35 “東海岳行を1/10倍楽しむ方法

マスコミの見出しには 「高速道路大渋滞!シルバーウィーク」 これで正月・GW・お盆、今回のSWと四季それぞれに遠出する機会が出来てたことは結構なことです。こんな時、大渋滞に飛び込む勇気はないので遠出は控え、大道草を作ってみました。今回は「東海岳行」の舞台裏です。



 いきなり話は変わりますが、私の在職中20代後半の女子が退職することになりました。その日、会社で送別会が行われ二次会はカラオケへ行ったのです。10人くらいの部屋で順番に歌います。いつものように皆さん選曲に気を取られ、歌っている人の歌は殆ど聞いていません。

 主役の女子が歌い出すと私は驚きました。今までこんな素晴らしい歌唱力のある人に会ったことはありません。歌を上手く歌うには「音程を外さない」「リズム感がいい」そして「良い声」が三大条件だと思います。さらにビブラートなど「テクニックがある」「腹で歌う」ならば、素人としては一目おかれるでしょう。

 そういう人は、そこそこいるものです。でも彼女の歌は、それ以上の魅力がありドンドン引き込まれていきます。何か違う、それは何でしょう?


 さて「山たまごの東海岳行」を始める時、私はやっと「鈴鹿セブンマウンテン」を登ったばかりの初心者でした。そこでその考え方や内容を@初心者目線 A早く継続的なアップ B日帰り山行 ようするに身の丈に合ったものにします。

 もちろん、これらのことや以下に書くことはあくまで私の考え方で、この方式が一番いいというものではありません。いろいろ個性的で魅力的な山のHPがあり、いいと思った所は私もマネしています。自身の整理のために今回まとめてみました。



1.形式

@枠‥私が5年前、HPを見ているだけの時は枠で囲われた中に写真と文章を入れるタイプが良く見られました。ところがその後、枠を表示しないものが主流になってきたのです。どちらを選ぶか?私は古いタイプを選びました。枠の表示が珍しくなればそれはユニークだしアナログぽくって好きだったからです。


A文章‥HPを始めようとしたのですが、多分20年以上は作文をしたことがありません。会社で企画書や報告者は書いていましたが箇条書きです。それでもヨチヨチと文章を作りました。あるとき岳行ノートを読んだひよこさんが『長い!』と言い放つ。その言葉は今も耳に残っています。

 それからは、コマ数を20に限定して作るようにしました。それでも結構長尺なので長さを感じないため、文章は「3行・短かい文」になるよう注意しています。上中下の3行なら眼が迷わないと考えたからです。文章を短くすれば、読むスピードも速まり長さを感じないと思いました。

 文の形態は迷いましたが、比較的やっている人が少ない「です・ます」調に決定。しかし、これだと文末が問題になりました。例えば‥「駐車場に到着しました」「登山口に向かいました」「丸太階段を上がりました」これでは読むリズムがワンパターンで耳障りです。

 そこで「駐車場に到着」「登山口に向かいます」「丸太階段を上がりました」こうするとテンポ良くなります。そのためは同じ文末が連続しないように工夫しなければなりません。これは今でもよくミスをしています。


B太字‥「○○分岐「○○山」「○○峠」などは、太字にして文章の見た目に変化を付けました。地図に表された場所とリンクするように心がけています。また『着いた!』など独り言や会話も同様太字です。「 」や『 』の近い方は正しくありませんが、読みやすさを重視しました。



2.冒頭
 
@山名‥山を始めたころは、小島山と言われても私は、その山がどれほどの大きさでどこにあるか知りません。そこで標高と所在地を添えました。県境にある場合は登山口を基準にします。でも伊吹山なら誰でも知っていると思われますが、一応そんな場合も慣習的表示です。
 
A前説‥その山に行く理由が中心です。これはせきすいさんが、やっておられたのでマネしています。ガイドブックがなければ登山口もわからない私たちです。いつも多くのHPでコースなどを確認していますが、一番参考にしたHPと合わせて明示します。そう教科書・参考書ですね。

B地図‥訪問者の方にとって土地感のない地域の山もあると思いエリア地図を巻頭で表示しました。小さいのが難点ですが、アルプスの無料地図ビュワーを利用しています。コース図は、巻頭にするか巻末にするか大いに悩みました。巻頭だと犯人が分かって読む推理小説ような気がしました。

 レポで「○○尾根に取付く」と表しても訪問者がその尾根を知らないこともあります。その場合、読みながらの想像山行ができないと思い巻頭にコース地図を持ってきました。具体的には、ガーミンのGPS軌跡をカシミールの地図に落としています。

 登山当日、帰宅して2時間ほどかけて作成しますが、標高差をカラーで表現したりウェイポイントを挿入したり結構手間です。クリックしたら詳細な地形図が出てくる方が、より使い勝手がいいと思います。でも地図を作るのは、楽しいのでこの方式でまだいきましょう。



3.表現

@フリ南木曾岳の時、ノートの始めの方で「@以前登ったとき御岳が見えなかった」「A登山パンツの破れを直して来た」「B登山服を赤色できめた人と同行した」と3つのフリをしました。それぞれ「@なぎそのバルコニーで御岳が見えた」「A尻破れて山河あり‥また破れた」

 「B駐車場で見たその人の車はやっぱり綺麗な赤色だった」と結ぶことができました。このとき、フリをしたらきちんと最後には結んで処理することに気付いたのです。今まで気づかずにやっていましたが、改めて文章を作ることが面白くなりました。


Aユーモア気取った言葉‥これは遊びでやっています。どんな風にしているか少し例をあげてみます。

◆長女が帰省した時、自分の子供が大汗をかいているのを見て『根性汁を出している』と言ったので早速メモしました。ノートでは、それを「急登汁」として使っています。

己高山のTOP写真に「天霧る鶏足寺跡」と付けました。霧で曇る風景だったので辞典を調べたら「天霧る(アマギル)」という言葉を見つけたのです。

水晶山・額堂山
では、新緑のTOP写真に「山は緑の貯金箱」と付けました。これは彦磨呂の『海鮮丼は海の宝石箱や』をヒントにしたものです。

 自分で作るのは半分ほどで、残りは頭の上にアンテナを拡げてヒントを収集しています。新聞、テレビ、本、歌など色々な所で、これはっという言葉が引っかかったらメモを取るのです。でも4年前、本で「弱者集いて不善をなす」という良い言葉を見つけたのですが、今のところ使うときがありません。

 そんなものも含め5年間に蓄えたメモは膨大な量です。しかし、この感性のアンテナは錆びやすいので、映画・コンサートなど感動できるものを見て錆び取りをしています。蓄えた言葉は、HPだけではなく人との会話にも活用でき、何かと役立つようです。


B面倒なこと日向山の登山道に雨量計がありました。これがアメダスかどうか分からなく、気象庁のHPなど30分ほど調べてやっと雨量観測だけのアメダスと判明したのです。もちろんノートにそれを表しました。他に野花や樹木、昆虫の名の同定は不得手で調べるのに困難を極めます。

 一応30分かけてわからなかったらギブです。展望山の同定は、カシミールが容易にさせてくれます。勤めている時「会社が面倒なことをやれば顧客は楽できる」という法則を見つけました。それをHP作りで言うと「面倒なことをやれば読む人が楽」となります。それを自分に言い聞かせ事前・事後調査をするわけです。




 始めからこれらのことが分かっていたわけでなく、作りながら習得したり変遷した来たものが多々あります。以上の方法が完全にマスターできていればいいのですが、アップして読み直すとガッカリするほど沢山のミスがあるのです。始めの頃は百ケ所近く直していました。今でもアップ後、数十ケ所は修正しています。

 まだ掲載写真の裏話がありますが、長くなりましたのでまたの機会に。岳行ノートは山行記録だけではなく、私たちが山旅を楽しむ様子がお伝えできれば理想的です。これまでことは技術的な側面です。楽しいHP、面白いHPを作るには、それだけではありません。

 カラオケの素晴らしく上手い彼女に歌い終わってから『君の歌は、他の人とは全然違う。なぜ?』と尋ねました。すると『歌詞を理解して気持ちを込めて歌います。誰かが聴いていることを想像して、その気持ち伝えるように歌います』と教えてくれました。考えたこともありません。



 私もHPを作るとき、彼女のように気持ちを込めて作れば、より良いものが出来るでしょう。しかし、そんなことが出来るのでしょうか?あ、これも「冒頭のフリは最後に結ぶ」ようにしているのです。ちょっとテクニックに走り過ぎている傾向があるようです。おっと「です」を(わざとらしく)連続してしまいました。

2009.09.23(水)23.55