岳行ノート
夕森山 1597m/岐阜県中津川市
2006.11.17(金)江南5時40分発 
       晴れ後曇り  6℃ 
往路:3時間25分(小休止含)
復路:3時間40分(小休止含)

 付知峡から登る夕森山は未踏です。せきすいさんが、ヒルに襲われたレポ(03年6月)の印象が強く足が向きませんでした。

 夏に御嶽山に登頂して以来、そのお姿を見ていません。丁度、山頂の展望もあり渓谷の紅葉も見ごろなので行ってみることにしました。

 風媒社のガイドブックには、出ケ谷登山道の地図が載っています。山と渓谷社下浦林道からの登山地図です。前者を往路に後者を復路とします。

 前夜、両本の経路を25000分の1地図とMr.ガーミンに落とし込み準備しました。これが大変な目に会うわけです。

 教科書は、風媒社刊「こんなに楽しい岐阜の山旅100コース美濃下」と山と渓谷社刊「名古屋周辺の山200」です。
駐車場周辺図


左右に翼を広げた夕森山-付知町大起の県道より-
その左端まで歩くことになるとは、この時は知る由も無かった。)

不動滝P

出ケ谷登山口

夕森山

直降点

下浦林道

不動滝P
※色線は実測ではありません。■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


 
赤線
:登山道(GPS計測) 黄線:林道・一般道
青線:予定帰路 「名古屋周辺の山200」より  




朝早く付知川に架かる絶景スポット、攻橋を通ります。
紅葉もまだ寝ぼけ気味。気温2℃『さむさむ!』
 不動滝駐車場に車を停めます。綺麗なトイレもあり、パッキング、ストレッチ、パンをかじり出発です。
(8:35)
 朝日に輝く紅葉を愛でながら林道をしばらく歩きます。付知峡は、今が見ごろ。
 橋を渡ると左に登山道口。道はすぐ右に登り竹林を抜けます。一旦、林道を横切り植林に入りました。
(8:40)


 ※ここに「登山名簿は売店にあり記入ください」と立看があります。開店前でしたので出来ませんでした。売店前にポストがあるのでそこに届けを入れればいいかもしれません。(未確認)
 出ケ谷の沢音で賑やかな木橋を慎重に渡ります。両岸には、トチなど広葉樹が黄葉して潤いの空間です。   
(9:05)
 やがて苔石が転がる緑一面の世界に入場。そして山腹道に登れば、下浦林道から来た道との合流点。そこを右折します。
(9:20)

日本庭園を歩いているようです。

太陽も昇り、青空も勢いづいてきました。

植林地なのに所々に自然を残してあります。この山のイメージが変わりました。
 渓流を登ると「水終」の標識板です。ここから急斜面をジグザグ登って稜線に向かいます。
(10:10)


 ※ガイドブック記載の最終水場と標高200m近く位置が違います?
 この山の登山道は、どうやら名人によって作られたようです。

・水平で丁度良い道幅
・斜度が一定で階段が無い
・山側の削りが自然で道の崩壊が無い
・登りが"きつめ→なだらか”の繰り返しで優しい

 最初の設計とその後の手入れが素晴らしいのでしょう。 

やがて唐松の黄葉が、ちと寂しいけど稜線は近い気配です。
そして尾根に出るとダケカンバ、白樺も現われます。樹間から山頂も見えました。
 足元に敷き詰められた唐松の葉が匂う。いい感じの道が続き、最後の急登になりました。所々の展望が励ましてくれます。
 なんと切り株にちょっぴり残雪。冬の回覧板がここにも届いたようです。

 この斜面道もしぶい。縦材に横材を乗せ、梯子のようです。

 歯槽膿漏の歯のような剥き出し階段をたびたび見ます。でもこの方法なら雨は流れやすく土も削られないのでしょう。
 錆ついて使用不能の鉄骨櫓が見えたら山頂です。周囲は伐採され大きな展望が広がります。ひよこさんが、バテバテでへたり込みました。
 祠にくくられた例の“大物”、そして三角点と標柱が並び、北に霊峰。風が冷たいのでフリースを羽織ります。お湯も中々沸きません。その間に双眼鏡で‥
(11:55)〜(13:00)
 



 新雪をピチッとフィット。右の剣が峰に乗った神社が見えます。『‥嬉しい。』

 御嶽山は、夏の思い出。



 朝方ページトップの写真を撮った大起集落が見えます。

 ランチを食べたらひよこさんも元気になりました。
 帰路は、山渓のガイドブックの道を降ります。まず向うに見える1406mピークへ向かいました。
 途中の尾根分岐です。往きは左下から上がって来ました。帰りは、右奥へ笹の刈られた尾根を行きます。赤テープが要所にあり安心です。
(13:35)
 ピークには、15分くらいで着き小休止しました。そこを左折し、5分先の分岐を左折、さらに5分の分岐は直進。15分降るとまた分岐があり左折。

 その都度、Mr.ガーミンと地図を確認。その後すぐこの分岐に着き、Uターン気味に左折します。地図にもそういう箇所があり余裕で2分ほど進むと‥
(14:20)
 道はここまで‥。もうどの方向も笹の海です。テープがあったので山腹を進みますが、足元保証のない笹斜面では体力消耗が激しい。

 ひよこさんがとても着いてこれません。
『戻ろう』『どこまで?』『つい先の分岐に笹刈された道が降りていた。そこを行こう。』

 15分のロスです。上の写真の分岐に戻り、お茶を飲み落ち着きます。
 昨夜、地図に書き落とした帰路をじっくり見ます。説明文もよく読む。すると両ガイドブックは、登山口が違うけどやがて出ケ谷で合流しています。

 以後同じ“出ケ谷”登山道の案内文です。ところが、山渓の本は出ケ谷が一本西になっています。『ミスってる?』いや私がミス道したのでしょうか?

 戻る時間はなく、地図にない道を行くより他はありません。下に来ている林道を目指すことにしました。
 『よし帰るぞ!』と気合をいれて出発します。
 10分ほど尾根を行くと笹刈された道は、真下に降りています。林道まで高度差200m。その道なら暗闇でも駐車場まで帰られる。日没まであと1時間。
(14:55)

 急斜面はゆるむことがない。妥協のない直降が厳しい。笹や立ち木を掴み、横向きで降ります。

 二人とも何度も尻餅をつき、手とズボンは泥まみれです。
 『林道が見えた!』下方に明るい地道‥助かりました。最後は、降り易いように斜め道が切ってあります。生還。

 後はこの道を歩くだけ。
『どれぐらい?』
『ほんの4.5kmほど』
『モゲェ〜!?』
(15:30)

稜線に太陽がまもなく沈みそうです。がんばったご褒美が目の前に広がります。
瓢箪からこま。思いがけないパラダイスが延々と続きます。
身体はクタクタでも心はルンルン。

夕日を受けて山が燃えています。『すごいなあ〜』『帰り道が、一番の紅葉だ。』
駐車場に着いたら、今日のひよこさんのガンバリを誉めてやらなければ。
そして三本締めで私たちの秋を終えましょう。シャン・シャン・シャン(16:40着)

-リンクいただいている山遊ライトトレッキングさんの夕森山レポ(2006.05.06)より-
「名古屋周辺の山200」のスタート地点から出発しGPSでルートを計測されています。
やはりその道は、出ケ谷登山道に合流していました。


 
       始めの歩き方


 イオンでひよこさんの買い物をベンチで待っていました。目の前を小学生低学年の男の子が、急ぎ足で通り過ぎます。何気なく後姿を追っていくと‥。『あれ、歩き方ってあんなふうなの?』当時、左右の足が1.5cm長さが違うと言われ、歩き方がわからなくなっていた頃です。

 腰をクルクルぜんまい仕掛けのように前後に回転させて歩いています。その発見にびっくりして他の人の歩き方を観察しました。中高年は、上半身と腰を固定させて足を振るだけで歩いている人が多いようです。かなり年配の方は、膝下だけで擦るような歩き方をしてます。

 私は、あの小学生の歩き方をやってみました。うまくいきません。手と足が同時に出たりします。その日いちにち、ぎこちない歩き方ですが何とかできるようになりました。コツは、上半身を前に向け、歩くとき意識を足先に持たず、腰を回転させることに集中させます。うまくいくと腰が先に出て膝が続き、足が伸びて最後にかかとが着くといった動作です

 この歩き方をマスターすると会社で目ざとい女子から声を掛けられました。『若々しい』『颯爽としている』とお世辞半分でしょうが好感触です。同姓の同年代は『なにそれ!意識して歩いとんの?』とやや斜め見のご意見。

 やっと歩き方がわかったので平地は無論、山でも林道や平坦地はコレで歩きます。腰を動かすため、筋肉の血液循環も良くなり腰痛防止になると信じたのです。そして歩幅は広くなります。

 時々来る孫が、歩けるようになりました。これは楽しみだ。最初はヨチヨチ、そして何ケ月後、歩くオムツ星人は‥。『おお!』人類は素晴らしい。誰も歩き方を教えてないのにちゃんと腰を回転させて歩いています。感動モノです。

 私はというと覚えて数年経ちますが、いまだに無意識であの歩き方は出来ません。意識を持たなければ元の木阿弥です。それに相変わらず左右の足は不揃いで、ときどき引っ掛けては躓きます。映画「踊る捜査線」で見た織田裕二のかっこいい歩き方に憧れるけど、いつできることやら‥。(ひ)『足の長さが違う!』おっしゃるとおり。