岳行ノート

神岡・観音山 803m/岐阜県飛騨市

2020年8月1日(土)


十五番目の祠より北展望

(神岡町市街地に高原川、右は二十五山1219m)


 梅雨の晴れ間を願っても登山日和になりません。そうこうしてるうち、8/1梅雨が明けました。飛騨市神岡町の観音山へ出かけましょう。

 観音山は、享和3年(1804年)西国三十三ヶ所観音霊場を模して、山頂までの山道に観音石像が設置されました。

 200年以上、それを維持しているって凄い。信仰の山として親しまれる里山です。コースは、その祀られている観音石像を巡り、半周回します。


 東海北陸道飛騨高山ICから高山ICで下り、国道41号線で神岡町へ走ります。神岡大橋西交差点の北100mで、西へ方向を変え‥

 教科書は、山と渓谷社刊「分県登山ガイド/岐阜県の山」です。参考書として、「北ひだの森を歩こう/観音山」のお世話になりました。
<駐車地>
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大きい地図




不動院前駐車地

朝浦不動院

ヒメコマツ

十八番札所

観音山

TV中継局(ランチ)

立達磨像

不動院前駐車地


※赤線はGPS軌跡
●は主な分岐点
□は観音石像



■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江南発:午前6時50分   晴れ/25℃
駐車地:午前9時35分   晴れ/27℃
標高差:
(430m→803m)373m
往:2時間(山頂まで、小休止含)
還:1時間30分((ランチタイム除く)
時間:3時間30分


 神岡鉄道ガッタンゴーの線路の小さなガードを潜ると4,5台のスペースがあります。奥の白い標柱から入山。
(9:50)


 沢沿いを登るとすぐ朝浦不動院に出合います。写真奥、左から2番目が一番観音様です。不動院右の階段を登り‥


 観音山参道を辿ると重要な分岐に出ました。下山時は右の舗装道からここへ戻ります。直進すると二番観音様です。
(9:55)


 左谷で山腹道を進むと「三番・四番」分岐。三番に寄り、左の四番へ。蛇行道で高度を上げると‥


 尾根に乗りました。と広葉樹の道が嬉しい。先に五番観音様が、おわします。これから随所でお会いしましょう。

巡拝道は、平成21年に大改修され、まだ観音堂は新築感があります。
やがて道は細くなり、十二番観音堂で前に5本立ちのヒメコマツの大樹
(10:40)


 見上げると確かに5本の幹に分かれています。姫小松は軽軟で多用途な国産材ですが、今では希少となりました。


 昔の石祠が立ち、彫字が読めます。右「奇所船津東屋文七」、左「嘉永五年子七月」(1852年)、下「十四番」です。


 やがて鉄塔の展望地です。先に十五番観音堂。(TOPにここの展望写真) すぐ十六番で、先に分岐がありました。
(10:50)
十七番に行くと先は倒木でアウト。分岐に戻り右の山腹道に折れ迂回して十八番札所へ。
そこから回り込んで十七番を確かめにいくと、倒木はキチンと処理されていました。
早ガッテンして10分のロスです。

立派な西国十八番札所の御堂へ戻ります。右にマツの大木。
東から来た巡拝道はここで北へ折り返しますが、札所右から南西へ山頂を目指します。
(11:15)


 さすが信仰の山、素敵な自然林が日照を遮ってくれます。2つの小さなコブを登降すれば‥


 林道終点です。2台の業務用車両が駐車していました。奥の白杭から285段の石段を登ります。
(11:25)


 登山道が変化に富む観音山。すると最初のTV中継所に出合いました。中継所は、山頂まで3ヶ所建ちます。
(11:40)
3ヶ所目の中継所を過ぎると良い眺望が得られました。
運が良いと笠ヶ岳・穂高連峰・焼岳・乗鞍岳など北アルプスを望めます。

眼下には神岡町の町並みに高原川に沿う階段状の河岸段丘
右奥に焼岳が‥今日は雲だけ。少し登れば‥
 広い観音山山頂803m三等三角点、史跡傘松城跡です。木が伸び眺望が無くなりました。周囲に堀切が残り、林道終点で見た車の職人さんが、山頂下で大きな根っ子を掘っています。(11:50)

  3コマ前の中継所へ戻りランチしました。(12:05)~(12:25)
 下山は西国十八番札所jへ降り、北の尾根へ‥ 


 下山路も往路と同じように随所に観音様が安置されています。やがて標高550mのヘアピンカーブです。
(13:05)


 二十八番を過ぎると舗装道に降りました。案内標の二十九番は、30m北に行った参道入口の上に立ちます。
(13:05)


 再び案内標が導き三十番は草地の中。ここで巡拝道は、草藪に消えました。仕方なく写真上の舗装道を辿ります。
(13:15)
やがて標高500m中腹に日本一の「立ち達磨」銅像。『むっ、逆光か!』

  昭和48年に建立され、材料の銅は地元の神岡鉱山から算出されたものです。
高さ8.9m(台座を含めると14m)、重さは8トンあり、右下に三十一番観音様。
(13:25)

 駐車地に戻ると線路をガッタンゴーの電動アシスト自転車が、何台も風を切って行きました。
(13:40)

 県道に「観音山巡拝道案内図」の看板があり、三十三番は、県道を700m北上した洞雲寺(トウウンジ)でした。
 
 
東海岳行
  “上から来るか、下から来るか” 

 「探偵ナイトスクープ」は、金曜日午後11時17分からの放送です。関西地方では7/24、東海地方では7/31に放送された[ヤマビルは上から来るか?? 下から来るか?]が、笑わかせてくれました。依頼者は三重県の男性(53)「ヒル下がりのジョニー」を製造販売する西村社長の友人です。

 [依頼内容]  居酒屋でジョニーさんと口論になりました。理由は、山で急に現れ知らぬ間に吸血するヒルの生態についてです。彼は、ヤマビルは足から登り、首に到着して血を吸っている』と言います。私は『首に着く前に気づくはずだ。木や葉から首に落ちて来るのでは?』と言い返す。

 ジョニーさんは、『下から登ってくる!』の一点張り。 お互い譲ることなく話しは平行線のままです。首で吸血する
ヤマビルは上からか、下からか、一緒に検証して下さい。さてその結果は? TVerで無料視聴できます。→「探偵ナイトスクープ」 (7/24放送、たむらけんじ探偵:下左右)

 
ジョニー社長・たむら探偵・依頼者
 
ついに首に取付いた!

 居酒屋でジョニーさんが、自信を持って答えたのは訳があります。彼が応援している子どもヤマビル研究会が、ヒルは木から落ちてくるか?」というテーマで実験していたからです。研究会では、鈴鹿山脈の麓で子ども達(小中学生)が、ヤマビルの生態研究していますので、紹介させて頂きます。

⇒子どもヤマビル研究会

(1)ストッキングは、ヒル対策になるか?
 ストッキングを腕にはめて実験。1mmの編目があれば吸血可能で、編目の粗いくるぶし付近は危ない。完璧ではないが、かなりの抑止力はある。(下左)

(2)塩は、本当にヒルに効くのか?
 濃度を変えた食塩水で効果を実験。2.5%でヒルは、浸透圧により体から水分をドンドン出し死ぬ。塩水をヒルに直接掛ければ殺虫剤になる。足首に付ければヒルが触れると効果がありますが、近寄らせないための忌避剤にはならない。(下中)

(3)ヒルの吸血の仕方は?
 ヒルの口にあるのこぎり状の突起で皮膚に傷を付け、滲み出る血を吸います。血を吸うヒルをはがしても皮膚に歯は残りません。噛まれたら流水で傷口を洗い流し、痒み止めの軟膏を塗り、ばんそこうで2時間止血します。(下右:口のアップ)

 

(4)ヒルの皮膚はどのくらい強いか?
 子どもが4人で二手に分かれ引っ張りましたがちぎれません。小学校で「てこ実験機」を借り、計測すると2kg重以上でも切れませんでした。(下左)

(5)手の平や足の裏は吸血されない!!
 研究員は、いつも躊躇なくヒルを素手でつかみます。ヒルは、手の平から吸血することはありません。足の裏で実験したら皮膚が厚いのでやはり吸血しませんでした。(下中)

(6)ヒルで魚は釣れるのか??
 名人に指導を受け、ヒルを針に付けて渓流釣りをしました。10cmくらいのアマゴが、30分で10匹連れました。(下右)

 

(7)ヒルは何に反応して集まってくるのか?

呼気‥飼育ビンにいるヒルたちに息を吹きかけると狂ったように首を振り回します。ビニルホースで二酸化炭素をそっと入れると、ヒルは首をもたげて二酸化炭素のやって来る方向を探しました。このようにヒルは呼気の中の二酸化炭素に反応することが分かります。

体温‥ペットボトルに40℃の湯を入れ、いつものヒル採取場に置きました。離れて観察すると‥暖かさを感知したヒルは、熱源に集まってきました。(下左)

振動ヒル採取場で足音を立てて歩いたが、変わった様子は見られません。ラジコンカーを何度も走らせてみたが、ヒルは反応しませんでした。

 結論として、ヒル二酸化炭素と熱に反応して集まってくることが分かりました。

     

(8)ヒルは木から落ちてくるのか?

 泉鏡花1900年著・小説「高野聖」ではヒルは木から雨のように降ってくる』と書かれています。これが噂の根源でしょうか。ヒルの採取地でブルーシートを敷き、ヒルが入らないようシートの縁にヒル忌避剤を散布します。ヒルが落ちてこないか晴れの日・雨の日と実験しました。

 シートの外側には、ヒルが沢山いるのに上からは一匹も落ちてきません。ヒルに木を登らせてみました。5匹中4匹は下りました。唯一上ったヒルは周囲で見ていた研究員の呼気に反応したようです。また部屋にブルーシートを敷き、ビニル袋の中に入った研究員が座り、周囲に数十匹のヒルを放ちます。

 ヒルは研究員に近づいて登りダシ、数分で肩に到達しました。ヒルは下から登り、容易に首に到達可能と言うことが分かります。首筋をヒルに吸血されたという人は、『上からぽたっと落ちてきて、手をやると丸々太ったヒルがいた』と言います。落ちてきたのを見たなら、その時取ればいいのですが?



 結局、足下で付いたヒルが首筋まで数分で到達し、30分~1時間かけ吸血して丸々太ります。その間は痛くも痒くもありません。かなり前からヒルに気づかなかっただけですね。

 という研究内容をジョニーさんは、当然知っていて友人に自信を持って応えていたと言うことです。
2020.08.03(月)22:55