頂から100mくらい降りと、運良く伐採を終えた楞厳寺（ﾘｮｳｺﾞﾝｼﾞ）住職に会えました。入堂のお願いをして一緒に山頂へ戻ります。本堂に入り『落書きはどこですか？』『そこです』　鴨居を指さしますが、落書きが重なりごちゃごちゃして良くわかりません。　ミニライトで照らし『ここですよ』　<徒>の字の後ろに鉛筆縦書きで「大正八年（1919年）11月廿七　福中学生　深田久」が読めます。　『お～ほんとだ。良く見つけられましたね』　外から見てたら絶対わからない場所です。大正8年なら彼は16歳で98年前の落書き、、、大発見だ。　『マスコミは飛びついたでしょうね』『そうだね新聞記事になり、雑誌のヤマケイにも載った』　私は全然知りませんでした。『いつ発見されたのですか？』　『ん～2年くらい前かな』『最近のことじゃないですか』　いい物を見せて頂き、てお礼を言って下山しました。さて帰宅してその新聞記事をネットで探します‥ありました。　「百名山、文殊山がの原点？」の見出しが踊ります。福井新聞の日付は、2013年1月25日。4年8ヶ月前！　記憶ってそんなモノですね。その時住職の年齢は66歳と記されているので現在は71歳でしょうか。記事の抜粋して紹介させて頂きます。　住職は1月中旬、深田さんの作品を研究した本、勝尾金弥著「山へ登ろういろんな山へ」を読んだ。その中に「（福井中の寄宿舎に入った2年生以降で）最初に登ったのは（中略）文殊山だったろう」と書かれた部分に着目。名前を書き残した可能性があると思い、本堂を探し回った。　本堂は明治初期に建てられ、昭和の初めごろまでは多くの登山者が名前を書いていたという。深田さんの名前は30分ほどで見つかり、住職は『いい場所に書いておいてくれよく残っていた』と喜ぶ。他の4人の名前を、同校（現藤島高）などの同窓会「明新会」の名簿で確認したところ、全員が同級生だった。　少年時代について綴った本や福島高100年史から、文殊山によく登り、山で夜通し勉強したこともあったこと、同校が1915年から文殊山で植林や下草刈りを行っていたことも分かった。住職は「深田久弥　勉学遊山の山」とPRすることに決め早速、本堂前に立て札を設けた。　そして新聞記事や「落書き」の写真を本堂に貼りました。その頃、本堂は入室禁止にしていましたが、記事を読み実物を見たいという人が多くなります。　その年3月、見学会を開くと多くの登山者が訪問しました。多数が入室すれば床が抜ける恐れがあり、入室制限をしたので順番待ちの列が出来たそうです。98年前の「落書き」を見たい人は、住職が登山の出来る日の午前9時～午後3時半まで本堂辺りにおられます。　深田久弥は、自著で『石川県加賀市の富士写ヶ岳942mへの登山は、地元の小中学校の遠足コースであった。12歳の時登ったのがきっかけに登山に興味を持った』と述懐しています。それなら「百名山+3」にしなければ‥