岳行ノート

野登山〜仙ヶ岳 851m・961m/三重県鈴鹿市

2011年11月25日(金)



痩せ尾根に 行く秋追えば 野登山 (字余り)


 1月の藤原岳以来、鈴鹿へ行っていません。そこで仙ヶ岳(センガタケ)へ7年振りに出かけることにしました。白谷〜南尾根周回コースは2回歩いています。

 谷と尾根の組み合わせで変化があり、充実した山行でした。今回は6時間コースで野登山(ノノボリヤマ)との周回です。教科書のガイドブックは廃刊しています。

 アマゾンでは中古でも定価1800円の倍。掲載されたこのコースで不思議に感じたことがあります。多くの場合、著者は谷→尾根、最後は林道歩きのパターンです。


 下山時、緊張する谷の降りを避けるのでしょう。ところが掲載のコースは、最後に谷の降りが来ます。謎ですが、その逆周回で一の谷コースから登ることにしました。


 東名阪自動車道の鈴鹿インターで下り、小岐須渓谷へ走ります。教科書は、西内正弘著・中日新聞社刊「鈴鹿の山 万能ガイド」です。
<駐車場>
[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動



払塚駐車場→鎖場→道ミス→マド→国見広場展望台→■国見石→▲野登山→●鏡池→
野登車道から仙鶏尾根→仙の石→▲仙ヶ岳→小社峠→林道終点→屏風岩→払塚駐車場


 ※赤線はGPS軌跡  ※黄○は主な分岐

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前5時30分発  晴れ/6℃
駐車場:午前7時15分着  晴れ/5℃
野登山まで:3時間25分(以下、小休止含)
仙ヶ岳まで:2時間15分
駐車場まで:2時間25分 ◆所要時間:8時間5分

 小岐須渓谷山の家の隣が駐車場です。私の影の先が野登山一の谷コース登山口となります。5℃、冬気温の体勢で出発です。(7:30)

 道路を渓谷へ降るとすぐ鉄橋が目に入ります。流れには花崗岩の巨岩がゴロゴロ。橋を渡り植林を抜け、道標が案内する雑木林を登ります。 




 渓谷に近づくと急崖で緊張の鎖場(写真左端)です。写真は全然高度感がありませんが、右が谷で岩の間に滝が見えます。
(7:50)



 渡渉が何度かありますが、テープや道標(通報ポイント:ここは一の谷3)、岩の赤丸を注視すれば大丈夫です。

 ところが左岸の窯跡を過ぎ、10分くらい歩いた箇所でテープにつられ枯沢へ足を向けました。



 石が階段状の急登で汗をかき、ふっと『枯沢歩きはガイドブックになかった』と気付きGPSを見るとミスしています。

 15分ミス歩きしました。登山道へ移ろうと山腹をトラバースします。途中テープや道があり、鳩ヶ峰へのバリルーかも??

藪や急崖を避けながら歩きやすい道を選びますが、高度を稼ぎながらと思ったのが災いします。
中々、登山道へ辿り着きません。一の谷探しの物語ができるほど数々の経験、心情の移ろいをしました。

『シャリバテしてはいかん』味の素アミノバイタルでアミノ酸を3000mg注入『3000mgって3gでしょ』
色々な場面に出合い、ここでは『あの上の岩の間を抜けようかな』と考えましたが、迂回します。
“鈴鹿の山勘”の鈍さを痛感しているので止めたのです。稜線が見えたので取り敢えず登っていきます。




 尾根に出たら方向を定め、第一目標へ。コースタイム1時間半を30分オーバーし、ようやくマド分岐点に着きました。
(10:00)

『最初から間違えてはなあ』
※帰宅してGPSの軌跡を見てミス地点がはっきりわかりました。



 体力と時間をかけたので周回できるか?でもまだ元気で気力はあります。マドから道は分かりやすく、鈴鹿らしい道を満喫。

 展望もありゆっくり足を運びます。ところが途中で冬の風神が気力を試す。冷たい強風、慌ててブレーカーを着用しました。

 ネットを越えれば国見広場です。東に新しい展望台。鳩ヶ峰710m(写真左の木に隠れている)、伊勢湾が光っています。(10:40)

 広場から道路で東側の電波塔を目指しました。フェンスの横から森へ入るとまず国見石に出合います。昔はここから富士山も見えたそうです。



 登山道を西に進むと倒れた道標が、山頂位置を示します。野登山の二等三角点は明治21年設置されました。
(10:55)

 また昔は鶏足山(ケイソクザン)という山名でした。戻って天然記念物のブナの森を進みます。


 
 すぐにの巨木が立つ鏡池です。湿地のようになっています。この後、10世紀に開基された野登を拝殿予定でしたが‥

 時間を取り戻すため省略して、車道へ出て西に降ります。


 仙ヶ岳が見えました。まだまだ遠く、高度差に驚きます。初めての仙鶏尾根へ。一旦降ってそこから標高差200mの登り。
(11:15)

 ガイドブックのように逆に歩けば70分。『じゃあ、もっとかかる』昔、野登仙の石は修験道として修行僧が歩いた道です。



 林道終点には、できたら15時迄には着きたい。大休止はせず行動食に決定。しかし、風神は容赦なく体力を奪います。

 お握り一個を頬張り『戻ろうかな』の気持ちを振り切ります。万一のエスケープルート、小岐須分岐まで来ました。
(12:00)



 仙鶏尾根も一つ物語ができそうなルートです。登降が多く岩場、痩せ尾根と体力がいります。修行僧は大変だったでしょう。

 この調子なら何とか12時台に山頂へ着けそうです。タカノス分岐を過ぎ、この岩道を登れば‥


やはり感動するでっかい仙の石(東峰)。ピークに楔を打ち込んだような姿形。
苦難の道を越え修行僧は、どんな気持で見たのでしょう。次の西峰が見えます。
仙ヶ岳は東峰・西峰とも好展望で、双耳峰から「鈴鹿の鹿島槍」と称されます。




以前はこの東峰が山頂で、西峰(現在の山頂)は奥仙ヶ岳と呼ばれていました。
1時間20分で着いたので頑張った褒美に5分間休憩し、そのまま降ります。
するとご夫婦がランチ中、先へ進むと『あれ?』7年前の記憶が蘇る。南尾根コースへミスしています。

 もう一度かっこ悪くご夫婦の横を過ぎ、仙の石を通り、分岐点まで戻りました。写真左仙鶏尾根から来て右へ行き仙の石経由で南尾根へ進んだのです。到着した安心感からこの黄色の表示板を確認しませんでした。自信喪失、15分のロスタイム。山頂でランチできると思ったけど食欲喪失。(12:55)




 気を取り直し15分で山頂、三角点はありません。明るいうちに下山できそうです。ここからは滋賀三重の県境稜線になります。
(13:10)


 好展望!右端鎌ヶ岳1161m、その左が御在所岳1212m、その左は雲に覆われた雨乞岳1238mです。
 陽が射している鞍部の小社峠(コヤシロトウゲ)を目指します。
北西の風神は強烈で、鈴鹿は冬に呑み込まれそうです。


 この小社峠宮指路岳(クシロダケ)946mと仙ヶ谷との分岐。右の谷へ降りますが、まずは植林のジグザグ道です。
(13:30)

 午後から曇り予報でしたが、2時近くでも時々青空が覗いて心強い。やがて沢に降り、何度か渡渉がありますが‥


 テープや岩の赤丸があります。 ルートは歩いたことがありアライ谷分岐(14:10)、仙鶏尾根分岐(14:20)と順調に過ぎました。

 そしてこの穏やかな滝の前を渡渉しますが、流れは駐車場のある小岐須渓谷へと続きます。
(14:25)



 林道終点に着けば、安心感が湧き空腹を感じ食欲が戻る。お握りを食べていると「凛として時雨」躊躇なく合羽を着ます

 年末は何かとイベントあり、風邪を引くわけにはいきません。
(14:30)
林道を歩いて行くと突然背後から仙ヶ岳をピストンしてきた若いソロの方。話しながら歩きます。
大石橋手前で路肩が崩れていました。現在は大石橋で通行止めですが、補修は済んでいます。
さて、周回方向の謎は、ガイドブック通り左回りが、ミスの確立が少ないからだろうと思いました。

途中「景勝地屏風岩 徒歩1分」の案内板から川へ降ると本当に1分で渓谷の吊橋に着きます。
10mの川幅に2枚の石灰岩の大屏風。高さ30m・長さ100mは見ごたえがあります。
屏風岩から15分歩けば駐車場です。鈴鹿の山勘を戻さなくてはいけません。
(15:35)


東海岳行
   “秋のトンネル  

 昨年の4月、愛知県高蔵寺市の「愛岐トンネル」を歩きました。廃線ウォークですが、年2回春秋(4月、11月)の期間限定開催です。秋の紅葉期にも行こうと思いました。10月になり、詳細を確認しようとヤフー検索で「愛岐トンネル」と入れたら1番最初が公式HPの「愛岐トンネル群保存再生委員会」

 2番目が「Wikipedia」、そして3番目に「愛岐トンネル」これは私の東海岳行です。驚きました。そこでHPのアクセスを調べるとアップした10年5月490件、その秋11月612件、今年5月516件、他の月は数十件なので開催月は突出しています。そこで来訪者にすぐ「愛岐トンネル」へ行けるよう表紙に案内を入れ親切君しました。

 今年の開催日は、11月23日(水)〜27日(日)開催です。紅葉期のウォーク写真も付加しようと定光寺へ出かけます。紅葉情報では定光寺は見ごろになっていました。しかしそのウォーク地では、葉がまだ緑が多く例年より1週間は遅いようです。



 最初の3号トンネルの写真(→)には、紅葉が少し入りました。4号トンネルを抜けた所にある期待の三四五(ミヨイ)のモミジは、(↓)全然紅葉していません。

 燃えるような写真をゲットするには、何回か来なくてはいけないでしょう。係りの方に『今年は遅いですね』と尋ねると『カメラマンは、必ずそう聞きます。今20%くらい』

 観察すると木全体に紅葉してなく上だけ赤く、下は緑のままと不思議です。歩く人を見ていると殆ど友人連れ、夫婦、家族で山のようにソロは多くありません。現在、委員会のメンバーは80人で毎週木土、草刈りなど整備をされました。草はすぐ伸びるそうで、開催時の綺麗な道を私は歩くのでその御苦労を知りませんでした。



 さて廃線は日本各地にありますが、トンネルのある廃線ウォークとなるとかなり絞られるでしょう。有名なのは群馬県碓氷峠(軽井沢近く)南にある「アプトの道遊歩道」です。

 トンネルは5つ有り、最後のを抜けると写真のめがね橋(↓)、そこがハイライトです。橋は1893年に竣工され、重要文化財で世界遺産を目指しています。

 私はテレビの旅番組で見たことしか有りません。起点からめがね橋まで4.8kmあり、レールを残したコンクリート道を歩きます。トロッコ列車がその遊歩道の横を並走し、いつでも誰でも楽しめる観光地のイメージです。近在では、長野県安曇野市の「あかしな廃線敷」があります。私は一部を歩きました。



 全6km、潜られるトンネルは2つ。線路は撤去され未舗装ですが、いざという時に救急車が通る幅広道です。歩きやすく見所も点在し観光バスも来ています。

 お膝元の「愛岐トンネル」は、トンネル数が4つ。地面にバラストもあり歩きにくいのですが、観光化されてなく昔の面影が一番残っているようです。

 ただ、ウォークできるのが年2回限定のため、休日は並ぶほど来場者が集中するのがいたしかたない所です。そのためか毎年開催日の入場者は右肩上がり、今年は天気にも恵まれ過去最高の15,590名(昨年秋12,873名)。皆さんのご苦労が報われました。



 ところでこの道草を作り終わり、ヤフーで「愛岐トンネル」を検索してみると4番目に落ちていました。まるで秋の日の落陽。右肩下がり‥

 そこで岳行ノート「愛岐トンネル」の訪問者数を確認すると昨年11月612件→本年1,531件でした。多くの方に見て頂き苦労が報われます。それほど苦労はしてませんけど‥
 
2011.11.29(火)22:50