岳行ノート

光城山・長峰山 912m・933m/長野県安曇野市

2011年4月29日(祝・金)


安曇野から光城山山頂へ駆け上がる桜回廊




 数年前から安曇野市は毎年のように訪れています。その際、手に入れた観光マップでこの光城山(ヒカルジョウヤマ)の写真を見ました。

 麓から山頂に駆け上がる桜道は魅力的で、登山意欲が湧きあがります。満開時期の山行を計画しても桜、休日、天候の三拍子が、揃うことは中々ありません。

 ようやく今年はワルツの三拍子が調子良さそうです。光城山の北隣、長峰山(ナガミネヤマ)があり、北アルプスを後ろにした安曇野(アズミノ)が一望できます。


 山は久し振りのひよこさんのため、軽登山二山周回コースにしました。


 教科書は、「信州松本登山ガイド光城山長峰山」です。
<駐車場>
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登山口駐車場


さくら池

中間地点

大桜

天平の森

長峰山

パラグライダー滑走場

下山口

長峰荘

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 ※赤線はGPS軌跡

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前5時50分発  8℃晴れ(事故渋滞1時間)
駐車場:午前10時10分着  13℃曇り時々晴れ
往:2時間05分(長峰山まで以下、小休止含)
復:1時間15分
◆所要時間:3時間20分
 長野自動車道豊科ICで下り、犀川の田沢橋を渡って19号線を左折。田沢北交差点を右折し、線路下を潜り、その先の信号を左折して走ります。

 案内看板先の85台無料駐車場は満車で付近の空き地に駐車しました。渋滞の1時間遅れがなければ‥
(10:15)
 大正時代初め、住民により麓から山頂まで約1500本のソメイヨシノが植えられます。お陰で誰もが歩いて見たくなる道が出来ました。

 登り時始めは、皆ニコニコしています。数分登ると「さくら池まで0.2km」の分岐標識がありました。いい名前なので寄り道しましょう。





 山腹を少し降ると斜面が花桃林。見頃がと同じ頃のようで、得した気持ちになります。さらに木橋を渡り左折し‥




 降ると桜花の形をしたさくら池です。すぐ下が無料駐車場だったので損した気持ちになります。桜並木へ戻りました。
(10:30)

並木の下は直登道ではなく、ジグザグ道になっていて傾斜を緩めます。
『桜がきれいだね』それどころではありません。小さな子供は、たちどころにギブしておんぶを要求。
お洒落靴の観光客、若い女性、おばあちゃんは、最初の笑顔が消え登り辛そうです。



 駐車場から歩けば20分で山頂中間地点。途中でいくつか分岐があり、左側を選べば少し斜度はありますが桜道です。

 麓は「いろはにほへと散りぬるお花」でしたが、中腹から上は花びらが充実してきました。九合目を過ぎると‥
(10:55)





 緩やかになり平坦な「観桜・展望ゾーン」の城跡。満開ドームにウキウキします。桜ってそういう気持ちにさせてくれますね。
(11:10)

雲は多いけど北アルプスはギリギリかかっていません。
ただ写真中央の常念岳2857mの頭だけを隠しています。
眺望案内板によると常念岳の右鞍部に槍ヶ岳3180mが見えるようです。

戦国時代、海野氏の配下、光大和がこの山頂に山城を築きました。
しかし、1553年武田信玄により滅ぼされます。

 そして史跡案内と山名標柱の山頂です。『え〜と三角点は?』と後ろを振り返れば‥

 南西方向に三等三角点がありました。
(11:20)



 山頂の古峯神社は火の守り神を祀り、ここは安曇野一帯への狼煙場と思われます。今日は神社の祭礼のようです。

 ちょうど神官が宴前のご挨拶をされています。皆は花より団子です。私たちは長峰山へ向かうため神社前を通り過ぎました。
(11:30)




 少し降ると常念岳2867m(左ピーク)の雲が一瞬取れ、神々しい三角錐。ラッキーショットです。




 山頂からの舗装道は、やがて林道に合流しました。光城山には、ここまで車で来ることができ、人出が多いわけです。
(11:35)




 約2km林道を歩きます。途中、車が停まりカメラマンがいるので行くと大桜を撮っていました。ちょっとしだれています。
(11:40)




 長峰山に近づくと複合施設の天平の森。天文台、展望風呂、食堂、オートキャンプ場などを備えています。トイレを借り‥
(12:00)

 更に進むみY字交差点を右へ行くとすぐ登山道です。木の階段を登るとそこは蝶の森です。
(12:10)

 8年前、薄暗かった森に手を入れ、木の間引き、草刈などします。すると沢山のが戻りました。妖精たちの訪れは、もう少し先のようです。




 勾配のきつい木の階段を登ると長峰山山頂二等三角点。シンボルの歴史の塔は明治百年を記念し、昭和46年完成です。

 50年後、2021年に塔下のタイムカプセルが開けられます。立派なの木製展望台(地上8m)は階段が危険で立入禁止でした。


山頂は展望台に登らなくても安曇野の田園風景と北アルプスを一望できるビューポイントです。
また、梓川・穂高川・高瀬川が合流して犀川となる所もバッチリ拝めます。
パラグライダーの滑走場は、思わず行ってみたくなり、ひよこさんも向かいました。

 水を張った水田が時折、鏡のように輝きのどかで‥空腹です。ランチにしましょう。
ベンチで振動を感じるのは、山頂下を長野自動車道明科トンネルが通じているからでしょうか。
(12:20)〜13:00)

昭和45年5月に作家の川端康成、井上靖、日本画家の東山魁夷がここを一同に訪れ
この地からの眺めを「残したい静けさ、美しさ」と絶賛しました。さもありなん。





 両山は6年前、山渓4月号で全国名低山シリーズに掲載され有名になりました。関東・北陸ナンバーも見たので全国区です。

 下山は、斜面左にある東屋あたりのテープから。山頂南西下で林道を横切って下山道へ入ります。
(13:05)

 そこから道は明瞭でよく整備され、歩きやすく降れました。スラリと伸びたアカマツ林は見事です。やがて里が見え、護岸の沢を渡ると‥



 安曇野市保養センターの長峰荘。土日も1泊2食7500円とさすが公共の宿です。ここを左へ回り込み、その先で左折します。
(13:40)

 そこからは南へ一直線、駐車地まで約2kmほど麓の舗装道を歩きました。
(14:15)


 車に乗り、JR明科駅近くで長峰山山頂への林道を2.7km上ります。すると道路下に二つ並んだまんまる池が珍百景。

 巨人「でーらぼっち」がどっこいしょと座った跡が水溜りになりました。その名も金玉池(注意:きんぎょくいけと読みます)


もう一度、光城山の桜坂を見たくなりました。
あのパンフの写真は、どこから撮ったのか?麓を走り探します。 犀川の光橋辺りで‥
『多分このあたりかな』 標高差400mの斜面を駆け上がる桜回廊はやはり見事です。



東海岳行
   “痛快先輩4” 

 先回の道草の続きです。正義感の強い先輩のお話です。(「痛快先輩」「痛快先輩2」「痛快先輩3」)その時は、社会人になってからの武勇伝でした。そのルーツを尋ねたところ、やはり10代のころからその芽は育っていたようです。


(1)中学時代
 地元である組合に所属する人がいて、その子供が同じ学年でした。その彼が先輩のいるB組の教室に入ってきて、机や椅子を荒らし出したのです。学級委員の先輩が『何してるんだ!』と咎めました。すると『お前、明日裏山へ来い』と喧嘩を売られます。それを聞いた同級生のいとこが『おれも行くよ』と先輩に耳打ちしました。

 翌日、裏山へ二人で行くと向こうは3人で待っています。いとこが彼に向い『学級委員は、お前と遠い親戚だ。知っとるけ!』と言うと態度ががらっ変わりました。それ以来、彼とは仲良くなったのですが、あるとき喧嘩の極意を教えてくれたそうです。それは『武器を持ち先制攻撃すること』でした。

 しかし彼は、長じてもその生き様は変わらず事件を起こし38歳で刑務所に入ります。2年後出所するとすぐ刺殺されてしまいました。『あまりいい話しじゃなかったな‥』



(2)高校時代
 先輩は進学校に入学しました。同級生に医者の息子のガリ勉君がいたのですが、ある日、人気の少ない通学路で他校の生徒に自転車を倒されたうえ足蹴ににされていたのです。たまたま先輩が通りかかり、乗っていた自分の自転車をわざと思いっきり倒し、そこへ駆けつけ大声で『何してるんだ!』と怒鳴りました。

 すると驚いた他校生は全員逃げて行ったそうです。その後ガリ勉君は大病院の院長になり、今でも同窓会では必ず隣に座り『高校時代は世話になったなあ』と先輩のために食べ物を取り皿に取ってくれるそうです。『助けてもらったことを忘れないなんて、いい話ですね』



(3)大学生時代
 先輩が言うには、喧嘩になりそうだと思った時は『眼光を光らせ一歩前に行く』そうすれば90%は逃げて行くそうです。それは腕に自信があるからなせる技だと思いますよね。突然、眼を丸くして『だけど‥一人だけそうじゃなかったやつがいた』

 それは大学生のとき、バス停で先輩が一人で立っていると小柄な若いやつが因縁をつけるためド〜ンとぶつかってきました。一番血気盛んで自信もある頃だからカチンときて『何するんだ』と思いっきり胸ぐらをつかんだ。若いやつは、ふところで袋に収めいた刃渡り20cmのやすりを研いだ凶器を抜き出し、のど元に突き付ける。

 驚いた先輩は後ずさりし、履いていた下駄を逃げるため両手に握つと相手はかかってくると思いびっくり顔。そんな気は毛頭なくしたが一目散で裸足で走る。追っかけて来たが何とか逃げ切った。別のバス停でバスに乗ったのですが、釣り輪を持つ手の震えが止まらなかったそうです。

 『あの時はたまげた〜』『引く時は、引いて良かったですね』次回に逢う約束をしてお開きとなりました。
 
11.05.05(木)14:35