小島山 864m/岐阜県揖斐川町 |
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来週辺りから花山詣でが始まるのでしょうか。私も今年はどこにしようかと楽しく悩んでいます。その前に‥ 以前ピストンした小島山(オジマヤマ)を周回してみようと思いました。ここは中電の西部幹線の鉄塔が縦走しています。前夜、地形図に鉄塔b記入しました。 帰路情報がガイドブックには、チョコッとしか書いてありません。でも鉄塔がいい道案内です。もうアイゼンは不要ですが、残雪用にスパッツは必携。単独です。 教科書は、風媒社「こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃上」です。 |
駐車場周辺図 [−]:縮小 [+]:拡大 |
P ↓ 鉄塔L80〜L84 ↓ 小島山 ↓ 林道出合 ↓ 林道終点 ↓ 鉄塔R83〜R81 ↓ 谷道出合 ↓ 熊野神社 ↓ 日向滝 ↓ P ※緑線は林道、県道 ※色線は実測ではありません。 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
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さて揖斐川を辿れば、左に見える奥伊吹の国見岳には、まだ雪が残っています。 濃尾平野のふちに陣取る小島山は、昨日の雨で雪を溶かしたようです。 若干強い風も少し前なら震えたでしょうが、この温度なら汗飛ばしになりそう。 |
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県道32号線を西進し、滝バス停を通り過ぎました。ゆっくり700mほど走り、茶畑を登る道をUターン気味にハンドルを切ります。 |
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ヘアピンカーブを二つ曲がり、この擁壁の前に置車しました。上天気でグー。写真右が登山口で階段があります。 (9:25) |
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即、沢右岸へ移り竹藪突入でどうなることやら‥と思う間もなく植林の登山道に変わりました。 あとは中電鉄塔をひたすら数えます。 |
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最初の目標鉄塔はL80です。ここは、樹間に県道が望めます。すぐに次の目標の指示があり、L81と順番通りです。 (10:05) |
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そのL81を右手奥に見て、巡視路階段を登っていきます。ここを過ぎるとありがた屋の緩傾斜になりました。 地形図では、それが山頂まで続いているようです。ここでパンツ、シャツ、帽子など全品冬物で来たのが失敗だと気付きます。 |
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このL82迄でかなり汗をかきました。登山道脇にチラホラ残雪が見えます。いつしか尾根は気分のいい雑木林です。 (10:45) L83(11:05)→L84(11:20) |
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道脇に笹が出てくると展望の良い場所に出ます。頂上とその直下のL85が見える。東に遠くかすかに浮かぶは御岳かな? |
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驚いたことに山頂は一面雪です。東へ少し降ったL85でランチにしました。最近お握りのお供に半熟塩味ゆで卵にハマッています。 (11:35)〜(12:00) そこでお隣のムネ山方面の写真を撮りましたが、高圧線と鉄塔が邪魔でボツです。 |
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頂上から帰路の林道へ直接降りられるといいのですが‥ 道が無いので少しムネ山方向へ大回りしなければなりません。 20cm〜30cm深さの壺足が必要です。時々かいま見える林道は、雪雪雪雪雪雪‥ |
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やがて遠回りした尾根道は、林道と合流します。北へそのまま進めばムネ山ですが、今日は南方向へ歩いて帰りましょう。 (12:15) |
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すぐに林道は全面雪道。スパッツがやっと役に立ちました。カキ氷状でスッポン、スッポン歩くと汗が出ます。冬衣装だし‥ |
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林道途中、眺望に邪魔だった鉄塔と高圧線が消えました。 今だ強固な意志で冬衣装を離さない峻嶽の同定を試みましょう。 左奥:能郷白山、その右手前:小津権現山、その奥は不明、右:花房山、正解率は? |
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そんなこんなで林道終点に到着できました。一息つき、奥へ降りていきます。 (12:35) |
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3分ほどでY字分岐になりますが直進です。左も鉄塔巡視路でしょうか? |
すぐのT字分岐で黄色の鉄塔標識を確認します。R83に向うには右です。あとはわかりやすい道。 |
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そして尾根道は、とてもいい雰囲気で落ち葉のプロムナードです。 降りのせいか、往きの道より楽しくなりました。『♪ルン』 展望も霞んではいますが、揖斐川が平野に向かい田園風景を作っています。 |
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こんな高架道もあったりして、周回は大正解。帰りの道のほうが良く踏まれているような気がしました。 R82を右に見ると降り速度が早くなります。やがて池田山や県道が見えたらR81に着き、鉄塔めぐりは終わりです。 |
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どうやら今日は私占有の山でした。山道最後で沢を上ってきた林道に降ります。 (13:50) 10分ほど降ると「白樫城跡」の案内板。誘われて20分ほど右往左往しましたが、小さな石積みしか見つけられません。 あきらめてオレンジ色のゲートを右に回れば‥ |
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熊野神社です。1300年もの由緒ある滝不動明王と説明書にありました。社殿左奥から水音が轟いているので行ってみましょう。 (14:25) |
その日向滝はすぐにあります。高さ数十mで雪解け水を落とすのに忙しそう。最後に見所もあり得した気分。ここから県道へ降り、駐車地までは20分です。 P(14:55) |
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東海岳行 |
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“スキーを止めた理由” | ||
名古屋の実家の押入れには、一回しか使用していないスキー板とスキー靴があります。 学生最後の冬に私は始めてスキーをしました。民宿から氷結した湖をスケーティングしてスキー場に向かいます。何とそこはリフトはありません。登って滑るの繰り返しです。部活の学生が講師をするスキー学校で基礎の基礎だけ教えてもらいました。いわゆるボーゲンという両足が八の字形になる滑り方です。 その後、就職した私は会社の友人たちと毎冬、滑りまくります。スキーに夢中でした。このあたりのことは道草“眠るな!”(2006.8.26)をご覧ください。テクニックもボーゲンからパラレルとかクリスチャニアなど、少しづつ上達し楽しかった。でもお金は無く板と靴は、先輩の中古品を千円で譲ってもらったものです。 あるとき、夏でもスキーが出来る人工芝のスキー場へその道具を持って行きました。たいして滑降距離は無いのですが、それでも充分面白い。その冬、スキー場で『さあ』と板を踏み出そうとしても金輪際動きません。人工芝に塗られてたオイルが板の裏に付いたためです。スキー板はおしゃか。 その時は仕方が無いのでレンタルスキーで滑ります。シーズンが終わったとき、スキーショップの見切り処分で最新型セットを購入しました。靴は、自分の体温でぴったり足形に合うという優れもの。翌年のシーズンまで押入れに包装を解かず大事にしまっておきました。 そしてスキーシーズンが始まると当然のように友人たちは、私を迎えに来たのです。早朝、玄関で出かける準備をしているとひよこさんが10ケ月の娘を抱っこして見送りに来ました。そうです、そのとき私は結婚して初めての子供もいたのです。出かけようと立ち上がった私に娘は両手を伸ばす。私も『行ってくるね』と言って抱き上げる。 娘をひよこさんに返す。また両手を伸ばす。私がどこかへ行くことを感じているようです。ひよこさんが、その小さな手を握って一緒に振っています。『行ってらっしゃい、早く帰ってきてね』つぶらな瞳が少し寂しげで後ろ髪を引かれます。『バイバイ、早く帰ってくるからね』このとき、スキー仲間で結婚していたのは私だけです。 その日は御岳のスキー場でした。リフトから降り、初めて履くスキー板に緊張します。滑り出すとやはり今までとは違う。よく滑る。いやいや滑りすぎるくらいです。エッジのきかせ方を会得するまで時間がかかる。今までの中古板とは完全に異なる違和感。それでも2,3回スロープを滑れば身体に馴染んできます。 リフトに乗った友人が、愛嬌でストックを振っている。私も振り返す。‥不思議な違和感。それからスロープを何度も滑ったのですが、その違和感が増幅していくばかり。おかしい、スキーが楽しくない。あんなに夢中だったのに‥履き下ろしの新しい靴と板なのに‥気分が沈んでいく。 帰り、車中でみんなは楽しそうに今日のことを話している。でも私は彼らに言わなければなりません。 『ごめん、もうスキーは誘わないで欲しい』 『どうしたんだ?』 『スキーをしていても楽しくない。家を出るとき手を伸ばしていた娘が忘れられない』 まだ喋れないけど『抱っこして!』と訴えている。母親の愛だけでなく、父親の愛も欲しがっている。そう私を必要としている‥心がキュッとなる。抱っこの仕草をしたら、すぐ抱きしめてやりたい。産まれて来た娘と触れ合う時間をスキーでなくすことが惜しい。痛いほどの父性愛を抑え切れない。そしてその日を境に私はスキーを止めました。 今、実家で使われないスキー道具を見るとあの時のことが思い浮かびます。短い両腕を精一杯伸ばす幼子‥私はしっかり抱きしめる。小さなあどけない顔がニコッとする‥胸は、いとおしさで一杯になる。 それは私の宝物、時間のアルバムに大切に綴じて時々懐かしむ。 |