岳行ノート
寺尾岩めぐり 418m/岐阜県関市

2018年9月18日(火)


尾根にはみ出るほど集合した七つ岩

(右:たち岩)


 「岐阜県関市・寺尾小学校の6年生が卒業記念に学校近くの山にあるよぼし岩へ登り、中学生活に向けて意気込みを叫びました」

 という記事を今年3月末に見てよぼし岩を探すと‥武芸川町谷口にありました。登山口から10分足らずで登れます。岳行ノートには、尺不足。

 調べると昨年12月、地元のNPO団体主催の「巨石めぐり登山大会」が開催されていました。よぼし岩、七つ岩、縄文岩の周回コースです。


 前二つの場所は分かりましたが、縄文岩が分かリません。主催されたNPO「自然、生活共生会」の代表にお尋ねして回答を得ました。

 そして周回コースの詳細も判明。暑さが緩み、低山登山も出来るいい季節になりました。野良人さん、クスさんとの3人パーティです。
<駐車地>

大きい地図
  県道59号線で武芸川町の武儀川を渡り、北進。寺尾ヶ原千本桜を抜け、珈琲館花の木を目指します。教科書は、YAMAP「寺尾岩めぐり」です。


(珈琲館 花の木前)寺尾岩めぐり登山口Pよぼし岩→花見台→P352m→ 七つ岩→P418m→
小坂橋分岐→縄文岩→わらべ池→小坂橋登山口→寺尾岩めぐり登山口P

※赤線はGPS軌跡  ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前8時00分   晴れ/22℃
駐車地:午前9時10分   晴れ/25℃
標高差:(130m→418m)288m
往:2時間55分(P418mまで、小休止含)
還:1時間15分(ランチタイム除)
所要時間:4時間10分


 珈琲館花の木東に3台のスペースがあります。祠の横に「寺尾岩めぐり登山道入口」の看板、そこから登山スタート。
(9:20)


 急勾配の斜面をジグザグ登ります。歩き初めから上方によぼし岩が鎮座。展望を得るため植林が伐採されています。
岩まで登り、手作りの梯子を上がると岩上部は平らです。西に武芸川町谷口集落が眼下です。
左端が寺尾小学校。今年3月末、6年生7人(+5年生5人)が卒業を記念してよぼし岩に登りました。
『友達作るぞー!』 中学校生活に向け、意気込みを叫びました。若く情熱的な声でしょう。

私達も叫びましょう。『腰痛治れ!』『血圧下がれ!』『血糖値低くなれ!』 お迎えが近い。
この岩は、昔から地元で「よぼし岩」と呼ばれていました。もうその言われを知る人はいません。
ひょっとして「烏帽子(エボシ)がなまって「よぼし」になったのでしょうか。
(9:30)


 笹分けの尾根道を登ります。NPO『自然、生活共生会」は、2006年から里山の登山道整備を継続されています。

 以来、登山大会を毎年秋か冬に開催。2年前からは、桜の時期が追加されました。


 やがて稜線のコブに出ます。切開かれ、一気に展望が開ける花見台370m。
(10:30)

花見台から1km南、中央の谷が寺尾ヶ原千本桜です。桜並木が2km続いています。
見頃は、4月上旬〜中旬。「2000本!」が満開になると、薄桃色の花の川が流れているようです。
左:権現山516m、右:紛陽寺山520m


 南の352mコブまで行ってみました。期待は外れ、千本桜は立木で全然見えません。でもコブから東へ少し降ると‥

 東に眺望があります。美濃市蕨生(ワラビ)の板取川。左岸奥に美濃和紙の里会館が建っています。

 写っていませんが、左方に矢坪ヶ岳874m、右方には天王山538m。
(11:00)
 
 花見台まで戻ると、日差しは意外に強く木陰に逃れ、展望ランチしました。食後、北東に折れた稜線を降ります。       (11:30)〜(12:05)


 高度を30m下げ、40m登り返すと380mのコブです。「七つ岩→」の道標から20m降り、50m標高を上げれば‥

 じゃ〜ん! 大岩の集い「七つ岩」。一番高い岩に、5.2mのアルミ梯子が掛かります。固定するロープが切れそう。

 バランスを取って慎重に登れば‥
(12:40)

岩上は平らで、強がれる広さがありました。いい気分で美濃市.・洞戸・武芸川を遠望。
東方向は、3コマ前の352mコブとほぼ同じです。運が良いと名古屋のツインタワーも見えます。
ここは、西から見る関市は「七つ岩」、東から見る美濃市は「たち岩」と呼ぶWネーム。

 岩上から下りるときが、ちょっと怖い。ゆっくり梯子を下ります。下に登山ポストがありました。

 中の「登山記録ノート」には、今春の登山大会の新聞記事の切り抜きが、貼ってあります。


 「七つ岩」から北東100m先、P418m標高点。本日最高点で確認に行きます。樹林で何もなく戻りました。


 「七つ岩」を過ぎ、平坦地の端にある分岐点から北西に尾根を降ります。

 補助ロープの急降斜面先に「縄文岩の案内板。右折して尾根を外すと手摺りロープ付の山腹道です。

 すぐ道はなくなり、先は荒れた斜面で簡単には進めません。前に大岩の岩屋が見えます。
それが縄文岩。特に言われはなく、NPOで名付けたようです。
平成20年から始まった岩めぐりコースに昨年、「縄文岩」が追加されました。

斜面の立木や切り株を頼りに、縄文岩まで行ってみましょう。
中を覗くと‥何もありません。でも『すごいなあ〜』と感動。
横や上方を見ると巨岩が重なり、岩壁が迫り、とても迫力があります。では案内板まで戻って‥
(13:10)


 再び急斜面で下山。登山道はジグザグに切られ、勾配は緩くなります。それが長く続き、意外に足に堪えました。

 案内板から20分降るとようやく平坦地です。そこにわらべ池の名札の小さな池があります。
(13:40)

 池近くには、一列の石積み、シシ垣です。この辺りを関市が保全地区に指定し、NPOがその保全を担っています。


 そこから、すぐ小屋に突き当たり、柱に掛かる、「お帰りの案内板を右折。

 程なく小坂橋登山口の県道に出て左折です。クスさんの足がつったので休憩して駐車地まで600mほど歩きます。
(13:50)

 リュックを車に下ろしたら珈琲館花の木でアイスコーヒーだ。野良人さんが、『岩めぐり、楽しかったなあ』
(14:05)


東海岳行
  “お寺の掲示板” 

 お寺に行くと門前に掲示板があります。連絡事項やイベントの案内の物と思っていました。住職が、ありがたい教えを達筆で書き、張り出すこともあるようです。掲示板を集めた「輝け!お寺の掲示板大賞2018」の投稿作品には、教えられる言葉があります。一部をご紹介します。



「お前も死ぬぞ」(郡上八幡市・願蓮寺/下左)  こんな強烈なメッセージは初めて。死の確率は、誰でも100%です。日々、生きていることに感謝し、精一杯生きていこう。そんな気持ちになります。

「ありがとうごめんなさい 丸くなれるかわいい言葉 ずっと使えるといいね」 (わたなべあけみの詩/福岡市・円相寺) 生涯、素直な気持ちを忘れないように‥

「当たり前と思っていたことが、そうでなかったと感動したとき、人生は輝く」(彼岸寺) 当たり前のことは日常でいくらでもありますが、失わないと気がつかないんですよね。



「手を合わすことが信仰深いのではない 自分の願いで手をあわすのは欲深いのです」(願栄寺)  私がお寺で手を合わす時、いつも少額のお賽銭。死ぬまで欲の権化。

「落語を残すのも我々噺家の責任 落語の客を残すのも噺家の責任(桂歌丸) 仏教を残すのも我々僧侶の責任 真宗門徒を増やすのは私の責任(超覚寺住職)(広島県・超覚寺) 最後の言葉で、住職の品格がヒカリます。

「我らにも相手チームにも悪いことが起きないように見守ってください」(W杯ブラジルチームが試合前に捧げるお祈り/広島県・超覚寺) 反則しないでね。



「私が食べたものは食べものではなく 生きものでした」(広島県・超覚寺) 何も考えず食べてますが‥そういうことですね。

「カタツムリ どこで死んでも 我が家かな」(小林一茶/(広島県・超覚寺)  一茶、すごい! これを見なければ、一生知らないことでした。良かった。

「知恵がある奴は、知恵を出そう  力がある奴は、力を出そう  金がある奴は、金を出そう  何もない奴は、元気を出そう」
(松山千春/広島県・超覚寺) アントニオ猪木みたい「元気があれば何でも出来る」 それにしても超覚寺は力作そろいです。



「過去を自慢するのは 進歩の止まった証拠」(管天寺)  年を取るほど自慢話が好きになっていきます。自分が最高、自分が正しい。自分が一番。私の進歩はいつから止まったのだろう。‥気付きもしない。

「NO ご先祖, NO LIFE」(龍岸寺)  ご先祖あっての私達。命のご縁に感謝しましょう。

「私のわがまま当たり前 他人のわがまま許せない」(安城市・西岸寺)  人に厳しく、自分に甘い。なりがちですね。

2018.09.24(月)01:25