岳行ノート
                     しんめいさん
 秋葉山~神明山~堂木山
390m・295m・238m/滋賀県長浜市
 

2023年9月27日(水)


懐かしい、、、籾殻を焼く匂い



 ヤマップから6月、3回目の「日本一道迷いしやすい登山道2023」が発表されました。年間遭難者3000人の原因は、4割が道迷いです。

 そのリストは、1位:対馬見山/福岡、2位:千ノ時/奈良、3位:神明山/滋賀、4位:立岩/群馬、5位:城ヶ峰/愛知。3位、5位は近隣です。

 この道迷いは山全体ではなく、ある地点に限ります。発表されるとそのポイントには道標設置など対策が施されます。確認してみましょう。


 北陸自動車道木之本ICで下り、余呉湖北へR365~r33で走ります。余呉湖ビジターセンターの駐車場へ。

 参考書は、[YAMAP MAGAZINE/日本一道迷いしやすい登山道2023]です。
駐車場
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大きい地図

余呉湖ビジターセンターP→林道出合→▲秋葉山→道ミスP→▲神明山▲堂木山余呉湖VC・P

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点


江南発:午前09時35分  曇り/29℃
駐車場:午前11時15分  曇り/28℃
高低差:260m(130m→390m)
往:2時間15分分(神明山山頂まで、小休止含)
還:1時間10分(ランチタイム除く)
所要時間:3時間25分


 余呉湖は、琵琶湖北の小さな湖。冬、桟橋からのワカサギ釣りは有名です。県道を西に歩きます。
(11:30)


 2つの分岐で右を選ぶと林道なりました。。防獣扉を開閉して10分ほど進み、森へ入ります。

登山道は明快です。植林地で高度を上げ、最後に急斜面をジグザグすれば…


 コンクリの祠がある林道出合。12/4まで林道の崩落を補修工事します。歩行は可能で左折します。
(12:20)


 林道を10分ほど北西に行くと登山口です。奥の電柱に赤い「火の用心」が巻かれています。


 すぐ尾根に出て、緩く登れば…

秋葉山山頂390m三等三角点。上の木札は「秋葉越」となっています。
展望はないので40m北の鉄塔まで行きましたが、木が伸び残念賞でした。
(12:45)


 工事現場の林道出合へ戻り、そのまま林道を進みます。30m先にピンクテープが沢山付く神明山登山口

 ヤマップ道迷い地点は、更に230m北にありました。見難いですが、写真左のピンクテープの箇所です。

 神明山登山道は、林道と並行してます。乗るには、ここが最後のチャンス。見逃すと林道を進んでしまいます。 


 一旦、工事現場近くの登山口へ戻り、神明山登山道に乗りました。テープが付きますが、良く歩かれてます。


 賤ケ岳合戦1583年の頃、秀吉方神明山堂木山に砦を築きました。稜線上には、遺構が残ります。

土堤や堀切を観察できます。


 神明山山頂295m四等三角点。展望なし。ここでランチします。
(13:45)~(14:10)


 山頂から降ると本日最初で最後の鉄塔展望地。北の正面、行市山695mです。
(14:25)


 防獣扉を開閉して降ると鞍部の分岐。下山はここから南下しますが、登り返して堂木山へ。
(14:30)


 こちらも山頂周辺に砦の遺構があります。神明山砦と一体になり、柴田軍を防ぐ役割です。

城跡と違い石垣が見当たりません。


 遺構の北端で山名板を発見。堂木山山頂238mは展望なし。鞍部の分岐に戻り、下山します。
(14:40)


 防獣フェンス沿いの道を降りれば…

 防獣扉を開閉すれば、駐車場まで1.5kmです。車道には歩道があります。
(14:55)

 余呉湖ビジターセンター駐車場に付くと、丁度小雨が降ってきました。
(15:20)


東海岳行

  “美蘭”

 名古屋市美術館(下左)で「福田美蘭-美術ってなに?」(9/23~11/19)が開催中です。全く存じない画家でしたが、ニュースで紹介され興味を持ちました。26歳で安井賞を受賞し、「自分はなぜ絵画を描くのか?」と考えられ現在60歳です。

 「絵画とは何なのか? 絵画には何ができるのか?」を探求し、これまでにない絵画を生み出しています。展示は全50点余り、画法が豊かで油絵、日本画、版画…何でもござれです。作品ごとに説明書が横にあり、読むと良く思いついたなと感心します。


 さて作品ですが、名画「モナリザの微笑み」のモデルが休憩中。(右上)こんな情景は誰も考えないでしょう。背景は原画に基づいています。北斎の代表作「神奈川沖浪裏」(下左)。左右反転したものですが、なぜか感動が少なくなります。

 殆どの見学者が見逃している作品。(下右) なぜなら高い天井の隅に展示されているからです。額縁屋さんは、造るの大変でしたね。フラットな壁に額縁の絵は、掛けるものだという固定概念を改めて認識させられます。

   

 「開ける絵」は(下左)、二つ折りの状態で展示され、観たい人は自由に開けて鑑賞します。(下右) 開けると額縁は支えなくても固定されました。美術館などの額縁の絵は、近寄って触ってはいけないという暗黙のルールを破るコンセプトです。

   

 メッセージ性の高い絵画もあります。「石庭」(下左)、尖閣諸島はテレビで良く報道されますが、美蘭氏はその島の形状に魅了されました。この国の領土であってほしい願っています。じっくり鑑賞するため石庭に置きました。

 「世界貿易センタービルの展望台」(下右) 大学生の頃、収集した写真にテロで破壊されたビルの展望台を写したものを見つけました。今は存在しない光景に衝撃を受けます。その驚きを薄れさせないため写真を拡大して描きました。

   

 写楽の大首絵は、役に扮した役者を実際に見て描いたと言われています。舞台に立った役者の姿を写実的に描き再現しました。「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」(下左) 「三代目佐野川市松の祇園町の白人おなよ」(下右)

 こんな風にリアルに描かれたら女形は堪ったものじゃない。背景は、舞台の書き割を想像して描かれています。美蘭氏の作品は、紹介するとネタばれしてしまいますが、美術館の作品は大きく迫力があります。

   

2023.10.02(月)00:20