岳行ノート

烏帽子岳3 865m/岐阜県大垣市

2013年2月27日(水)

牧田川冠橋から見た秀麗な美濃富士(烏帽子岳/またの名を熊坂山)

大垣市景観遺産指定(往きは雲がかかり、還りは逆光)


 鈴鹿の烏帽子岳へ辿るには、いくつものルートがあります。その中で熊坂谷ルート、鐘吊谷(カネツリタニ)ルートは、荒れて廃道になったようです。

 前者は下山で怖い思いをして、後者は計画倒れに終わりました。平成21年春に細野ルートが、大垣山岳会と地元の方を中心に開かれました。

 3年がかりで開通し立派な駐車場もあります。その道を歩く機会が来ました。私は登って帰るだけ、地元への還元なしで申し訳ありません。


 単独の雪山は尻込みしますが、水曜会のメンバー4人と新ルートを辿ります。名神高速道路の関ヶ原インターで下り、国道365号線を南下。

 かみいしづ緑の村公園を過ぎるとY字分岐になり、右へ折れます。その県道139号線で2q走り、時小学校手前で左折。
<駐車場>
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大きい地図
  牧田川冠橋を渡り、右岸を1km行けば烏帽子岳細野登山道の案内板を見ます。指示に従うと‥


林間広場P→第一見晴ポイント→▲烏帽子岳林間広場P

 ※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前7時00分発  少雨/3℃
駐車場:午前8時25分着  曇り/2℃
往:2時間55分(山頂まで・小休止含)
還:1時間25分
◆所要時間:4時間20分


 集落の外れに広い烏帽子岳林間広場。入口は、脱輪しそうなほど狭い。弱い雨が降っていましたが、全員揃うと‥


 幸いにも止みました。スパッツを装着してワカンをリュックに固定します。登山口は、林間広場の南端。
(9:00)


 植林を抜け一旦舗装道に出て、十剱神社を正面に見ます。前にある溜池(杉が花粉たっぷり色)に沿って奥まで進み‥


 入山します。標高250mでこの状態なら上では結構な積雪でしょう。ワカンの出番がありそうです。

トラバースの道になり、展望が得られます。程なく第一見晴ポイントの案内板。
東南方向に養老山地の南端、多度山山頂403mは、手前の峰に隠れています。
(9:25)

 植林を抜けると積雪は登山靴の上あたりまであります。『こんな時スパッツはえらいなあ』

 昔、烏帽子岳は岐阜の呼び名で三重では熊坂山でした。登るにつれ常緑樹から広葉樹に変わります。


 第三見晴ポイント『あらら?第二を見逃した』北に展望があり、養老カントリークラブ上石津町の集落。
(10:30)

 勾配が緩み、リズミカルな雪踏む音を楽しめます。
目指す山頂が迫ってきました。距離は近くにも見え、遠くにも見え‥

 尾根をシンプルに辿ります。ファミリー向けの道かと油断すると急登の仕掛けが待っていました。

 ツボ足では堪らんとスノーシューを履いたmayuさんがリードをとる。


 ジグザグすると第四見晴ポイント。ここで結局、全員がワカン、スノーシューを装着します。
(10:55)


 展望は、養老山地を背後に三重県藤原町の中里ダム鈴養湖(レイヨウコ)。

 「週末の降雪だと踏み跡ない法則」傾斜は厳しくなり、展望岩へのトラバースは、どこが登山道かわかりません。

 分岐がわかっただけでも良しと先へ進みます。
(11:10)

週末は湿雪だったようでワカンもスノーシューも容赦なく沈み込む。
ラッセルを交代しつつ進むと稜線前で急登になり、最後の頑張りどころ。


 稜線が手の届くところに見えました。雪が膝上の深さになり、立ち木を支えに左の山頂を目指します。
(11:25)

 ガスが昇り眺望を覆う。立ち木の周りは、雪の吹き溜まりで股まである雪の深さ。これでは登頂はきつい。

 『やばくね?』試しに樹林のない急傾斜の尾根芯に転向。意外や雪が吹き飛ばされ足が埋もれません。
『いや〜何とか登頂できましたね。一時はどうなるかと思いました』
みんな同じ気持ち。ここまで2時間の予定が3時間。
ランチは下山後、駐車場でするつもりだったので食材は持ってきてません。
行動食の菱餅を腹に落とします。雪を掘って山頂板を出しました。その上に→
お内裏様『さぶっ。わっ、ストーブ消えとる!』、お雛様『灯油入れてよ
『え〜ぇ、面倒くさいなあ〜』『いつやるの、、、今でしょ!』

100m西の最高点方面を見ると『きっと雪は深い』と思うので行きません。
ガスがこれ以上濃くなるとややこしい。下山してランチしよう。
(11:55)〜(12:15)

 山頂下で展望岩コース分岐に出合うけど『そちらは、きっと雪は深い』と思い行きません。自分たちの踏み跡をなぞります。

 降りは、雪上足具のさばきが難しい。足がもう片方の足を踏み自爆。『ホゲー』前につんのめり、潰れた大の字カエル。笑うしかない。


 踏み跡の溝で『ボブスレーだ』と尻セードすれば楽チンです。踏み跡の溝は、一番大きなお尻が整える。


 天気が回復して湿雪が融け、植林では泥濘の道です。第一見晴スポットを過ぎると烏帽子岳(右)が望めます。


 十剱神社で青空が現れ、麓に春が近づいているようです。予報が、明日は15度のポカポカと歌っています。
(13:40)


 林間広場で遅ランチ。左から長さん、ドロフィーさん、あさひさん、mayuさん、ご一緒でき楽しかったです。またランチを御馳走様でした。


東海岳行
   “トイレの怪” 

 テレビが大掃除の特集をしました。男子が洋式トイレで立って用をたすと、どれ程しぶきが飛び散るか実験したのです。汚れを目で見られるよう特殊塗料を塗った床と壁。おびただしい飛沫が飛び散っています。私は衝撃を受け、今まで申し訳なかったと掃除するひよこさんに詫びました。

 以来、家のトイレでは座って用を足しています。公共トイレでも立ってすれば飛び散っているわけです。隣の人と距離が近い場合、自分の飛沫ばかりでなく隣人のも戴いているのかもしれません。しっかり受け取ったズボンと靴、、、トコトコ歩くとブルーになる。

 悲劇を避けるには、家以外でも洋式の個室を使用した方がいいでしょう。これを誰もが考え、実行したら高速のサービスステーションや劇場の男子トイレに列ができてしまう。困りますね‥



 我が家ではトイレで震えないように足元に小さな電気ストーブを置いています。600Wのセラミック・ファンヒーターです。3ケ月前、超寒いある冬の夜、温風にホッとしていると腰にヒヤッ風が当たりました。

 『おかしい』 私は1昨年、1階の窓に断熱シート(道草)を貼りました。もちろんトイレ窓も。その風は普通の寒い日では現れません。時々の厳しい冷え込みの日、腰のあたりに感じていました。気のせいかと思っていたのですが、その日のヒヤッ風のインパクトが強かったのです。

 窓ガラスを見ても断熱シートは、はがれてません。どこか隙間があるのかと窓枠に手をかざして探しますが見つかりません。『風がどこから来るのか、わからない?』翌日も厳しい寒さ‥やはりわずかなヒヤッ風が露出した肌をスーッと通っていきます。『やだなあ』 



 用が済み水を流し、振り向いてタンクに落ちる水で手を洗おうと‥陶器製タンクに手を付き身体を支えた瞬間その謎は解けました。『タンクが冷たい!』 居間は、暖房器具のおかげで室温が20度、廊下は10度くらい。

 トイレは9度くらいでしょう。外が零度なら‥タンクは水の出し入れが、たびたび行われ、外から零度近い冷水が注入されます。冷たい水の満ちたタンクは置きっぱなしなので、廻りの空気は冷え、室温は下がるでしょう。

 そんな環境で電気ストーブを付ければ空気の流れが起きます。また便座に座ると自動的に消臭機能が働き、空気を吸い込む。わずかでも流れが発生するでしょう。タンク回りで淀んでいた冷たい空気が、その流れに誘われ私の肌を冷やしたと思われます。



 悩みを解決するため、謎が解けた翌日、早速タンクに断熱シートを巻きました。これで低温の塊は包囲されたのでもう大丈夫のはず。するとユニクロのダウンジャケットも不要な春の陽気が訪れました。

13.03.03(日)22:22