大 ３４ “最後のメッセージ” |
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7月5日(日）ヒデさんは、豊田市と土岐市に位置する三国山701mに単独で登ることにしました。登山口は、山頂より南にあるめぐみの森です。1時間半ほどで登られるのでW登山をしようと思い、2番目をめぐみの森から25ｋｍ離れた多治見市の高社山417mにします。 ヒデさんは、ブログをやられているので写真を撮りながら登頂しました。曇り空の山頂から下山し、次の高社山へ車で向かいます。途中、車を後続車に邪魔にならない路肩に寄せました。  ヒデさんと私は、昨春にメールをいただいたのがきっかけでご一緒に山行するようになったのです。最初は昨年8月の大日ケ岳（岐阜）でした。あいにく曇り空で終始ガスった登山道を歩きます。 下山してから登山口のゆり園に入り、二人でベンチに腰掛けソフトクリームを食べました。ヒデさんが『ここ中々いい所だから家族を連れて来ようかな』とつぶやく。 2回目は、それから3ケ月後の11月倶留尊山（三重/奈良）へ登ります。この時もついてないことに時々小雨模様の天気でした。ところが周回の最後に山にかかっていた雲と霧が飛び、一面のススキ原が眼下に現われ、それは感動しました。ヒデさんは、初めて見たその光景におもわず『次は家族と来たいな』  翌12月に鈴鹿の三子山をお約束したのですが、天候と休日がマッチしなく私の単独となります。そして3回目は今春の5月、ヒデさんのお家前で待ち合わせ明神山（愛知）へ向かいました。二人とも未踏コースです。天気はまたまた曇り。誰が曇り男かいなと口にします。コースは、ちょっとアドベンチャーでしたが無事周回できました。最後の休憩を河原でとり、長い時間お喋りしました。 ヒデさんが言うには、登りは得意だけど降りが苦手とのこと。身長は中背ですが、足が大きく登山靴は29ｃｍ。そのため靴のデザインが気に入ってもそのサイズがないとぼやいていました。  これで愛三岐とご一緒したので次回の山行は、滋賀か長野にしようと私は内心考えたものです。帰りの車中、ヒデさんは2年前から始めたブログのカウントが、中々上がってこなくてもう止めようかと思っていると話されました。この東海岳行も同じように最初は苦労しました。 そういった経験談や岳行ノートを作る時の気持ちなどを伝えます。ヒデさんはお子さんのキー坊とよく登られますが、それは私には絶対真似できないことです。『そういった自分にしかない特徴や個性をもっと前面に出されたら楽しいブログになりますよ』アドバイスがお役に立ったのかどうか分かりません。 その後少しづつカウントが上がってきたそうでブログが面白くなってきたと聞きました。やる気になって良かった。  ヒデさんがＷ登山を計画し三国山に登山した翌日、７月6日（月）私は朝早くから名古屋に出かけていました。9時半にケイタイが鳴り、開けるとヒデさんからです。4回目の登山は、まだ具体化してないので何かなと電話に出ると『山たまごさんですか』と女性の声『はい、そうです』 ケイタイはヒデさんの奥様でした。『昨日、主人は三国山へ登り次の高社山へ行く途中、路肩で休憩しそのまま亡くなりました。趣味の登山のお友達ということで山たまごさんに電話させていただきました。お時間がございましたら葬儀にご参列いただけないでしょうか』 私は驚き、たいへんな衝撃を受けました。信じられません。私よりまだまだ若い。2ケ月前、明神山で元気に私の前を登る姿が目に浮かんできます。奥さまに参列をお伝えし夕方、斎場へ着くとご親族の方、勤め先の方、ご近所の方と大きな式場に多数の人が見えました。 お通夜が終わり、初めてお目にかかる奥様とキー坊にご挨拶し、お悔やみを申し上げます。少しお話しを伺ったのですが、当日は勿論、身体の変調などはなかったとのことでした。現在ヒデさんのブログ「名古屋近郊の低山ハイキング」には、三国山の山行写真と奥さまの御挨拶が表されています。 私も単独登山をしますのでヒデさんが奥さまに残されたメッセージを心に刻みました。皆様方が、ブログを見られ御家族の方にお伝えしたいことがございましたらブログに直接書込みをせず、お手数ですがこの「山たまごの東海岳行」に書込みかメールをお願いします。 私が奥様にケイタイメールさせていただきます。(奥様はパソコンが不得手と仰られ、私がご依頼をお受けしました）ブログは8月末に削除される予定です。※2010年2月4日ブログの削除を確認しました。 登山が一緒にできて良かったです。楽しい思い出をありがとうヒデさん。  奥さまにご了解を得て御挨拶と三国山の山行写真の一部を掲載させていただきました。 名古屋近郊の低山ハイキング 最後のメッセージ 2009.7.31  このブログをみていただいている皆様初めまして、ブログの作成者ヒデの妻でマサコと申します。皆様にお伝えしなくてはいけない事があり書き込むことにしました。 主人は７月５日いつものように一人で豊田市の三国山と多治見市の高社山に登山に行くと出かけたのですが、三国山を下山後、多治見市に移動して高社山に行く途中（推定）車の中で亡くなりました。 車は危くない所に停めてあり、シートベルトをしたままだったらしいです。 登山に出かける時は必ず紙に行き先を書いてもらい帰宅時間もいつも連絡してきてくれる人だったので、捜索願いを出してからすぐにみつけていただけました。  このブログをご覧になっている皆様お一人で出かけられる時は必ず御家族の方に行き先をお伝え下さい。 帰宅時間もできれば帰り道でお伝え下さい。 そして主人の分までこれからも登山を楽しんでください。この記録は本にして残し、私とキー坊の宝物にしたいと思っています。 このメッセージに関してコメントをいただけるのであれば山たまごさんのH.P「山たまごの東海岳行」に書き込みお願いいたします。 このブログは８月末をもちまして閉鎖させていただきます。最後に皆様にこのブログを見ていただき主人の代わりにお礼申し上げます。ありがとうございました。 |
