岳行ノート
           じょうがたいら
城ヶ平山・峠山・ハゲ山/447m・477m・465m
富山県上市町
  

2021年6月30日(水)


登山口の日石寺三重塔


江戸時代後期の作
規模;4.4m×4.5m、高さ15m
周りに壁がなく中が丸見え
建造時に財政難で省略した




 教科書のガイド本に「ハゲ山」という強烈な山名のスーパー低山が載っています。遠方ですが、興味が湧き、調べると周回コースがありました。

 磨崖仏で有名な日石寺近くから出発して三山を踏破します。山頂は眺望が良く、日本海剱岳などがパノラマ展望です。

 空気の澄んだ時期を予定していました。しかし、梅雨に山選びを悩んだ結果、中休みに出かけます。展望は半ば諦め、山歩きを楽しみます。


 下山時に辿る「花の家」「日石寺」「千厳渓」の名所も楽しみです。北陸自動車道立山ICから県道152号線で日石寺方面へ7km走れば‥

 教科書は、「新・分県登山ガイド/改訂版 富山県の山」です。参考書として多くのブログのお世話になりました。
<駐車場>
ドラッグスクロールで移動

大きい地図


親水公園駐車場→登山口→▲城ヶ平山▲峠山▲ハゲ山→
中浅生分岐→下山口→花の家→日石寺→千厳渓→親水公園駐車場

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江南発:午前06時50分     曇り/24℃
駐車地:午前10時15分     曇り/25℃
標高差:(130m→477m)555m
往:2時間15分(ハゲ山頂迄、小休止含、ランチ除)
還:2時間20分(花の家、日石寺・千厳渓見学55分含
所要時間:4時間35分


 大岩川親水公園の広い駐車場に置車。日石寺方面へ車道を200m歩きます。コンクリ橋を渡った‥
(10:25)


 大岩バス停奥が、城ヶ平山登山口です。奥の金龍橋を渡り、ルートマップを確認し登山道を辿ります。
(10:30)


 汗ばむ頃、ベンチの休憩地です。富山平野が少し見えました。植林地・上ノ平集落跡・水場を過ぎると、丸太階段で‥
(10:45)


 尾根に乗ります。3ヶ所目のベンチの先、曲り角に奥行2mほどの洞穴。『熊の冬眠ハウス?』 足が早くなる。
(11:20)
城ヶ平山は、別名茗荷谷山(ミョウガタニヤマ)、今も登山道脇にはミョウガが群生します。

急勾配に丸太階段、低山とは思えない雰囲気です。
20kgの重量を背負いトレーニングする女子に追い抜かされました。

 そして城ヶ平山447m3等三角点。平坦地で見晴らしが良く、茗荷谷山城跡(1300~1500年)です。四囲は霞んでいます。 (11:35)

 展望案内板では、東は剱岳2999m、奥大日岳2611m。北西に富山湾・能登半島。妄想したら北へ降り、縦走を続けます。


 良く整備された登山道です。小さなアップ・ダウンを繰り返します。下山で歩く中浅生分岐を見送ると‥

 路傍にオカトラノオ。ふっと横を見ると低い針葉樹の葉の上に変わった紐? 眼を近づけると‥

 『ゲッ、マムシ!』 全く動かない。蛇はまぶたが無く、舌で眼を舐め、ドライアイを防ぐ。

第2山の峠山477m、本日最高点です。剱岳展望は、ここも残念賞。
(12:25)


 山頂を降ると、正面に目指すハゲ山『どこがはげてる?』 


 広い登山道は緩やかで気持ちよく歩けます。ピークを左から迂回すると‥


 ハゲ山465m山頂。誰にも忖度なし。城ヶ平山の方がハゲてる。山名の由来を知りたい。雄大な展望は素晴らしい‥
(12:45)~(13:10)
のですが、今日の眺望は、かすみ過ぎてビリビリ痺れます。

北東、中央右の切開きは、リサイクルセンター、その下に上市川ダム
左奥の水平線は富山湾。さて極上の展望を妄想したら下山します。


 マムシのいた所に来ると、1時間前と全く同じ姿勢のまま。『往生したの?』 ストックで触るとのそっと逃げました。


 峠山を越えて浅生(アソ)分岐から正男新道で下山します。まず植林地の谷をジグザグ。
(13:45)
来る前、地形図を見て『どんな様子かな?』と思っていた箇所に出ました。
とても広く平坦な草地ですが、湿地のように見えます。

昔、鳥を獲っていた小屋が残り(左端)、郷愁を誘う里山風景です。
後述のアニメ映画でも、この辺りの風景が描かれていました。

 草原の中ほどで大岩川の上流を渡ります。

 浅生登山口正男新道入口です。(14:05)


 県道に出ると「花の家」の案内があり、「おおかみこどもの雨と雪」の舞台の古民家を訪ねます。聖地巡礼です。
(14:10)~(14:25)


 再び県道を20分ほど降り、「日石寺→」分岐からこの夫婦岩へ。大駐車場から境内へ降ります。奇岩怪岩重畳。
(14:45)~(15:05)

 日石寺(左上)から県道を横断すると隠れスポット千厳渓(センガンケイ)です。苔むす大岩と轟音轟く滝。
(15:05)~(15:25)

 遠方でしたが、実りあるた山行でした。駐車場着。
(15:30)


東海岳行

  “聖地・磨崖仏・厳渓 

 下山時に訪れる3大名所は、まず「花の家」です。2012年公開、アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」の舞台だった古民家で、所在地の上市町細田監督の出身地。日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した名作です。(7/2放送されました)

 シングルマザーが移住した地で姉弟(雨と雪)を悪銭苦闘して子育てする物語。剱岳上市町の小学校・景観が描かれています。映画で家族が住んだ築140年の古民家は、取り壊しが検討されましたが、映画の大ヒットで今は一般公開されています。(下左)

 
<古民家は、まんま描かれていました>

<室内の無人販売> 

 管理人は不在でしたが、無施錠で入れました。13室+縁側の広い室内を見学。映画を見ていれば、ジ~ンとなります。冷え冷えメロンソーダを200円で頂きました。(上右) なお細田監督の新作「竜とそばかすの姫」が、本年7/16公開されます。

 県道を20分歩き、日石寺の大駐車場へ。そこから三重塔(TOP写真)の階段を下り、本堂へ入ります。正面奥に巨大な磨崖仏(平安時代中頃)が、飛び込む。磨崖仏を保護するために本堂が覆っています。20分見学しましたが、全部は回れません。

 
<不動明王座像>(資料)
 
<阿覚窟・厄除大師周辺>

 、十二支えとに因んだ十二支滝(下左)から県道に降りました。すぐ千厳渓入口です。渓谷は大岩川の500mに渡り存在し、遊歩道から自然の情景を楽しめます。(下右) 巨石は妹背岩・点空石など名付けられてますすが、案内標がなくどれがどれか不明です。

 苔むし風味あふれる巨岩は、自然に配置され間を縫う清流が清々しい。流れは至る所で滝を作り、轟音が轟き飛沫が上がり風が涼しい。現実離れした景観です。(下右) (下下右) コンクリの遊歩道が無かったら、とても渓谷は歩けません。

 
<十二支滝>
 
<遊歩道完備>
(資料)

 上流に上がると明治29年に開かれた奥の院行者窟。広い防空壕のようで真っ暗で入るのは怖い。上に直径2mほどの不思議な巨木。腕や足のような幹が巻き付いたような姿で見たことありません。渓谷は20分で一周できました。

 3箇所とも無料で、下山は有意義な時間を過ごせました。本来は、日石寺下の食事処で名物そうめんを頂くのがベストです。しかし、ランチは済ませたので駐車場へ歩きます。


<何という木か>

<轟音轟く小滝>

2021.07.11(日)22:50