2011年6月22日(水) 前鉢伏山より松本平・安曇野・北アルプスの展望 バックに左から穂高岳3190m、立木の右が槍ヶ岳3180m |
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岡谷IC北の高ボッチ高原へは高ボッチスカイラインを走って上がります。高ボッチ山1665mが最高峰。車道は北上し鉢伏高原まで行くことができます。 31年前、田中澄江氏はエッセイ集の「花の百名山」を発行。その後、山を選定し直し16年前の1995年に「新・花の百名山」を出版しました。 後者で鉢伏山(ハチブセヤマ)は、レンゲツツジが美しいことで紹介されています。花の山でも有名です。ところが辺りにいる鹿は、花を食べてしまいます。 ニッコウキスゲやマツムシソウなどは減少し、毒性のあるレンゲツツジは残り見事な群落があるのです。列島各地で真夏日、高原の涼風でお花見しましょう。 教科書は、信濃毎日新聞刊「信州高原トレッキングガイド」です。参考書として「塩尻市観光協会HP」で開花状況を確認しました。 |
<駐車場> [-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動 |
↓ 登山口 ↓ ▲高ボッチ山 ↓ ANT(アンテナ)/牧場 ↓ 自然保護センターP ↓ ひようたん池 ↓ 自然保護センターP ※赤線はGPS軌跡 ※黄丸は分岐 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前6時30分発 24℃曇り 駐車場:午前9時35分着 20℃晴れ |
周回所要時間:1時間25分(小休止含) |
長野自動車道岡谷ICで下り、国道20号線を経由し高ボッチスカイラインを走ると自然保護センター前の駐車場。 標高1643mの風に1枚着こみます。梅雨シーズンとは思えない冴え切った眺望。東の登山口へ向かいます。 (9:55) |
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スカイラインを横断して登山口。標識に「高ボッチ山頂へ400m」数字は距離です。高原なので標高差は22m。 わずかな距離で休憩舎を利用する人は、よほど疲れを持ち込んだ人でしょう。 |
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汗もかかずに登頂1665m! 三等三角点は、数十ものHPを確認しましたが、見た人はいません。ケルンの下? 山名柱の左に柔らかな円丘が見えます。それが本日第二山目の鉢伏山。 (10:05) |
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ところで、この地方の方言では小高い丘を「ボッチ」と言うそうです。 「高ボッチ」が不思議な名前だなあと思っても諏訪湖から見ればきっと納得するでしょう。 山頂の展望は四囲に素晴らしく、諏訪湖の左端上に富士山が‥ 残念ながら隠れています。南アルプスは薄く、中央奥が仙丈ヶ岳3033m。 模型グライダーが風切り音も爽やかに自由なラインを描いています。 |
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山肌を彩る低木のレンゲツツジは、有毒なので牛は食べません。だから牧場跡に群落があるわけです。 |
ウマノアシガタ(馬脚形)、花びらを上から見ると輪郭が「馬わらじ」に似ていて名前が付きました。 |
早くも下山開始。ふれあい広場へ降ります。ドコモのアンテナ施設を目指すと、その裏が高ボッチ牧場です。 牛君の向こうに我が国bRにして北アルプス最高峰奥穂高岳3190m。雲がかかっています。 (10:35) |
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一旦、自然保護センターへ戻り、テラスでポカリ休憩。駐車場の道標「ひょうたん池へ800m」から登山道へ。 (10:45) |
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ベニドウダン(紅灯台)もツツジ科なのでレンゲツツジと同じ時期に咲くのでしょう。 |
高原にはズミの木が多く、6月上旬に満開。今は花の木は少ししか残っていません。 |
林道に出ると池への道標があり、更に降ると左下に目的地が見えました。 ひょうたん池はくびれの部分に木橋(写真中央)。小さな丸の方は涸れていました。 大きいな丸の方には、元気なオタマジャクシが一杯です。 (11:00) |
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ほとりに咲くクリンソウ(九輪草)、スズメガ(雀蛾)が蜜を吸引しています。標高差110mの帰りは登り。 (11:20) 車に乗り、高ボッチスカイラインを北上。名前はいいけど1車線が多く、擦れ違いは慎重に。 ※昆虫名は鄙家さんからご教示頂きました。 |
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高ボッチP:午前11時35分発 鉢伏山P:午前11時45分着 晴れ |
周回所要時間:1時間10分(小休止含) |
鉢伏山荘前有料駐車場 ↓ 展望ピ−ク ↓ ▲鉢伏山三角点 ↓ 山頂展望台 ↓ ▲前鉢伏山 ↓ 鉢伏山荘前有料駐車場 ※赤線はGPS軌跡 ※黄丸は分岐 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
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高原道路を5km走ると鉢伏山荘が見えてきます。そこは有料駐車場で500円必要です。車中から景色を見てランチ。 (11:45)〜(12:05) |
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標高1850mから出発。遊歩道は幅広です。前鉢伏山との分岐を右折します。第一目標は写真左の展望ピーク。 |
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登ると東北方向に美ヶ原高原の眺望が素晴らしく、東西5km・南北8kmの広大さが実感できます。 左の崖上が王ヶ鼻2008m その右のANT群が王ヶ頭2034m、右端のピークが茶臼山2006m。 昨年8月末、写真中央向こう側の焼山沢を登り、茶臼山へ辿った思い出が蘇ります。 運の良いことに北アルプスの雲も取れてきました。 お天気に恵まれ展望が良く、ツツジそこそこ咲いて‥いや運はまだまだ続きます。 |
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遊歩道に戻り、なだらかな斜面を登りました。二等三角点山頂1929m。 鉢伏山の位置は長野県中央部。北への流れは日本海へ、南への流れは諏訪湖経由で太平洋に注ぐ中央分水嶺。 (12:25) |
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山頂横、鉢伏神社に権現様が祀られ、昔は雨乞いが行われました。 降ると頂上展望台。以前、一帯は放牧場だったため樹林がなく好展望です。ひよこさんが指さす東南方向を見ると‥ |
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諏訪湖のはずれに富士山3776m、ガッツポーズ!諏訪から甲府へ延びる細長い平地を通して見えるのです。 下の山肌、カラマツの立ち枯れが異常に多い。森林の減少による水不足が心配されます。それでは‥ |
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写真中央奥、この雪山は乗鞍岳3026mです。 ↓ 分岐まで戻り、次の前鉢伏山へ向かいましょう。正面の草丘を右から回り込み右奥へ行きます。 レンゲツツジの群落は、前鉢伏山の方が見事だそうです。それなら是非行かねばなりません。 |
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周りこむと‥確かに! 斜面全体に山腹道の上も下も朱橙色に染まっています。 青空に白い花を残したズミの木が、いいアクセントです。 |
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そして前鉢伏山三等三角点1836m。駐車場と同じくらいの標高です。山名板の右奥が30分前にいた鉢伏山山頂です。 写真左端、遠くに蓼科山2530m。ここではTOP写真のように松本平や北アルプスの眺望が楽しめます。 (13:00) |
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朱橙色の大形の花を多くつけたレンゲツツジの姿は怪しい魅力があり、オニツツジとも呼ばれます。 ツツジの海を泳いでいくと途中、カラマツが北西の風を受け流している様子に気付きました。 涼しさに花と大展望、富士山まで見られれば、ハッピー登山。遠くから来た甲斐があります。 (13:15) |
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東海岳行 |
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“クラークスの悲劇” | |
近郊低山をご一緒している野良人さんからお聞きした話です。或る日、名古屋の栄町で集いがありました。普段はカジュアルな服装ですが、かしこまった集まりなので久し振りにフォーマルな服を着て黒の革靴で行くことにしました。早目に家を出て電車に乗ります。 名鉄小牧線で栄駅へ着き、ホームに下りたとき左足に違和感を感じました。足元を見ると靴の底が剥がれかけています。土踏まずの辺りが、5cmほどパクッと口を開けている。『まいったなあ』階段へ向って歩き出すと右足も同じ個所がパクッとなりました。左右対称になった。 靴底を刺激しないように注意深くステップを踏んで上がります。ところが靴底は、そんな心くばりにお構いなし、剥がれはどんどん拡大。すべての階段を上がり終えた頃には足先、踵まで拡がってしまいました。靴を買わなくては。栄で靴を売っている所は? 『名古屋三越だ』 地下街をすり足で進み何とか店内のエスカレーターに乗ることができました。紳士靴売り場は5階です。エスカレーターを乗り換えるときは、スローモーションのように歩くので人眼が恥ずかしい。 すでにパクッ靴はベロンチョ靴に変化し、5階に辿り着いた時は、ニッチもサッチもトランペット。ボロボロ状態でとうとう一歩も足を出すことが出来ません。その場で立ちつくし、困り果てていると売り場にいた女性店員と目が合いました。 手でおいでおいでをすると急ぎ足で来てくれたので理由を話します。『わかりました。よくあることです。少々お待ち下さい』『よくあるの?』彼女は売場に戻って行き、スリッパを持って来ました。話では、革靴は履くか、履かない場合は時々陰干しのメンテナンスが必要と言います。 ブランド品でも靴底が劣化し、久し振りに履くと剥がれる事がよくあるようです。確かに剥がれた靴は、クラークスというちょっとしたブランド品ですが、野良人さん履いたのは5年ぶりでした。剥がれたことはショックでしたが、もっとショックだったのはデパートの革靴の高価格です。 並んでいるのは一流ブランド品ばかり、クレジットカードを持っていて良かった。しかし、新しい靴を手に入れたのは幸運です。そうでなければ靴底のない靴で、集いに出席しなければなりません。自分の足が靴底になるわけで、歩きにくいし、足の裏は痛いし、靴を脱ぐと足の裏は真っ黒だし‥ |