岳行ノート

           オシダテヤマ
押立山  772m/滋賀県東近江市

2016年1月4日(月)


湖東三山百済寺仁王門

(一対の大草履は2.5m)


 新しい年が来た。希望の年だ、喜びに胸を開け、大空仰げ。始まりました、今年はどんな山旅ができるか楽しみです。

 昨年末、「道草」でご紹介した鈴鹿50名山に未踏峰が6座あります。今年の登り初めは、その中から押立山に決めました。

 残りは、男鬼山、ソノド、不老堂、サクラグチ、西山です。押立山山麓に佇む湖東三山の古刹百済寺(ヒャクサイジ)にも寄ってみます。


 聖徳太子により創建され、重厚な石垣に覆われた山城のような趣があるそうです。名神高速道路八日市インターで下ります。

 県道229号線を走り鈴鹿山地に向かって東進‥。教科書は、西内正弘著・中日新聞社刊「鈴鹿の山 万能ガイド」です。
<駐車場>
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大きい地図




駐車地

林道終点

▲押立山

峠状鞍部

下降地点

駐車地


※赤線はGPS軌跡
●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南発:午前8時05分     曇り/5℃
駐車場着:午前9時50分    曇り/8℃
往:1時間40分(山頂まで、小休止含)
還:2時間10分(ランチタイム除く)
所要時間:3時間50分

 里の日吉神社から4km、角井峠を過ぎた右に廃屋があります。少し先の路肩に置車しました。
(10:05)

 左の電柱の辺りが下山地点です。車道を奥へ300m歩くと‥


 左に林道があり、ゲート横から未舗装道へ入りました。
(10:10)

 林道は釣部谷沿いを左カーブして山奥へ進みます。3つ堰堤を過ぎ、ゲートから25分歩くと林道終点です。

 いい準備運動になりました。谷に行くと4つ目の堰堤があります。この上から左岸へ渡り、右折。
(10:35)


 斜面の巡視路用プラ階段で尾根に出ます。雑木林を15分急登すると小ピークです。右へ行くと‥


 すぐに鉄塔。予報は外れ、南東に望む日本コバ934mは雲の中です。
(10:55)


 小ピークに戻って尾根を北へ進みます。すると再び小ピークで展望を期待して鉄塔に寄ってみます。

日が差し、来て正解。送電線が向かう山は、アカイシ704mです。
右の稜線後ろに御池岳1247mですが、雲で隠れています。戻って進むと、、、
(11:05)


 唐突に林道が表れ驚きます。『どこから来たの?』 林道は地形図の743mピークを迂回して終了しました。
(11:20)


 尾根は西へ方向を変えます。高低差が無く、のんびり行くとこの分岐。きちっとした右を選択、道は左カーブし‥

押立山772m三等三角点山頂です。狭い場所に2本の記念柱が立ちます。
小学三年生の親子登頂記、。子供は元気でいいけど親は大変だ。
日付は1993年、20年以上前か、、、その後、親子登山はどうなったのかな?
(11:45)

                                                                                                                          お昼時ですが、風が吹き上がってきます。山頂から少し降り、斜面で風よけランチ。
(11:55)〜(12:15)

 下山する南尾根は、こぶやピークがあり、進行方向が変化します。

 テープを拾いつつ、ピークでは方向性・現在位置を確認。地形図にはPマークを付けてあります。造林公社の杭が、目印です。

 山頂から021、025、033、041、049、055、この063と続きます。ここで道は左へ曲折。
(12:35)


 そして次が、地形図の標高点712mピークです。周囲は、雑木林に代わりました。ここは右へ曲折します。
(12:45)

 杭は238、232、227と続き、やがて峠状の鞍部です。正面の広い尾根を登ります。
(13:00)

 尾根は、左に折れ、再び鞍部です。
(13:15)

 鞍部から南東に方向を変える尾根に登ります。するとねじりん棒の木。鞍部から標高を70m上げます。

 立ち木に黄色ペンキで「→」が付いています。ピークに上がり‥

降るといかにも「ここから尾根を外し下山せよ」との雰囲気が漂う場所に出ました。
この下降地点から植林の山腹を急降します。足場を慎重に決め、標高を下げました。
(13:35)


 右寄りに行くと杣道に乗り、下に谷が見えます。教科書では、「南尾根は山慣れた人向き」となってますがその通り。


 谷へ降りれば、枯れ沢沿いに道が続きやれやれです。この丸太橋は新しい。造林作業のものでしょうか。

 谷に堰堤があり、右から草を分けると車道に出ました。左が駐車地でミスはなく、初登山大成功です。
(14:15)

 この後、里へ車で10分走り、湖東三山百済寺へ寄り道しました。
百済寺は想像以上の規模です。600円受付で払い30分以上散策しました。
二つの寺門、池泉回遊式の庭園、長い石段、巨大な草履(TOP写真)、空中楼閣の本堂。
紅葉の名所で知られていますが、そのころに来てみたいですね。

帰り道、百済寺町の田園越しに堂々とした山容を見せる押立山を見ました。
写真中央の山頂から右へ下山しましたが、ピークが続くのがよくわかります。

「里山では鈴鹿有数の秀峰であるとともに滋賀県側では貴重な存在の山である」教科書より

 
東海岳行
  “耐痛2” 

 ひよこさんが昨年11月、転んで手首を骨折しました。外科に行くとお医者さんが折れた手を見て『くの字に曲がっているから戻します』と告げました。私も気が付きませんでしたが、確かに腕の形が不自然です。看護婦さんがひよこさんを押さえる。お医者さんが、力を込めて手を引っ張ります。

 『痛いけど我慢して、、、気分が悪くなるかもしれないよ』
 治療後、言われた通りひよこさんは『気持ち悪い』と横になりました。その日、ギブスをするのではなく、ポンポンになった患部にシップを貼り、腫れが引くのを待たなくてはいけません。

 二日後、外科に行くと石灰のギブスではなく、手首に特殊な包帯をします。包帯は、すぐカチカチに固まり、それがギブスになりました。進化しています。1ケ月後、まだ完全に骨はついていませんが、ギブスを丸刃の電動のこで1/3を切り離されました。



 その音がすごく大きかったのですが、よく腕を切らないものと感心。これでギブスの取り外しができお風呂に入れます。骨折してから8週間後、折れた個所に骨が付いたのでギブスを外し、包帯を巻きました。2か月近く固定された腕は筋肉が減り固くなっています。

 握力は1/4に減少、わずか5キロしかありません。少しづつ手や腕を動かし、自分でリハビリします。リハビリってきついと聞いていたのですが理由がわかりました。動かすと後で痛みや腫れが出ます。手首を固定した包帯を外すと開放感がありますが、支える筋肉がないので痛みを強く感じるようです。

 さらに1週間後、包帯はサポーターに変わりました。こうなるといろいろな動かし方ができます。どうも手を内側に曲げるのがきついようです。腕のひねりも厳しい。毎日、手を動かしていますが、そのあとで痛みが襲われます。最初はコーヒーカップも持てないくらいでした。



 最近はコーヒーの入ったカップを10秒くらい持てます。でもそのあとが痛い。リハビリは数か月は続きそうです。症状は一生モノではないでしょう。努力すれば時間はかかりますが、元に戻る。ひよこさんは日々リハビリに励んでいます。時々弱音を吐きますが、励ますだけです。

 私は家事代行はもちろんですが、カルシュームサプリや患部をあっためるカイロを買って応援しています。ひよこさんの骨折のことを以前、道草に出演した「名乗るほどの者じゃありません」(09/03)の彼に話しました。すると『そうだ、兄貴のことを思い出した』とそのエピソードを喋りだします。

 彼のお兄さんは、高校時代、野球部で猛練習していました。股関節の調子が悪くなり、父親に連れられて名古屋の接骨院に通います。スポーツ整体では評判の名医。ある日、施術が終わり、待合室にいると同じ学校で別の運動部にいる同級生が母親ときました。



 同級生は腕を骨折して近くの外科へ行き、骨折は治ったのですが関節がうまく動きません。外科は、骨折した状態でギブスをしたようです。骨はズレた状態でくっつき、腕を動かすと筋が当たるのでそれ以上動かせないのです。

 『この状態では普通に動かすのは無理です。直すにはもう一度同じ個所を骨折させて形を正常に整えなくてはいけません。おかあさん、私が責任を持ちますからよろしいですか』 待合室の父親が呼ばれ、接骨医にその子をしっかり押さえて欲しいと言われました。

 タオルでこぶを作り、同級生の口に加えさせます。医者が腕を決め『歯を食いしばれ、えい!』と力を入れました。グキッという音がして高校生は失神。その医者すごい。腕は無事治ったそうです。私は骨折の経験がないのでその痛みやリハビリの苦しみはわかりません。


 ただ、ヘルニアで入院したので体が正常でないときのつらさは理解できます。頑張れひよこさん!

2016.01.11(月)00:50