岳行ノート

大長山・赤兎山 1071m・1027m
福井県勝山市

2012年7月11日(水)



大長山(おおちょうさん)山頂のキアゲハ 『おぉ、チョウさん 


どうしてこんな素晴らしいデザインの羽根になったのでしょう



 5月から福井県の山を集中して登っています。最初の姥ヶ岳(1454m)は45km荒島岳(1524m)は29km経ヶ岳(1625m)は18km

 4山目、九頭竜湖の鷲鞍岳1011mは、再び離れ31.5km白山(2702m)を近くで望もうと次第に近づいてきました。今回の大長山は、13.2kmです。

 そんな折に「ジオンと山歩記」さんから大長山・赤兎山(アカウサギヤマ)のW登山にお誘い頂きました。渡りに船です。ササユリニッコウキスゲも期待して‥


 なお赤兎山は2010年7月、ひよこさんと同じコースを登りました。教科書は、中日新聞社刊「東海・北陸の秀山/上」です。
<駐車場>
[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動
   東海北陸自動車道の白鳥ICで下り、大野市で国道158号線から157号線に移り、木根橋トンネルを潜りヘアピンカーブで右折。 




上の駐車場


小原峠

苅安山

大長山

赤兎山

小原峠(ランチ)

上の駐車場


※赤線はGPS軌跡

※●は主な分岐点

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時05分発    晴れ/25℃
駐車場:午前7時55分着   晴れ後曇り/19℃
往:2時間25分(大長山まで以下、小休止含)
  :1時間55分(赤兎山まで)
還:1時間25分   ◆所要時間:5時間45分

 小原集落を抜けるとゲートがあり、係員に環境保護協力金300円を支払います。小原林道は、終点まで舗装道ですが、対向車に要注意。

 ゲートから10kmクネクネ上がり、大駐車場先の上の駐車場に到着。本日は10名のパーティです。梅雨にしては、上出来のお天気。(8:15) 


 駐車場から50m登れば、お地蔵さんの祀られた登山口です。白山へと続く禅定道を小原峠まで辿ります。

あっという間に深い森になり、天然のアーケードは初夏の日除けです。
沢沿いの道になり、小さな渡渉を3回します。急はがなく足を馴れさせるにはいい道です。

 それでも45分は歩き、最初の休憩地小原峠小広場。ここから大長山を登頂し、戻って赤兎山へ登ります。

 リュックをデポして白山禅定道(ゼンジョウドウ)を少し降り‥
(9:00)


 峠のお地蔵さんに手を合わせなければいけません。ここで背伸びすると白山山頂が見えました。峠に戻り‥
 急斜面を降ると尾根道です。30分で1505mピーク苅安山↓の山頂を通過しました。(9:45)

 高度が上がり樹木が無く日射しを受けます。でも今日は強い風でプラマイゼロです。

 アップダウンがよくあるので地形図を見るとピ−ク越えが、山頂まで5ヶ所もあります。右は大長山南峰

 道端には、風に揺れるササユリの淡いピンク。手ブレ補正機能があって良かった。
フェルメール
が描いた絵の少女のように、通り過ぎる登山者を一人づつ見つめる。

 山頂直下1600m辺り高度感のある岩場です。振り返ると南方↓右に経ヶ岳1625m、左奥は荒島岳1525m。


 口を開けて笑うニッコウキスゲ。福井・石川県境のきつい登降を繰返すとパノラマ感が増し‥


 大長山二等三角点登頂。左後方の別山2399m山頂の雲が少しずれてくれました。
(10:40)


 梅雨に思いがけない展望を満喫。頂上では、ニッコウキスゲ群生を期待してましたが、控え目です。

堂々の白山2702mは、直線で13.5kmと近い。皆さんたちは右の明白な谷を見て
『あの辺りが別当出合、砂防新道と観光新道がその上に延びているでしょう』
私は未踏なので実感が湧きません。30分近く山頂で遊び、小原峠へ戻ります。
 赤兎山を目指し降りました。この急斜面の手前だと思いますが‥

 「2004年2月、関学のワンゲル14名が山頂から数百mの急斜面で遭難。5mの積雪に動きが取れなくなった」

 ラッセルの困難さが想像できます。アマ無線で救助要請し全員救助、大長山は知られることになりました。

 小原峠へ着じリュックを回収、赤兎山。ランチは、山頂から10分先の赤兎避難小屋の予定です。
(12:10)

 泥濘の道を登ると浅いけど奥行き10mはある池があります。モリアオガエルの泡の卵塊がありました。
(12:25)


 空腹の急登は、ブナ原生林を大舟分岐まで標高差100mの喘息です。雲行きが、おかしくなってきました。
(12:45)


 赤兎山三等三角点登頂。南西に経ヶ岳1625mが覗いています。北西から黒い雲が押し寄せる。
(13:00)
山頂から100m先で広々とした風衝草原赤兎平が望めます。背後の白山連峰は厚い雲の中。
あの赤兎避難小屋まで往復25分、雨が降って来たらいやで、草原のカミナリはもっといや。

小屋まで木道を歩きたかったけど諦めましょう。
ランチタイムはもう少し延ばし、雨の降る前に下山と決定。

 山頂から戻る途中、北に本日の第一山大長山、手前左下に苅安山1505mを懐かしむ。雨雲を引き止めておくようお願いしたい。

急降地点で雨に逢うのはいやです。結局小原峠まで降り、そこでようやくランチタイム。(13:40)〜(14:15)

 峠からは急な道はないので気は楽です。運よく駐車場まで雨は降りませんでした。
(15:00)

 帰路、東海北陸自動車道で強烈な雨になります。まるで洗車機の中を走っているようでした。


 赤兎山山頂にて
後列左よりジオンさん、のこさん、yakoさん、ドルフィーさん、乱丸さん、福ちゃん、みれさん、山たまご。前列左よりあさひさん、Kおじさん、皆さんいつもお世話になります。有難うございました。


東海岳行
   “夏祭浪花鑑”  

 このタイトルで『おっ!歌舞伎』と分かる人は、私の周りではいません。歌舞伎は日本伝統芸能で重要無形文化財、しかもユネスコ世界無形文化遺産(他にフラメンコ・京劇等)です。

 一生に一回でいいから観劇したいと思っていたらプレゼント企画で歌舞伎の招待券が当選しました。あの市川海老蔵とお父さんの十一代目市川團十郎片岡孝太郎がメインです。

 御園座さよなら公演の一つ6月大歌舞伎は、24日間の長期にわたります。御園座5年続きの赤字で、昨年夏に建て替え計画が発表されました。会場は3階まであり、キャパは1656人。席種は特別席、一〜三等席があり、当選したのは2階の一等席でした。



 御園座に入場するのも初めてでひよこさんとワクワクします。左写真は舞台から客席を見ていますが、左端の2階席、前から2列目でラッキー席でした。

 ところで気になるご観覧料ですが、特別席19000円、一等席17000円、二等席10000円、三等席5000円です。凄い!一等席2枚の当選は本当にラッキーでした。セリフや話しがわからないと楽しめないので音声ガイドのイヤホーン(650円)を借ります。

 場内は満員ですが、平日のためかお客さんの年齢はかなり高めです。1作目のお芝居は「夏祭浪花鏡」(なつまつり なにわかがみ)は、エビ様が主演ですが驚くことに女形との一人二役。



 夏の大阪を舞台にした「殺人」のお話です。一切マイク無しで後ろを向かれるとセリフが聞こえない事もあり、言葉の意味もわからない事もありますが、イヤホーンのお陰でストレスはありません。女役の演技は、すらっとしたいい女風で良かった。

 殺人場面は異常な緊迫感。相手を泥(本物)の中に落として刀でとどめを刺す。こわばった手から刀が、離れない。震える手で刀がさやに収まらない。井戸水(本物の水)で汚れを落とす。祭囃子が大きくなり、神輿がどんどん近付く、早くしないと‥見てる方も緊張しまくらちえこ。

 2作目は、コミカルな「素襖落」(すおうおとし)。團十郎演じる太郎冠者が、主人の言いつけでお使いに出て、そこで素襖(下級武士の礼服)を貰います。振る舞い酒をしこたま飲んで帰りました。ケチな主人に素襖を取られたくないので賢明に隠すのですが‥主人とのやり取りが面白い。



 想像していたより分かりやすく、ミエを切る場面は少なかったけど必然性があります。上手い歌手が歌うと心が打たれますが、芝居も同じで上手い演者は思いっきり引き付けられ、エビ様の演技はさすがと思わされました。

2012.07.16(月)21:50