風越山 1535m/長野県飯田市 |
---|
2009年9月26日(土) 伊那谷の秋を彩るソバの花 |
|
|
駐車場周辺図 [−]:縮小 [+]:拡大 |
教科書は、しなのき書房刊「信州日帰りでゆく山歩き 中信・南信」です。参考書は「長野県山岳ガイド」にお世話になりました。 |
猿庫の泉P ↓ 今庫の泉 ↓ 展望台 ↓ 白山神社奥宮 ↓ ▲風越山 ↓ 岩穴(道迷い) ↓ 高鳥屋神社 ↓ 猿庫の泉P ※赤線はGPS軌跡 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江南:午前5時55分発 22℃ 曇り、時々肝を冷やすパ〜ン |
往路:2時間50分(小休止含) 復路:2時間10分 [歩行時間:5時間] |
駐車場には、名水を沢山の人が汲みに来ています。右はトイレです。 左の赤いテープの中に入るには「きのこ入山券」を買わなければなりません。 私たちは、キノコには目もくれず林道を登って行きます。 熊出没注意なので二人とも熊スズを付けましょう。 (8:40) |
|
その終点、広場奥に架かる小橋を渡って円悟沢(エンゴサワ)コースに入りました。 (8:50) |
|
道は終始、左岸沿いに延びはっきりしています。今日は蒸し暑く、シャツに乾いたところが無くなりました。 |
|
堰堤を過ぎ、木の「乙女の滝あと十分」の注意書手前で斜面に取付きます。登ると広い道に出て、横切ると‥ (9:25) |
|
東屋がある今庫の泉(イマクラノイズミ)に着き、ひと息。ちょうどペットボトルが1本空いたので名水を入れます。 (9:55) |
|
ヒノキ林の急登でさらにシャツを濡らしました。主尾根に出ると虚空蔵山への分岐があり、その先が展望台です。 眺望は、ご覧のようにはっきりしません。休憩中の地元の方達とお話しました。 (10:35) |
|
熊は以前、虚空蔵山の南面で見たそうです。そのコースには延命水やベニマンサク群生地があります。 そこは日当たりが悪くまだ紅葉していません。しかしこの展望台付近ではやるき十分です。 |
|
やがて「駐馬休み」の看板があり、立派な鳥居が建ちます。 昔、飯田のご領主が参拝に来た時、ここで乗馬を止めました。 しばらく行くと大岩で道が左右に分かれます。 (10:55) |
|
すぐ合流すると10mの大岩に南無妙法蓮華経と彫られた「駐馬厳碑」です。 |
岩を回り込むと一枚岩を彫った石段に驚かされます。上で鮮やかな朱色の隋神門を潜ると‥ |
国重要文化財の白山神社奥宮本殿。最近塗り替えられたようです。左から奥に進みます。 (11:10) |
|
一旦狭い鞍部に降りると眼の前には岩場。 深く、太く、強い木の根とロープに助けられれば、ひよこさんでも登られます。 |
|
そして緩やかなブナの道を歩けば、1535m山頂。二等三角点の広場からは、殆ど眺望はありません。 「かざこし山」が正しいのかな? ランチにしましょう。濡れたシャツが冷たく感じるようになりました。 (11:30)〜(12:10) |
|
シロシメジモドキ小蠅が止まっています。『ワシ、きのこ界では白い貴公子で売ってのにイメージ崩れるなあ』 (10/26)キノコ達人より:1本で命を奪われるドクツルタケです。 下山は南方向の広い道で降ります。道標に「句碑 岩穴→」しばらく行くと‥ |
|
確かに「秋風や狗賓の山に骨を埋む」と昭和34年に彫られた自然石がありました。そこから先は、岩に阻まれ怪しい。 しばらく探しましたが、ガーミンを見ると明らかに尾根が一本違います。20分のやれやれロスです。 |
|
山頂に戻り、西側の籔っぽい進入口に入りました。プレートはボロボロで「高」の字が逆さまになっています。 (12:30) 道はすぐ西から南に転回し、間もなく藪は無くなりました。 |
|
もう大丈夫。あとは尾根を辿って降ります。木に赤ペンキで「水」の場所を過ぎると涼しい風に会いました。 1160mピーク、高鳥屋神社の祠で長目の休憩を筋肉にプレゼント。 (13:25) |
|
そこから掘られた参道になり、周囲に太い赤松が立ち並びます。これなら銭の匂いがするキノコがありそうです。 ときどき下から「パーン」という猟銃の音が聞こえるので熊スズを出来るだけ大きく鳴らします。 |
|
点々と並ぶ三十三体の石仏、数字が減るのが喜びです。糞のような松ぼっくりが、転がり踏みつけるのも楽しみ。 |
|
樹間から少し里が望めました。下に道が見えたら水汲みで賑あう駐車場です。今日も寄り道しましょう。 (14:20) |
|
松川IC近くまで車を走らせました。果樹園を過ぎるとき「パーン」でびっくり。 猿を追い払うため空砲を鳴らしているようです。 JR飯田線伊那田島駅東の畑で、「中川赤そば花まつり」が開催されています。 曇りなのが残念ですが、1時間に2本の列車が通過するときがシャッターチャンス。 蕎麦の白花は知ってますが、赤花は初めて見ました。 帰宅してお土産の「赤花高嶺ルビーそば」を茹でると赤色でなく普通のそば色。 当たり前か‥ |
|
東海岳行 |
|
“泥の中” | |
子供のころ名古屋の実家の玄関前には、1m幅の用水が流れていました。家への出入りのため、用水に厚い板が渡されています。雨上がりの夕暮れ、兄弟3人で外で遊んでいたら母が夕食だと呼びました。5歳の末っ子が、はしゃいで道路からカーブしながら玄関へ走ります。 濡れた板に足がかかると滑って見事に身体が浮き、60cm下の用水へ落ちたのです。慌てて助けたのですが、しこたま汚水を飲み、ゲーゲービービー泣き叫んでいました。厄介な用水です。山崎川から取水され新興住宅地の縁を流れ、水深は10cm程です。 用水は住宅地の下水道としても利用されていました。昔は化学洗剤など無く、流れの先の田んぼには沢山の生き物が生息していました。メダカ、フナ、オタマジャクシ、ザリガニ、タニシなど。そんな水場は子供には、絶好の漁場だったのです。 春は田んぼに水が満たされ田植えが始まる。夏は騒々しいカエル劇場となり、秋には豊穣の海が波打つ。稲刈りが終われば殺風景な季節。凍てつく中、子供たちは霜柱を踏み、鬼ごっこで走り回る。私が高校生になると道路に大きな土管が埋めら、用水も田んぼもあの生き物も思い出の中。 岐阜に住む5歳の“ともだち”の家は、前に用水が流れ周囲は田園地帯です。最近、彼はママ(私の娘)と散歩中、ある発見をしてすぐパパに話します。『たんぼがひからび、みずたまりができてた。そこにオタマジャクシがいっぱいいる』 『よし、タモとバケツを持って出撃だ』 水溜りは、50cm四方のミニ湿地。パパが『タモで泥をすくってバケツに入れるんだ』と指示が出ます。彼はオタマジャクシを獲りたいのに泥取りでご機嫌斜め。『なんでドロなんかいれるの』と文句タラタラ。パパはバケツ一杯になった泥を持ち帰り、庭でホースから水を注ぎ綺麗にこしました。 泥が少なくなり、バケツの水をタモにザーっと流すと‥メダカ200匹、オタマジャクシ30匹、ドジョウ20匹、コブナ10匹、20cmの大物フナ1匹と驚くほどの大漁。予想外の出来事に彼は眼を輝かし『すごいね』と尊敬のまなざしでパパを見ました。 すんでの所で救出された生き物たちは、今は玩具のプールで泳いでいます。パパは子供のころ経験したミニ湿地のことを覚えていたのです。 この話を聞き、私も冒頭の話を思い出しました。でも泥の中に切羽詰まった生命が寄り集まっていることは知らなかった。素敵な伝承が出来たと思います。 |