2010年9月11日(土) 木曽義仲公の宿り木 (上小曽部萱野森林公園の白滝近くにあるカツラの木)) |
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昨年購入した「東海・北陸の200秀山」は、手持ちのガイドブックでは、新しいけどあまり見てないことに気付きました。一般的なものより大版で、上下巻に別れています。 表紙が殆ど同じでどっちらに何が載っているか分かりにくいことが難点です。でも折角揃えた意味がないので久し振りに開くと「からたちの峰」がありました。 島倉千代子「♪からたち日記」と勘違いします。確認すると位置は鉢盛山2446mから東に降りる尾根上です。平成の大合併前は、塩尻市で最高峰ということ。 所要時間も実力の範囲ですが、ネットの情報が少なく、行ってみたとこ勝負になります。 教科書は、中日新聞社刊「東海・北陸の200秀山」です。参考書は「日帰り登山に行こうぜ!」さんにお世話になりました。 |
<駐車地> [-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動 |
駐車地 ↓ 林道出合 (林道) ↓ 登山口 ↓ 新池 ↓ 1691mピーク ↓ 展望地 ↓ ▲からたきの峰 ↓ 登山口 (林道) ↓ 駐車地 ※赤線はGPS軌跡 ※青線は地道林道 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前5時分25発 晴れ 25℃ 白滝入口:9時00分 駐車地:午前9時20分着 22℃ |
往:2時間45分(以下、小休止含) 復:2時間20分 ◆所要時間:5時間05分 |
長野道の塩尻インターで下り、安曇野まで伸びるサラダ街道を右に左に折れ折れで走ります。カーナビが大活躍です。 小曽部(コソブ)川沿いを南進。道が細くなっても思ったより奥まで民家があります。稲刈りが始まりました。 |
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民家が無くなり「上小曽部萱野森林公園」の施設が現れ、入口の案内図で確認。かつらの巨木の少し先に‥ |
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白滝入口があるのでスペースに駐車しました。3分ほど遊歩道を歩くとからたきの峰を水源とする‥ (9:00) |
2段の白滝。落差は約13mで向こう岸に渡れば、滝壺まで行けそうです。ここは自重してマイナスイオンだけ頂き戻ります。さらに車を進ませ‥ |
右に林道ゲートを見送るとその先にスペースがあり置車しました。写真右斜面にある黄色の89、巡視路案内から登ります。 (9:30) この雑木林の急登尾根は、林道の小登カットで15分で‥ |
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ゲートから遠回りして上ってきた林道に出ました。登山口へは、出合を左折して林道を歩きます。 下山の時は、ここから巡視路を降りず、この林道で降りましょう。 (9:45) |
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中々登山口が現れないので心配になります。結局、林道終点まで歩き、その広場で道標を見つけひと安心です。 新しい道標には「新池・から滝の峯 登山道」と記されています。 (10:05) |
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カラマツの間を縫う登山道。周りは笹の海ですが、道ははっきりしています。 池の手前で犬連れの地元の方に出合いました。お話では、50年前この斜面はカヤで埋め尽くされ、 屋根を葺くとき刈りに来たそうです。地名の萱野(カヤノ)がその名残とのこと。 カヤの需要が消えた時、カラマツを植えたのですが林床はチシマザサに占められました。 |
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広い窪地に出ると新池です。干上がって湿地のようですが、枯れた水芭蕉がありました。一周することができます。 小さな祠が祀られ、写真左奥にはダケカンバの巨木。鳥居の上に尾根が見え‥ (10:40) |
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そこに登ると登山口と同じ新しい道標が立っていました。幅広に笹が刈られ、フカフカの足触りで明るい尾根を歩きます。 2年前の9月塩尻市と自然保護ボランティア共催の市民登山が開催されました。その時に登山道が整備されたのでしょうか。 |
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右側がときどき開け、美ヶ原がバックの塩尻市街や八ヶ岳が眺望できました。この天気なら山頂の展望が期待できます。 |
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坂を見上げ2つの道標が見えたら1691mピーク曲折点に到着。右道標は「至 古池→」ですが、道は見当たりません。 木の香りがするくらいの道標なので、そちらにも道が切り開かれるのでしょうか。 (11:10) |
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平坦で広々した尾根道を南西に辿ります。4m以上の幅も所もあり、最近笹刈りされたようです。 やがて広葉樹との混合林になるとシラビソやダケカンバの巨木が立ち並ぶ原生林。 二つの道標を過ぎ、登り道が西にカーブすると笹を刈って確保した展望地が2箇所あります。 |
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南を望むと中央アルプス。左ピークが経ヶ岳2296m、右奥ピークは木曽駒ヶ岳2956mです。 木曽駒は夢が叶い1ヶ月前に登りました。ここで出会えて嬉しい。さあ最後の急登が少々‥ |
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息を切らすと優雅に飛ぶ蝶。私がじっとしていると眼の前で止まりました。鮮やかなツマグロヒョウモンのオスです。 羽ばたくや否や、さ〜っと一陣の風に蝶は巻き上げられそれより不明。そして‥ |
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二等三角点山頂到着。周囲は伐採され眺望は最高です。日陰の大広場はランチに最適。ここはチョウセンマツが群生しています。 (12:15)〜(13:00) |
一角に石塚があります。左が「駒嶽神社」中央は「御嶽」裏に「文久元年」の彫字です。江戸時代1861年、150年前の建立となります。時は移る、それもいい。 |
さて素晴らしい眺望を楽しみましょう。 北東の展望をズームインすると美ヶ原の平坦な山頂部。 左端は王ケ鼻2008mの崖、少し右に王ケ頭2034mのアンテナ群がはっきり見えます。 右端濃い色の茶臼山2006mは、2週間前に登ったばかりです。おっとその左後ろに薄い山影‥ 途中の展望では高度が足りず見えませんでしたが、3週間前に登った浅間山2568mです。 今日は、この夏の思い出を尋ねる山旅になりました。 美ヶ原から右へ眼を移すと、東の展望に八ケ岳連山が勢ぞろいしてます。 左端の蓼科山2530mから右へ八ケ岳の名峰‥天狗だけ、硫黄だけ、ここにいるのは僕だけ。 最高峰の赤岳2899mへと続き、横一列の豪華なシルエットです。 中央やや左の街並みに諏訪湖ですが、カメラの分解能力が限界で見分けがつきません。 |
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さらに右へ眼をやれば、南東に南アルプス。 左の鋭鋒が甲斐駒ヶ岳2966m、北沢峠へ降り 右のピークが仙丈ケ岳3033mです。 山頂の北西に切り開きがあり、北アルプス方面が見えるはずですが‥ 残念、ここは空雲の峰で一部の眺望のみです。御岳山3063m→ |
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下山すると、展望地で2組の登山者とすれ違いました。 1691mピーク(13:50) 新池では池の周りを一周(14:10) 登山口(14:40) 林道出合からは、巡視路で降りず林道を歩きます。意外に大廻りで10分で済むところが20分もかかりました。 ゲート向こうに愛車が見えます。『終了』 (15:20) |
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車で降りるとすぐ公園の林間広場。カーブで停めると樹間にからたきの峰が、僅かに覗けます。展望地辺りでしょうか。 ひよこさんにメールを送信しますが圏外です。このことで悲劇の事件が降りかかるのですが、それは道草で‥ ※第二の悲劇:「道草:四日後に発見」も併せてごらんください。登山歴10年、初めての経験です。 |
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東海岳行 |
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“落葉の物語” | |
人は時として思ってもみないことが身に降りかかることがあります。良いことならともかく不幸なことの場合、哀し過ぎて心に深い傷を追うことになるかもしれません。 今朝、家を出る前ひよこさんに山に到着した時と帰る時にメールを打つ約束をしました。森林公園でケイタイを見ると圏外です。展望の良い山頂でも圏外でした。帰りはきっちっと送らなくては。塩尻市街に入って『19時20分頃帰着します』と打ち、送信ボタンを押して車を走らせます。 塩尻インターに入る前で確認すると「未送達」になってます。『何てこったい!』そこで長野道に入ってすぐみどり湖パーキングエリアに車を停めました。もう一度同じものを再送信すると圏外表示『それはないでしょ』 少し時間をおきましょう。ちょうどお腹が空いたので売店で五平餅を買います。南アルプスの展望所まで食べ歩きしました。焼き立てでミソタレがぽたぽた落ちます。受け皿を持つ左手にも串を持つ右手にも『やいやい』 食べ終わって車に戻り、運転席に座りティッシュで拭きました。ねちゃっり気が残っているので手洗いに行こうとドアを閉め。ラバーマットに枯葉が2片見えました。山での出入りのときスリッパに付いていたのかと思いつまみ取ります。 捨てると右指に小さな泥が付いてしまいました。手を振れば落ちます。マットにも泥が溝に残っていますが、まあ仕方ありません。ドアを閉めようとしたん鼻に蘇る強烈な異臭。『モギャ〜』リトマス試験紙が変わるように一瞬で私はブルーになりました。 この臭いは忘れません「大道草8:オランダ゙のイタリア人と犬」と同じ犬のもの。『指に付いた、マットにも付いた、スリッパの裏にも〜』五平餅を食べながら歩いた時に踏んだのに違いありません。『すべての恥辱を洗い落とさなくては』マットを持ってトイレに入るとオストメイト対応トイレが開いていました。 水を流すくらいではマットやスリッパの溝のものは取れません。トイレ内のごみ箱に伸びるストローが捨てられていました。先がスコップ状なのでよさそうです。格闘すること10分近く。スリッパはビチョビチョです。 ペーパーで水を拭き取り車に戻ります。『やれやれ、おっと忘れてた』メールを送信しました。圏外です。『ソフトバンクは全国的に回線不通か!』エアコンをつけて走り出すとモア〜と残り香が鼻を曲げる。しみ込んだ臭いは窓を全開にして投げ出さなくては‥。 何かに当たりたいけどぶつけられない怒りがこみ上げてくる、ついスピードが上がる。『クール、クール、落ち着け』そうだ歌を歌おう。「♪ピュアピュア・リップス」「♪チュルリラ、チュルリラ」聖子ちゃんでは駄目だ。キーは少し高いけどチャゲ・アスの「♪ヤーヤーヤー」で発散します。 恵那山トンネルを抜け岐阜のサービスエリアで車を停めメールを送信。圏外。一度電源を切り、再度オンするとアンテナが立ちました。連絡が遅いので通話します。『帰りは19時40分頃かな』『ずいぶん遅くなったね』『車で事件があってね』『事故?凹んだの』『それは大丈夫。帰ったら話すよ』『気をつけて』 帰宅して話が済むと娘家族が家にやってきました。『はい、八ケ岳のお土産』といって烏骨鶏の卵をくれます。『来週遊びに来るね』鈴乃助(5歳)もバイバイ。すぐ電話が入り長男家族が来週遊びに来ると言っています。そうかケーローの日なんだ。『これでマイナス2プラス2、プラマイゼロの一日だ』 |