焼岳 2455m/長野県松本市 |
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紅葉便りも各地から届いています。岐阜は熊出没が心配です。なんと愛知でも出没報告が、行政のHPに載っていました。観光地ならよさそうかも。 それではと紅葉盛りの長野上高地に前夜急遽決定。アルプスの香炉とも呼ばれる「焼岳」から入ってみましょう。 「中の湯温泉コース」〜「上高地コース」の縦走となります。 教科書は、立風書房刊「超図説 名山ルートガイド」です。参考書は「中の湯温泉HP」で、楽しい絵地図が両ルートあります。 |
駐車場周辺図 |
アルプスの香炉を越えて上高地へ |
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P ↓ 新道出合 ↓ 焼岳 ↓ 焼岳小屋 ↓ 田代橋 ↓ バスターミナル (タクシー) ↓ P ※りんどう平は 誤記で広場です。 ※色線は実測ではありません。 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
朝3時起きですが、子供のように興奮してうつら寝だけです。 中ノ湯温泉から少し上った10号カーブの先に置車しました。 準備中もどんどん車がやって来ます。ひんやり深呼吸で出発だ。 (6:50) |
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いきなり紅葉シーンの幕開きです。 道は歩きやすく『山へ行こうよう、気分も高揚、高校は向陽』と軽口も出ます。 |
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しかし甘くはありません。「This is the登山道」へあっという間にシーン転換。 |
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荒くれた原生林の中を1時間ほど進むと素朴なベンチがあります。 (8:00) 一息ついてなだらかな笹道を進むと‥。 |
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『オ〜、ビューティフル』 『欧米か!』 広場手前で焼岳の全容が獲得できます。(8:30) |
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山は男性的ですが、周りは柔らかな和み色。 ナナカマドの赤、ダケカンバの黄は、かなり落ちたようです。 |
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新道出合の先には、下堀沢の崩壊地です。この崖の左側を登って行きます。 この辺りが森林限界。 靴紐を締め直す間にも多数抜かされました。駐車場は、大変なことになっているでしょう。 |
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朝日の呼び鈴でカラマツがお目覚です。 ひよこさんは、2000mの低酸素でも快調に登っていきます。私は頭が痛く遅れ気味です。 『もっとヘモグロビン』 『病院か!』 |
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『えらいこっちゃ』雲が尾根を乗り越え大変なことになりました。 予報では9時以降、ニコニコ晴れマークなのに。 でも心配は一時で‥ |
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稜線に輝きの青色が、上塗りされました。下山者が『今日は全部見えるよ』と期待のバトンをくれます。 噴煙も見え、硫黄の匂いが強くなってきました。 『のろしじゃ』 『戦国か!』 ようやく高度にも慣れ頭痛も消えました。もう少しで火口淵です。 |
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登りきると下に火口湖が見えます。 2455m南峰は登山禁止です。右折して北峰に向かいました。 (10:10) |
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風で舞うガスに登山道が、時々覆われます。 『息を止めて!』とひよこさんに注意する私が、貧弱な限界でガスを吸ってしまう。 |
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噴出の唇が硫黄色です。ビュービューと轟音と噴煙が絶え間ない。 本日はひときわ登山者が多く、張り切って大放出サービス。 |
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辿りついた2399m北峰は風もあり寒い。慌てて庶民の味方、ユニク■フリースを着込みます。 この後降りる上高地が900m下。速攻飛び降りの選択肢は採らない。 (10:20)〜(10:40) 雲が湧き、下のように全部見えません。 |
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頂上から少し降り、斜面で風を除けポカポカランチです。 持参の凍茶は、半分も溶けていません。 (10:55)〜(11:35) 食後ひよこさんの苦手、岩場の緊張降下です。下の尾根まで我慢の30分〜。 |
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若者が、噴気を背にして穂高連峰や槍ケ岳方面を見つめています。 中高年は時間が無いけど彼らには時間がある。頂上にかかる雲が消えるのを気長に待っています。 |
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中尾峠に来ると雲が溶けました。 先の焼岳展望台でも粘った人が嬉しそう。 今夏、登った西穂独標が懐しく見えてます。 (12:35) |
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焼岳展望台への登りはやるせない。超えれば村営焼岳小屋です。お心付箱トイレもあります。 一泊二食7100円。ビール550円、お茶500円、ホットコーヒー450円也。 (13:05) ここから先が長〜い。 |
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巨大崩壊地の左沿いを降ります。この土砂で大正池が作られたのでしょうか。 |
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難所の10mアルミ梯子は、2重に架け替えられました。ここで大渋滞のため15分停止。 高齢者の方を家族で助けて降りたためでした。 着地は13時50分でまだ余裕があります。早出してよかった。 この後にも梯子箇所が3箇所ありますが、ここが一番高い。 |
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10m梯子から1時間20分『バンザ〜イ!』林道出合で山道はこれにて終了。 出発前にひよこさんがトイレで落とした万歩計が惜しまれます。 これからは歩行者専用の地道を行けばよい。 (15:10) |
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歩いているとひよこさんが小声で『小熊がいる』と囁く。100mほど先からユサユサこちらへ向かって来ます。二人は立ちすくむ。親熊が近くにいたらどうしよう‥。 しかし近づくとどうやら熊ではありません。『たぬき?アライグマ?』 動物は20mほどの所まで来て、困ったような素振りで私たちを注意深く見ます。そして左の獣道から道下の湿地に降りました。 私も降りてみるとそこに40cm径の穴があり、林道下に洞穴が延びていて奥が深そうです。この出合が嬉しくて疲れ顔から笑い顔に替わりました。(調べると日本穴熊で棋士の守り神?) |
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梓川に架かる田代橋を渡ると穂高には雲も雪もありません。 今、焼岳山頂にいる人は、晴れ空に満足顔をしているでしょう。 全部見えなかったけど、私たちも充分楽しい等高線の旅が出来ました。 (15:30) |
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最終地バスターミナルには、帰り顔の観光客が高密度です。 皆さんはスポンジの水のように観光バスに吸収されていきます。 タクシー乗り場に行くと即乗れました。棒足の休足時間は25分。 朝の駐車地に戻れば数台残っているだけです。3610円の贅沢。 (16:15) |
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帰り道は、トンネルではなく安房峠経由です。ここの紅葉風景は、心に染み入ります。 でも若干遅かったよう。アカンダナ山が夕日に燃えています。 帰宅まで私が眠らないため、ひよこさんと3時間ノンストップ・トーク。 『欧米か!』 |
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究極の回文 回文って知ってますか? 日本語ならではの言葉遊びですね。 三文字以上で上から呼んでも下から読んでも同音・同語になる文句です。例えば「トマト」「新聞紙(しんぶんし)」「竹薮焼けた(たけやぶやけた)」などは、子供でも知っています。 長いものになると「なかきよのとおのねふりのみなめざめなみのりふねのおとのよきかな」という回文歌では、合っているかどうかを調べるのも一苦労です。 学生の頃私たち仲間内で、回文がはやったことがあります。下宿に集まったときなどに作りあうのですが、簡単に出来るはずもなくほとんどパクリです。『ダンスが済んだ(だんすがすんだ)』『田植え唄(たうえうた)』『麻薬焼く山(まやくやくやま)』もちろん長いものは出来ません。 丁度その頃、NHKラジオで落語家が回文について語っているのを聞きました。彼も回文を作るので勉強のため、昔の資料を調べたそうです。すると大正時代にコンテストがあり、その最優秀賞作品を読んで『これ以上の作品は、ありえない。』と言います。 どんなすごい作品?私は耳をそばだてます。彼はアナウンサーに語りました。 『それは‥、溜まる猿股(たまるさるまた)』 私『ぎゃふん!! 』 下宿生活をしている私には、身に覚えのある内容で泣き笑いしました。 |