岳行ノート

高尾山 599m/東京都八王子市

2019年11月24日(日)


山頂大見晴園地は桁違いの人出


 11月末、栃木県に友人のお見舞い旅をしました。一泊した翌日は、日帰りできる東京の高尾山を登山します。テレビでも良く紹介されますね。

 都心から1時間とアクセスが良く、年間の登山者数は260万人超で世界一です。高尾山中腹までケーブルカーかリフトで上がれますが歩きます。

 道は7ルートもあり、コース取りが悩ましい。メインの1号路は、登山口から山頂近くまで舗装道です。ならなるべく1号路は避けましょう。


 見所は多く出来るだけゲットしたい。数々の展望台も訪れたい。紅葉はどうでしょうかと確認すれば、ラッキーなことに見頃です。

 ところが天気予報は余り優れません。せっかく遠くまで来たので雨でも決行するつもりです。新宿から京王高尾線特急に乗ります。
<出発駅>
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大きい地図
  1時間足らずで終点の高尾山口駅。教科書は、「高尾山マガジン」です。


 京王高尾山口駅→6号路→琵琶滝→1号路/浄心門→薬王院→
▲長坂山→4号路→浄心門/1号路→金比羅台→京王高尾山口駅

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


高尾山口駅:午後12時00分   曇り
標高差:(191m→599m)408m
往:1時間55分(山頂まで、小休止含)
還:1時間50分(ランチタイム無し)
所要時間:3時間45分


 京王高尾線終点の高尾山口駅は、「いってQ!」でお馴染みです。日曜日ですごい人。左へ川沿いの道を行きます。
(12:00)

 紅葉見頃情報通り、燃えさかる土手道。小雨が降っていたようですが、運良く上がりました。

 ケーブルカー清滝駅は行列。駅左から6号路を歩けば、往復950円節約できます。(12:15)


 舗装道を500m歩くとY字分岐。標柱「自然研究路6号路」で左折し、川沿いの未舗装道へ入りました。すると‥
(12:25)


 水行道場の琵琶滝。紙垂(シデ)が下がり、修行者以外立入禁止です。ここを右折し、6号路と別れ登山道へ。
(12:35)


 この道は1号路への接続ルート。高尾山でもこんなゴツゴツ道があるんですね。

滝から30分歩き最後に階段を登ると、喧噪の展望台に出ました。
ここは山か??と思うほどの人出です。インバウンドは、アジア系の方が多い。
(13:05)

南東、神奈川への展望が開け、中央奥の超高層ビルはランドマーク
70階建・高さ296mあり、大阪あべのハルカスに次いで日本のナンバー2です。

 1号路の舗装道を進むと、茶屋・さる園に続きたこ杉。高さ37m・幹周6m・樹齢450年、左の尖った所が奇妙です。

 その先、「霊気満山」の額が掛かる浄心門。下山時は、右方からココへ戻ります。潜れば薬王院の境内です。          (13:15)


 「左」108段の急階段は男坂、「右」なだらかな坂道が女坂。男と女の分かれ道です。右を選び、杉並木を行くと‥
(13:15)


 1号路はメインの道なので茶店やお土産屋が充実しています。やがて‥


 雨をこらえるギリギリの空に立派な四天王門。晴れていれば、輝く紅葉に迎えられるところです。
(13:30)


 1200年の歴史を誇る薬王院は、高尾山の中心的な存在。階段を登れば本堂です。その右横から山頂へ向かいます。
(13:40)

 高尾山山頂599mは平らな広場です。大きな山名標前で入れ替わりの記念撮影。後ろの園地にある‥ (13:55)

 2等三角点は子供の遊び場。山頂から展望があり、都心や富士山を見渡せますが、今日は残念賞。メロンパンを腹に入れて出発。(14:10)


 下山する4号路は、自然研究路で紅葉も愛でられる登山道です。殆どトラバースの道で、高尾山唯一の‥


 吊り橋「みやま橋」。この道は人気が高い。のんびりしてられません。18時予約の新幹線を逃したくない。
(14:40)

財政が豊かなのようで、倒木(手前)や崖崩れ(奥の道)は、たちどころに補修されます。
年間260万人の登山者数なら1日平均7100人! 桁違いです。
因みにハウステンボは年間288万人、名古屋市東山動植物園は同じ260万人です。


 やがて浄心門に戻り、舗装された1号路へ移ります。十一丁目茶屋の焼だんごと草だんごが食欲を誘う。私はまぜたい。


 進むと忍耐の行列、ケーブルカー高尾山駅。30分くらい並ぶのでしょうか。
(15:00)


 歩いた方が早いのではと思いながら、紅葉スポット金比羅台へ降ります。
金比羅台園地は標高387m。東、八王子市街に展望があり、左に黄色の線が奥へ延びています。

それは4kmの黄金の道、甲州街道イチョウ並木でした。
見頃は、高尾山の紅葉と同時期だそうです。
(15:20)

 園地から1号路に戻り下山します。一日中曇りでしたが、雨が降らなければOKです。人出に驚かされましたが、紅葉に癒やされました。 

 清滝駅前は、イベントで賑わっています。5分で高尾山口駅に着き、お上りさんの東京登山は終了。新幹線に間に合います。 (15:45)
 
 
東海岳行
  “お見舞い旅2” 

 先回の道草の続きです。稲田君と二人で栃木県宇都宮市へ友人大山君のお見舞いに行きました。ホテルに着くと、何と大山君が車で迎えに来てくれたのです。4本足の杖をついて歩く。『大丈夫? 運転できるの?』 彼は巨漢ですが、少しやつれたようです。5分も走れば、彼の家。

 一軒家で奥様と二人住まい。私も稲田君も同じ環境。テーブルを囲んで彼の話を聞きます。椎間板ヘルニアになり、動くことが出来ず勤めを辞めました。ゴッドハンドを探し出し東京で手術したそうです。『遠くの病院を選んだことは失敗だな』 入院や術後の通院が不便とのこと。

 手術は切開せず1cmほど穴を開け、内視鏡で飛び出たヘルニアを切除。最新のオペで保険はききません。手術が終った日に退院してくれと言われました。病院側の事情がよく分かりません。『まだ痛いのに退院って‥』 車椅子で必死に帰宅。『ゴッドハンドなら結果オーライじゃないの?』



 神経に触っていたヘルニアを取ったのですが、痛みは消えません。脳が痛みを忘れていないのでしょうか。しばらく車いす生活をしたのですが、やっと家の中ならゆっくり歩けられ、外では万一のため杖をついています。

 奥様が、素晴らしい手料理を次から次へと大皿に盛り振る舞ってくれました。10種類くらいあったと思います。お酒もビール、日本酒、梅酒、朝鮮人参酒など出ますが、私は下戸です。少しだけ頂きましたが、顔は赤くなりました。そして彼の病気の話しは続きます。

 椎間板ヘルニアで苦しんでたら、頸椎ヘルニアも発症しました。脊椎系統がボロボロです。東京はこりたので近くの病院に入院しました。『今年はさんざんの一年だった』 『少しづつでも良くなっているのは,身体に直すチカラがあるからだよ』



 昔話もしました。彼はキノコが趣味ですが、夫婦で3回おなかを壊したことがあるそうです。松本で同窓会をしたとき、早めに行き、低山に入りキノコ狩りしました。夢中で採っていたら道に迷い、山頂に登り下山を試みるもお手上げ。県警のヘリを呼んで救助されました。

 この話しは道草でも現しましたが、『助けて貰ったヘリだけど、2年前、松本市山中で救助訓練中に墜落した』 『その事故知っているけど、同じヘリなの?』 『あ〜「アルプス」という名だから間違いない』 パイロットが同じ人かどうかは分からないけどショッキングな出来事です。

 奥様が治ったら大塚国際美術館に行きたいと言われます。私がひよこさんと行ったばかりです。あそこは行く価値ある。それを目標にして治療に励んで』と慰めます。結局、5時間も話し込みましたが、「友、遠方より来たる」と喜んでくれました。



 翌朝、目が覚めると身体の銚子がめちゃくちゃ悪い。久しぶりのお酒を少量でもチャンポンで飲んだことが良くなかったのか。取りあえず電車で登山口へ向かいました。起きてから5時間近く過ぎ、着く頃には調子を取り戻し高尾山登山はできました。身体に復帰するチカラがある。

 
2019.12.08(日)23:30