岳行ノート
仏岩 1336m/長野県長和町

2021年10月21日(木)


仏岩の石造宝篋印塔



 蓼科山2531m北西7kmの山麓、仏岩に県下最古の宝篋印塔が建ちます。仏岩は、急峻な尾根上の岩群です。ワクワクします。

 江戸時代後期1827年に岩茸採りに入った地元の人により発見されました。宝篋印塔には、鎌倉時代末1311年の刻字があります


 長い間、建立した理由が謎でした。郷土史家の丹念な調査研究で、近隣の武石氏が先祖供養のためと判明しました。

 中央道諏訪ICで下り、国道125号線を北上。白樺湖を過ぎ6km走ると‥ 教科書は、信毎書籍出版C刊「新版信州の山/中部下巻」です。
<駐車場>
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大きい地図


仏岩登山口
駐車場


アルミ梯子

▲仏岩

仏岩登山口
駐車場


※赤線はGPS軌跡
●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江南発:午前5時45分     晴れ/10℃
駐車地:午前9時00分     晴れ/8℃
標高差:(1150m→1336m)186m
往:40分(仏岩まで)
還:40分(小休止含む)
所要時間:1時間20分


 国道東側に仏岩登山口の駐車場(3台)があります。宝篋印塔の解説板を読み出発。斜面を登ると‥
(9:20)


 すぐ小さな谷に木の橋。そして右下の大門川の流音から離れていきます。リュックなしポシェットだけです。


 登山道は自然林の下に引かれ、緩やかな斜度。やがて分岐に指標があり、左:休憩所、右:仏岩頂上


 出発して15分、休憩所の指標横に「老朽化のため立ち入りを禁止します」の張り紙。行くと『なるほど』
(9:35)


 休憩所の先を覗くと、左カーブの山腹道。登山口へ降りる別道か?

分岐に戻り、更に登ると巨石の壁。3階建てのビルくらいで右から階段で迂回します。
岩は小石が集めて固まった堆積岩で、多分礫岩でしょう。


 巨岩から急峻になりますが、階段が助けてくれます。左上はダルマ岩のようです。そこを鋭角に右折して‥
(9:40)


 狭い道を行くと固定されたアルミ梯子に出合います。左上にもアルミ梯子。厳しい岩場になりました。

梯子を2台連続して上がる。岩稜線に出て見上げると10mくらいの岩塊。
『これが仏岩か』 違いました。岩下をトラバースすると‥


 分岐に出ますが、直進は北尾根の危なそうな岩稜道へ。ここは右へ岩場の隙間をよじ登る鎖場へ。
(9:55)


 鎖場を登ると『おお、赤い鉄梯子』 ストックは、置いてきましょう。ほぼ垂直の8段を登ると、先に何と‥
‥ 


 また鉄梯子が連なる。まず二つ目の7段を登ると‥


 岩間の底まで見える三つ目の梯子。ビビッて11段をガチガチで登ります。

岩頂は3m四方の広さがあり、檻に守られた200年前の宝篋印塔、天辺の相輪が欠け高さは85cm。
檻前に丸い金属の四等三角点。檻左後ろは、南東方面の蓼科山2530mです。
(10:00)


 岩頂の南隣にもすっくと立つ礫岩の岩塊。この山域はどんな成り立ちがあったのか興味が湧きます。

南西展望、霧ヶ峰方面、中央奥:ブラウンたかやまスキー場1807m、左奥:車山1925m。
左下は国道152号線沿いの中電長門変電所です。


回れ右すれば、北東に右端:浅間山2568m、中央奥:四阿山(アズマヤ)2354m。
秋サブの百名山ですね。


 垂直梯子は、降りがチョー怖い。腰を下ろして、3点支持して、後ろ向きで無事攻略。次に鎖場を降りた所の‥ 


 分岐で直進道を確認するか否か? 「♪どちらにしようかな神様のゆう通り」 あれこのあとは何だっけ?


 確認しに行きます。いきなり厳しいロープ場です。登山道は続き、周回に挑戦するか、神様に聞きましょう。


 3階建てのビルくらいある巨石の壁。ここをを過ぎれば緩い道で緊張も緩みます。もう一座行きましょう。
駐車場着(10:40)


東海岳行

  “奈良のピラミッド” 

 奈良にピラミッド史跡頭塔(ズトウ)があることは、1ミリも知りませんでした。秋の特別公開の案内写真を見て驚愕。いつ? 何のため? 昔、こんな3次元的な発想をする人がいたなんて‥こんなに独創的なのに隠れた史跡だったのはなぜ?

 実は、史跡に接したホテルがあり、全体写真が撮れませんでした。コロナの影響でホテルは閉館。取り壊されて下のように全景があらわになりました。ひよこさんとまだ見ていない世界遺産元興寺・興福寺をプラスして奈良ツアーに行きましょう。

 

 頭塔は、東大寺南大門から南に1km、奈良市高畑町にあります。車を高畑町交差点の有料駐車場に入れ、道を渡れば更地になったホテル跡から頭塔が見えます。ピラミッドとの出合いは感動的です。跡地は、奈良県が購入したのでもう隠れないでしょう。

 入口がわからず、広い跡地に入ると奥の北東門が開いていました。(上写真右端) 潜ると木製歩道の周回路。(下左) まず解説ボードを読んでみます。調査前は木の繁る丘(下右)で、1987年から9年に渡り調査を実施。


<周回路向こうに奈良市街>>

<発掘調査前1987年> 

 基壇が一辺32m、階段状に石積みが7段あり、高さは10m、他にに類例のない仏塔です。調査の14年後に北側が復元整備され、南側は現状保存で残されています。奈良時代、東大寺により767年造営されました。

 各面は東西南北に向き、石積みの上に瓦葺き屋根で覆われた石仏が配置されています。(下左) 発掘調査で見出された石仏22基は重要文化財です。(下右) 何を元にこういう形にしたのでしょう? 不思議だなあ。一周してみましょう。

 
<インパクトがある瓦葺きの屋根
 
<如来三尊像>

 西側からは奈良市街の展望、南側下に正式な入場門がありました。僧の頭を埋めた墓との伝承から頭塔と呼ばれましたが、墓ではありません。修行場だったのでしょうか? 春秋の特別公開以外は管理人に予約が必要です。(協力金300円)

2021.10.31(日)23:25