岳行ノート
   じょうろう
上臈岩(天空・地底) 446m/愛知県新城市

2022年2月23日(水・祝)


地底から「中の上臈」を見上げる


 ジオンさんの水曜会メンバーの方々4名と、昨年5月巡った上臈岩岩峰群を訪ねます。先回は、上道天空の見所を巡りました。

 天空の見所は、全10ヶ所巡れば1時間半。地底の見所も10ヶ所で2時間。天地合計で3時間半! 今回は、下道地底の見所を訪れます。
 
 しかし、メンバーは上臈岩は初めてで、地底の見所だけでは寂しい。天空の見所のおいしい箇所も入れ、天・地の見所コースで辿ります。

 教科書は、東三河山ぽ会編「三河・北遠ふるさとの山」です。参考書に「みわの着物日記/上臈岩」さんのお世話になりました。
<駐車場>
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大きい地図
 新東名新城ICで下り宇連川を国道151号線で北上。槙原駅近くで国道と分れ愛知県民の森


2021年5月上臈岩岩峰群
今回は登りのルートを変えました。
上臈岩では下道を加えました。
(天空には上道、地底には下道)


愛知県民の森駐車場

登山口

百畳岩

馬の背
(上道/緑)

中の上臈
(下道/赤)

(上道/緑)
上臈岩

下山口

愛知県民の森駐車場

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江南発:午前5時50分     晴/-1℃
駐車地:午前7時35分     晴/1℃
標高差:(130m→471m)341m  
往:2時間25分(中の上臈まで、小休止含)
還:4時間00分(ランチタイム含まず)
所要時間:6時25分


 愛知県民の森駐車場の一般者用に駐車します。今日は祝日、トレランの人も停めているようです。出発!
(8:05)


 広い園内道路を大津谷川沿いに北上。20分ほどで「カエデ展示林」の看板から右岸道を400m歩きます。


 左岸に戻り、450m進むと「赤木沢・東尾根方面」の道標。ここが登山口です。
(8:40)


 良く整備された谷沿いの道を辿ります。10数分で「シュートン沢→」標識から西の尾根へ移動。


 斜面をジグザグ登ると尾根に出ます。「遊歩道ではありません!」の看板。つまりマジの登山道ということでしょう。
(9:10)

尾根を登ると、すぐに百畳岩の岩稜歩きになります。全長は150m以上です。
ざらっとしていて意外と幅があり、急勾配ではありません。奥は、南西の鳳来寺山684mです。


 尾根に合流して(9:30)、北進します。471m三角点を過ぎ、「北尾根・東尾根」の標識に出合い、更に北進。
(9:50)


 大曲で右曲折すれば、馬の背です。ここも幅があり怖くありません。北へ眺望が開けます。
(10:15)

 北には鳳来湖の上流、随分水が少ない。右は三ツ瀬明神山1016mです。

 馬の背終点から先が上臈岩エリアです。右は奥の上臈方面ですが、直進して‥

中の上臈に出て豪快な展望に感動。ここでランチします。
早飯を終えたら、下道は上級コースなので全員ヘルメットを着用。
初級コースでこけたら怪我する。中級なら大怪我、上級では命に関わります。
(10:30)~(10:55)
 中の上臈の北隣にペンギン岩。背中側を迂回して下道に降ります。中の上臈の根元が‥ 
 降り口。いざ、お達者クラブ真冬の大冒険、天空から地底探検へ! 続きは道草にて展開。
上下連絡通路からワクワク、ドキドキ。
道は急降下、ロープと幹をつかんで慎重に降ります。

50m降りると、最初の見所「中屏風仰ぎ」、先ほどまであの岩塔の上に居たのですね。感激!
のこさんに数歩上がってもらいキメ写真。、カッコいい!
(11:10)

 中の上臈基部を左から回り込みます。ここはヤバイロープ場、一人づつ渡ります。ざらっとした岩肌は、滑りにくい。

 谷中で転がる岩も迫力。周囲は痩せた木々の原生林。六窟巡りなどの見所は、下の道草を参照下さい。


 藪はなく、テープが充分付き、案内図もあるので道迷いはしません。ツララに捕獲されたシダには驚きました。
見所の最終コーナー「三屏風仰ぎ」、右から上臈岩・裏の上臈・奥の上臈でしょう。
『ここはグランドキャニオンか』
(12:00)

最後の仙人窟を終え、テープを追って地底から天空へ戻ります。それには‥


 100m高度を上げなければなりません。しっかり20分急登。地底探検は、1時間40分でした。
(12:35)

 時間の余裕があるので、上の見所を巡ります。裂石・奥の上臈・回廊・裏の上臈、この上臈岩をゲット。

 下の見所は全制覇。上の見所は、亀顔石・外の上臈・下の上臈・兜岩が未見ですが、大事はなく下山します。
(13:05)


 来た尾根道を戻ると、東屋の展望ピーク下の分岐です。ここは右へクサリのガイドする道を降ります。
(14:00)


 数分岩尾根を辿ると再び分岐。左折して「不動沢」へ斜面をジグザグ降ります。このルートは、先回の登り道です。


 7組とすれ違いましたが、下道ではゼロでした。メンバー全員、「楽しかったなあ」と大満足。
駐車場着(14:55)


東海岳行

  “地底探検”

 上臈岩下道のレポは少なく、ルート情報がよくわかりません。ここを開発された岳香さんの概略図「上臈岩岩峰群案内」は必携です。下図は、私のGPS軌跡の行程図でが、岩塔下はGPSの受信状態が悪く、岳香さんの案内図を参考に修正しました。

■緑線-上道  ■赤線-下道


馬の背
  ↓
中の上臈
  ↓
ペンギン岩
  ↓

中屏風仰ぎ
谷中の六窟
(1)中の窟
(2)仏の喉穴
(3)仏座窟
(4)天窓洞
(5)胎内潜り
(6)水の窟

間の窟
三屏風仰ぎ
仙人窟

  ↓
裂石
  
上臈岩
  ↓
馬の背




[地底探検]

 
3重のトラロープに助けられ下降。(下左) ペンギン岩から北へ降りる道で下道に合流。最初の見所、「中屏風仰ぎ」は、テンションが上がります。(岳行ノート12コマ) 中の上臈の基部を回り込むと谷の奥に「谷中の六岩窟」が並びます。

 
<ペンギン岩から下降>

(1)中の窟

 (1)中の窟(上右)、内部は高さ3m程の空間です。(2)仏の喉穴(下左)、中に喉仏のような岩が見え、ツララがぶら下がっています。見所名札の青色は地底で目立ち、探検には好都合です。(3)仏座窟(下右)は、空間に横岩が引っかかっています。

 
(2)仏の喉穴

(3)仏座窟

 ジオンさんがそこに座ろうとしましたが、入口の岩が滑り、仏になるのを断念しました。六窟で映えるのは、(4)天窓洞(下左)です。上の隙間から日が差し込み自然のスポットライト。当たれば神々しいけど、この時11時半、太陽光が間に合っていません。

 
(4)天窓洞
 
(5)胎内くぐり

 (5)胎内くぐり、全員が汚れを落として生まれ変わりました。当分は大丈夫だ。(上右) 岩窟の名は次第に弱くなり、(6)水の窟。この日、水はありません。(下左) (アイ)の窟は、一番大きな岩窟で一軒家が入りそうです。(下右)


(6)水の窟
 
<間の窟>

 「三屏風仰ぎ」の斜面は、ヤバクはありません。(下左) 「仙人窟」は大空間です。(下右) 神聖な場所なのか、右下の岩に石仏、壁の棚にも石仏? 近くで見ると普通の石でした。お茶目なジオンさんは、それらしい石を拾い岩棚に奉納。

 
<三屏風仰ぎへ>
 
<仙人窟>

 『慈恩観音、降臨!』 地底から地獄の急登を這い上がるとまだ12時35分。時間に余裕があり天空の見所「裂石」「奥の上臈」「回廊」「裏の上臈」「上臈岩」と巡りました。これだけの岩の宝殿が、愛知にあるのことは誇りです。

 
■地底探検:1時間40分 ■天空探索:1時間10分 ■驚きと感動の.2時間50分
画像は、一部メンバーからお借りしました。
2022.03.06(日)19:30