大62 “感動の竿燈まつり” |
天候不順で先週は山に行けませんでした。さて以前から東北三大祭りに憧れていたのですが、今夏、ツアーで思い切って行くことにしました。このお祭り企画は、とてもいいアイデアと思います。東北地方では、8月上旬に夏祭りが集中していて旅行社がパッーケージ・ツアーとして売出しやすいのでしょう。
何でも昭和33年、国鉄が青森ねぶた祭り・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつりを「東北三大まつり」と呼称し周遊券を発売しました。ところが観光客には祭りの日程が調子が悪く、国鉄から日程の調整が提案されます。その結果、昭和37年からは「竿燈・ねぶた・七夕」の順でツアーの組立てが可能となりました。
それ以降、人気はうなぎのぼり。それにあやかってか岩手さんさ踊り・山形花笠まつり・福島相馬野馬追などを加え「東北六大まつり」まであるようです。どうせ行くなら欲張って全部見ようかと思いました。しかしツアー費は高くなります。それに毎日祭り見物では食傷気味になり、感動が弱くなるような気もします。
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すると2泊3日で青森ねぶた祭り・秋田竿燈まつりの「東北2大まつり」ツアーを発見しました。欲をかかず割り切って申込みました。8月4日9時前、20名が名古屋駅に集合し、東海道新幹線〜秋田新幹線と乗り継ぎ、6時間半かけて秋田駅到着。秋田駅から西1kmの山王大通が竿燈まつり会場です。
周辺には多くのホテルがあり、私たちもその一つに入り、早目の夕食をとりました。6時過ぎ、歩いて会場へ向います。途中、横断歩道を上がると屋台村が、盛り上がって、いや群がっていますね。(上左) まつりの日程は、8月3日(月)〜6日(木)。山王大通は片道3車線、幅32m長さ800mでここを周回します。(上右)
ツアーで行こうと思ったのは、4段の桟敷席(2100円)が確保されているからです。一般客は、歩道の席取りを早くからしなければなりません。6時40分に席に座りました。すると通りを町内や企業の列がお囃子で盛り上げながら行進します。(下左) 秋田市長も会場に来て私達ツアー客と握手していました。
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やがて暗闇が訪れ、7時15分「ド〜ン」と花火が上がり、竿燈演技の開始です。(上右) 観客・演者とも膨らんだ期待が、一気にはじける。腹に響く太鼓、高らかに打ち鳴らす鉦、踊りたくなるような笛のお囃子が、気分が高揚させます。 一つの大太鼓を二人で叩くのですが、右手が定型の打ち方です。(下左)
左手はアドリブっぽく乱れ打ちをパワフルに叩きます。写真の高校生男子がハンサムでめちゃ上手くしびれました。祭りは、260年以上の歴史を持つ国重要無形民族文化財。竿燈は稲穂をイメージして竹竿と提灯で出来ていて夏の夜空に竿燈を揺らして五穀豊穣を祈願します。
今年は270本の竿燈が出場しました。46個の提灯には町内ごとに町紋が描かれ、ろうそくを灯します。差し手が、絶妙なバランスで長さ12m、重さ50kgの大若と呼ぶ竿燈を手の平、額、肩、腰などに移しかえします。複数の扇子や傘を持ったりして妙技が魅せますが、自分たちの所へ倒れてこないかとハラハラです。
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演技する差し手に皆で『どっこいしょ、どっこいしょ』の掛け声を送りました。中には一本歯の高下駄を履き両手に扇子を広げる強者もいます。(二つ上右の右) 子供達も参加し幼若と呼ぶ長さ5m、重さ5kgに挑戦。(上右) 小学校低学年では難しいようで高学年になると腰で操る名人級の子もいます。
そんな子には歓声と拍手が起こる。こうして伝統が引き継がれるのですね。20分位すると一つの町内の演技が終わり、列が進み違う町の演技になります。突然、大失敗が起きました。(下左) この後、右の竿燈も巻き込まれる大惨事。提灯のろうそくが消えたらチャッカマンで大至急、点けなければいけません。
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竿燈に多く継竹をして高さを上げ、大きく湾曲させたものは見事です。(上右) 桟敷席を途中でチェンジしました。一番上から見ると両側の通りが見え壮観です。(下左) 写真では分かりませんが、実は桟敷席や沿道の上部には鉄線が張られ、倒れても被害のないように配慮されています。
どうも竿燈を持つのは男子だけのようですが、お囃子には女子が参加していました。そして1時間15分ほど続いた演技は8時半に終わりました。たまたまその時、私たちの前で演技していたのが小学校。参加した子供たちが全員並び、観客に『ありがとうございました』と頭を下げます。(下右の上)
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沢山拍手を送ってあげました。その後あ、触れ合いの時間です。観客は通りに下り、撮影や竿燈・お囃子の体験ができます。 (上右の下) これはいいですね。親近感が湧きます。私も小学生に『いつから練習したの?』と尋ねたり、竿燈バックでひよこさんと並び、差し手の方にシャッターをおしてもらいました。
因みに昨年の来場者数は4日間で126万人(一日平均が31.5万人)。秋田市の人口は31.7万人ですから一大イベントです。経済効果はハンパではありません。市長も観客に握手する理由がわかります。一体感があり、感動のお祭りでした。さて明日は、青森のねぶた祭りです。
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