岳行ノート
鳩吹山周回 314m/可児市
2007.2.2(金)江南7時45分発 
           晴れ 0℃
周回歩行:5時間00分(小休止含)
電車乗車:10分含
2007.2.3.19:30
2007.2.5.23:35
 低山周回第4弾は、痛快な展望が楽しめる鳩吹山です。7年前の春、ここを踏破したことで山の魅力に魅かれました。

 そのときは、地域紙に載ったガイド地図を持ち初の本格的登山?‥今回のコースと逆回りでしたが、読図力も無く道迷いばかりでした。

 あのとき、自信無げに歩いていた自分たちの面影を探しに行きます。
 
 教科書は、山と渓谷社刊「こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃下」です。参考書は「きさくの山歩録」さんにお世話になりました。
駐車場周辺図

木曽川から鳩吹山のアンテナ頂上


大脇P

可児川駅

善師寺駅

西山

鳩吹山

大脇P

黄線:名鉄電車
赤線:登山
※色線は実測ではありません。

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」



 国道41号線のトラックに追い立てられ側道の県道349号線に下ります。「朝のうち雪」の予報は、完全に外れです。
 41号線の高架橋の下、大脇登山口に駐車しました。少し北の公民館にも駐車場があります。ここから名鉄可児川駅へ出発。
(8:40)

なるべく車の行き交わない道を選び、20分ほど歩き駅に着きました。
一人230円の切符を買います。1時間に4本で運良く電車はすぐ来ました。
(9:04発) ※名鉄電車時刻表
 2つ目の善師野駅まで10分で到着。ここは無人駅ですが、忍耐のWCが外にあります。踏切を渡り北へ歩きました。
(9:15)
 ローカルな風景は穏やか。舗装道をヘアピンカーブまで行きます。そこで朝鳥の鳴き声に迎えられ、広い地道に入りました。
(9:30) 
 やがて高さ15mほどの大岩と大杉があり、岩の中に小さな祠。道中の安全祈願をして堰堤の横を抜ければ‥。

緑の水、静かな大洞池です。風が無くまさに小春日和。
池北の交差点には道標、ベンチ、覚悟のトイレボックスと充実のインフラ。
ここから東海自然歩道です。
(9:40)
 緩やかな自然歩道を登ると恵那コースとの分岐点に出ます。この五叉路で初休憩。そして一番細い道を選べば、尾根道に乗ります。
(9:50)
 一旦、降ると案内板の賑やかな石原登山口です。真禅寺から林道が来ていますが、ここから進入禁止になってます。
(10:05)
 登り出せば、本日最初の急登一号線です。さすが低山、汗ばみだす前には終了。

 再びゆるい尾根を歩けば、鉄塔の展望所に出ます。
左手前に鵜沼の森、奥の連なりが白影さんやせきすいさんが
先月末縦走された各務原アルプス。右には、明王山城山とワイドです。
(10:40)
 南にも眺望は開けています。手前のゴルフ場は見えても、その先は逆光で判然としません。名鉄電車の音が、聞こえるのが嬉しい。

 そこから5分ほどで北回りコース分岐に出て左折します。なお、右に行けば西山休憩所です。
 途中岩上の展望所を過ぎ、我慢して北西に登れば西山山頂に到着。四等三角点にタッチして『さて?』っと進む方向に悩む。

 ここは、一旦バックしてすぐのY字分岐を左へ降ります。
(11:15)

急降下して登り返すとカエルの展望所。木曽川右岸の坂祝町(サカホギ)が見えます。
ここから5分も行けば一休さんの展望所です。
(11:35)
 さらにこの北回りコースでは、角度を変えた展望が楽しめます。そして木橋で赤銅色の流れに驚く。登り返して合流点を左に進みます。

振り返ると西山を中心とした山並みや尾根道カーブ。この眺めで気分が高揚します。
午後になるといつものように風が出てきました。

(2000年4月16日登山入門日)
腰にカメラケース、足にスニーカー、手に拾った枝。
駅前で買ったお茶一本とおにぎり。登山知識、登山用具なし。楽しかった山歩き。
この日が、標高線の旅の始まり。思い出は、アルバムを開ければ鮮やかに蘇る。

このとき鳩吹山が好きになり、翌2001年元旦に初日の出を見に再登山したのです。
ところが帰路、大脇口コースで降りていくときひよこさんが‥。(最後に)
 アンテナが見え、あと少し。12時半にもなれば、腹はぺコちゃんです。平日と言うのに大勢の人とすれ違いました。ゲッゲ!道に吐瀉物‥無理禁ですよ。

鳩吹山に到着しランチにします。禁煙・火気使用禁止。
蛇行する木曽川が、景観に変化を与えています。
遠くに薄く見えた乗鞍岳御岳山の雪が少ない。
(12:35)〜(13:20)
 腹がポコちゃんになったら下山です。東尾根ルートを初めて降ります。真禅寺登山口への分岐を左に入れば細い山道です。
 すぐにパノラマコースへ移り、抜群の展望。対面に大脇口ルートを登降する人が見えます。朝、車を停めた大脇駐車場可児川駅も一望です。
 垂直な岩場は、クサリを手に慎重に足場を探して降りました。先で岩道が消えそうに見えますが、うまい具合に続いていて感心します。
 やっと岩道が終わり、ビビリーひよこさんも一息です。斜面を降りるとそこは大脇口ルートとの合流点でした。
(14:15)
 擬似木の階段を降りると6年前を思い出します。夜間登山し、山頂で“初日の出”を見ました。テレビ中継もあって、何百人も集まり大変な人出です。

 明るくなって皆が一斉に下山しだす。飛び進む中学生の団体にあおられ、つい早足で降りる。ひよこさんが、小石に足を滑らせ尻餅をついた。

 擬似木に尾てい骨をしこたま打ちつける。ひびが入って何と2ヶ月の重傷。それがトラウマになり、今日も慎重過ぎる降り方がいたわしい。

用水の橋を渡れば、もう駐車場です。
初めての登山とは反対回りに歩いたので景色は新鮮でした。

道中、ひよこさんは『ここは通ってないね。』と良くつぶやきます。
思い出が増えた分、もの忘れも増えたようです。
(14:25)


 
        痛快先輩 

 いい人とそうでない人に分けたなら人生の先輩、Nさんは間違いなくいい人でしょう。以前は一緒にプールで泳いだものです。数年前に勤め先を定年退職され悠々自適の日々です。今でも年に何回か夕食をお誘いします。そのとき伺ったお話で面白かったものをHPに掲載したいと申し出たところ、快諾いただきました。

(第一話)
私が尋ねます。『Nさん、60歳の定年後、好きなことやれるのは体力的に5年か10年ぐらいでしょうか。世間で言うセカンドライフって意外と短いような気がしますが?』

『いや、君たちは現在1週間のうち自分の時間は2日間だ。私はまるまる7日間ある。つまり働いていた頃に比べると3倍の時間があり、価値としては15年か20年分だ。やれることも3倍あるわけだ。』
『プラス思考ですね〜。』 

(第二話)
Nさんの話が続く。『先日、ホテルで勤め先のOB会があった。挨拶や報告が一通り済み、立食パーティが始まる。A君という陽気で話のうまいのがいて3人で彼を囲んで談笑していた。彼の元上司で取締役だったYさんが、一人で端っこで飲んでいる。

賑やかに集う彼を見つけ
「お〜いA君、こっちへ来て一緒に飲まないか。」と声をかけた。すると彼は「何がお〜いA君だ!ここにいる者は、肩書きも無く今は全員対等だ。私と飲みたいなら“Aさん、ご一緒させていただけますか?”と挨拶するんじゃないか!」ときっぱりと言う。

 当然周りの人にも聞こえたが、そこは武士の情け、皆さんは心の中で小さく拍手したそうだ。』

『両者の気持ちが痛いほどわかりますね。それでどうなったのですか?』

『あ〜あ、A君の周りを取り囲む人はさらに増え、円陣のようになっていった。元取締役は、結局最後まで一人で飲んでいたよ。』
『切り替えは、なかなか難しいですねえ。』

(第三話)
Nさんがしんみり語る。『私の友人たちは、定年後あれしたい、これしたいと思っていた。夫婦で海外旅行を楽しみにしていた人もいる。ところが退職した途端、本人が脳梗塞で倒れたり、奥さんが大病で入院したりで何もできなくなってしまった。

他にも両親の介護をしなければならなくなった人もいる。若いときと違い、環境が突然変わる。だから定年後と決めず、やれる時にやりたいことをやったり、旅行なら行ける時に行った方がいいよ。』


と聞いて私もHPを始めたり、旅行に出かけるようになったというわけです。