岳行ノート

御池岳・池巡り3/滋賀県東近江市

御池岳(丸山)1247m・奥の平1241m・鈴北岳1182m・鈴ヶ岳1130m

2012年4月29日(日)

『意外な場所にあるよ』 そのとおりだった「日本庭園の池」

御池岳の未訪の池4ヶ所の一つ。他の3か所「お花池」「草原池」「キハダの池」も探索しました。



 昨年12月に御池池守さんにお願いして御池岳で池巡りを2回しました。池は、ヌタ場化したもの、涸れたものも含め30ヶ所です。前2回で24ヶ所訪れました。

 残り6ヶ所中5ヶ所を巡ります。(伝承の御手洗池は場所不明)独りで探すのは心もとなく、低山派の野良人さんと山友お2人に同行をお願いしました。

 未訪の池は、近藤郁夫著「御池岳 霧物語」掲載地図で位置はほぼわかります。GPSガーミンにポイントを入れました。広大な台地を4人で手分けして探索。


 今回御池岳が、初めての方も見えますので前半は見所をつなぎ、後半に池探しのプランです。連休中日で空いている名神高速道路へ。

 教科書は、西内正弘著・中日新聞社刊「鈴鹿の山 万能ハイキング」です。参考書は「御池池守のブログ」さんにお世話になりました。
<駐車地>
[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動
 関ヶ原ICで下り、国道365号線で20km南進、黄金大橋南交差点から右折して国道306号線を上ります。10分走ると‥ 


国道306号線駐車地→幻池→▲御池岳▲奥の平まゆみ池幸助の池風池丸池
草原池
お花池元池→▲鈴北岳▲鈴ヶ岳→▲鈴北岳キハダの池→駐車地 

TOP写真「日本庭園の池」への場所・ルートは省略しています。(道草を参照下さい)

 ※赤線はGPS軌跡  ※赤●は池  はヌタ場  ※●は主な分岐

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前7時00分発  晴れ/16℃
駐車場:午前8時10分着  晴れ時々曇り/16℃
往:2時間45分(天狗鼻まで以下、小休止含)
還:3時間35分 
◆所要時間:6時間20分ヒルはいません)

 コグルミ谷下の駐車地は、休日で既に満車。上のスペースに置車しました。山は朝霧で覆われています。国道を300m降れば‥(8:20)

 コグルミ谷登山口です。生まれたての緑を枝一杯に付け、木が揺れると山が笑う。右岸.左岸と渡りを繰り返し、高度を上げます。


 涸れ谷は、石灰岩が流れているよう。『すごい光景だ』同行の博士は立ち止まり、ビデオ撮影をされます。

 長命水を過ぎると「御池岳」の著者、近藤郁夫教授の魂が眠るこの近藤岩。ここから谷を離れ、山腹を急登すれば‥(9:05)

 6合目でカタクリ峠。気温が上がり霧が晴れました。出発して1時間が経ち小休止を取ります。『お〜咲いてる、咲いてる』 (9:20)
春を告げるスプリング・エフェメラルカタクリが、あちこちで花びらを反転させています。
片葉に鹿の子模様が、はっきり現れるので「片葉鹿の子」→「カタカゴ」→「カタクり」万歳!
稜線に乗ったら右折して県境を歩ます。

スプリング・エフェメラルド訳は春の儚い命で春の妖精と呼びます。春先に花が咲き夏まで葉を
付けると後は地下で過ごす草花です。代表的な花は、一輪草、二輪草、福寿草、節分草、片栗。


    
ニリンソウ(左)、ヒトリシズカ(中左)、キクザキイチゲ(中右)、ヤマネコノメソウ(右) 

 幻の池。5ヶ月ぶりの再会です。カエルの卵が一杯。県境を外し、西へ降りると‥
(9:50)

 T字分岐に出合い御池岳を目指します。周囲は、若いコバイケイソウに満ちています。
(9:55)


 御池岳(丸山)山頂。『三角点が無いなあ』 鈴鹿最高峰ですがありません。並びの藤原岳にもありません。
(10:25) 

 樹林を抜け、東南方向に見える奥の平ピークを目指します。

 大草原は、視界も良く歩きやすい。到着したら南へ降り‥
(10:40)

 直線距離で約300m、5分降るとまゆみ池。西へ方向を変え‥ (10:47)

 4分で幸助の池とも再会できました。崖沿いを西へ行けば‥ (10:53)

ボタンブチです。『迫力あるな』鈴鹿の展望を満喫。
ここはお食事処、登山者が来て賑やかになりました。
北西お隣の崖地、天狗鼻が空いていて静かそうです。
(11:00)
『天狗の鼻より亀の頭に見えるぞ』
それはまずい。亀の甲羅へ向います。天狗のおでこか。


 天狗鼻を上から見るとサイの角に似ている。ランチが済んだら崖縁を北西に辿ります。
(11:05)〜(11:40)

 3分歩くと風のない風池。苔岩群を過ぎて風池から13分で‥(11:45)

 丸池。ここまでは、昨年12月に訪問したので順調です。以後は3連続未訪の池。(12:00)

丸池から進むと周囲の見通しが良くなり、鈴北岳の人影も見えます。
大木の横、未訪の草原の池かと思いきや位置が違います。
『直径7m径かな』 卵塊が浮かび、親蛙が顔(左写真)を覗かせる。
(12:05)

ヤマヒキガエル? 干上がらず新池となれば嬉しいのですが‥
目的の草原の池は、北へ100m行き周辺を手分けして探します。
特徴は、草原で特異な地形、大きさ7m×5mでヌタ場になった池です。

 この窪地が草原の池でしょうか。残雪の奥がヌタ場です。『ほら、穴があいてるぞ』 なら水は溜まりません。
(12:15)次、未訪の日本庭園の池は道草に掲載

 池探し途中ですが一旦、崖に向い西のボタンブチへ行きます。手前の木に古い木札がぶら下がっていました。
(12:25)


 5分北西へ歩くと、初めてお顔を見たお花池。直径12mと大きく「お花と幸助夫婦」伝説に因んだ名です。
(12:30)

10分で昔行われた雨乞信仰の中心的な元池へ着きました。御池岳最大で直径18m。
小休止を取ります。水分を500ml3本用意しましたが、残り2回分の水しかありません。
(12:40)
 ひと登りで鈴北岳鈴ヶ岳が舌先を覗かせてます。野良人さん『行く?』と尋ねました。(12:55)

 休憩のご夫婦が『鈴ヶ岳は福寿草が咲き往復1時間』と私達をあおる。

 『歩き出し5,6分で右へ方向を変える所がポイント』と教えて頂きました。高度差があり、結構ハード。

 アドバイスのお陰で道迷いなしで辿り、鈴ヶ岳初登頂。『フクジュソウは?』 (13:20)

 東斜面に群落発見。『より取り見取り、五月みどり』 戻りは降り90m、登り150m。


 鈴北岳に戻ります。(13:50)、北東へ県境稜線を降ればタテ谷分岐。「初心者要注意」の案内標から右へ。
(14:00)

 長い雪渓。『すごい。300mはあるでしょう』博士が、ビデオをパンしながら、解説を入れています。

 タテ谷分岐から、17分で左尾根が低くなってきました。尾根へトラバースし、広い尾根に乗ったら皆で池を探し‥

 2段のヌタ場発見。上の段でキハダの池と思われます。池巡りは終了。斜面を降ってタテ谷へ戻り下山しました。
(14:20)

 急斜面を降りるとコグルミ谷出合。(15:00) 国道が見えたら登山口。(15:10) 駐車地で気温は、25℃と夏日を表示していました。(15:15)


東海岳行
   “ひとつくらい自分で”  


 御池岳の「池巡り」は、4回しています。2005年5月、2011年12月に2回、そして今回です。7年前の2005年は、ガイドブックを見ながら探しましたが、10ヶ所中5ヶ所しか発見できませんでした。池探しをして感じたことは、見つけた池が正解かどうかがわからないということです。

 一つの要因ですが、真の池以外は名札が無く判断に困りました。御池岳は池がいくつもあり、その総数、位置をネットを調べて見たのですが中々わかりません。当時はGPSを持っていなく、ガイドブックや地形図が頼りでした。「池地図」があれば、池巡りがしやすいはずです。

 関西ハイク山友会の御池池守さんが、御池岳の池を詳細に知っておられることが分かりました。そこで池巡りのご案内をお願いしたのです。お陰で殆ど見ることが出来、位置をGPSに記録できました。(池ものがかり)しかし、「日本庭園の池」「お花池」「草原池」「キハダの池」が未訪です。



 最新の池地図を作るには、これらを確認しなければなりません。近藤郁夫著「御池岳 霧物語」に掲載された地図の一部を模写したのが左図です。

 「お花池」「草原池」が記され行けるでしょう。「キハダの池」は、タテ谷の北にある支尾根に印がありました。「日本庭園の池」は載りません。

 左図では日本庭園というエリアの文字だけです。御池池守さんに尋ねると『ひとつくらい自分で探すのもいいじゃない、意外な場所にあるよ』 自分で「日本庭園の池」を探さなくてはいけません。謎解きは面白い、楽しくなってきました。



 池地図が、画竜点リを欠いてはいけません。「日本庭園の池」を見つけましょう。場所を絞りたいのですがヒントはあります。

(1)その名前からして日本庭園と呼ぶエリアにあるでしょう。
(2)2010年末の御池池守のブログでは、お花池(左上)-日本庭園の池(?)-ウリハダカエデの池(右下)のルートで歩かれています。
(3)大きさは10mで丸池に似ていて、意外な場所にある。


 これだけヒントがあれば何とかなります。4人で手分けして探しTOP写真の池を撮影できました。意外な場所とは、見つけて意味が分かり『そういうことか』とうなづけます。御池池守さんの考えを尊重し、私も地図上にルートとマークはつけませんので興味がある方はヒントを参考に探索下さい。


「草原池」を西から見下ろす

2段のヌタ場:左上「キハダの池」、右下ヌタ場

 「お花池」は、ネットに画像がいくつもあるため同定できました。「草原池」は、水が満ちている頃の画像はありましたが、ヌタ場になった現在の画像は見つけられなく、御池池守さんに確認してもらわなければなりません。「キハダの池」の同定は、全くできませんでした。

 注釈にタテ谷にあり、横にキハダの大木がある。直径10m、春はオタマジャクシ、秋はヌタ場。(最近はヌタ場と化し、下に新しい池ができたよう)」 探すと2段のヌタ場がり、その上段としました。池巡りを終わり、ご一緒した野良人さんが『池探しって面白いなあ』と言われます。

 御池岳は笹枯れで見通しが良く、歩きやすく池巡りのチャンス。水が満ちているものは、現在18個所あります。池巡りしたお陰で御池岳のテーブルランドを周回できました。オリエンテーリングをしている気分です。登山道沿いにある池は少なく、探すうちに道迷いになる可能性があります。



 興味を持たれた方は、地形図を読める上級者か、GPSを使える方と一緒に池巡りを楽しんでください。池は涸れたり、涸れていたものが再び池になったり、ドリーネが池になったりと変化が著しい。状況が変わったり、新池を見つけられた時は、お知らせいただけると嬉しいです。

2012.05.06(日)17:35