岳行ノート
入笠山 1955m/長野県富士見町

2008年7月26日(土)

高原の彩り・白樺ゆり 

★★★こんな夢のような景色が、家の窓から見えたら天国極楽パラダイス★★★
 -長野富士見高原 ゆりの里(諏訪南インターより)-

ご注意:園原インターからの富士見台高原ではありません。


 1枚の写真に心が動かされました。月めくりカレンダーの7月「長野富士見高原 ゆりの里」の写真です。白樺の間にゆりの花が彩り豊かに咲いています。

 地図で探すとそこは入笠山(ニュウガサ)と同じ町です。この山は、スズラン目当てに来年6月登る予定でした。入笠湿原は、9月末まで花が咲き乱れるそう。

 ならば納涼登山、湿原遊歩、白樺ゆり‥「元は取るぞツアー」とガソリン高に見合う岳行にしました。そんな折、タイミングよくお中元が届いたのです。


 ETC利用額が累計5万円になり、マイレージ特典(参考道草有り)で8000円分のサービス利用のお知らせメールです。これを使いましょう。

 節約のため伊那インターで降り、4時間ロングドライブ。マナスル山荘前駐車場に車を止めます。
駐車場周辺図
 [−]:縮小 [+]:拡大

  教科書は、山と渓谷社刊「新・分県登山ガイド/長野県の山」です。参考書として「富士見高原ゆりの里」のHPを見ました。

マナスル山荘前駐車場

入笠湿原
(周回)

駐車場

入笠山

首切清水

大阿原湿原
(周回)

駐車場

※色線は実測ではありません。

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」



2008年7月26日(土)江南発5時30分 30℃
            晴れ時々曇り、時々幸せ   
往路:1時間25分(入笠湿原周回、小休止含)
復路:2時間00分(大阿原湿原周回含)

 22℃の高原気温が嬉しい。『あれ、リュックがない』家に電話すると娘が『居間にある』『ハレホレ』

 お互いが車に積んだと思いこみ。公衆トイレ脇からチップ道を降りました。
(9:50)

 ひよこさんはポシェット、私はポカリを腰に下げます。車道と平行な道に、人見知りしない赤とんぼが飛ぶ。

 爽快な入笠湿原に着き、木道を時計回りに歩くことにしました。
(9:50)


 青空、緑の湿原、白樺がいいアクセントです。景色をリュックに詰めたいけどリュックは無い。足取りは軽い。

小顔のノハナショウブ。花々の写真を撮りながら20分かけのんびり一周しました。

@ウツボグサに赤とんぼ Aミヤマバイケイソウ(ぴよたさんに感謝7/29) Bチダケサシ(「可児からの山歩き」さんに感謝7/31) Cノハラアザミには何とかチョウ

 駐車場に戻ると3台のバスが停まり満杯。ランチを山頂から木陰に変更します。

 リアドアを上げ座ってオープンランチ。その後、朝早かったので車内でお昼寝。元気回復したら出発。
(10:45)〜(11:45)


 バスの団体さんと、すれ違います。10分で岩場道と岩場迂回コースの分岐です。


 岩場といってもステップがあり苦労しません。登山道は花々が数多く咲き良い道です。トンボもチョウも多い。

@ハクサンフウロ    Aヤナギラン     Bクガイソウ     Cカワラナデシコ

 1955m山頂、360度の大パノラマ! 山名案内には、南アルプス中央アルプス、雲がなければ富士山まで見えると自慢しています。西の山腹に入笠牧場のウシ君達が小さく見えました。
(12:15)

東へ転じると、こちらが一番高度感があります。里とは1100mの標高差です。
見事な眺望は八ケ岳連峰。


 往きと反対の南へ降り、大阿原湿原(オオアハラ)に向かいます。道標に首切清水と不気味な案内‥
(12:20)


 こちらは緑陰ウォークが楽しめます。腰にお茶をぶら下げただけで身軽で楽なはずですが、空気が薄い。


 良い雰囲気を楽しんだのは、わずか15分、仏平峠(ブツペイ゙)に到着。舗装された車道を右へ降ります。
(12:35)
 右手に首切清水の由緒札。

 「金奉行が江戸の藩主にお金を届けようと近道をしここで喉を潤そうと腹ばいになった時つけて来た盗賊に首を切られた」

 幼子は意味がわからない。何度も手や顔を洗い、喉を潤しています。


 広い駐車場が先に見えたので大阿原湿原とわかりました。案内表示を見て時計周りで周回します。
(12:50)

 最初の南側散策路はぬかるむので木道が多い。湿原は殆ど見えません。15分で小沢を渡り、右折。

 北側散策路に入りました。明るい湿原が広がります。

今日はこちらの湿原で殆ど花は、見当たりません。
広さは、入笠湿原より随分広い。湿原を横切る木道で出発点に戻ります。
湿原を渡る風で綿毛がそよいで飛んで行きました。この気の利いた花はサギスゲです。
(13:40)  ※(「可児からの山歩き」さんに感謝7/31)

 帰路の緩く登る林道がきつい。早出が、応えてきました。前の女子高生はハイトーンの笑い声。

 『君たちに酸素不足はないのか?』
(16:20)駐車場着:30℃
 アリナミンVで元気を化学的に取り戻し、富士見高原へ走ります。(長野県阿智村は富士見台高原) ゆりの里は、入笠山から1時間で着きました。その標高1200mよりも低く抑えた入場料は、1000円(二基のリフト乗り放題は+700円)です。

(←駐車場地図) 

 驚いたのは、ひよこさんよりも背が高いゆりがあることです。リフト下のゆりは、伸びすぎて足に当たるので花を切り落とされていました。500万輪が、7月中〜8月下まで美しさを競い合い、冬は富士見高原スキー場として営業します。

スキー場をゆりで埋め尽くすアイデアはすごい。ここはその先駆的な所だそうです。
本当に500万輪あるか数えてみなくては‥


東海岳行
  “生命保険金を受取る10の方法”
      

 『久しぶりに飯でも食べようや』と旧友のビル内装工務店の社長から電話がかかってきました。私の小・中学校の同級生で“道草/事件”を目撃した彼です。この言葉で誘うときは、何か話があるに決まっています。食事をしながら、今日は何かなと楽しみにしていると‥

 『うちにも枡添さんから年金特別便が届いた。そこで年金手帳を出そうと引出しからカバンを取り出した。要らない領収書や保証書を整理してたらこんなものが出てきた』と私に一枚の便箋を渡す。『君は知らないけど、そこに書かれた文字は、別れた嫁さんの字なんだ』

 彼は背も高くなかなか甘いマスクをしています。中学生のころから女子にはもてました。自営業なのに足し算引き算が苦手で、入ってくるお金より出ていくお金が多く、いつもピーピーしています。別れた理由を多くは語りませんが、多分そんなところでしょう。

 17年前に離婚し、10年前に周りが『これは犯罪だ』と言うほどの若い奥さんと再婚しました。ハンサムは、それだけで人生は勝ち勝負だ。そのメモを読みました。


<夫の生命保険金を早く受取る10の方法>
と表題があり、10項目が並んでいます。

1.タバコを一日40本以上吸わせる。(肺ガン、気管支に効果)
2.アルコールを多量に毎日飲ませる。迎え酒、ストレートで(肝臓に効果)
3.カフェインを多く取らせる。砂糖は2.3杯入れる。

4.コレステロールを含む食品を食べさせる。
5.味付けで塩・砂糖の調味料は多めにする。
6.食事は夜遅く食べさせ、朝食は食べさせない。

7.運動はさせない。5分以上は禁止。
8.ストレスやプレッシャーになる言葉をかける。
9.気分晴らしの趣味をさせない。ゴロ寝で充分。
10.いつも睡眠不足状態にさせておく。




 『どう思う? どうしてそんなメモ用紙を入れておいたのだろう?』
 『入れたのは離婚前だ。生命保険はかけていたのか?』

 『それなりには、かけていたけど‥』
 『前の奥さんが別れる時よほど君を憎んでいたんだ。一種のブラックジョークだと思ったら。あれから17年間生き抜いてたから大丈夫だ。今この項目をチェックしてみようか』

 彼が覗き込んで『コーヒーは飲むけど砂糖は入れてない。夜の食事は遅いけど朝は食べている。気分晴らしは、パチンコだ。う〜ん10点満点で8点だな』
 『結構高得点だな。私はと‥仕事でストレスを感じるし、睡眠不足がちなので2点だ』

 『え!?2点、それで人生楽しいのか?』
 『ああ、朝起きたとき、さあ山に行くぞ!という元気な自分が大好きだからな』

 『お主の価値観わからん??? できるなら太く長く生きたいなあ』
 『それならこのメモの内容と逆なことをすればいいじゃないか』

 『そうまでして長生きしたくない』
 『‥???』
2008.7.28/22:00