岳行ノート

石巻山 358m/豊橋市
2007.1.20(土)江南7時00分発 
           曇り 2℃ 
周回歩行:5時間00分(小休止含)
バス乗車:15分
2007.1.21.21:50

 低山周回第2弾は、道標など整備のよい石巻山自然歩道→豊橋自然歩道本線→嵩山(スセ)自然歩道をつなぎます。

 低山ですが、このコースは見所豊富です。登山口と下山口の距離があり、周回するにはバスを利用します。

 下山してからのバス乗車は登山中、発車時刻が気がかりです。そのため朝、登山前にバスに乗り下山口から登山口まで行くことにしました。
 ※豊鉄バス「嵩山」バス停時刻表

 教科書は、山と渓谷社刊「名古屋周辺の山200」です。参考書はメイツ出版「愛知子どもハイキング」です。
駐車場周辺図


大知波(オオチバ)峠で浜名湖を見つめる土器地蔵



嵩山バス停

登山口バス停

間場口

石巻山

富士見岩


黄線:バス
赤線:登山
※色線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」



  豊川インターを下り、362号線の本坂トンネル手前に駐車場があります。今日は高さの歩きではなく、長さの歩きです。寒くないのが助け。
(9:05)

 道を渡ると転回地に嵩山バス停があります。最初の乗客です。『嵩山をスセと読めない。』11番目の石巻山登山口バス停まで乗車します。
(9:22発車)

 
 1人310円で5.5kmを15分で着きました。下車してバスを追うように橋と信号を渡ります。看板を左折し、東へ向かいました。
(9:36下車)
 生活道路を抜け、飛ばす車に注意して広い道を渡ります。石巻山自然歩道の間場口(アイバ)より入山します。さあいよいよ登山開始。
(9:50)
 高木で薄暗く、僅かな木漏れ日を拾いながら緩やかに登ります。

するとこの森の主に出会いました。
常緑樹のスジダイが、重厚な大径木で空一杯に樹冠を広げています。
※タブノキ改めスジダイ:2013.08.16プルヤマメさんご教示感謝
 降りて来た元気良すぎる小学生の大群とすれ違いました。そして舗装道に上がると石巻神社の鳥居です。階段を上ります。
(10:35)
 踊り場の右には、無人の自然科学資料館がありここでトイレを借りました。中では石巻山の自然や見所が、パネルになっています。
 山道を行くと蛇穴(ジャアナ)の洞窟です。60cm径、奥行き13mと解説板。『奥まで這って測り、バックで戻ったのかな?途中で蛇に出会ったら‥』
(10:55)
 次はダイダラボッチの足跡です。石巻山本宮山をまたいだダイダラボッチが、小便をして豊川ができたと解説板。

 こうした民話は、強い印象を人々の心に植えつけたものが今も残っているのでしょう。「またいで小便」は強烈です。
 石灰岩が転がる岩壁沿いのクサリ場、鉄梯子を登っていけば‥
 痛快展望の山頂です。358m標高以上の感動と風に打たれます。4年前に登ったとき、ひよこさんの後ろの岩に手をかけたら鳥の糞。じっと手の平を見て泣きました。

 年配のお二人が山頂で知り合ったようです。『わしゃ百姓だったが、あんたさんは都会的だ。どこか違いなさる。』そんな見方もあるんだ。
(11:15)
 



 曇って近くの山もくっきりしません。南の三ツ口池方面を撮ったら下山です。

 運がよければ三河湾渥美半島、なんと坊ケ峰富幕山の間に富士山が見えるそうです。





 頂上から5分ぐらい降りたところで左に入ると大杉があります。

 枝型が原生木のようです。ひよこさんが『うわ〜』と言って抱きついています。

 労著「愛知の巨木」には幹周7m以上でないと掲載されません。

 幹周5mぐらい?高さは40mぐらいに見えます。
 蛇穴を過ぎ、道標の分岐を左に入りました。この大岩塊は、下に緑色岩、上に石灰岩の境界が見られます。このしろ池の向うは奥の院不動尊です。
 鳥居に戻り、左折して林道を歩きます。地道になりさらに道は続きます。ここは辛抱我慢、道端で作業を止め昼食中の方たち。

 『そうか12時まわってる、腹が減るはずだ。』
 やっと登山道かと思いきや、金網扉を避けるだけの道です。
(12:30)
 本日、一番苦しいコンクリート坂。これを越すため昼食を先に延ばしています。直登せず小さなジグザグで登りました。
 ペコペコ腹で大地波峠(オオチバ)に到着。ここは平安時代の山寺跡で国指定史跡です。
(12:50)〜(13:30)

 浜名湖を見ながらやっとランチタイム。
何人かの方達がこの峠に来られました。ほとんど三ケ日方面に下山されたので静岡の方でしょう。
トップ写真の土器地蔵を撮り、県境の湖西連峰尾根を歩きます。
 峠からすぐ372.5m三角点が、登山道脇にあります。

 ところで石巻山山頂に三角点はありません。林道の途中を左に入り276.4mピークにありますが、その寄り道はしていません。
 突然、送電鉄塔脇に富士見岩が出現します。ここは割岩とも言われ、足下が割れて裂けた箇所です。

 ここを出発するとき一瞬『ん?』となりますが、道は写真左端で直角に曲り北に降ります。
(14:00)

急坂に落葉した高木、樹皮はコナラのようでした。
 そして頭の病に霊験あらたかとされる大山浅間社です。頭の毛が生えるようにお参りして西へ嵩山自然歩道を降ります。

 ここから更に北へ向かえば本坂峠を経て坊ケ峰です。そこは急登20分、祠だけの頂上なのでパスしました。
(14:35)
 植林の道をどんどん降ればやがて国指定史跡嵩山蛇穴の鍾乳洞です。奥は70mあり縄文時代(1万年前)土器等の遺物が多く発掘されました。

 「長野善光寺まで通じている伝説」「江戸時代の埋蔵金伝説」「大蛇が女に化けたアナド婆伝説」など‥昔、貧しい村人が創作し密かに楽しんでいたようです。
(15:05)

 車の音も聞こえ、ここから駐車場へは近いことを知ります。
(15:15)
帰り、石巻町金田から見た石巻山は、三角錐に尖り旅館街を脇に押しやり
なかなか威厳があります。

旅をデジカメで1万枚撮ればパソコンで永久保存。
ところが心の画像は、日々消え去ってしまう。

でも残った一瞬を思い出せれば、印象的な場面がいくつも蘇る。
二人で行けば二つの思い出を合わせて旅のジグソーパズルを組立てる。
トンチンカンな話も出来る。

だから旅は面白い。思い出袋が一杯になるまで旅を続けたい。


 
       裂けた黒 


 そのピンチは突然背後からやってきました。

ある夏、社員食堂で昼食を終え廊下を歩いていると後輩が私を呼び止めたのです。
『ズボンから白いものがチラチラ見えてますよ。』

 慌てて手をお尻に回すと‥確かにズボンが5cmほど縦に裂けている。黒いズボンなので余計目立ちます。『まずい』彼に頼み私の後ろを離れないようにガードしてもらいました。職場に戻り、椅子に座って悩みます。『どうしよう?』もう頭は仕事どころではありません。終業までは、まだ5時間もあります。

『部長、早退したいのですが‥』
『どうした、具合でも悪いのか?』
『ズボンが破れパンツ丸見えなんです。』


 そんなことは言えない。仕事中、座ったままでいるわけにはいけません。FAXしたり書類を取りに行ったり、移動は充分注意しました。 が、どうやら後ろの女子が気づいたようでチラチラ私を見ています。ズボンを触ると破れは、断りも無く10cmにもなり大ピンチなっていました。

 このままではいけない、と焦りを感じたとき学生時代のT型カミソリ事件(07.01.13“道草”掲載)を思い出したのです。あのひらめきが再びよみがえり、私はそーっと壁沿いを蟹歩きしてコピー機までたどり着きました。そのふたを開けっ放して濃さを最高にセットします。A3サイズを選びONします。Zuu〜nと真っ黒に焼けた紙が出てきました。二つ折りして別の書類に挟み、それを後ろに当てトイレに一目散。

 個室で紙をお尻の形に破き、ズボンの中に黒い方を外側に向けて入れます。ごわごわ音がしますが仕方ありません。そうして友人を内線で呼びました。何も言わず『歩くから、可笑しい所ないか見てくれないか。』と頼みます。彼は訳がわからない。

『別に可笑しくないよ?』
そこでわけを話すと彼は問題の事故現場をマジマジと見て
『コピーとはお見事。聞かなければわからん。』と大笑い。

 こうして私は、幸運にも人生の大ピンチを二度も乗り切ることが出来たのです。
「二度あることは三度ある」 もしも第三のピンチに出会ったときは、この場で皆様にご報告いたしますことをお約束し、お開きとさせていただきます。。。