中津川すやの銘菓「栗きんとん」をお土産で頂きました。つぶつぶ栗の食感と上品な甘さが美味しい。30分も並んでやっと購入出来たそうです。 このご恩は忘れてはなりません。 「♪仰げば尊し和菓子の恩」 |
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さて三重県菰野町田光(タビカ)の辻です。 昔々東海道は、関所があったり鈴鹿峠に山賊が出たりしたので裏街道が利用されました。 その一つが田光から八風峠まで登り、滋賀県八日市に至る八風街道です。 この街道は、大ムクノキの交差点が出発点となります。右方向へ向かい山旅の始まりです。 往時は近江商人が塩を求めたり、三重から魚を売りに行ったり賑やかだったでしょう。 |
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交差点北を流れる田光川を渡ると多比鹿神社です。険しい山中の道中安全をここで祈願したと思います。私も‥。 | ||||
八風街道を上る途中に東海自然歩道が横切ります。そこを左折して自然歩道を行くと八風大石です。 村の境界標石で岩上は18畳敷もあり、村人が寄合をしたこともありました。 |
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あれこれ30分ほど寄り道したので奥の駐車地はすでに満車。橋のたもとに置車して林道を歩き出しました。 (8:55) |
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荒れた道は歩きにくい。川沿いに流れを聞きながら街道を行きます。 | ||||
道端にアケボノ草の群生。腹の太い黄帯が目立つオオハナアブ。 花びらにある黒点を夜明け(曙)の星に見立てたという思いもつかないネーミングセンス。 |
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30分で林道は終わり、堰堤前を渡渉します。ここより山道です。堰堤に上ると三池岳や八風峠方面が望めます。 (9:25) |
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昔がしのばれる自然石の石段も少し残っていました。 | ||||
道標も無くわかりにくい所を渡渉します。(右枝に赤テープあり) ガイド本には(対岸岩に赤マーク)の注意書ですが、消えかかっています。 (9:50) |
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峠分岐です。仙香山へは中峠方向に直進します。でもガイド本には心細い点線だけ。25000分の1地図を見れば、道は谷を登っています。 (10:00) |
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やがて踏み跡も薄くなり、谷が左右に分かれている? Mr.ガーミンで現在地と方向を慎重に確認。手袋をはめ最短ストックで右谷を覚悟の急登です。 | ||||
這いつくばりの嘆息ルートファインディングを楽しみ?ます。迷いの森から20分ほどでまともな道に出ました。 八風峠から仙香山をピストンした方が良かったかなと後の後悔が往ったり来たり。 |
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久々のつま先登りに体力を消耗しました。でも展望が開けた明るい中峠に出てほっとします。道には鹿の糞がコロコロ。。。。。 (10:55)★ |
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これでは名駅ミッドランドスクエアが見えない。 |
右奥の高々とした釈迦ケ岳方向に歩きます。 |
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登山道ピークの立ち木に赤テープが見えました。そこから右の高所へ向かって強引に低い笹を踏み分けます。『あった!』手製の山頂表示板が嬉しい。 (11:05) 一旦、登山道に戻りガイド本の記述を確認し、南へ降ります。右の笹藪奥を注意しているとすぐ黒い池が見えました。また笹に突入します。 |
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探し回らなければと思っていましたが、あっけなく出合えました。 ひょうたん形の仙香池です。紅葉期は極楽景色でしょう。 匂いがします。香のようであり動物臭のような?鹿のもの? (11:10)★ |
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池に大満足して八風峠に向かいます。空腹警報が鳴り出しました。 |
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三池岳が背景の広い八風峠に到着です。 豚汁ランチにします。鳥居の下ではお昼寝中。 私が帰り支度にかかってもお昼寝中。 (11:50)〜 |
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寝てる人を写し込まずに撮るのが一苦労。 ◆プチ情報:昭和42年に20人がかりで丸太を交代で担ぎ、この峠まで登ったそうです。 (12:20)★ よし!三池岳へ向お〜。 |
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三角点のある972m山頂です。ここで満足いく写真を撮るのに5分以上かかりました。単独ならではの贅沢時間。そして二つ目の池を目指します。 (12:35)★ |
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今日のお菊池は乾燥気味です。★ |
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帰路は、痩せ尾根を急降下します。岩の間にイワカガミの群落です。ひっきりなしに銃声が轟く。その方向に向えば間違いないけど‥。 | ||||
三池谷の沢音を聞き、植林を降りると林道に出ます。銃声は一段と大きくなりました。流れ弾はないでしょうが、一応背中のリュックを前にします。 (14:05) |
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八風射撃場まで来ると耳栓がいるほどの大轟音。放出機から飛び出た標的を撃っています。利用料金は1600円、標的1枚40円也。 ここから終着の駐車地まで一投足です。 (14:15)★ |
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帰路、菰野を走れば曼珠沙華のカーブが初秋を彩っていました。 |
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感謝 小さな話です。 学生時代、名古屋でトラック助手のアルバイトをしていました。朝ターミナルに行き10トン車に乗り込み、荷物の積み下ろしをする仕事です。その日午前中の作業を追え、午後から北へ向かいます。 2時間近く走り工場に着きました。地名を知らされてない私には見知らぬ土地です。運転手が検品所で長々と掛け合って戻ってきました。積み込む荷物が準備できてなく、1時間以上待たされるそうです。ふてた若い運転手が『オレ寝る!』と言うので私は車外に出ざるをえません。 工場の周りは果てしない田園地帯です。所在無く農道をふらふら‥。散策にも飽きて道端に腰を下ろします。遠い山の稜線に大きな夕日が触れそうです。向うの畑でお婆さんが野菜を収穫しているのをぼんやり見ていました。何せ広い風景の中で動きがあるのはそこだけです。 やがてお婆さんは畑を出て、野菜を積んだリヤカーをゆっくりと引きだします。しばらくして右に曲がり、リヤカーを止めました。遠ざかった自分の畑に向かいお婆さんは合掌し長いお辞儀をします。大部分を山に隠した夕日にもお辞儀を‥。 再びリヤカーを引き、お婆さんは遠ざかっていきました。このとき、私はいつまでもこの風景を忘れずにいようと心の印画紙に焼付けたのです。 山登りを始めて良かったことがあります。あの夕日の山がわかりました。養老山脈です。 |