43 “ペーパークラフト

 行かない夏、来ない秋。9月になっても連日、厳しい暑さが続きます。ある朝、起きたら突然まわりが秋のシーンに変わっていた‥その日が来ること、そのとき身体や心がどんな反応をするのか楽しみです。さて今週末は登山をお休みしました。いつものように大道草を作りましたのでよろしかったらご覧ください。



 先週の道草でカンノン社のプリンター専用ホームページのことを記しました。その「活用ガイド」から「クリエイティブパーク」をクリックするとプリンターで素材を印刷しペーパークラフトができるページが現れました。あれこれ見ていると作りたくなります。最初から複雑なものは出来ないのでシンプルなものを探しました。

 すると「アート」にある「シャドーボックス」がよさそうです。それは絵や写真で同じものを何枚か切り抜き、重ねて張ることで立体的に見せるというものです。やってみましょう。選んだのは、北斎の「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」です。用紙は電器屋で売っているA4のマットフォトペーパーを使用します。

 まずダウンロードして作品用に1枚、組立説明書を2枚(これは普通紙)を印刷しました。一人では陰気なので二人でご陽気に作ります。カッター、ものさし、つまようじ、木工ボンド(速乾)を用意し、ひよこさんが切り役、私が糊付役です。作る前はわくわくしますが、いざ始めると中々手ごわいところもあります。

          

 簡単だと思った額が難しかったり‥上写真が頑張った初作品です。外形が22cm×16cmと小さな物ですが二人がかりで3時間を費やしました。見れば立体的に見えますが、写真だと分かりにくく、右は少し斜めから撮って拡大したものです。これで要領はつかめました。次は「ペーパークラフト」をクリックします。

 コンテンツが「動物・建物・乗り物‥」といくつもありました。そこから「科学」を選ぶと作品写真があり、恐竜がいくつか載っています。立体的なので難度が高そうです。末娘が休日だったので私が切り役、彼女が糊付役で作りましょう。作品用に4枚、組立説明書を4枚プリントするのガッツリしたものです。

 身体を立体的に張り合わせる箇所が困難な作業でしたが、4時間近くで作り上げました。小型肉食恐竜バンビラプトルは全長25cmほどの大きさです。上手く作れば二足で立つのですが、コテンと寂しく倒れるので紙粘土で台座に立たせました。二作品とも出来上がると達成感があり部屋に飾ります。



 ある日、長女が鈴乃助と遊びに来ました。道草によく出る私の最年少“ともだち(5歳)”です。彼は今、恐竜にハマっていて、いくつも樹脂製のソフト人形を持っています。

 目ざとく私達の作った恐竜を見つけます。『自分たちで作ったんだぞ。でも紙だよ』『触ってもいい?』『いいよ』しばらく鈴乃助に恐竜の特徴など話してやりました。

 すると彼はママのところに行き『あれ、欲しい』と小声で言っています。私は彼の恐竜好きを知っていたのでペーパークラフトを作るときこれを選びました。



 完成物の玩具と比較すれば手作り紙製はへなちょこです。興味を持つか分かりませんでしたが、良かったようです。ママが『じいじに欲しいと言ってごらん。きっとくれるよ』 私のところへ戻ってきて『これ欲しいな〜』と、か細い声で言うので『いいよ、大事に飼ってね』と返事すると青空の笑顔。

 後日、娘から聞くと鈴乃助がその紙製恐竜と毎日遊ぶので尻尾が千切れかかり、テープで手術したとのこと。作ったものが喜ばれるのはとても嬉しいことです。さて私の子供時代ですが、「少年」という月刊誌付録の紙細工が大好きで幻燈機、日光写真機、ロボットなどを必死で作りました。

 中学生になると鉱石ラジオを作り、それが発展して高校生では真空管アンプ、スピーカーなどオーディオ作りに夢中になります。やがて音楽に取り付かれた学生時代は曲作りに取り付かれ、結婚すると子作りに励みました。そして現在は、楽しんでホームページを作っています。



 こうして見ると何かを作ることは、私の性に合っているようです。さて初夏の頃、いきつけのアピタの本屋でいい本を見つけました。「りったい新恐竜館」です。ペーパークラフトですが、昔の月刊誌付録のように紙にミシン目があり、パーツをツメの入れ込みで固定するため糊付が少しで済むのがいい。

 夏休みに遊びに来た鈴乃助にこの本を見せると表紙の恐竜の絵はわかりますが、ページにはパーツが印刷されているので良く分からないよう。そこで二人で一体作ってみることにしました。彼には糊付役を任せ『糊を付けた所を挟んで20数えるんだぞ』と重要な役割です。

 そうしてスピノサウルスができました。小さなロンギスクアマは自分で作らせたものです。『よくできました。この本はプレゼント!』と言うと虹の笑顔。後で娘に聞くと帰りの車中で『これ作って、あれ作って』と言うので「一日一個」と約束させたそうです。するとママの寝起き一番に本を開き『これ作って』と言う。
                    

 結果が出るころ鈴乃助の家に遊びに行きました。『見せて』と言うとプラボックスを持ってきてテーブルに開けました。自慢げな顔で気持ちが丸出し。大きいものはママ、小さなものは彼が作ったそうです。20体の紙製恐竜で毎日遊んでいるようで、面白いことに樹脂製恐竜とは種族が違うようで混同して遊ぶことはしません。

 その時、私は彼に4連式輪ゴム銃とタマのアニマル輪ゴムを持って行きました。紙なので撃てば倒れるのでジャラシック・パークごっこができます。今年の夏は鈴乃助は、きっとご機嫌な日々を送ったことでしょう。初孫は得です。


2010.09.06(月)01.:55