とびいわす |
---|
鳶岩巣山 513m/岐阜県中津川市 |
2020年2月11日(火) 巨岩神殿<山の神> |
|
山友の野良人さんを山行に誘うとき、心がけることがあります。何か楽しいメリットがある山旅にしたいのです。『今日の山は面白かったなあ』 そんな山を選ばなければなりません。ところが私は、一期一会登山なので初めての山ばかり。事前にネットや教科書を探し廻ります。 昨年12月金山イクササイズでの甲冑登山。今年1月遠見山岸壁歩きとそばランチ。同月我田の大岩での自然薯ランチなどを見つけました。 今回も素晴らしい巨岩神殿プラス?の岩山です。中央道恵那ICで下り、北へ。木曽川に架かる東雲橋を渡り、1km先を右折。 県道72号線で北上して一ノ瀬バス停の手前を右折します。参考書は、「藪山独自ルート」さんのお世話になりました。 |
<駐車地> ドラッグスクロールで移動 大きい地図 |
溜池駐車地 ↓ 東山温泉登山口 ↓ ▲鳶岩巣山 ↓ 巨石の神殿 山の神 ↓ おしり岩 ↓ 溜池駐車地 ※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点 ■は一枚岩 ■は展望岩 ■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江南発:午前7時05分 晴れ/0℃ 駐車場:午前9時30分 晴れ/2℃ 標高差:(330m→513m)183m |
往:1時間50分(山頂まで、小休止含) 還:1時間25分(ランチタイム含まず) 所要時間:3時間15分 |
鳶岩巣山南西の道沿いに小さな溜池があります。そのスペースに置車して南へ。風景の良い道を歩くのは楽しい。 (9:35) |
|
やがて東山ラジウム温泉。100年前からの天然鉱泉ですが、冷水なので加温しています。建屋の右手奥が登山口です。 (9:55) |
|
森を100m進むと小峠に出ました。左折して尾根の踏み跡を北へ辿ります。 (10:00) |
|
すると3m程の高さがある丸石に出合ったので登りましょう。向こう側に踏み跡を見つけ、北上を続けます。 |
|
5分ほどで、また丸岩に出合いますが、ここは、岩の手前を右折。すぐに‥ ※東100mに広大な一枚岩。その下に廃業した石切場。 |
|
巨大な一枚岩が、どどどっと直列する岩場で、迫力があります。 上に立ちたい。岩沿いを探し、登りやすい箇所から『えいや』 |
|
上に登ると‥樹木に覆われ残念賞。 ※最初の巨岩を東へ回り込むと、右上に素晴らしい展望岩がありました。 |
|
再び踏み跡を辿ると、赤いボトルの左折点。テープを追うとピーク手前で右へトラバースします。(10:35) ※この東40mに変わった形の展望岩。 |
|
すれば鳶岩巣山513m三等三角点山頂です。眺望がないので、少し北西に行けば‥(11:05) |
一枚岩の展望台です。風は少しあるけど、ウインドブレーカーを着れば大丈夫。西に開け‥ |
直線で6.5km先、笠置山1128mが正面に。ここが山頂で一番良いランチスポットです。 〜(12:05) |
|
下山は、一枚岩に白ペンキの北西方向へ。10分程降ると、コブの巨岩に当たり、左折して西の支尾根に方向転換。 (12:15) ※1周廻ると岩底に小さいトンネル? |
|
15分程で巨岩の尾根に出合い左に迂回します。尾根道が誘惑しますが、そちらでは山の神に出合えません。 (12:30) |
|
巨岩の尾根を回り込んで北へ行くと左への曲折点。方向が頻繁に変わるので山ナビ地形図は必携です。 (12:40) |
|
左にシダ畑が現れ、巨岩に出合います。(写真右上) シダに隠れた道で巨岩を迂回します。 |
|
回り込むと、圧倒的な巨岩の神殿!!! その南入口です。 三方を囲まれた前室があり、奥右下に岩の隙間が見えます。 中に入ってみましょう。しかし二人では入れません。なぜなら‥ (12:55) ※この写真左崖に手水岩らしきものが。 |
|
幅は一人分。勾配に岩のステップ、岩壁に手摺りが掘られ登りやすくなっています。 |
奥に「山の神」と刻まれた石碑が鎮座。巨岩に囲まれた狭い空間は明るく、仰ぐと‥ |
採光用の岩の裂け目。これがなければ薄暗い神座でした。本日、最大の見所に二人とも大いなる興奮と感激。 (13:10) ※ここでジャンプするとポンポン山のように音がします。 |
|
神殿入口から南の尾根を少し進み、すぐ左の谷へ降ります。右に巨岩の尾根を見て踏み跡を行けば‥ |
|
下に作業小屋が見えました。裏に錆び錆びのダイハツMira。右折して幅広の道を歩きます。 |
右奥から車道に出ました。左折するとのどかな田園風景。駐車地へ向かうと‥ (13:20) |
畑の縁にリアルなおしり岩。 『中々の美尻だ。微妙な所から木が生えている』 野良人さんと大笑い。 『今日の鳶岩巣山は、メリットいっぱいだな』『シャンプーとリンスが、沢山あったんですね』 駐車場着(13:30) |
|
東海岳行 |
|
“名駅コール” | |
マスクがない、トイレットペーパーがない。長男から孫の面倒を見ることは可能かと電話。同窓会延期、飲み会中止、我が街、江南の三菱UFJ銀行で新型コロナの患者がでました。息が詰まるような日々は、暫く我慢するしかありません。いい話がないか‥昔の道草から再掲させて頂きました。 『仕事が終わっても友人として付き合ってください』そんな事を言われたのは、後にも先にもバラさんだけです。彼は名古屋に本社のある会社に勤務しています。20年前、私の務める会社と共同でやる仕事がありました。 二人は、そのプロジェクトの事務局として月に何度か顔を合せていたのです。その仕事では、彼の会社がお願いする立場であり、こちらがいろいろ注文を出す役目でした。こちらの出す数々の要望を彼は工夫して殆どこなします。 しかし、どうしてもできないもの、無理なことは、はっきり『NO』と言いました。そんな姿勢は、社外の人との交渉事に慣れていなかった私にはとても勉強になったのです。2年ほど経ち、その仕事がひと段落して打ち上げを両社の関係者でしました。 その折、私にあの言葉をかけてくれたのです。『ありがとうございます。もちろん、こちらこそよろしくお願いします』彼の方が歳上ですので、私は頭を下げ二人で握手しました。それから仕事の関係で1年に数回は行き来がありましたが、お互い異動するとそれも減っていったのです。 でも彼は年末になると会社のビジネス手帳を必ず私に一言添えて送ってくれました。その時は電話でお礼をして近況など話しをします。彼が一時、岐阜に転勤した時、お昼に訪ねて一緒にランチしたこともありました。逢えば仕事のこと、家族のこと、趣味のこと、会話は弾みます。 彼の家は名古屋市郊外にあり、奥様が駅まで送り向かいをし電車で30分の通勤時間です。休日は二人でテニスをしたり、映画を見たり仲良くやっておられ、お子さんはもう独立されてます。そして先日、彼から久しぶりに私の勤め先に電話がかかってきました。 『長い間、お世話になりました。実は私、2週間後の月曜日で定年退社します』『え?もうそんな時になりましたか。それはお疲れ様でした』と応えました。そして退社される前に送別会を二人でしましょうと彼を誘ったのです。 名古屋駅前で久しぶりに逢うとお互い見た目が相応に朽ちています。夕食をしながら長い時間、話しました。退職後は、以前から興味を持っていた畑仕事をやる予定だそうです。近所で小さな畑を借り、まず野菜を中心に土いじりに精を出したいと語ります。 やがて帰る時間となり、最後に彼がしみじみと話してくれました。 『私、今まで帰宅の時、名古屋駅から“帰るコール”をしてたのです』 『へえ〜、真面目ですね』 『いや、帰り時間が不規則なので食事、お風呂の準備など奥方から困ると言われたのです。それに降りた駅まで車で迎えに来てもらうので帰宅連絡は必要不可欠。昔は、10円玉一枚を公衆電話に入れ2コールするとガチャッ!と受話器を置くんです。 するといつまでも10円玉一枚ですみますからね。電話機が変わりテレカ仕様になっても2コールでガチャッ!と切るのでテレカに穴は開きません。でも今はケイタイですから駅に着くとボタンを押して、2コールでプチッ! だから私の電話代は基本料金だけです』 『それをずーっと続けられていたのですか?』『そうです。次の月曜日が最後のコール。でもその日は2コールじゃなく、奥方が電話に出るまで鳴らします。そして出たらこう言うつもりです。“長い航海が終わり、定年岬に着きました。最後のお迎えをよろしくお願いします”って‥』 『それは素晴らしい』 『駅に着き車に乗ったら“今夜でお迎えも終わり。長い間本当にありがとう”ってねぎらいの言葉をいいます。私が働いている間どんな気持ちで毎夜、コールを待っていたか‥感謝しなくてはなりません』 食事を終え、今後も時々逢いましょうと約束して別れました。次の機会にその時、その夜の奥様の返事や気持ちを是非、聞いてみたい。<2008.08.13> |