岳行ノート
          コウノヤマ 
神野山 618m/奈良県山添村

2018年4月23日(月)


見事な球体の長寿岩(直径7m)

名阪国道山添IC北東のふるさとセンター(写真左)で出合う
平成7年ここの造成工事で出土した花崗岩



 今は伏見稲荷、濃構の滝など「インスタ映え」するスポットが人気あります。20年前、そんなはやり言葉の先駆け的な本がありました。

 「素晴らしき絶景100/中部広域」です。100ヶ所中80ヶ所を巡りました。その中で奈良県の鍋倉渓は、いつか行こうと思っていました。


 そこは神野山自然公園内に有り、遊歩道が整備されています。公園内には、他にも興味が湧く奇岩が多く、行くなら全部見ましょう。

 教科書は、山添村観光情報「奈良県立自然公園フォレストパーク神野山(遊歩道MAP)」です。参考書に多くのHPにお世話になりました。 
<駐車場>

大きい地図
 名阪国道山添ICで下り、県道80号線を西へ5.2km。「フォレストパーク神野山」の案内板がある三叉路で左折し、神野山自然公園へ走ります。 


森林科学館駐車場@塩瀬地蔵A大師の硯石鍋倉渓B天狗岩
C北斗岩
D八畳岩→▲神野山E王塚→神野寺→森林科学館駐車場
(車)−鍋倉渓P→F竜王岩

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前7時05分  曇り/18℃
駐車場:午前9時30分  晴のち曇り/20℃
標高差:(420m→618m)198m
往:1時間55分(山頂まで、小休止含)
還:1時間15分(ランチタイム除く)
所要時間:3時間10分


 公園東の森林科学館・特産品直売所・お食事処が集まる駐車場に置車します。門を出て右折、舗装道を300m歩くと左に‥
(9:50)
@塩瀬地蔵
 鎌倉時代の作。火災で焼けただれましたが、立体感に富む像高160cmの磨崖仏。 交通安全・眼のお護り地蔵です。

 車道を100m行くと右に案内板。40mで‥

A大師の硯石(ダイシノスズリイシ)
 幅4m・長さ3mの岩上の20cm凹みにいつも水が溜っています。昔、弘法大師が岩を錫杖で叩くと海塩がわき出しました。
硯石から車道を200m歩けば‥ 鍋倉渓(ナベクラケイ)
ここです憧れていた地は。全長650m・平均幅25m、巨岩・怪石の岩の川です。
岩々が、すすけた鍋底のような色なので鍋倉渓。左側に幅広の階段が設けられています。

耳を澄ませば、岩下に伏水の水音が聞こえるそうです。
角閃斑(カクセンハン)れい岩花崗岩より硬いので永年の浸食に耐え、見事な景観を形成しました。
鍋倉渓を辿るには岩の上は超歩きにくい、左の階段で谷を登りましょう。
(10:10)


B天狗岩
 「本体の東面に模様らしきものがあるが意味不明である。岩はわし座のアルタイルひこ座(夏の第三角形)を表すと考える」
(10:35)


 天狗岩から道標を見て、めえめえ牧場(マキバ)へ向かいました。山添村で3位の観光名所は、なるほど良い環境です。
(10:55)

 50頭と子羊20頭が放牧され、金網に近づくと人懐っこく近寄ってきます。羊せんべい(1袋100円)を持つ観光客が来るとそちらへ行きました。

 毎年2月頃がベビーラッシュ。ちびっ子がちび羊を見に来てます。子羊は元気に走り回り、堪らなく可愛いい。牧場から舗装道で南へ登ります。

 上の駐車場に着き、「北斗石→」の道標で山道を登ると‥ C北斗石(北極星)

 山頂の王塚から北に位置しりゅう座トゥバン(竜)を表すといわれます。紀元前2000年頃は、トゥバンが北極星でした。
北斗石から駐車場に戻り、「神野山山頂まで15分→」の案内板から登ると、程なく‥
D八畳岩(ベガ、夏の大三角形)


高さ7m・幅10m、岩上の広さが八畳です。
この切り立った側面は50畳。
こと座ベガ(織り姫星)を表していると考えられます。

 そして植栽されたツツジに囲まれた神野山山頂618m登頂。左下隅には、明治22年に設置された一等三角点があります。

 幼稚園のお友達が展望台に上りました。ランチにします。
(11:45)〜(12:10)

 展望台は360度のパノラマです。山々は残念ながら馴染みがありません。これは南方の景色:右奥は奈良市の貝ヶ平山822m。

 5月になると山頂は、ツツジが咲き誇ります。まだ3分咲きと行ったところでしょうか。散策したら四つ辻分岐を南へ歩くと‥

 すぐ出合うのが‥ E王塚

 古墳とも言われますが、山頂の古墳は珍しいことから、古代人が天と更新する古代祭祀と考えられます。
 夏の夜空は、天の川と3つの星が目に付きます。上左の織姫ベガ:こと座)と彦星アルタイル:わし座)、そしてデネブ:はくちょう座です。「夏の大三角形」と呼ばれます。鍋倉渓天の川八畳岩織姫天狗岩彦星王塚がデネブ。古代人が、この形に置いたのでしょうか?

 やがて茶畑の横の道になります。大地のうねりに合せた縞模様は、生産者の技術の高さを見るようです。

 神野山は、緩やかな傾斜地で夏季は冷涼で日照時間が短い。古くから「大和茶」の生良質な産地です。

 そして奈良時代741年に創建された神野寺(コウノジ)。山門・中門・鐘楼・聖天堂・この本堂の建築群に出合えます。  (12:40)

 古刹のお庭には、早くもクリン草が咲いていました。鐘楼・聖天堂と抜ければ、「天狗杉/60m→」の案内板。電柵を跨ぐと斜面に‥

天狗杉
地上2mで3本に幹分れしています。樹高は20m・胸高幹囲426cm・樹齢約300年
天狗のすみかに分かれ、境内に戻ります。山門を潜り、舗装道を南へ50m歩き分岐を左折。

 数分で左に祠の建つ弁天池。時には、ハッチョウトンボが見られるそうです。

 トンボの体長15mmで日本一小さく見たい。
(12:45)
 弁天池から数分進むと分岐です。「ふれあい広場450m→」で山道へ。5分で舗装道に出合い、「森林科学館→」を左折。木工館を左に見て‥

 先にある東屋前にこの道標。「駐車場・森林科学館近道250m→」ここから山道へ。
(13:05)

 丸太階段を降れば、すぐ舗装道出合い。ここを右折すれば難なく駐車場へ戻れます。ここの道標が親切君でなく、左折してしまい道ミス。


 最短で駐車場へ戻るつもりが、13分無駄足しました。この第2駐車場前のゲートを右折すれば、すぐ森林科学館駐車場です。
(13:25)
車に乗り、鍋倉渓北の駐車場まで600m走りました。
北の舗装道を南西に200m歩きます。畑仕事のお爺さんに竜王岩の場所を尋ねました。

道が突き当たり、集落奥に鳥居。潜ると庭にこの竜王岩が祀られていました。
お爺さんに会わなかったら分かりませんでした。駐車場から往復10分くらいです。
ということでこの後、岩巡りの締めに相応しいTOP写真の長寿岩に寄りました。

 
東海岳行
  “石室千体仏” 

 新聞で岐阜県恵那市岩村町「岩室千体仏」の7年に一度のご開帳を知りました。岩村町は登山・観光などで何度も訪れています。千体仏ことは、全く知りませんでした。7年に一度なら次は見られるかどうか分からないので行かねばなりません。何より「千体」という響きに惹かれます。

 ネットで場所を調べても全く分かりません。さすが7年に一度の催し物。当日、現地で観光客の方に尋ねようやく判明しました。明知鉄道岩村駅の南西に国道257号線の一色交差点があります。その西50mにご開帳の駐車場がありました。(下左) 立看板左方から丸太階段を登ります。


 坂道の両側に「石室千体仏開帳」の幟が列をなす。(上中) 今日はGW初日で賑わっています。数分登って石室全体を覆う建屋に出合いました。(上右) 中に上がると参拝者が、狭い間口の石室をかがんで覗き込み仏像に手を合わせたり、写真を撮ったり‥そう撮影可、フラッシュも可。(下左) 

 私も並んで撮りました。石室は、間口・奥行が各々2.1mで高さは2.5m。金箔を施された仏像が斜めのスタンドに並びます。黄金に輝く大小1001体の阿弥陀仏像は、仕上げが緻密で素晴らしい。石室の開口部は、1m×50cm程度しかなく、中を見て拝顔しますが、定員3名です。5分も待てば大丈夫。

 下に鏡が置かれ上部を写すので頭を突っ込む必要はありません。開口部を塞ぐ蓋が横たえられ、そこにロウソクが立ちます。この千体仏は、江戸時代1632年に岩村城主松平乗寿(ノリナガ)が、地域の安泰・繁栄を祈願して建てました。まず経文一千部を経塚に入れ、その上に石室を設けます。


 その後、1741年に改修されました。中央に中尊像(下左)、表情が一体一体異なる仏像が整然と並びます。(上中) 中央の中尊は42cm(下右) 990体の小仏は高さ9cm(上中)、100体ごとに10体の首頭像12cmが置かれています。(上右) 小さな仏像に金箔を貼るのは大変だったでしょう。

 石室内の湿気とか温度を考えれば、その保存状態が良いことに驚かされました。千体仏は、岩村駅東の隆崇院(リュウソウイン)の管理です。期間中、檀家が何と!24時間常駐し一般公開に対応します。本当にご苦労様です。<4月22日(日)9h〜5月6日(日)13h> パワースポットで気分が良くなりました。

      


 岩室の横は展望台です。岩村ダム近くの水晶山958mが右奥に。その右横下に岩村城址があるはず。気分が良くなると腹が減ります。お店へ走り、ひよこさんとザル蕎麦ランチ。
2018.04.29(日)23:50